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2021年度 成蹊中学過去問【理科】大問3解説

 成蹊中学高等学校の中には成蹊気象観測所があり、毎朝9時に気象観測を行っています。その観測項目の中には1963年に正式に観測を開始した視程(してい)観測があり、現在は7つの遠方の目標物(富士山、東京タワー、秩父連邦、筑波山、新宿高層ビル群、高井戸清掃工場煙突、東京スカイツリー)が見えるか見えないかを、毎日実際に目で見て確認しています。視程観測の結果の中から、毎年4月に観測した富士山と東京タワーの可視日数(見えた日数)の変化を図7に示しました。4月の富士山の可視日数の変化をみると、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震により生じた東日本大震災の影響が現れたと想定される変化が認められます。一方、2020年4月には新型コロナウイルスの感染者数が最初のピークを迎え、可視日数の観測値に2011年と同様の影響が現れるかが注目されました。

(1)
図7に示した観測期間の最初の10年間と、最後の10年間を比較すると、
東京タワーの10年間の可視日数の平均値はおよそ何倍に増えましたか。
最もふさわしいものを選びなさい。
ア:2倍、イ:5倍、ウ:10倍、エ:25倍、オ:50倍

(2)
観測を開始した1963年から現在までの間に、
東京タワーと富士山の可視日数が増えた最も大きな理由を答えなさい。

(3)
下線部について、問題文中にある「東日本大震災の影響」は、
図7のグラフの中でどのように現れているか、説明しなさい

(4)
2020年4月の可視日数は、富士山が13日、東京タワーが26日でした。
これらの値のみから判断して、新型コロナウイルスの流行による、
4月の可視日数への影響についての説明として最もふさわしいものを選びなさい。

ア:影響が認められる
イ:影響が認められない
ウ:どちらともいえない

(5)
2020年に起きた新型コロナウイルスの流行による可視日数への影響について、
図7のみから考えると、前問(4)で考えた結果となります。
しかし、それが本当か確かめるには、それ以外の情報も調べて総合的に判断する必要があります。
その内容としてふさわしくないものを選びなさい。

ア:秩父連邦や筑波山など、他の目標物の可視日数の変化を調べる。
イ:成蹊気象観測所以外に視程観測を行っているところを探し、
 そこでの可視日数の変化を調べる。
ウ:可視日数の変化と関係がありそうな他の観測項目を調べ、
 5月から7月にも同じような変化が起きていないかを確かめる。
エ:コンピューターを用いて可視日数を再現し、
 条件を変えると可視日数が変化するかを調べる。
オ:緊急事態宣言が出された日とその前後の視程観測の結果と、
 新型コロナウイルスの新規感染者数の変化を調べる。


@解説@
(1)イ

1960年代は5日ほど、2010年代は25日弱で約5倍。

(2)大気汚染への対策が進み、空気が清らかになったから。
*社会科の知識が求められる。
東京から富士山の景観をさえぎるものは何か。
富士山を見えなくするほどの巨大な建物や山はないので、
視界を邪魔するものといえば、天候の不順か淀(よど)んだ空気である。

60年代といえば高度経済成長期
東京の都市化が進み、都市問題(環境問題)が俎上(そじょう)にのるようになる。
四大公害病が発生し、1967年に現在の環境基本法の前身にあたる公害対策基本法が制定される。
翌年、大気汚染防止法制定。
1974年には同法に総量規制(汚染物質の濃度ではなく量で規制)が導入される。

グラフでは70年代後半から近くにある東京タワーの可視日数が増えており、
富士山も長期的に見えるようになっている。
…東京の空気がこれほど汚れていたとは、こういうことからもわかるんですね(´°ω°`;)

(3)前年と比べて東京タワーと富士山の可視日数が大幅に増えている。
*2010年と比較すると、東京タワーは16日⇒26日、富士山は8日⇒18日と顕著に増加している。

なぜ、こんなに増えたのか・・?
大気中の汚染物質が減ったということは、人間の経済活動が停止したからだと思われる。
津波被害のない都内でも発電所停止の影響から計画停電が実施され、工場の稼働率が低下した。
また、ガソリンスタンドの前には連日長蛇の列ができるほどの石油不足に陥り、
日常的に車を利用する人が自転車や徒歩での買出しを余儀なくされた。
震災から1ヶ月後に空気が澄み渡るほどの影響を及ぼしたのかもしれない。

大雑把な推移をみると平均値も上がっている。
大気汚染対策がこれほどまで効果を出しているのだろうか?

東京都環境局に有害大気汚染物質モニタリング調査の結果が公表されています。
東京の空気、だいぶ綺麗になってました( Д ) ゚ ゚

(4)イ
2020年は2019年と同じ。
正直どちらともいえないと思うのだが、『値のみから判断して』と念押しがあるので、
グラフからは「影響はない」と作問者は判断して欲しいのだと思う。
本当にそうなのか?と次の問題へバトンタッチする。

(5)エ?
知りたいのは、『新型コロナウイルスの流行による可視日数への影響』。
ア:異なる方位と距離にある他の目標物についても、とりあえず調べてみる。〇
イ:本当に影響がなかったのか、他の観測所のデータと照合する。〇
ウ:考えられる他の原因についても調査し、長いスパンで変化がないか分析してみる。〇
エ:『コンピューターを用いて可視日数を再現』の意味がわからなかった。×
 どんなふうに再現して、何の条件を変えるのだろうか?(´・д・`)
オ:コロナと視程観測に何かしらの影響があるとすれば、緊急事態宣言の発令で人々が活動を自粛をしたことで空気がきれいになったと考えられる。グラフは4月の可視日数の合計だが、宣言発令の前後の可視日数を日割りで調べてみる。緊急事態宣言と『新型コロナウイルスの流行』を関連付けるために、新規感染者数の変化もあわせて調べる。〇

自信がないので、ご意見のある方は下のコメント欄かお問い合わせより教えてくださいませ。

@@
このような記事を見つけました。
大気環境がロックダウンで改善、世界の84%(CNN)
大気汚染の実態を監視するスイス企業、IQエアが世界106カ国の都市について、有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度などを調べた。その結果、調査対象のうち65%の都市、84%の国で大気環境の改善がみられた。報告書は、各地で一斉に緊急行動を取ることにより、大気環境の改善は可能だということが示されたと指摘している。

人類をパニックに陥れたウイルスですが、自然には良い影響もあったようです。
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2021年度 豊島岡女子学園中学2回目過去問【理科】大問2解説

 何種類かの物質が混ざっているとき、その中の特定の物質が全体に対してどの程度の量を占めているのかを考えます。
 全体の重さに対する、着目した物質の重さの割合を百分率で表したものを「質量パーセント濃度」といいます。質量パーセント濃度は、次のように計算し、単位は「%」で表します。

 何種類かの気体が混ざっている混合気体の中のある気体に着目して、その割合を表すときには、「体積パーセント濃度」を用いることもあります。
 体積パーセント濃度とは、混合する前の気体の合計の体積に対する、混合前の着目した気体の体積の割合を百分率で表したもので、次のようにして計算し、単位は「%」で表します。ただし、気体の体積は同じ条件で測定したものを用います。

 たとえば、窒素4Lと酸素1Lを混合してできた混合気体があるとき、窒素の体積パーセント濃度は80%となります。

(1)
50gの水に食塩水を溶かして、質量パーセント濃度が20%の食塩水を作るためには、
食塩を何g溶かせばよいですか。四捨五入して小数第1位まで答えなさい

(2)
水素と酸素を体積パーセント濃度がそれぞれ50%になるように混合します。
気体の酸素の重さは、同じ体積の気体の水素の重さの16倍です。
このときの、酸素の質量パーセント濃度は何%ですか。四捨五入して小数第1位まで答えなさい

(3)
(2)の条件で水素を燃焼させると水素の全てと酸素の半分が反応して水18gだけができました。
残っている酸素は何gですか。四捨五入して整数で答えなさい

 

 窒素と酸素からなる混合気体①が125mLあります。
次の手順で混合気体①に含まれる窒素や酸素の量を調べました。

【手順1】
 混合気体①に炭素を入れて燃やしたあとに残った気体は125mLでした。この気体は窒素と酸素と二酸化炭素からなる混合気体であり、この気体を混合気体②とします。このとき、炭素はすべてなくなり、反応した酸素の体積とできた二酸化炭素の体積は同じでした。

【手順2】
 続いて混合気体②を石灰水に通し、石灰水を白くにごらせる気体のみをすべて取り除きました。その後、残った気体を集めると、気体の体積は80mLになりました。この気体を混合気体③とします。ただし、混合気体③には水蒸気は含まれていないものとします。

【手順3】
 さらに続けて混合気体③の中でマグネシウムを入れて燃やすと、酸素は完全に反応し、酸化マグネシウムという固体になりました。残った気体の体積は65mLでした。ただし、窒素とマグネシウムは反応しないもとします。

(4)
混合気体①の酸素の体積パーセント濃度は何%ですか。四捨五入して整数で答えなさい

(5)
混合気体②の酸素の体積パーセント濃度は何%ですか。四捨五入して整数で答えなさい


(1)
食塩水の20%が食塩なので、水は80%
50g×20/80=12.5g

(2)
水素の重さを①とすると、酸素の重さは⑯。
それぞれの体積は50%ずつで等しいので、質量の比も水素:酸素=①:⑯
全体は⑰だから、酸素の質量パーセント濃度は、
16÷17×100=94.11≒94.1%

(3)
質量比で水素①と酸素⑧が結びつき、水18gができた。
⑨=18g
残っている酸素の質量は⑧だから、
18×8/9=16g

(4)
情報整理。

②反応しなかった酸素はそのまま、反応した酸素は炭素と結びついて二酸化炭素に変わる。
体積の和は①と同じ125mL。
ここから二酸化炭素を除去した③は80mL。
③の酸素はすべてマグネシウムと反応させ、余った窒素が65mLとなる。

窒素は反応していないので、①の窒素が65mL。
①の酸素の体積は、125-65=60mL
60÷125×100=48%

(5)
②で炭素と反応しなかった酸素の体積は、80-65=15mL
15×100/125=12%
*炭素と反応した酸素の体積は、60-15=45mLである。
発生した二酸化炭素と同じ体積だから、125-80=45mLでもOK。
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2021年度 豊島岡女子学園中学2回目過去問【理科】大問1解説

 図のように、三角フラスコと断面積が10cm2のシリンジを管で繋いだ装置を作りました。シリンジの中のピストンは、なめらかに動かすことができます。図のように、ピストンの位置はシリンジの左端からピストンの先端までの距離(以下、「ピストンまでの距離」と呼ぶことにします)で表すことにします。「ピストンまでの距離」が0cmのとき、装置内の空気の体積は50cm3でした。装置内の空気の温度は自由に設定し、一定に保つことができるように作られています。

【実験1】
装置内の空気の温度を27℃にしたとき、「ピストンまでの距離」は7cmでした。この状態から装置内の空気の温度を変化させたところ、「ピストンまでの距離」は表1のようになりました。
(1)
装置内の空気の温度を57℃にすると、「ピストンまでの距離」は何cmになるでしょうか。
四捨五入して小数第1位まで答えなさい

(2)
装置内の空気の温度を変えたところ、装置内の空気の体積は127.2cm3になりました。
このときの装置内の空気の温度は何℃でしょうか。四捨五入して整数で答えなさい

 気体の入ったビニール袋を密閉し山に登ると、高度が上がるにつれ袋がふくらむ様子を観察することができます。これは、袋のまわりにある空気が薄くなることで、袋の中の気体の体積が大きくなるためです。このように、気体の体積を変化させる要因には気体の温度のほかにも、気体のまわりにある「空気の濃さ」があります。
 「空気の濃さ」は「気圧」という単位を用いて表すことができます。例えば海抜0mの地点の「空気の濃さ」はおよそ1気圧であるのに対して、富士山の山頂付近ではおよそ0.63気圧となります。

【実験2】
装置内の空気の温度を27℃に保ち、装置外の「空気の濃さ」を変化させたところ、「ピストンまでの距離」は表2のようになりました。

(3)
【実験2】から分かることとして最も適切なものを選びなさい。
あ:「空気の濃さ」が2倍、3倍になると、「ピストンまでの距離」も2倍、3倍になる。
い:「空気の濃さ」が2倍、3倍になると、「ピストンまでの距離」は1/2倍、1/3倍になる。
う:「空気の濃さ」が2倍、3倍になると、「ピストンまでの距離」は1/4倍、1/6倍になる。
え:「空気の濃さ」が2倍、3倍になると、装置内の空気の体積も2倍、3倍になる。
お:「空気の濃さ」が2倍、3倍になると、装置内の空気の体積は1/2倍、1/3倍になる。
か:「空気の濃さ」が2倍、3倍になると、装置内の空気の体積は1/4倍、1/6倍になる。

(4)
装置外の「空気の濃さ」が0.6気圧のとき、「ピストンまでの距離」は何cmになるでしょうか。
四捨五入して整数で答えなさい

(5)
装置外の「空気の濃さ」を0.8気圧、装置内の空気の温度を87℃にすると、
「ピストンまでの距離」は何cmになるでしょうか。四捨五入して整数で答えなさい
ただし、【実験1】は装置外の「空気の濃さ」を1気圧にして行ったものとします。


@解説@
(1)8.2cm
温度を上げると、空気が膨張してピストンを押す。

きちんと差を確認する。15℃の差で0.6cm離れる比例)。
57-42=15℃
57℃は42℃と72℃の真ん中である。
7.6+1.2÷2=8.2cm

(2)45℃
ピストンまでの距離が0cmのとき、空気の体積は50cm3
膨張した空気の体積は127.2-50=77.2cm3
シリンジの断面積は10cm2
膨張した空気の体積=断面積×ピストンまでの距離
ピストンまでの距離は、77.2÷10=7.72cm

42+15×0.12/0.6
=42+3=45℃

(3)お
空気の濃さ(気圧)とピストンまでの距離は比例でも反比例でもない。

気圧の変化で変わるのは空気の体積
0.5気圧の空気の体積は、10cm2×19cm+50cm3=240cm3
0.8気圧の空気の体積は、10×10+50=150cm3
同様に計算すると、うえのようになる。
気圧と空気の体積の関係は反比例である。

(4)15cm

気圧が6/5倍。反比例だから体積は5/6倍。
0.6気圧の空気の体積は、240×5/6=200cm3
膨張した空気は、200-50=150cm3
再掲;【膨張した体積=断面積×ピストンまでの距離
ピストンまでの距離は、150cm3÷10cm2=15cm

(5)13cm

87℃・1気圧の空気の体積は、50+10×9.4=144cm3

1気圧→0.8気圧が4/5倍だから、
0.8気圧の空気の体積は、144×5/4=180cm3
ピストンまでの距離は、(180-50)÷10=13cm

 

@ボイル・シャルルの法則@
実験2のように、温度(T)が一定の場合、体積(V)は圧力(P)に反比例することを
ボイルの法則といいます。
圧力を上げると空気がグッと押されるので、感覚的に体積は小さくなるとわかりますよね。

実験1のように、圧力(P)が一定の場合、体積(V)は温度(T)に比例することを
シャルルの法則といいます。
温度を上げると空気は膨張して体積が増えます。

ボイルの法則から、反比例の積は常に比例定数で等しいので、
【PV=一定】
シャルルの法則より、これも比例定数が一定の値であるのを利用すると、
【V/T=一定】

まとめると・・

圧力(P)と体積(V)の積を温度(T)で割った値は常に一定となる。
これをボイル・シャルルの法則といいます。
ちなみに温度(T)は日常で用いられるセ氏温度(℃)ではなく、絶対温度(K)を使います。

さらに、分子の個数n(モルという物質量が単位)と気体定数Rを用いて発展させたのが、
理想気体の状態方程式【PV=nRT
すべての気体は温度と圧力が同じである場合、同じ体積に含まれる分子の数は、
気体の種類に関係なく同じであるとするアボガドロの法則に従います。
詳細は高校の物化で習います。
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2021年度 海城中学過去問【理科】大問4解説

 5000人を超える死者、行方不明者を出した1959年の「伊勢湾台風」は、〔   〕による被害が甚大でした。〔   〕とは海面が上昇する現象であり、気圧が下がることによって海面が受ける「吸い上げ効果」と、沖から海岸に向かう風によって海水が集中する「吹き寄せ効果」によっておこります。「伊勢湾台風」では特に伊勢湾周辺の愛知県と三重県での〔   〕の被害が大きく、排水が完了するまでに3か月間を要したとされています
 河川でも、大雨によって増水し氾濫すると大規模な浸水がおこります。2017年の台風21号は、超大型で強い勢力を保った状態で本州に上陸し、この台風によって、大阪府の大和川や和歌山県の貴志川が氾濫しました。図1は台風が上陸した10月23日3時の天気図です。東京を流れる多摩川でも水位が大幅に上昇し、場所によっては氾濫がいつおこってもおかしくない状況になりました

 これらの水害を防ぐために、海岸や河川の堤防のかさ上げや新規設置をしたり、護岸工事を行ったり、ダム、水門、遊水池などを作って水の流れをコントロールしたりします。また、工事による対策だけではなく、住民一人一人が日ごろから居住地域のハザードマップを確認し、どこでどのような災害がおこりえるかを認識しておくことも大事なことです。

問1
文中の〔  〕にあてはまる語句として最も適当なものを選びなさい。
ア:土石流 イ:液状化現象 ウ:津波 エ:高潮

問2
下線部①について、伊勢湾台風の経路(台風の中心が通過したところ)を示した矢印として最も適当なものを選びなさい。ただし、伊勢湾内に外海から海水が流れ込み、「吹き寄せ効果」が非常に大きくはたらいたことに注目すること。

問3
下線部②について、図2は東京(大手町)における、2017年10月22日0時から24日0時までの2日間の1時間ごとの気圧(折れ線グラフ、左軸)と降水量(棒グラフ、右軸)を表したグラフです。図1も参考にしながら、図2から考えられることとして適当でないものを選びなさい。

ア:気圧が最も低くなっている時刻に、台風の中心が東京(大手町)に最接近したと考えられる。
イ:台風の通過にともなう気圧のグラフのようすが、気圧が最も低くなっている時刻の前後でほぼ対称的になっているのは、天気図における等圧線がほぼ同心円状になっていることに対応していると考えられる。
ウ:この台風においては、台風の進行方向の前方ではあまり雨が降らず、進行方向の後方で多くの前が降ったと考えられる。

問4
下線部③について、図3は多摩川のある地点における、2017年10月22日0時から24日0時まで2日間の1時間ごとの水位(折れ線グラフ、左軸)と、降水量(棒グラフ、右軸)を表したグラフです。図3から読み取れることとして適当でないものを選びなさい。ただし、水位のグラフは、22日0時の時点での水位を0mとしてあります。


ア:図3の地点における多摩川の水位は最大で5m以上上昇しているが、この値は期間中の降水量をすべて足し合わせていったときの高さ(深さ)に等しい。
イ:降水量が最大になっている時刻よりも多摩川の水位が最高になっている時刻のほうが遅い。
ウ:降水量がゼロの時刻において、水位が低下する速さは一定ではない。
エ:最も急激に水位が上昇したときには、1時間で50cm以上水位が上昇した。

問5
下線部③について、図4のa~cのグラフは、図3の折れ線グラフと同様の多摩川の水位を表しており、図5のX~Zのいずれかの地点における記録です。a~cのグラフはそれぞれX~Zのどの地点の記録ですか。適当な組み合わせを選びなさい。ただし、記録期間中、図5の地域において、局所的に他の場所と著しく異なる強さの降水はなかったものとします。また、それぞれのグラフのたて軸の目盛りは異なります。


 

問6
ある土地に降った雨が最終的に河川Aに集まるとき、その土地は河川Aの「流域」だということになります。河川を流れる水の量は、この「流域」における降水の量によって左右されます。これについて、次の(1)、(2)に答えなさい。

(1)
同じ高さの地点を結んだ線が描かれた図6の中で、河川Aの流域である部分はどこですか。
解答欄の図中に斜線を描き入れて示しなさい。

(2)
日本の年間平均降水量は世界の年間平均降水量の2倍近くあります。また、日本の河川は、世界の主要河川と比べて、長さが短いのに上流と下流の高低差が大きいという特徴があります。これらのことから、世界の主要河川と比較したときの日本の河川の洪水の特徴を簡単に答えなさい。

問7
増水時の河川水位の上昇を抑える対策の例を、
文中に触れられていること以外で具体的に1つ答えなさい。


@解説@
問1:エ
高潮の意味は他校でも出題されている。

トクする!防災より。高潮の原因は低気圧にある
【吸い上げ効果】
1hPa下がると海面は約1cm上昇するといわれる。
平時の1気圧が1013hPaなので、950hPaの台風では63cmも上昇することになる。。
【吹き寄せ効果】
台風の強風で海水が波に打ち付けられる。
風速が2倍になると吹き寄せ効果は4倍に達する!
2つの効果が合わさるので、台風襲来時の沿岸は危険地帯である。

土石流…大雨で土砂が崩れる。
液状化現象…地震で地盤が液体状になる。

問2:ウ

北半球では台風は反時計回りに渦を巻くので、
台風の進行方向と同じである台風の東側の風が強く
また、暖かく湿った南風の影響から積乱雲も発達しやすい
台風の中心が愛知と三重の西側を通るウが正答となる。
*伊勢湾のような地形では湾奥で波が集約して吹き寄せ効果が大きく働く。

問3:ウ

ア:台風は中心が最も気圧が低い。〇
イ:等圧線がほぼ同心円状だからこそ、台風の中心が近づくと気圧が下がり、
遠ざかると気圧が上がって左右対称に近いグラフとなる。〇
ウ:台風の中心が最接近した23日5時よりも前の方が降雨が激しい。×

問4:ア

ア:降水量の合計が水位の上昇分に相当するわけではない。×
 降水の多くは多摩川に流れるが、どこかに溜まったり、蒸発する水もある。
イ:降水量の最大は23日6時。水位の最高は23日7~8時で遅い。〇
 雨が降ってしばらく経ってから、降水が川へ流れ着く。
ウ:23日8時以降で水位は直線で減っていない。23日5時も同様。〇
エ:23日1~2時。〇
1時間で50cm以上も水位が増えることもあるので、河川の様子は見に行かないこと。

問5:オ
観察力と推理力が問われる。
上流で降った水は遅れて下流へ流れる。

よくみると縦軸の目盛りの数値が違う点に注意!
aとcは形が似ているおり、aの方が水位が高い。
ピークに注目しよう。cは23日6時、aは23日7時だから〔c→a〕の順。

問題はb(;`ω´)
いきなり1.5mも上昇しているが、これは問1の高潮が河川で起きたと考える。
海から水が逆流し、いったん水が引くが、a地点の22日14時以降の水が押し寄せ、
16~20時に水量が増加するとまた一気に水が引き、水位が乱高下している。
23日16~20時あたりの上昇は水門の調整か波の往来か?
いずれにせよ、河口付近でないとこの時間帯で水位は増えない。

問6(1)

尾根線がポイント。
河川があるところが谷。
河川Aと河川Bに間にある、等高線が曲がったところが尾根
尾根が分水嶺(ぶんすいれい)になる。

(2)大量の水が一気に流れ、短時間で氾濫しやすい。
長さが短く、高低差が大きいということは、勾配(こうばい;傾き)が急である。
日本は地殻変動が激しい弧状列島で、火山活動により陸地が盛り上がり、河川が急になった。

疎水名鑑より。普段、我々が目にする河川は急勾配で滝に近い。
関東平野を流れる利根川でさえ、海外の主要河川と比べると急なところが多い。

国土交通省より。平常時と洪水時の河川を流れる水量の比較。
ミシシッピ川が3倍、ドナウ川が4倍に対し、
淀川30倍!木曽川60倍!利根川100倍!!!(;°;ω;°;)
ちなみに、日本の川は住宅地よりも高いところを流れているそうです。
荒川や江戸川あたりの人工堤防がポキッといったら大惨事ですね。
かといって、住宅やビルが密集する都会にスーパー堤防の整備は不可能だと思うのだが…(・Д・)

@河況係数@

疎水名鑑より。
河況係数(かきょうけいすう)とは、一定の場所における年間の最大流量と最小流量の比。
(水が最も流れるときの量と最も流れないときの量の比)
日本の河川は急ですぐ海へ流れ出てしまう点と、
梅雨や台風のシーズンに降雨が集中する点から河況係数がこれほど高い。

問7:例)森林を育み、水をゆっくり流すようにする。
解答に使ってはならないとされる文中の記述では、
・海岸や河川の堤防のかさ上げや新規設置
・護岸工事
・ダム、水門、遊水地などによる水の流れのコントロール
と3つも候補がつぶされている(*’ω’*)💢
知識を総動員させて、なんとか捻り出すしかない。

水位の上昇を抑えるのは、どこかに水を溜め込んで流量の変化を和らげる必要がある

石川県より。森林には水源涵養(かんよう)機能がある。
何もない裸地(らち)が水を浸透させる能力を1としたとき、
森林では3倍以上の浸透力がある。
地中へ染み込んだ地下水はゆっくりと出ていくので、流量の変化が和らぐ。
まさに緑のダム。

知識として知っていても、出題の仕方から思いつきにくかったもしれないが、
水害が発生したときにニュースや池上彰さんの番組で紹介されている。
アンテナは広げておこう。

@余談@

2016年度の横浜翠嵐高校で出題された信玄の霞堤。なかなか興味深いです。
武田信玄が考案したとされる治水策で、
上流側が開いた逆ハの字の独特な堤防は、
合理的な治水法として後世でも評価が高かったようです。

国土交通省より、以下仕組みの解説。
水かさが増えると水流が逆ハの字の霞堤の裏側へ回り込み、水流の勢いが衰える。
流れが緩やかになりながら、あふれ出た水は堤防の隙間をグルグルと循環し、
堤防の外側へ水が広がらない。洪水が引く時は、再び堤防のあいだから河川へと戻る。
河川の水流を弱めつつ水を一時的にプールさせ、氾濫が収まったら徐々に水を河川に戻すことで、
水量の変化を少なくし、下流域での水害被害が軽減される。

@余談2@

今年の西大和学園(県外)社会大問2で出題されました。
問6;写真⑥は、埼玉県春日部市の地下につくられた施設を撮影したものです。
この施設がつくられた目的を答えなさい。
答えは地下の放水路。中学受験の教材でも扱われますが、テレビでも取り上げられています。

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2021年度 灘中学過去問【理科】大問6解説

〔A〕ある日、太郎くんは知り合いの金属加工業の人から金属製のコーン(円錐形)をもらいました。コーンは側面だけがあり、中身と底面はありません。好きなように加工してあげるよ、と言われたので実験してみました。面の厚みは一定とします。

問1
図1のようにコーンの中心軸ABのちょうど真ん中の点Cのところに糸をつけてつり下げるとどうなるでしょうか。正しいものを選びなさい。

ア:Aが下がる。 イ:Bが下がる。

問2
次に、コーンの真ん中よりもBに近い点Dのところに糸をつけてつり下げると、ABが水平になってつりあいました。点Dの位置を測ってみると長さの比はAD:DB=2:1になっていました。糸をはずし、コーンのDのところで(ABに垂直な平面で)切断してもらってA側とB側の2個に分けました。
(1)それらの重さのはかるとどうなっているでしょうか。正しいものを選びなさい。
ア:A側のほうが重い。 イ:B側のほうが重い。 ウ:重さは等しい。

(2)A側の重さとB側の重さの比を、整数比で答えなさい。

 

〔B〕またある日、太郎くんはその人から、図2のような直径48cm重さ480gの金属製の球殻(中がからっぽの球のこと)をもらいました。好きなように加工してあげるよ、と言われたので、球の中心Cを通る平面で切断して(A側とB側の)2個の半球殻に分けてもらって、実験をしてみました。面の厚みは一定とします。
図3のように、A側の半球殻に糸をつけてつり下げてみたところ、「中心軸AC上でAから12cmの点Dにおける、ACに垂直な直線」が球面と交わる点Eに糸をつけたとき、中心軸ACがちょうど水平になってつり合うことを太郎くんは発見しました。糸をはずして、点Dを通りACに垂直な平面で半球殻を切断してもらい、図4の①と②の2個に分けて、それぞれの重さをはかりました。するとどちらも120gだったので、太郎くんはおどろきました。
太郎くんは考えて、あることを思いつき、それを確かめるために、その人にたのんで、残ったB側の球殻(図5)を3個に切断してもらいました。その3個の重さをはかると、太郎くんの予想通り、どれも80gでした。

問3
どのように切断してもらったと思いますか。
解答らんの図に、切断面を表す2本の直線をかきなさい。

問4
新たに球殻を用意し、図6のように、直径ABのBからXcmの点Fを通り、ABに垂直な平面で球殻を切断し、B側を捨てます。残ったA側に糸をつけて、AFが水平になるようにつり合わせるためには、糸をつける位置を、Aから何cmのところにすればよいでしょうか(図のYcmをいくらにすればよいか)。Yを、Xを用いた式で表しなさい(式の書き方はいろいろあるのでどのように書いてもよい)。


@解説@
問1:イ
太いB側の方が重い。

問2(1)イ
間違われやすいが、中学受験では既出ゆえ間違えられない。

重りを描くとわかりやすい。
支点から距離の短いB側が重い。

(2)A側:B側=4:5

理科というより算数。
AD:DB=②:①
横から見た図で辺の比を②:①として考える。
コーンの中身はなく、面の厚みが一定の円錐形なので、
面積を重さとみなし、面積比で計算する
A側…②×②=【4】
B側…③×③-【4】=【5】
A:B=4:5

問3:下図参照。

ACの中点を通るD-E面で割ったら、重さがちょうど半分ずつになったという。
なんとなく②の方が重そうだが(;`ω´)
半分になったのは、DがACの中点だからではないか?

半球240gで3個に分けたら80gずつになったということは、
半径CBをそのまま3等分すればよいのでは?

↑これが正解。

問4:Y=(48-X)÷2

予想さえ立てられたら、すぐ解けてしまう。。
AFの中点の真上に糸を吊るせばいい。

@@@

ところで、、
なぜそうなるのか???

サボも知らないので調べてみたら、それっぽいのを見つけました。

Fukusukeの数学めもより。
球を1つの平面で切ると球欠、その曲面を球冠といい、
球を2つの平面で切ったあいだの部分を球台、その曲面を球帯というそうです。

面積を重さとみなしているので、
円の直径を3等分したら球冠・球帯の面積も3等分されることになります。

球帯の面積は、もとの球から切断するときの厚さhに比例する
スッキリして美しいですね(‘ω’)

2の球冠の面積からr1の球冠の面積を引くことで球帯の面積が求まります。
もとの球の半径をRとすると、球冠の面積S=2πRh

2πRh2-2πRh1
=2πR(h2-h1
=2πRh
πは円周率で定数、球の半径Rを固定すれば球帯の面積Sの値はhに依存する。

なぜ球冠の面積は2πRHなのか。こちらのページを読んで、自分で考えてみましょう( ‘ᾥ’ )
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2021年度 灘中学過去問【理科】大問2解説

 水酸化ナトリウム水溶液を蒸発皿に入れて二酸化炭素を十分に溶かした後、
水を完全に蒸発させると、水酸化ナトリウムとは別の白い固体が残ります。
 いま、ある濃さの塩酸100mLを入れた蒸発皿に、水酸化ナトリウム水溶液を加えました。
さらに、この水溶液に二酸化炭素を十分に溶かした後、水を完全に蒸発させると、
白い固体が残りました。加える水酸化ナトリウム水溶液の体積をいろいろ変えたところ、
残った白い固体の重さは下の表のようになりました。

問1
表中の(ア)~(ウ)にあてはまる値を小数第三位まで答えなさい。

問2
表の関係をグラフの点線---で表しました。グラフの横軸は水酸化ナトリウム水溶液の体積〔mL〕、縦軸は白い固体の重さ〔g〕を表します。加える水酸化ナトリウム水溶液を濃くしたときと、うすくしたときのグラフはどうなりますか。おおよその形として最も適するものをそれぞれ選びなさい。

問3
次に、初めに使ったのと同じ水酸化ナトリウム水溶液25mLを入れた蒸発皿に、初めに使ったのと同じ塩酸を加えました。さらに、この水溶液に二酸化炭素を十分に溶かした後、水を完全に蒸発させると、白い固体が残りました。加える塩酸の体積をいろいろ変えたとき、塩酸の体積と、できた白い固体の重さの関係を表したグラフはどうなりますか。おおよその形として最も適するものを選びなさい。ただし、グラフの横軸は塩酸の体積〔mL〕、縦軸は白い固体の重さ〔g〕を表します。また、選んだグラフの空らんにあてはまる数値を小数第三位まで答えなさい。


@解説@
水酸化ナトリウム+CO2で水を蒸発させると「白い固体」が残る。
この固体の名前はわからない。
水酸化ナトリウム+塩酸で同じことをすると、中和反応で白い固体(食塩)が残る。
手順は中和反応が先。塩酸との反応後に水酸化ナトリウムが残っていると、
二酸化炭素と反応して得体の知れない「白い固体」ができる。
つまり、表の白い固体の重さは、食塩と得体の知れない「白い固体」の合計である。

問1:ア―0.468、イ―0.797、ウ―1.327

水酸化ナト水が少ないうちは、塩酸100mLとの中和反応でなくなってしまう。
最初の白い固体は食塩だけ。
5mLの水酸化ナト水で0.117gだから、
0.117×20/5=0.468g(ア)

25mLまでは5mLごとに0.117gずつ増えているが、30mLでは計算が合わない|д゚)
試しに30mL以降の差を調べると、すべて0.106g差になっている。
0.691+0.106=0.797g(イ)
1.221+0.106=1.327g(ウ)

問2:濃くしたとき―オ、うすくしたとき―カ

グラフが折れ曲がる地点まで中和反応が起きる。
水酸化ナト水の濃度を濃くすると、少ない水酸化ナト水で塩酸がなくなる。
そのときの食塩の量は塩酸100mLに相当する量なので、表の場合と等しい
二酸化炭素を十分に溶かすから、濃度の濃い方がよく反応して「白い固体」が多く残る。

濃度が薄いと塩酸をすべて反応させるまで多くの水酸化ナト水を要する。
二酸化炭素との反応でできる「白い固体」の量も少なくなる。

問3:イ、0.530

今度は水酸化ナトリウム水溶液は25mLに固定して塩酸の量を調整する。
折れ曲がる地点は中和反応が終わる100mL。
それ以降は水酸化ナトリウムがないので、二酸化炭素と塩酸だけになる。
「白い固体」は発生しないのでグラフは横ばい。

塩酸を全くいれないとき、水酸化ナトリウム水溶液と二酸化炭素の反応が起こる
表より、水酸化ナト水5mLごとに「白い固体」は0.106gだから、25mLでは0.106×5=0.530g

@@
2NaOH(水酸化ナトリウム)+CO2(二酸化炭素)
→Na2CO3(炭酸ナトリウム)+H2O(水)
「白い固体」の正体は炭酸ナトリウムである。
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2021年度 灘中学過去問【理科】大問3解説

 ヒトの卵と精子が受精すると、受精卵は1週間ほどで着床します。おなかの中の子ども(以下「たい児」とする)は母親の子宮の中で育ちますが、子宮の中には〔 ① 〕が満たされており、たい児は外部からのしょうげきなどから守られています。子宮のかべにある〔 ② 〕と、たい児は〔 ③ 〕でつながっており、母親はこれを通してたい児へ必要なものをあたえ、いらなくなったものを回収します。
 ヒトのたい児は、途中までは子宮の中で回転できますが、成長して出産が近づき、少しずつ〔①〕が減って子宮の中がたい児にとってせまくなってくると、多くの場合、頭を④{ア上 イ下}に向けた状態で出産に備えます。そして、受精から⑤{ア22 イ30 ウ38 エ46}週ほどで誕生します。個人差はあるものの、日本人の新生児の平均身長は約⑥{ア10 イ30 ウ50}cm、平均体重は約⑦{ア1 イ3 ウ5 エ7}kgとされています。
 ヒトの血液が肺へ運ばれると、血液中に気体A(以下「A」とする)が取りこまれ、同時に、血液中に含まれていた気体B(以下「B」とする)が吐き出されます。これを〔 ⑧ 〕といいます。このとき、血液中に存在するヘモグロビンという物質がAを受け取ります。母親の体内のうち、肺では血液中のAの濃さは最も高く、Bの濃さは最も低くなっています。肺でAを受け取った血液は母親の胎内をめぐり、Aの濃さが低くBの濃さが高くなっている「体の各部分」にたどり着きます。そこで血液中のヘモグロビンは運んできたAの大部分を手放して「体の各部分」へあたえ、Bは血液中に回収されます。母親の血液の一部は〔②〕へ届き、ここでたい児の血液中のヘモグロビンへAが受け渡され、同時にたい児の血液からBが回収されます。新生児は、産声を発すると同時に、肺での〔⑧〕を開始します

問1
上の文中の〔 〕にあてはまる語句を答え、また、{ }の中からあてはまるものを選びなさい。

問2
気体Aおよび気体Bの名前をそれぞれ答えなさい。

問3
たい児は、産まれる2か月ほど前から、〔⑧〕の”練習”をしています。どのように”練習”するのでしょうか。「たい児は子宮のなかで過ごしている」ことから考えて15字以内で答えなさい。

問4
たい児の血液中のヘモグロビンは、母親の血液中のヘモグロビンとは性質が異なっています。下の文中の〔 ⑨ 〕にあてはまる語句を4字以内で、〔 ⑩ 〕にあてはまる語句を6字以内で、それぞれ答えなさい。なお、〔②〕におけるAの濃さ、Bの濃さは、母親の「体の各部分」と同じ条件とします。
『母親の血液中のヘモグロビンに比べて、たい児の血液中のヘモグロビンは、Aの濃さが低くBの濃さが高いときでも、よりAと〔 ⑨ 〕やすいという性質をもっている。このことによって、〔②〕を通してたい児はAを効率よく〔 ⑩ 〕ことができる』


@解説@
問1:①羊水②胎盤③へその緒④イ⑤ウ⑥ウ⑦イ⑧呼吸
小6男児には手厳しい(;`ω´)

グランツビューティより。
羊水がクッションの役割となって胎児を守る。
胎盤と胎児はへその緒でつながっており、栄養を供給し、不要物を回収する。
出産が近づくと重い頭部が下にくる。たまに逆子(さかご)で頭が上にくる場合もある。
妊娠期間は平均で40週(10ヵ月)程度。新生児の平均身長は50cm、平均体重は3000g
産声と同時に、肺呼吸が始まる。

問2:A-酸素、B-二酸化炭素
呼吸で酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出す。

@燃焼と呼吸の違い@
生物学でいう呼吸は主に細胞呼吸を指す。
すなわち、細胞の中で有機物と酸素をもとに生命の活動に必要なエネルギーを取り出すこと。
不要物として水や二酸化炭素、アンモニアが生成される。

燃焼と呼吸はいずれも有機物を無機物に分解してエネルギーを出す点では同じである。
 
NHK高校生物より。左が燃焼、右が呼吸。
化学反応である燃焼は一気に燃やして、強い熱エネルギーと光エネルギーを生み出す。
一方、呼吸は緩やかに反応して、少しずつエネルギーを取り出す。
ATP(アデノシン三リン酸)はエネルギーの貯蔵物みたいなもので、
ATP内のリン酸の結合を解くことで必要なときにエネルギーを取り出せる。

問3:羊水を飲んで吐き出す。
難しい(;^ω^)
胎児は胎盤やへその緒を通じて母体から酸素をもらっている。
母体から出ると、自力で横隔膜を上下させて呼吸をしなくてはならない。

胎児は母親のなかで呼吸の練習しているという。
呼吸は口から空気を取り入れる。
羊水に包まれている胎児は、羊水を口から出し入れすることで肺呼吸の練習をする。

呼吸様運動というそうです。

問4:⑨結びつき、⑩受け取る
母親のヘモグロビンにくっついている酸素を胎児が受け取るには、
胎児のヘモグロビンが母親のそれより酸素とくっつきやすくなくてはならない。

2021年度 海城中学過去問【理科】大問3解説

今年の海城では、赤身の魚に含まれるミオグロビンとその利点が問われました。

@酸素解離曲線@

ンター試験(2010年度)より。高校生物で習う酸素解離曲線
横軸は酸素濃度。縦軸は酸素と結合している割合。
酸素ヘモグロビンとは、酸素と結合しているヘモグロビンのこと。
肺のなかにある肺胞は酸素が豊富にあるので酸素濃度が高く、
ヘモグロビンが酸素をキャッチして酸素ヘモグロビンの割合は高くなる。
各細胞の組織(酸素の需要地)は酸素濃度が低く、
ヘモグロビンが組織に酸素を供給することで酸素ヘモグロビンの割合は低くなる。
ミオグロビンはヘモグロビンよりも酸素とよくくっつくので、
酸素と結合している酸素ミオグロビンの割合は酸素ヘモグロビンよりも高い。

ミオグロビンがあると筋肉は大量の酸素を保持することができます。
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2021年度 渋谷教育学園渋谷中学過去問【理科】大問2解説

父:昨年も豪雨による被害が起きてしまったね。
娘:夏休みにテレビを見ていたら、関東大震災がそろそろ起きそうで、
発生した時にどう避難するかと防災グッズの準備が出来ていますかってニュースで言っていたよ。
父:そうだね。日本は様々な災害が毎年発生しているね。
 日本にはどんな災害が想定されているか調べてみようか。
娘:ついでにどのような対策が取られているかも調べちゃおう。

娘:インターネットでいろいろ探していたら、首相官邸ホームページに
防災の手引き~いろんな災害を知って備えよう~」というのがあったよ。
父:なになに。項目としては、地震・火山・津波・大雨・台風・竜巻・雪害・土砂災害かぁ。
娘:8つも項目があるんだね。各災害ではそれぞれどんなことが起こるの?
父:それぞれどのような災害が起こるか、表1に一部分をまとめてみたよ。

娘:うわぁ、たくさんあるね。各災害で様々なことが起こるね。
 発生した時にはこんなに災害が起こってしまうけど何か対策はしていないの?
父:対策の前に、まずは、それぞれの災害が発生する前にどのような警報を出しているか
 表2にまとめてみたよ。

娘:災害ごとに様々な警報があるね。
 地震では、緊急地震速報というのが書いてあるけど、これはどんなものなの?
父:これはね、地震が起こった時、震源に近い観測所が最初に来る地震波であるP波を観測して、
 大きな揺れであるS波が伝わってくる前に、各地に警報を出すものなんだよ。
 ただし、揺れの大きな地震付近に警報は間に合わないんだ。
娘:そうなんだ。地震は起こってからでないと警報は出せないの?
父:現在のところ、地震を正確に予知をすることは難しいんだ。
 なので、地震はいつ起こっても良いように備えておく必要があるんだ。
 そのために役に立つのが、他の災害でも作られているけど、ハザードマップなんだ。
 これは、各自治体が作成し、自分の住んでいるところが揺れやすい土地なのか、
 災害が起こった時にどこに避難すればよいかが書いてあるんだよ。
娘:そんな便利なマップがあるんだね。
 火山では「噴火警戒レベル」と書かれてあるけど、どのような警報が出るの?
父:表3のように5段階にレベル分けされているんだよ。
 実際の対応は、火山ごとにハザードマップで示されているんだ。
娘:火山の近くに住んでいる人は、火山の災害も考えなくてはいけないんだね。
 また、噴火した季節によっても災害が変わるんだね。
 表1の火山の被害に融雪型火山泥流って書いてあるけど、どんなことが起こるの?
父:冬に火山が噴火すると、溶岩や噴出した熱い火山灰などで、雪が一気にとけ、
 火山灰や岩石などを巻き込んで流れ下ってくる洪水が発生するんだよ。
娘:富士山が冬に噴火したら、麓は大変な災害になってしまうね。

問1
下線部①について、(1)・(2)に答えなさい。
(1)ある地震が発生したとき、震源から12km離れた地点に設置してある地震計で、最初にP波が観測されてから1秒後に緊急地震速報が発表されました。震源から63km離れた地点では、この速報発表から何秒後にS波による大きな揺れが始まるか答えなさい。ただし、この地震によるP波とS波の速さをそれぞれ秒速6kmと秒速3kmとします。また、緊急地震速報はすべての地域にすぐに伝わるものとし、伝わるまでの時間は考えないものとします。

(2)(1)の地震で、63km離れた地点で緊急地震速報が伝わった後、大きな揺れに備えていましたが、あまり揺れませんでした。なぜそのようなことが起こるのか簡潔に答えなさい。

問2
下線部②について、図1を見て、(1)・(2)に答えなさい。
ただし、標高差は考えないこととします。

(1)富士山からの融雪型火山泥流が、22km離れた御殿場市に24分で到達したとすると、
融雪型火山泥流の流速は時速何kmになるか答えなさい。

(2)火砕流が発生した際、富士山から火砕流到達範囲まで約何分で到達しますか。
次の中から選びなさい。ただし、火砕流は全方位に一定の速度で流れていくものとします。
ア:3分 イ:6分 ウ:9分 エ:12分

 

娘:なるほどね。最後に、集中豪雨や台風による被害では、どのような対策が行われているの?
父:大雨が降ると、土砂災害、浸水害、洪水などの災害発生の危険度が高まるので、その危険度を地図上で5段階に色分けして表示する「大雨警報・洪水警報の危険度分布」というものが、常時10分ごとに更新されるようになっているんだよ。
娘:へー、10分ごとって刻々と変わる状況に対応しているね。どんなふうに色分けされているの?
父:低い危険度から、白→黄色→赤→薄い紫→濃い紫で表されるんだけど、最大危険度の「濃い紫」が出現した場合は、過去の重大な災害時に匹敵する極めて危険な状況となっていて、すでに重大な災害が発生している可能性が高いんだ。だから、地図に濃い紫が出る前に避難しないといけないね。
娘:なるほど。情報化社会になったから、自分のいる地域の状況を自分で判断して、
 警報が出る前に避難することが出来るようになってきたんだね。
父:そうだね。最近は、線状降水帯など、災害を引き起こす極端な雨の降り方も観測できるようになってきたし、私たちも情報を待つだけの受け身ではなく、積極的に情報を取り入れ、避難行動がとれるようになってきているね。
娘:台風の場合は、雨だけでなく、表1には高潮や風による被害と書いてあるけど、
 高潮ってどんな現象なの?高波とは何が違うの?
父:高波は、風によって波が海岸線に打ち付けられて普段より高くなる現象だよ。
 高潮の原理は、台風自体が低気圧なので、海水面を押さえつける力が小さくなり
 また海水面自身を吸い上げる事によって海面が普段より高くなってしまう現象なんだ。
娘:もしかして、台風が通過する間中ずっと海水面が上がり続けるって言うこと?
父:そうだね。ちなみに、その時に満潮の時間が重なったりすると、
 さらに海水面が高くなるんだよ。
娘:踏んだり蹴ったりだね。台風なんて発生しなければいいのに。
父:私たち被害を受ける人間にとっては、困ったものだけど、
 地球規模で見た場合は実は台風は役に立っているんだよ。
娘:どんなことで役に立っているの?
父:台風は暖かい空気の塊なんだけど、この塊が、暖かい赤道域から、日本を通過し、
 北へ移動してくれることで、南北の気温の差を小さくしてくれているんだよ。
娘:なんか壮大なスケールの話になっているけど、そういう役割があるんだね。

問3
下線部③について、標高0mの地面や海面1m2を押す空気の平均の重さを1気圧と表わします。1気圧は1013hPa(ヘクトパスカル)と表されますが、これは、1m2の上に10130kgの重さの空気がある状態に相当します。日本南岸で発生したある台風の中心気圧は最初992hPaであったが、24時間後には950hPaに低下して関東に上陸をしました。普段は1気圧であったとすると、台風が上陸した時に海岸線の1m2の上にある空気の重さはおよそ何kg軽くなったことになるか答えなさい。

問4
台風のエネルギー源は、海面から蒸発した水蒸気が水になるときに発生する凝結熱です。ある台風が、半径500kmの円形の範囲に100mmの降雨をもたらしました。この雨のすべての水が水蒸気の凝結で生じたものとすると、この時発生した凝結熱の総量は、マグニチュード7の地震何回分のエネルギーになるか答えなさい。ただし、水1gの凝結熱は2000J(ジュール)、水1cm3あたりの重さは1gとします。また、マグニチュード7の地震のエネルギーは2000000000000000J(2に0が15個つく)とし、円周率は3.14とします。

 

父:様々な災害を見てきたけど、次に私たち一般住民はいつ、どこに、どの様なタイミングで
 避難すればいいかをまとめた「警戒レベル」というものが決められているので、見ていこう。
娘:警戒レベル?今までの警報とは何が違うの?
父:それまで住民には「避難勧告や避難指示(緊急)」など様々な避難情報が発信されていたけど、住民に正しく理解されていたかなど様々な課題があったので、2019年3月に「避難勧告等に関するガイドライン」が改訂されたんだ。災害発生の危険度と、とるべき避難行動を住民が直感的に理解するための情報として警戒レベルという色分けした5段階の警報を伝えるようになったんだ。
娘:どんなふうに分類されているの?
父:表4のように、白から黒へ色分けされて、ハザードマップとも関連付けて、自分自身の地域の状況を普段から把握することで、災害時に自主的に速やかな避難行動がどれるように作成してあるんだ。今までは、各自治体が警報を発する時に空振りだった時を考えてしまうこともあったけど、これからは住民自らが判断することで、地域のみんなで声を掛けあって、空振りを恐れずに警戒レベル5になる前に、レベル3・4の段階で安全・確実に避難できるように考えられたものなんだ。

娘:なるほどね。情報を速やかに常時出し続けることで、専門家が判断する前に
 自分自身で避難をしていこうという積極的避難の時代になってきたんだね。
父:そうだね。情報が簡単に手に入らない時代では難しかったけど、専門的な情報がすぐ手に入る時代になったから、自分の身は自分で守る事が出来るようになってきたんだね。
娘:災害が発生する前に私たちの地域のハザードマップをよく見ておくね。

問5
ある地域に5軒の家庭があります。それぞれ家族構成を下にまとめました。
ただし、以下の人達に、要介護者の人はいないものとします。

ア:39才(父)37才(母)8才(娘)5才(息子)
イ:70才(祖父)68才(祖母)32才(父)30才(母)1才(娘)
ウ:82才(夫)80才(妻)
エ:25才(男)
オ:29才(夫)30才(妻)

(1)この地域に洪水警報が出た場合、避難を開始するべき家庭はどれですか。
当てはまるものを全て選びなさい。

(2)ア~オの家庭が、1つのアパートに住んでいたとします。
警戒レベル3が発令され、全ての人が在宅をしていた場合、
エの人が取るべき行動として正しいことを簡潔に答えなさい。
ただし、ア~オの家庭全て、お互いの家族構成は知っているものとします。


@解説@
問1(1)18秒後

12km÷秒速6km=2秒後に12km地点でP波をキャッチ。
1秒後に63km地点で緊急地震速報が流れる。
S波は63km÷秒速3km=21秒後に63km地点に到達する。
速報が流れてから、21-3=18秒後

(2)地盤が固かったから。
*震源距離が同じでも地盤の固さで震度は異なる。
水分が多い地盤だと柔らかいので大きく揺れる。

問2(1)時速55km
24分で22kmだから、22km×60/24=時速55km

(2)イ

火砕流到達範囲は富士山を中心に半径約10kmの円。
火砕流の速度は表1より時速100km。
60分×
10km/100km=6分

問3:630kg
1013-950=63hPa減少した。
1013hPa=10130kgだから、63hPa=630kg
*1気圧では1m2あたりおよそ10tの圧力を受けており
中心気圧が950hPaである勢力の強い台風がくると、600kg以上も下がることになる!

問4:78500回分
桁がかなりヤバイ(;`ω´)
指数を使わせていただきます

10×10×10=1000=103(10を3回かける)
105÷103=105-3=102割り算では指数は引き算

500km=5×107cm
台風の面積は、(5×107)×(5×107)×3.14cm2
これに100mm=10cmをかけると水の体積(cm3)が求まり、
水1cm3あたり1gなので、同時に水の重さとなる。
水1gの凝結熱が2000Jだから、さらに2000をかけると凝結熱の総量が出る。
さいごにM7の地震がもつエネルギーである2×1015で割る。

78500回
*M7クラスの地震のエネルギーも相当ですが、その78500倍のエネルギーを持つ台風…🌀🌀🌀

問5(1)イ・ウ

表4より、洪水警報は警戒レベル3。
高齢者は避難を開始するべきとある。

(2)他の家族の無事を確認し、協力しあいながら高齢者の避難を補助する。
*警戒レベル3は高齢者と要介護者が避難をする。
問題文ラスト『住民自らが判断することで、地域のみんなで声を掛けあって、空振りを恐れずに警戒レベル5になる前に、レベル3・4の段階で安全・確実に避難できるように考えられたもの』とあり、家族全てがお互いの家族構成を知っているわけだから、高齢者の避難を助けるという模範的解答で良いと思う。。

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2021年度 開成中学過去問【理科】大問4解説

以下の問いに答えなさい。
数値が割りきれない場合は小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで答えなさい。

問1

長さが84cmの太さが一定でないバットを糸を使ってつるし、水平にすることを考えます。図1のようにするには540gの力が、図2のようにするには180gの力が必要でした。図3のように、糸1本だけでバットをつるすにはバットの左端から何cmのところをつるせばよいですか。また、このとき糸を支える重さは何gですか。

 

ものをその一点支えることができるとき、その点を「重心」といいます。例えば、図3で糸を支えている位置(ばねばかりの位置)はバットの重心の真上になります。
 一見複雑で重心の位置がわからないように見えるものも、様々な方法で調べることができます。その方法の1つに、「そのものを適当な部分に分け、その部分ごとの重心を考えることで、全体の重心を求める」というものがあります。重さが無視できるほど軽く、曲がらない真っ直ぐな棒をつかい、この方法で、いろいろなものの重心の位置を考えてみましょう。

問2

重さ10gのおもり10個を図4のように10cmの棒2本に取り付け、
それを棒の外側の端が揃うように30cmの棒につり下げます。
すべての棒が水平に保たれているとき、図中のア・イの長さはそれぞれ何cmでしょうか。


実は図5のように10gのおもり10個を30cmの棒に取り付けたとき、棒に糸をつけて水平に保てる〔 ウ 〕の長さは〔 イ 〕の長さに等しくなります。このように、一見複雑で重心の位置がわかりにくいものも、うまく分けてその部分ごとに重心を求めることで、全体の重心を求めることができます。

厚さが一定の変形しない板(横80cm×縦50cm)から図6のような形を切り取りました。図7は切り取られて残った部分を表しています。なお、板の大きさがわかりやすいように、縦横10cmごとに破線が描かれています。また、板をつるしている糸はすべて同じ長さであるとします。

問3

切り取った板を図8のように60cmの棒に、両端の位置が揃うように取り付けました。このとき、棒が水平に保たれるためには図中の〔 エ 〕の長さをいくらにすればよいでしょうか。なお、板を図9のように10cmごとに切って棒に取り付けても、棒を水平に保つために支える位置は同じになります。

問4

切り取られて残った部分を図10のように80cmの棒に、両端の位置が揃うように取り付けました。このとき、棒が水平に保たれるためには、図中の〔 オ 〕の長さをいくらにすればよいでしょうか。なお、切り取られる前の板の重心は、板の中心になります。

問5

図11のように厚さが一定の半径30cmの円形の板から半径10cmの円形の板が切り取られて残った部分があります。この板を図のように60cmの棒に、2つの円の中心を結んだ線と棒が平行になるように、板が棒の幅にちょうどおさまるように取り付けました。このとき、棒が水平に保たれるためには、図中の〔 カ 〕の長さをいくらにすればよいでしょうか。


@解説@
問1:左端から―21cm、重さ―720g

支点をこのように設置する。
左側のばねばかりが重いということは、左側が支点との距離が近い。
重さの比が540:180=
支点からの距離は逆比で
支点は左から、84×/=21cm
糸を支える重さ=バットの重さは、540+180=720g

問2:ア―8cm、イ―16cm

モーメントの計算。【重さ×支点からの距離】が等しいと釣り合う。
ア:10×4/5=8cm

10cmの棒は30cmの棒の左端から8cm、右端から6cmの場所にぶら下がっている。
あいだの長さは、30-(8+6)=16cm

どちらも重り5個分と10cmの棒で重さの合計が等しい。
支点は両者の中点にある
イ:8+16÷2=16cm

問3:31cm

両サイドの青が左右対称なので、中央にを集める。
は距離が10cm。4:1に内分しての左2cmにを集める。
最後にのあいだの3cmを1:2に内分。
支点は左から、30÷2+1=16cm

問4:39.4cm

左右の3列が左右対称。中央にを集める。
のあいだの10cmを1:4に内分。から右2cmに
のあいだの3cmを4:1に内分。
支点はから3×1/5=0.6cm左にある。
80÷2-0.6=39.4cm

問5:31.25cm

円を正方形に置き換えてみる。
切り取られた小さな正方形と全体の大きな正方形は相似形なので問題なし。

左右対称戦法。
20×20の正方形を右側につくる。
2つの正方形以外の面積を重さとみなして計算する

60×60-20×20×2=2800
周りの合計が2800で、これを中央に集める。
赤い正方形400の重心は中央から右10cmのところ。
2800400=7:1
全体の重心は2800から、10×1/8=1.25cm右側にある。
左から60÷2+1.25=31.25cm
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2021年度 海城中学過去問【理科】大問3解説

 Kさんは親と海にアジを釣りに行きました。アジだけでなくカワハギも釣ることができました。家に帰り、アジをじっくり観察してみました(図1)。小学校で飼育しているメダカより大きいので、ひれのつき方がよく分かりました

 親と相談し、アジを開いて干物をつくってみることにしました。うろこをとり、水できれいに洗い流した後、図1のようにからだの右側を下にして置きました。肛門(図1のA)に包丁の刃先を入れ、酸素をとり入れるためのつくりである( 1 )の近く(図1のB)まで腹側を切り、はらわた(内臓)を取り出しました。


 よく洗った後、図2のようにからだの左側を下にして置き、包丁が背骨の上を沿うように、刃先が背中側のからだの表面を貫通しないように気を付けて切りました(図2のX→Y)。その後、頭と尾の部分は切り落としました(図2の太線)。水で洗い、開かれたアジの両面に全体がうっすら白くなるくらい塩をまぶし、1時間後にあらためてさっと水洗いし、キッチンペーパーで水をよくふき取り、ベランダに干しました。
 カワハギは親にさばいてもらいました。きれいな白身の魚で、赤身のマグロとは対照的でした。Kさんが「赤身と白身は何が違うの?」と親に聞くと、「違いの一つは、赤身の魚は筋肉の中にミオグロビンとよばれる物質を多く含むこと。ミオグロビンは、血液成分の中の( 2 )に含まれるヘモグロビンと同じように酸素とくっつくことができる物質で、ヘモグロビンが運んできた酸素を筋肉内にたくわえるはたらきがあるんだよ。筋肉が縮むためには酸素が重要な役割を果たすんだけれど、ミオグロビンがたくさんあると筋肉内の酸素の濃度を維持することができるんだ。ミオグロビンがたくさんあるからといって筋肉の縮む力が強くなるわけではないけれどね」と教えてくれました。
 さらに、カワハギの肝臓は非常に大きいことが分かりました。肝臓といっしょに緑色をしていた( 3 )も取れました。親はKさんに「( 3 )は苦玉とも言って、肝臓でつくられた消化液がたくわえられているよ。これをつぶしてしまうと、すごく苦い液がもれて、食べるところについたら大変だから気をつけて!」と言いました。

問1
文中の( 1 )~( 3 )に入る最も適当な語句をそれぞれ答えなさい。

問2
下線部①について、アジにおいて胸びれ以外に対になっているひれを
図1のア~オからすべて選びなさい。ない場合は「なし」と答えなさい。

問3
次の図3は、ベランダに干したアジを、開いた側から見たときの輪郭を表したものです。
解答欄の図中に、「背骨がある部位」と「はらわたがあったおおよその部位」を
それぞれ記入方法にしたがい、描き入れなさい。

問4
下線部②について、次の(1)(2)に答えなさい。
(1)塩をまぶすとどのような現象がおこると考えられますか。
(2)(1)と同様の現象を利用した他の例を1つ答えなさい。

問5
筋肉では、ヘモグロビンとミオグロビンのどちらが酸素とくっつきやすいと考えられますか。
文を参考にして答えなさい。

問6
白身の魚と比べ、赤身の魚の泳ぐ能力にはどのような特徴があると考えられますか。

問7
下線部③について、肝臓には様々なはたらきがあります。
消化液をつくること以外で肝臓のはたらきを1つ答えなさい。


@解説@
問1:1―えら、2―赤血球、3―胆のう
1-魚類はエラ呼吸。
口から入れた水がエラを通過するときに溶けている酸素をかっさらう。
2-赤血球が赤いのはヘモグロビンが持つ色素。
3-やや難。
肝臓の近くにある緑色をしたもの。肝臓でつくられた苦い消化液を蓄えている。
胆嚢(たんのう)。
胆汁は脂肪の消化を助ける消化液で、胆嚢ではなく肝臓で生成される
嚢(のう)は袋という意味で、胆嚢で胆汁をたくわえて濃縮、
胆管を通じて十二指腸に排出される。

問2:エ
すべて選べのうえ、なしの場合もある(;∀;)

あえて『メダカより大きいので』との言及が
あるから、メダカのヒレを想起する。
メダカは胸ビレと腹ビレが左右で対なので、エが正答となる。
アジはメダカとちがって背ビレが2つあるのが厄介(´~`)

問3:下図参照
アジを開かせるという(σ・Д・)σ
よく観察していた子は有利だが、見ていなくても問題文をヒントに解ける。

A→Bに包丁を入れて、はらわたを取る。
背骨の上に沿うようにX→Yに刃先を移動させる。

アジの腹をパカっと開くので、真ん中がアジの背。
背骨は目の後ろあたりから尾びれに向かって途切れることなく伸びる。
目の位置は頭をカットした太線から見当をつけよう。
はらわたは頭側の下。片側のみにびっしり詰まっているわけではないので対に描く。

問4①:アジの体内にある水分が出てくる。
②:野菜を塩もみして脱水する。
*今年の麻布中にも出てました( ..)φ

大問3より。野菜の表面にある『特別な膜』とは半透膜のこと。

塩事業センターより。
セロハンのように、水は通すが食塩のような大きい粒は通さない膜を半透膜という。
濃度を一定にするために、水が半透膜を超えて濃度の高い塩水側へ移動する。
この移動を押し返してストップさせるために必要な圧力を浸透圧という。
細胞をおおう細胞膜は半透膜の一種
アジの表皮についた塩が溶け、浸透圧でアジの水分が体外に出てくる。
ナメクジに塩をかけると縮む
のも浸透圧による。

@生物の恒常性@
生物は体内環境が大きく変化すると死んでしまうので、
体内の状態を一定に保つ機能(恒常性;ホメオスタシス)が備わっている。
恒常性と浸透圧に関連してよくでてくる話が魚類の体液濃度の調節。

サントリーより。海水魚は周りにある海水の方が濃度が高いので、
アジに塩をかけたときのように、体内から水が出て水分不足におちいってしまう。
そのため、多量の海水を飲み込み、余分な塩類(えんるい)をエラから排出する。
水を外に出さないよう、腎臓では濃度の高い少量の尿をつくる。
反対に、淡水魚は体内のほうが濃度が高いので、水が入り込んで破裂する危険がある。
水は少しだけ飲み、塩類が出て行かないよう、濃度の薄い尿を大量につくって出している。

問5:ミオグロビン
ヘモグロビンが酸素を運んできて、筋肉の中にあるミオグロビンが酸素をキャッチする。
ヘモグロビンよりミオグロビンの方が結合しやすいからこそ、酸素の受け渡しが可能になる。

@酸素解離曲線@

センター試験(2010年度)より
。高校生物で習う酸素解離曲線
横軸は酸素濃度。縦軸は酸素と結合している割合。
酸素ヘモグロビンとは、酸素と結合しているヘモグロビンのこと。
肺のなかにある肺胞は酸素が豊富にあるので酸素濃度が高く、
ヘモグロビンが酸素をキャッチして酸素ヘモグロビンの割合は高くなる。
各細胞の組織(酸素の需要地)は酸素濃度が低く、
ヘモグロビンが酸素を組織に供給することで酸素ヘモグロビンの割合は低くなる。
ミオグロビンはヘモグロビンよりも酸素とよくくっつくので、
酸素と結合している酸素ミオグロビンの割合は酸素ヘモグロビンよりも高い。

問6:長時間の遊泳に優れている。
*リード文の情報をまとめる。
筋肉を縮ませて動かすには、酸素が重要な役割を果たしている。
ミオグロビンがたくさんある赤身魚は、筋肉内の酸素の濃度を維持することができる。
しかし、『ミオグロビンがたくさんあるからといって筋肉の縮む力が強くなるわけではない』。
短距離走者と長距離走者は筋肉のつき方が違うというのをどこかで聞いたことはあると思う。
筋肉の瞬発力が高いわけではない。酸素濃度の維持が高いということは、赤身は長距離型。

赤身魚のマグロは広い外洋を泳ぐ回遊魚。
マグロは自力でエラブタを動かすのが難しいので、
口からエラに向けて絶えず水を流し込まないと呼吸ができない。
泳ぎ続けるには大量の酸素を要する。

問7:下記参照。
肝臓は横隔膜の下にある、最も大きい臓器。
人体の化学工場とも言われており、生命維持に必要な化学反応がいろいろ行われている。
以下は胆汁の分泌をのぞく代表的な働きの一例。
①血糖値の調節
血糖値が高くなるとグルコース(ブドウ糖)をグリコーゲンに変換して蓄え、
血糖値が低くなるとグリコーゲンをグルコースに分解して血液中の糖の濃度を保つ(恒常性)。
②タンパク質の合成。
有名どころはフィブリノーゲンとよばれる血液凝固因子。止血の話にでてくる。
③尿素の合成。
アミノ酸の分解で生じた有毒なアンモニアを比較的無害な尿素に変換する。
④解毒作用。
アルコールを分解して無害な物質に変換する。
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