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次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。
ただし、数値を答える場合は四捨五入して整数で答えること。
氷を加熱していくと液体の水に変わります。
逆に液体の水を冷やしていくとやはり氷に変わります。
また、液体のアルコールを冷やしていくと、水と同様に固体になりますが、固体になる温度は異なります。
液体のときと固体のときの体積はそれぞれ温度により変化せず、
液体から固体または固体から液体への変化にともない体積が変化するものとします。
さらに、液体の水1cm3の重さは1g、液体のアルコール1cm3の重さは0.9gです。
固体になると水は10%体積が増え、アルコールは20%体積が減るものとします。
(1)
100gの氷の体積は何cm3ですか。
(2)
100cm3の液体の水に100gの固体のアルコールを入れると全体の体積は何cm3になりますか。
ただし、水は液体のまま、アルコールは固体のままであるとし、
完全にアルコールの固体は液体の水の中にあるものとする。
(3)
100cm3の液体の水に100cm3の固体のアルコールを入れると、
液体の水と固体のアルコールを合わせた重さは何gになりますか。
(4)
100cm3の液体の水に(3)と同じ重さの液体のアルコールを入れると、
この液体全体の1cm3あたりの重さは0.98gでした。
このとき、液体全体の体積は何cm3ですか。
(5)
液体の水と液体のアルコールが合わせて200gあります。
これを別々にこおらせた後の体積の合計は液体のときと変わりませんでした。
液体の水の体積は何cm3ですか。
@解説@
(1)110cm3
液体1cm3あたりの質量(重さ)は与えられているが、
固体1cm3あたりの質量がないので先に求めておく。
水:1cm3あたり1g
氷の体積は10%増。1cm3×110%=1.1cm3
状態変化では質量が変化しないので、氷1.1cm3で1g
氷1cm3あたりの質量は、1g×1/1.1=10/11g
エタノール(液体):1cm3あたり0.9g
固体の体積は20%減。1cm3×80%=0.8cm3
固体エタノール1cm3あたりの質量は、0.9×1/0.8=9/8g
氷1cm3で10/11gなので、
氷100gの体積は、1cm3×100g / 10/11g=110cm3
(2)189cm3
水は100cm3
固体エタノール100gの体積は、1cm3×100g/9/8g=88.88…cm3
100+88.88…=188.88…≒189cm3
(3)213g
液体の水100cm3→100g
固体のアルコール100cm3→9/8g×100=900/8=112.5g
100+112.5=212.5≒213g
(4)217cm3
小学生は解けるのかしら?(;’∀’)
水100cm3に、213g分のアルコールの体積を求めて足せば終わり…ではない!
水1リットルと液体のアルコール1リットルを混ぜると2リットル未満になる。
米と大豆の例がわかりやすい。
米1合と大豆1合を混ぜると、大豆は粒が大きいのでスキマも大きく、
そのスキマに小さな米粒が進入するので、全体では2合の体積より少なくなる。
アルコール分子は大きく、そのスキマに小さい水分子が入り込み、
水とアルコールそれぞれの体積を単純に足したときより体積は少なくなる。
そこで、質量を経由して体積を求める。
水100cm3→100g
液体アルコール→前問より112.5g
100g+112.5g=212.5g
溶液全体では1cm3あたり0.98gなので、
212.5×1/0.98=216.8…≒217cm3
(5)138cm3
水とエタノール(液体)を凍らせると、
水の体積は10%増、エタノールの体積は20%減となる。
凍らせても体積が変わらなかったということは、
水10%=液エタノール20%が等しくなり、水と液体エタの体積比は2:1となる。
液体での1cm3あたりの質量比は、水:液エタ=1:0.9=10:9
先ほどの体積比と掛け合わせると、各々の質量比は、
水:液エタ=(2×10):(1×9)=20:9
この合計が200gなので、水の質量は、200×20/29=137.9…≒138g
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