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2015年度 群馬県公立高校入試【国語】解説

ここの記述は形式に慣れていないとキツイ・・。

大問1(説明文)

(1)漢字読み
①遮り さえぎ(り) ②顧客 こきゃく
③透けて す(けて) ④対極 たいきょく
*遮るが難しいかな?

(2)言葉が軽くなり、相手に与える自身の印象も軽くなってしまう。(29字)
*問題文は記述式だが、ほぼ抜き出し問題。
直後に理由が述べてある。「A。同時に、B。」の構造なので、
AとBを一文にまとめる。どんどん、などの修飾語句をけずって30字以内におさめる。

(3)解答例:言葉を繰り返すと、言葉に感情を乗せなくてすむから。
*言葉を繰り返すと疲れない理由を問う。次の段落で「ところが、言葉に感情を乗せないと、疲れない」とあるから、ここを書く。公式解答では、「ところが」の前にある、「ごめんなさい」と一言でいうと疲れる理由を逆手にとって利用している。

(4)イ
*本文の流れを読み取ると、感情の”ため”をつくることで、言葉と感情を一致させる必要がある。→玉三郎さんの言葉&実演→最終段落で感情の”ため”を作り、思いを一言で表現する心がけるべき。
構成でいえば、主張→例示→主張。
例示の前後には、筆者のいいたいところがきやすい。

(5)公式解答参照
*難しい。
一見、自由作文のように思えるが、自分の意見ではなく筆者の考えに基づかなければならない。
さらに、引用が要求されているので本文から離れることもできない。他県より厳しい条件下で、自己の体験をあわせて意見も述べなければならないので構想を練るのが厄介。
問われているのは「感情と言葉の一体化」についてなので、「感情の”ため”をつくる」「言葉と感情を合致」などを引用し、軽々しく言葉を繰り返さない、言葉に感情を乗せる、心のこもった言葉を大切にしたい、思いをこめた言葉で相手に伝えたい、と結論付ければ良いと思う。
体験は、言葉を通じたコミュニケーションの失敗例か成功例でいいんじゃないかな。

大問2(物語文)

(1)解答例:自分が彫っているものは本当に仏なのかという疑いを払おうと、必死になっている思い。(40字)
*やや書きにくい。傍線Aの前をみると、『ただの材木なのか、仏なのか』という疑問がわき、清三郎の心の中で両方の声がもつれあう。そして、「仏だ、仏だ」と何度も念じた。
つまり、清三郎は自分が彫っているものが材木なのか仏なのか、ふと疑問に抱き、その疑いを払拭(ふっしょく)させるために、「(これは)仏だ、仏だ」と自分に言い聞かせて、自分を安心させようと何度も念じるように心の中でつぶやいた。
”迷い”や”疑い”といった直接的なワードが文中にでてこないが、自力で頭から作り出す。
解答例では、何度もつぶやく行為から、”必死”という心理的描写を書いてみた。
いざ書いてみると字数制限が意外と厳しいので、解答パターンは限られると思う。表現の工夫も必要。どのような思いかを問いているので、文末は「~思い。」で結ぶ。

(2)ウ
*紛らわしい選択肢。清三郎が無心に仏を彫り続け、できあがっていく観音菩薩に誤った点がないかチェックするシーン。
イウエで迷うと思う。「目を光らす」は注意して見張ること。”ウの”注意して見る”が最も適切。
”一通り見渡す”は全体像を見る見方となりエは×。本文のニュアンスは端々の細部をじっくりとみる見方である。
イの”じっと見つめる”がややこしい。確かに、じっと見つめるシーンではあるが、より完成に近い観音菩薩に仕立て上げるために誤りがないかをチェックする場面なので、単に見つめるより、注意深く観察する方が能動的なニュアンスをもつ。

(3)イ
*がむしゃらに無心で彫り続け、ようやく仏が完成する。完全燃焼しているようにもみえるが、「やっとの思いで彫りました。」と満足げな気持ちがうかがえる。
ここでいう”ぼう然”は、清三郎は何が起こったのかわからずボーとしている様子。
その内容は、傍線Cの直後に書かれてある。

(4)解答例:はじめ、清三郎は細部への彫りや全体の仕上がりといった外形に気をつかいながら彫っていたが、仏師としての心構えを悟ると、木の中の十一面観音菩薩に導かれながら無心で彫り続けた。
*難。清三郎の心の動きに着目しながら、ⅠとⅡの清三郎の変化を論述する。字数制限がなく、文章全体から読み取らなくてはならないので要約も含み、記述問題としてレベルは高い。
解答の流れとしては、Ⅰの清三郎の様子→Ⅱの清三郎の様子。
その間に、清三郎の心境(仏師としてのあるべき姿)に触れる。
Ⅰの清三郎の様子は、今まで通りの彫り方。すなわち、Ⅰの後ろの彫り方を書けばよい。
心境の変化は、「仏を彫るには、まず、わが身に仏を宿さねばならない。それには、仏の心をわが心となす」「仏の心とはなにか」「仏の心とは考えではない、なすことだ」そして、清三郎は何も考えないようになる。無心で彫り続けるうちに、「木の中の十一面観音菩薩がのみに手をさしのべ、導いてくれるのだ」と続く。問われているのはⅠとⅡの清三郎の変化なので、心境の変化は軽く触れる程度で良いと思う。具体的な流れを書くと字数が増え、また、下手に「仏の心と一致して彫る」など、誤った認識で書いてしまうとと減点される。
Ⅱの清三郎の様子は、「のみが木に吸い込まれていく」から、さきほどの観音菩薩に導かれる という表現が書きやすい。
様々な解答パターンが予測されるので、採点基準は学校によるが、必ずしも公式解答だけが正解ではない。


大問3(古文)

(1)ねがいて
*お決まりの現代仮名遣い変換問題。先頭以外のハ行は、わ・い・う・え・おに変換。

(2)なるべし
*夢の中にあらわれた神のセリフの場所を問う。「汝~~”と”」がヒント。
その後の「正しき告げ」は”確かなお告げ”なので、お告げはこれより前であるとわかる。

(3)解答例:お告げ通りに摩利支天を祀れば裕福な生活が送れるかもしれなかったのに、自分が朝廷に仕える身分であることを踏まえ、欲にまみれずに清らかさを保った花山院右大臣は素晴らしい人間だと考える。
*字数制限のない自由記述問題。ヒントは、前文「朝に仕ふる身は、清きを願ひて貧しきを厭わず」。
訳すと、「朝廷に仕える身分としては、清らかであることを願って貧しいことをいやと思わない」。
どのような考えにするかは自由だが、登場人物の発言や言動に配慮する必要がある。

大問4(漢文)

漢文が独立した大問として登場。
(1)ウ
1句が7文字で構成されているので七言。
絶句は4句、律詩は7句の漢詩。

(2)公式解答参照
*書き下し文をみて、読む順番を記入。312の順番。

(3)エ
*漢詩の理解を問う。難しい。しかも、選択肢がどれも紛らわしい。
書き下し文と注釈をみて、細部に注意しながら読解する。
1句目は、「独りで江楼に上る」とある。
2句目は、建物の上から見えた自然の描写。
3句目は、「ともに来て月を楽しんだ人はどこにいるのだろうか」
「ここの”ぞ”は反語」。直訳すると”どこにいるのだろうか、いやいない”。
4句目は、風景は去年と同じであるという。
つまり、3句目の「人」とは、去年この建物に一緒に上って月を楽しんだ人。
亡くなってしまった大切な人。その人はもういないが、風景は不変である。
故人の死をしのび、独りになってしまった作者の孤独感が強調されている。

大問5(要点の把握)

(1)①認める  ②構える  ③家路  ④負担
*②③の正答率がやや低いか。送り仮名を間違えるとブー。

(2)解答例:公式解答参照
*選挙管理委員が選挙当日、クラスの人と立候補者へ”立会演説会の前”に伝える物事を2ヶ所探す。
・明日の五時間目に、体育館で立会演説会を行うこと。
・配布された資料は立会演説会で使用するので持参すること。
・立会演説会では、候補者はステージ上の席に座ること。
・クラスの列には並ばないようにすること。
↑これらを2文にまとめるので、1文目&2文名、3文目&4文目とまとめればおしまい。
途中にある、立会演説会のあとの話や、投票の際の注意事項、選挙管理委員会の行動については無視する。問われていることに対してきちんと答える姿勢が大事!
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