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2023年度 海陽中等教育学校・特別給費過去問【理科】大問1解説

問題PDF
地球の内部を調べる方法について、次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

 地球は半径およそ6400kmのほぼ球形で、地表から中心に向かって、地殻、マントル、核の3層に分かれています。
 核は地表から深さ約2900kmより深い部分で、主に鉄からなります。さらに核は、状態により2つの層に分けることもできます。深さ約5100kmまでは液体、そこから中心までは固体になっています。
 マントルと地殻は、主に岩石でできており、岩石のちがいにより区分されています。直接掘って調べたわけではないのに、どうしてわかるのでしょうか。
 地震が起こると、震源から振動が四方八方に伝わっていきます。これが地震波です。人工地震でも同様で、地震波が発生した時刻が正確にわかるため、弱い地震波でも観測することができます。地震波にはP波とS波があり、P波は固体・液体・気体いずれの状態でも伝わりますが、S波は固体にしか伝わりません。
 震源が地表にあり、地球全体を伝わる人工地震について考えていきます。地球の反対側までは数十分かかって伝わります。

問1
次の図1は地球の断面の半分を、内部の構造とともに示したものです。
ただし、地殻はうすいため、ここでは省略しています。

(1)震源(×印)から地震波が地球全体を伝わるとき、P波・S波がそれぞれ最も遠くまで伝わる経路を図にかき入れなさい。P波の経路は実線の矢印()で、S波の経路は点線の矢印()でかきなさい。ここでは地球内部を伝わる地震波速度は一定であるものとします。

(2)地球全体に占めるマントルの体積の割合は何%になるか、計算しなさい。答えは小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。図1のように、地球は半径6400kmの球形で、マントルと核の境界までの深さは2900km、地殻の厚さは無視するものとします。また、体積は半径×半径×半径に比例します。

 実際には、地震波速度はかたい物質中で大きく、やわらかい物質中で小さくなります。地球内部の地震波速度は一定ではなく、一般に地球の深部ほど地震波速度は大きくなります。深部に行くほど圧力が大きくなり、岩石はかたくなるためです。ただし、液体になるとP波の地震波速度は急に小さくなります。また、岩石であっても温度が高くなるとやわらかくなるため、地震波速度は小さくなります。
 地震波が伝わっていくとき、状態が固体から液体に変わったり、岩石から金属へ物質そのものが変わったりするところでは、地震波は屈折して方向を変えて伝わっていきます。地震波の屈折の関係は図2のようになることが知られています。

 地球表層は、地殻とマントルからなります。地殻の厚さは場所により大きく異なりますが、それでもおよそ5~60kmほどです。地殻をつくる岩石よりも、マントルをつくる岩石の方がかたいので、地震波速度は大きくなっています。

 次の表1は、8時48分50秒に発生したある地震で、観測点までの距離とP波到達時刻をまとめたものです。

 この結果から、地震波速度が途中で変化していることが分かります。直接地殻だけを伝わったP波が観測される場合(直接波という)と、地殻からマントルに地震波が伝わって屈折し、マントルを速く伝わった地震波が再び地表まで到達して観測される場合(屈折波という)があり、より速く伝わった方の波がP波の到達時刻として記録されます。つまり、屈折波が直接波を追いこすと、記録は屈折波のものとなります。図3はこのようすを説明したものです。


問2
表1の結果から、次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1)直接波と屈折波がほぼ同時に到達する(この観測点より遠方へは屈折波の方が先に届く)観測点は、A~Jのどこが最も近いと考えられますか。A~Jの記号で答えなさい。

(2)①直接波のP波速度(秒速)と、②屈折波のマントル内を伝わるP波速度をそれぞれ求めなさい。答えは小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

(3)この地域での地殻の厚さ(地殻とマントルの境界面までの深さ)を考えます。次の図4のように地震波が地殻やマントルを伝わっていくものとして、地殻の厚さを求めなさい。求め方も説明し、答えは小数点以下を四捨五入して整数で答えなさい。なお、直角二等辺三角形の辺の長さの比は下図の通りです。
 

 境界面で地震波速度が大きく変化しなくても、同じ層内であっても深部ほど速度が大きくなるため、地震波は曲がって伝わっていきます。さらに、地震波が核に到達すると、地震波速度が大きく変化するため、図5のように進む方向が大きく屈曲して伝わります。

 次の図6は、地表付近の地表からの深さとS波の地震波速度の変化を表したものです。

 また、図7は地表付近で発生した地震波のS波が伝わるのにかかる時間を表したグラフです。震源からの距離1100km前後のところでグラフがとぎれていますが、これは地震波が伝わっていないことを示しています。

問3
図6・図7について、正しい説明をしている文を次のなかから選びなさい。
ア 地表からの深さ約5~70kmの層は、その上下の層より岩石がかたくなっている。
イ 地表からの深さ約70~220kmは、マグマが発生している層であるので、
  すべてとけて液体になっており、やわらかい。
ウ 震源からの距離1100kmの前後は海になっているため、地震波が伝わらない。
エ 図7でグラフがいったんとぎれた後、再び現れるとき上にずれて現れるため、
 とぎれた地点より遠い地点へ伝わるときには、地震波速度が増加していると考えられる。

問4
図7においてグラフがとぎれる理由を、図2・図5を参考に、次の図を使って説明しなさい。
深さの縮尺が異なりますが、図の通り考えてください。

問5
地球表層は十数枚のプレートに分かれており、海のプレートは地球表層をすべるように動き、陸のプレートにぶつかって、陸のプレートの下に沈みこんでいると考えられています。これまでの内容から、プレートは何kmぐらいの厚さであると考えられますか。最も適当なものを選びなさい。
ア:10km イ:40km ウ:70km エ:110km オ:220km

 地震波速度は温度の違いによっても変化します。地球内部のわずかな地震波速度の変化をとらえ、地球の内部構造を三次元的に解析する方法を、地震波トモグラフィーといいます。これによって海のプレートが陸のプレートの下にしずみこむようすが証拠としてとらえられています。

問6
図8は、地表付近の2地点を震源とする人工地震で発生した地震波の経路と、地表の観測点を示したものです。図中の矢印で示した観測点では、この地域の地下の岩石が均質であった場合と比べて地震波の到達がおそくなりました。このことから、地下には周囲より温度が高く、やわらかい部分があると推定されます。その部分を図中に1つのだ円と斜線()で示しなさい。


@解説@
問1(1)下図参照
前文の情報をまとめる。

深さ2900kmより下にある核の主な構成物質は鉄。
核は深さ5100kmの内外で状態が異なり、外側は液体、内側は固体。
マントルと地殻の主な構成物質は岩石。
地震波は震源から四方八方に伝わり、S波は固体のみ伝わる(液体・気体は伝わらない

解答は上図になる。
P波は液体を通過できるので、核を通過して震源の反対側まで到達する。
S波は液体を通過できないので、核に接する直線との交点が最も遠い。

@P波とS波@

P波は縦波。進行方向に平行な振動。速いがエネルギーは小さい。
S波は横波、進行方向に垂直な振動。遅いがエネルギーは大きい。
地震が起きたときの最初のカタカタカタ(初期微動)はP波、
あとにくるガタガタガタ(主要動)はS波によるもの。

(2)84%

体積は半径×半径×半径に比例する。
地球の体積比…64×64×64=262144
核の体積比…核の半径は、6400-2900=3500kmであることに注意!35×35×35=42875
マントルの体積比…262144-42875=219269
219269÷262144=0.836…≒84%

@余談@
地殻:マントル:核の割合は、卵のカラ:白身:黄身のたとえがよく紹介される。
カラが地殻、白身がマントル、黄身が核に相当する
問題文にあるように、地殻の厚さは場所によって大きく異なるが、
厚くても50~60km程度が多いので、実際の地殻は卵のカラより小さい割合である。

問2(1)E

図3にならってグラフを作成する。
横軸は震源距離、縦軸はP波の到達時刻。

1マスをどれくらいに設定するか。
5マスが横9個、縦が6個。震源距離の最大は410km、到達時間は1分後。
1マスを10km、1秒としてプロットする。すると、Eのところできれいに折れ曲がる。
Eまでは直接波、E以降は屈折波が観測されたことになる。

(2)①秒速6km
計算するときは距離を長くとろう。
震源距離はEの210kmで計算する。
8:49:25-8:48:50=35秒
210km÷35秒=秒速6秒

②秒速8km
ここも距離を長くとるため、E~A間で計算する。
410-210=200km
8:49:50-8:49:25=25秒
200km÷25=秒速8秒

(3)40km
なんと説明も要求される。
いったん公式解答をみてみましょう。

xが□に変わっただけで、もろに数学の方程式です。
難関校狙いはできて当然なのでしょうね(;´・ω・)

震源からEまでは210km、35秒。
求めたい地層の厚さを□kmとすると、震源距離の両サイドも□kmとなる。
斜辺は1.4×□km。真ん中部分は210-2×□km。
地殻の斜辺が秒速6km、マントルの直線が秒速8kmで伝わるので、
屈折波の時間で等式を立てると、2×1.4×□÷6+(210-2×□)÷8=35秒
これを解くと、□=40.3…となって40km。

@別解@
解答欄に書けるかわかりませんが、算数で攻略するには以下のように解くといいと思います。

屈折波も直接波と同様に210kmを走った場合を考える。
時間は速さの逆比で、直接波:屈折波=④:③
④が35秒なので、差の①は35/4秒。

35/4秒の差は両端で起こる。片方の差は÷2して35/8秒。
青線ルート赤線ルートより35/8秒遅い
距離の比は、青:赤=1.4:1=⑦:⑤
時間の比=距離の比÷速さの比だから、青:赤=⑦÷:⑤÷=【28】:【15】
差の【13】=35/8秒
求める距離は赤線の長さ。(35/8×15/13)秒×秒速8km=40.3…≒40km

@走時曲線@

wikibooksより、高校地学で習う走時曲線
横軸は震央距離。震央とは震源の真上の地点。
縦軸は走時。走時とは地震波が到達するまでの時間。
震央から離れると、ある地点からは地震波が予想より早く観測された。これは地殻の下には地震波の高速道路となる”別の何か”があり、それを通じて急速に伝わった地震波が再び地殻へ戻ったから。こうして屈折波の観測から地殻の下にあるマントルの存在が判明した。地殻とマントルの境界面は発見者である旧ユーゴスラビアの地震学者の名を冠してモホロビチッチ不連続面モホ面)という。


問3:ア

ア:図6、深さ5~70kmのS波はその上下の層より速度が大きい。
 問題文より『地震波速度はかたい物質で大きい』ので、深さ5~70kmの層は硬い。〇

誤答はいろいろ違和感がある。
イ:液体のマグマがあったとしたら、S波は伝わらないので図7の70-220kmはとぎれるはず。
ウ:海?(‘Д’)S波は海を伝わらないが、震源距離1100kmにある大陸を探せば良さそうだが…。
 グラフがとぎれる理由は次の問題で扱う。地震波の屈折がポイントになる。
エ:確かに図7の前半の直線を延長すると、後半の直線はそれより上にズレている。
 横軸が距離、縦軸が時間なので速さは傾きで表されるが、直線の傾きは同じに見える=等速。
 加速度(速度の変化率)が大きくなると、グラフは放物線を横向きにした形になる。

問4:下図参照
1100km前後でグラフがとぎれる理由を説明する。
まずは図2と図5を照らしあわせてみる。

(↑図2は右側だけ上下反転しました)
なぜ、青線の地震波は曲線で伝わっていくのか。
 地層は深いほど圧力が大きくなって密度が大きい。地震波速度は小⇒大と変化し、屈折角は大きくなって境界面に近づきながら(進行方向の左に曲がりながら)進んでいく。ある地点から波は密度の小さい上層を向く。地震波の速度は大⇒小と変化し、屈折角は小さくなって境界面から遠ざかりながら(左に曲がりながら)のぼっていく。このように速度と屈折角が連続的に変化しつつ、地震波は緩やかな曲線を描く。
 一方で、赤線の地震波は核の中へ侵入すると、地球の中心に向かって大きく湾曲している。核の外側は鉄の液体ゆえ、地震波速度が大きく減少して屈折角が小さくなった結果、境界面から遠ざかるように曲がったことで、地表のゴール地点も遠くにズレている
 青線赤線のあいだには地震波が到達しないエリアができる。図5のP波の屈折はマントル―核間の境界面における深さ2900kmの出来事であり、本問は深さ220kmまでのS波が伝わる経路と別の話であるが、この地震波のスキマが図7のグラフのとぎれと類似する現象ではないか?と推測する(;`ω´)キツ

波は左右対称に描いてください。
青線の地震波は深さ70km近くを通過する。このカーブの内側は地震波が伝わる領域である。
赤線の地震波は70kmより深い層へ侵入し、一度大きく屈折して遠くへ伸びる。
深さ70kmに戻った後で同様の弧を描くと、震源から1100km付近に地震波が到達しなくなる。

@グーテンベルク不連続面@
図5に関して、マントルと核の境界でも大きな屈折が起こる。

Webで地学より。震源を0度すると103°まではP波とS波が到達するが、103°~143°の間はいずれも伝わらず、143°以降はP波のみが観測される。2つの波が伝わらない地域をシャドーゾーンという。103°の手前で到達する地震波の曲線の最下点あたりにP波を屈曲させる境目があり、143°以降でS波が到達しないことから、境目の下は液体だと考えられる。このマントルと核(外核)の境目はグーテンベルク不連続面とよばれ、地表から約2900kmの深さにある。

@スネルの法則@
波の入射角と屈折角には法則がある。

 境界面に対して垂直な直線を法線という。図の小・大が書かれる角の位置関係は入射角と屈折角に相当する。そして、入射角と反射角の比は波の速さの比と等しくなる。これをスネルの法則という。(*厳密にいうと、角度は高校数学で習う三角比のsinで記述する)

 スネルの法則を感覚的につかむために、運動会の台風の目を想像しよう(´ω`).。0
通常、光は線で表すが、幅のある帯状でとらえる。最初は長い棒が上図のようにゆっくりと平行移動していた。棒の左端がいち早く速度の大きい世界へ突入すると、棒の左側が速く、右側が遅い状態になる。台風の目が三角コーンを曲がるときに外側が速く、内側がゆっくり動くのと同じように、棒は速い左側をアウトコース、遅い右側をインコースにして曲がる。境界面をはさんで波の速度が大きくなると、曲がり具合も大きくなる。


問5:ウ
今までの説明のなかで、プレートはどこにも出てこなかった(;`ω´)
地球の表層にある海洋プレートは『すべるように動く』。
核の外側は液体だが、深さ2900kmだから違う。
あまり深くないところで、他に動きやすそうな部分はどこだろうか。

地震波の特徴で地球内部の構造がわかったので、本問も地震波から考える。

図6のココです。
深さ70~220kmはマントル内部の固体であるはずだが、
この領域だけいきなりS波の速度がガクッと落ちている。
なぜなら、深さ70~250kmの層は高温でやわらかく、流動性があるから
プレートはこの上をすべるので、プレートの厚さは70kmほどとなる。

@大陸は流れる@

ちーがくんと地学の未来を考えるより。
地球は外側から地殻→マントル→核に分けられる。
(細かくいうとマントルは上部と下部、核は液体の外核と固体の内核がある)
物質の違いに基づく分け方だが、動きやすさ(力学的な観点)に着目した分類がある
それがリソスフェア→アセノスフェア→メソスフェアとよばれる区分。
リソスフェアは低温で堅く、物質の分類でいえば地殻とマントル最上部にあたる。
このリソスフェアがプレートである

リソスフェア=プレート=地殻+マントル最上部

大陸地殻(大陸部分の地殻)はとくに密度が小さく、マントルに浮いているといえる。
リソスフェアの下にあるアセノスフェアは高温で軟らかいため、ゆっくりと流動しており、
アセノスフェアの流れを受けて大陸地殻を乗っけているプレートが移動し、
地殻変動で地震や火山が起きたり、大陸が移動をする。
下の世界と上の世界はつながっている。

@マントルは動いている@
では、なぜプレートを動かすアセノスフェアは固体なのに動いているのか。
有力視される仮説がプルームテクトニクスである。

島根半島・宍道湖中海ジオパークより。
 プルームテクトニクスの考えによると、マントルは全体的にゆっくりと対流するという。ハワイやタヒチ(太平洋)、アフリカあたりの地下深くでは、核の熱を受けてマントル物質が上昇するホットプルームが起こる。マントル物質は横へ広がり、この流れが上に乗っかっているプレートを動かす。やがて、アジアの下にあるコールドプルームとよばれる下降流に乗り、核へ戻っていく。すべてのマントル物質がうまい具合に循環しているかはわからないが、地球内部で起こるダイナミックな対流からプレートが動く仕組みを大まかに説明できるようになった。
 確かに、太平洋の海底にはプレート同士が離れていく『広がる境界』があり、アフリカ東部にはアフリカ大地溝帯(だいちこうたい)とよばれる巨大な大地の裂け目がある。また、アジアではプレート同士がぶつかり合う『せばまる境界』として日本海溝やマリアナ海溝があり、インド半島が大陸に衝突することでヒマラヤ山脈が形成され、対流によりプレートが集められたことで巨大なユーラシア大陸が生まれたとも考えられる。

問6:下図参照

温度が高く、やらわかい部分は地震波が遅い。
2地点から伸びる地震波のうち、→のあいだにそのような場所がある。
青の領域と赤の領域が交わる部分が正答となる。
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2022年度 早稲田中学過去問【理科】大問4解説

問題PDF
 図は、ある地域の地層の分布や断層のようすを示しています。このような図は、地質図と呼ばれます。図中の点線は等高線で、この地域には丘があることがわかります。この地域には異なる岩石でできているA層、B層、C層が分布していて、B層から見つかった化石のほうが、A層で見つかった化石より、新しい時代に栄えた生物の化石でした。また、図中の実線は、A層、B層、C層の互いの境界を示していて、太線は南北方向の断層を示しています。
 この地質図から、断層の〔 ① 〕側が〔 ② 〕m隆起していることがわかります。

問1
図中のa―a’の地形の断面を、西側から見たときの図として最もふさわしいものを選びなさい。

問2
図中のb―b’の地形の断面を、南側から見たときの図として最もふさわしいものを選びなさい。

問3
C層は、砂が下から上に向かって順に堆積して形成されたことが分かっている。
図中の地点XではC層の地層が見られ、地層中の砂の粒の大きさや浅い海だったときに
生息していたカニの巣穴の化石に注目して観察した。
観察したスケッチとして最もふさわしいものを選びなさい。

問4
図中の地点Yから水平に、西に向かってほり進めたところ、A層とB層の境界面に達した。
ほり進んだ距離として最もふさわしいものを選びなさい。
ア:10m イ:20m ウ:40m エ:60m オ:80m

問5
文章中の〔 ① 〕、〔 ② 〕あてはまる語と数値の組合せとして最もふさわしいものを選びなさい。


@解説@
問1:エ

Bの化石がAの化石より新しい⇒B層はA層より上。
図の等高線からきれいな山なりの丘で、上からC⇒B⇒Aの順。
a―a’の断面はA~Cいずれの層にも触れる。

問2:ウ

b―b’は断層の左側。
ぱっと見た感じB層が左にせり出しているので、南側からみるとA―Bの境界面は左上。

問3:エ
素直に考えればよいと思う。

下から堆積したから大きな粒が先に堆積して下にくる。
カニは穴を掘って巣穴を作るから、穴は下側にのびる。

@級化層理@
粒子の大きいものから順に堆積する構造を級化層理(きゅうかそうり)という。

このBGMなんなんだ(*’ω’*)w
琉球大学の作製なので一応ちゃんとした動画になっています。
ペットボトルにグラウンドの砂と水を入れてシャッフル。
そのまま放置していると粒子の大きい砂が下に積もる。

選択肢のエでは3層分みえますが、その回数分だけ級化層理が起こったことになる。
巨大地震が起こると河口付近の浅瀬に積もっていた堆積物が地すべりをして混濁流となり、
さらに深い海底へ落ち、級化層理によって下から砂⇒泥の順に積もる。
地震のたびに一連の現象が起こると、海底では砂や泥が交互に重なるタービダイトが形成される。

問4:イ
実力差がでる(;`ω´)

距離を求めるので数値に注目する。
地表にあらわれているA―Bの境界面にをつけてみると、
東西に10m移動すると標高差もちょうど10mである
(ということは、B層は西側に45度傾斜している)

Yを通る垂線をひく。
この垂線におけるA―B境界面の高さは、50mの1個右だから40m。
Y地点の標高は60mなので
、Y地点から西へ20m進むと境界面(黒線との交点)にぶつかる。

問5:ウ

C層が邪魔くさい。
先ほどの境界面を延長すると、断層の東側は80m。
一方で断層の西側は50m。よって、東側が30m隆起した。

@余談@
問題文では『隆起』から東側の隆起を確定できてしまいますが、
この文言がもしなかったら、西側が30m沈降した場合も想定できる。
この場合、どう判断するか?

本問の地質図の奇妙な点は断層の東側にA層が中途半端に露頭しているところ。
もし西側が隆起すればB層とB層のあいだにA層がくることはないが、
東側が隆起してc—c’の上の部分が風化や浸食でなくなったとすれば、
左からA層→B層→A層→B層の順で地表にあらわれる。
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2022年度 渋谷教育学園幕張中学過去問【理科】大問4解説

問題PDF
次の各問いに答えなさい。ただし音速は常に毎秒350mとします。

 図1のように壁から300m離れた位置に観測者がいます。壁と観測者の直線上に音源を置きます。この音源から音を1回鳴らすと、観測者は音源から直接届く音と、壁で反射した音の、合わせて2回の音が聞こえました。このとき観測者が聞いた音と音の間の時間をT秒とします。

(1)
次の①、②の場合について、Tの値を小数第1位まで答えなさい。
①音源と壁の間の距離が140mの場合(図2)

②音源と壁の間の距離が400mの場合(図3)

(2)
(1)の音源の位置だけを同じ直線上でいろいろ変えたとき、Tの値がどうなるか調べました。
図4のように、横軸を壁から音源までの距離、縦軸をTとするとき、
どのような形のグラフになるか示しなさい。ただし値は書かないこと。
(1)②の答えをtとする。

 次に平面上で考えます。図5は上から見た様子で1目盛りを50mとします。A、Bの2か所に観測者がいて、AとBは800m離れています。A、Bと同じ平面上のどこか1か所に音源を置き、その音源から出た音を聞いた時刻を測定しました。


(3)
音源で音を出してからAでは1秒後に、Bでは2秒後に音が聞こえました。このとき音源の位置として考えられるすべての位置を作図しなさい。ただし、作図に必要な線はすべて残しなさい。また、音源の位置を点、線、範囲で示す場合、図6に従い答えの部分を矢印で示しなさい。


(4)
音源で音を出し、Aで音が聞こえた時刻から1秒後にBで音が聞こえました。
このときの音源の位置を示す線として最も適切なものを選びなさい。

(5)
音源の位置をいろいろ変えて、AとBで音が聞こえた時刻の差を測定したところ、
その時間には最大値があることがわかりました。
①初めにAで音が聞こえてから、次にBで音が聞こえるまでの時間の最大値を小数第1位まで答えなさい。

②①のときの音源の位置として考えられるすべての位置を(3)と同様の方法で作図しなさい。


@解説@
(1)①0.8秒

の差はの往復分280m。
280÷350=0.8秒

②1.7秒

の差はの往復分600m。
600÷350=1.71≒1.7秒

2)
 
音源を右に移動させて壁から離す。
の差であるは前問と変わらない
すなわち、音源が壁から300m以上離れると
T=tで一定である。

今度は音源を左に移動させて壁に近づける。
が短くなるのでTの値は減少していく。

壁の位置に音源があると差は0になる(T=0)。

↑答え

(3)
確実にとっておきたい作図。

Aから1秒=350m=7マスの距離。
Bから2秒=700m=14マスの距離。
Aを中心に7マス、Bを中心に14マスの円を描き、2つの交点が答えになる。
解答の形式は図6にならうこと!

(4)エ
Aが先に聞こえるので、A寄りになるはず。

が(3)の円。
は1つ内側、は1つ外側で、黒は2つ外側の円。
円の交点はエのような線をたどる。

@@
図が失敗してしまった(; -_-)
グラフの右端(★)はAから4.5マスになる。
A~★の長さを〇mとすると、★~Bは〇+350m
〇+(〇+350)=800m
〇=225m
225÷50=4.5マス

(5)①2.3秒

どういうときにAとBの差が大きくなるか。
直線AB上のに音源があると差は800mになる。
もし直線AB上から外れたに音源があると、差は800mよりも短くなる!
つまり、差の最大は800m
800÷350=2.28…≒2.3秒



直線上の話なので、(2)がヒントになりうる。
壁と観測者の延長線上にある音源をさらに遠くへ置いても、
音と音のあいだの時間T秒は変動しない。
Bの反対側の直線が答えとなる。
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2022年度 渋谷教育学園幕張中学過去問【理科】大問3解説

問題PDF
 夜空を見上げると、さまざまな明るさの星が輝いています。注意深く観察すると、星には色の違いがあることが分かります。カメラや望遠鏡を使うと、星の明るさや色がさらにはっきりと区別できるようになります。

 電球を使った実験を行い、夜空に輝く星について調べます。みなさんの家庭で使われている電球は、LEDのものが多くなってきましたが、白熱電球という種類の電球も使われています。白熱電球は点灯すると熱を発生します。
 家庭や実験室で使われている電気の電圧は、100V(ボルト)です。電圧を変える装置のことを変圧器と呼びます。電圧を変えると、白熱電球の明るさが変化します。
 光が当たっている場所の明るさを照度といい、ルックスという単位を使います。照度が大きいほど明るいです。照度は照度計で測れます。

<実験1>
 図1のように装置を配置して電圧は一定のまま、白熱電球を点灯し、電球から照度計を少しずつ遠ざけて、距離と照度の関係を測定しました。すると、図2のような結果が得られました。

(1)
次の〔  〕にもっとも適するものを選びなさい。
 電圧が一定ということは、白熱電球が出している光の量に変化がないということです。<実験1>では、電球と照度計の距離が遠くなると、照度が〔上昇・下降〕していくことがわかります。図2より、電球から100cmの距離での照度は、50cmの距離での照度にくらべると、約〔1/2・1/3・1/4〕になっていることがわかります。この関係から、250cmの距離での照度は、50cmの距離での照度にくらべて、約〔1/5、1/10、1/25、1/250〕になることが予想できます。

<実験2>
 次に図3のように、白熱電球と照度計との距離を一定にして、電圧を変化させて照度を測定しました。結果を図4に示します。同時に、放射温度計を用いて電球の温度を測定しました。結果を図5に示します。

(2)
次の〔  〕にもっとも適するものを選びなさい。
 電圧を上げると、照度が〔上昇・下降〕します。白熱電球と照度計の距離は一定なので、電圧が大きいほど、電球は〔明るく・暗く〕なることがわかります。電圧が50Vの時とくらべて、100Vでは、明るさは約〔2・5・15・30〕倍になっていることがわかります。電球の温度は、電圧を上げると〔上昇・下降〕していくことがわかります。夜空の星が同じような性質ならば、明るい星は温度が〔高い・低い〕ということになります。

 図6の虹の写真からわかるように、太陽の光の中にはさまざまな色の光がふくまれています。白熱電球も同様です。
 テレビやスマートフォンの画面は、青色、緑色、赤色の光の強さを調節して、多くの色を表す仕組みになっています。そこで、図7のような青色、緑色、赤色の色ガラスを用意しました。これらの色ガラスは、その色の光しか通さない性質をもっています。色ガラスを利用して、白熱電球の光の特徴を測定しました。

<実験3>
 照度計に色ガラスをかぶせて、次の実験をしました。白熱電球との距離を一定に保ったまま、電圧を変えて、それぞれの色ガラスごとに照度の測定をしました。すると、表1のような結果になりました。これをもとにグラフを作ったのが図8、図9です。

(3)
<実験3>の結果から考えられる文として適切なものを2つ選びなさい。
ア:白熱電球からの光は電圧を高くすると、赤色に対して青色と緑色の割合が高くなっていく。
イ:白熱電球からの光は電圧を高くすると、赤色に対して青色と緑色の割合が低くなっていく。
ウ:白熱電球からの光は電圧を変化させても、赤色に対する青色と緑色の割合は変わらない。
エ:電圧を変化させると、白熱電球の色が変わると考えられる。
オ:電圧を変化させても、白熱電球の色に変化はないと考えられる。

(4)
夜空に見える星の明るさや色の関係が、<実験1、2、3>と同じと考える。
次の文のうち適切なものを2つ選びなさい。
ア:赤い星と青い星は、温度は変わらないが、青い星ほど明るい。
イ:赤い星と青い星は、温度は変わらないが、赤い星ほど明るい。
ウ:赤い星は温度が低くて暗く、青い星は温度が高くて明るい。
エ:赤い星は温度が低くて明るく、青い星は温度が高くて暗い。
オ:赤い星は赤色の光だけ、青い星は青色の光だけを出して輝いている。
カ:星はさまざまな色の光を出しているが、距離が遠いと青く、近いと赤く見える。
キ:星はさまざまな色の光を出しているが、温度のちがいで出している色の割合が変わり、
 ちがった色に見える。

 宇宙では、たくさんの星がせまい範囲に同時に誕生することがあります。地球から見ると、ほとんど同じ距離に星が集まっていることになります。このような星の群れを星団とよびます。図10は星団の例です。

<実験4>
 まず色ガラスをつけないでプレセペ星団を撮影して、それぞれの星の明るさを求めました。次に色ガラスをつけて星団を撮影し、青い光と赤い光の割合を計算しました。図11には測定できた星団の一部の星を示しています。明るい星は上に、暗い星は下になります。左側にあるのは青い星、右側にあるのは赤い星となります。

(5)
次の〔  〕に適するものを選びなさい。
 プレセペ星団には、図11の中に点線で囲んだように、AとBの異なった性質をもつ星のグループが見られます。白熱電球の実験結果と似ているのは〔A・B〕グループと考えられます。Aグループは〔青い・赤い〕星が明るいという特徴が見られます。ところが、Bグループは明るくて、〔青い・赤い〕星があります。

(6)
プレセペ星団には、赤い色をした星が二種類あることがわかります。明るい赤い星と暗い赤い星です。明るい赤い星は、暗い赤い星と比べて、どのようにちがうと考えられますか。次の(  )を補い、文を完成させなさい。

明るい赤い星は、暗い赤い星と比べて(    )。


@解説@
(1)①下降②1/4③1/25

歪んでしまいました(-_-;)
なめらか曲線で描いてください。

距離が遠くなるほど照度は下降していく。
50cmでは500ルックス、100cmでは120ルックスほど。
120÷500が約1/4なので、125ルックスと思われる。

距離が2倍になると、照度は1/4倍になる

2倍が1/4倍になるということは、2回かけた数の逆数では?
150cmだと距離が3倍になるので1/9倍になるはず。
500×1/9=55.55…⇒グラフでは50の上で当たってそう。
250cmは距離が5倍だから、照度は1/25倍。

@逆2乗の法則@

電圧一定⇒光源から発せられる光の量も一定。
距離が2倍だと面積は4倍になるから、単位面積(1つの面)あたりの光の量は1/4倍に落ちる。
すなわち、『照度(面の明るさ)は光源との距離の2乗に反比例する』。
2乗とは同じ数を2回かけること。
2乗した数の逆数になる法則は逆2乗の法則といわれ、
万有引力や静電気力に関する自然法則にも登場する。

(2)①上昇②明るく③15④上昇⑤高い

電圧を上げると照度は上昇している。
距離一定にある照度計の照度が上昇したのは、光源の電球が明るくなったから。
50Vのときは1200ルックス。100Vでは17200ルックスを超す。
17200÷1200=14.33…≒15倍

電圧を上げると温度は上昇している。
明るい(照度が高い)⇒電圧が大きい⇒温度が高い。
明るい星の温度は高いことになる。

(3)ア・エ

電圧を上げると3色いずれも照度が高くなり、最初は赤が突き抜けるが、
70Vを超すと緑が追い越すので赤色に対する緑色の割合は高くなっていく。

問題は照度の少ない青。
選択肢では緑が高くなるから青も高くなるアだと予想できるが、
電圧をさらに高めていくと本当に青の割合が増えていくのか不安になる…。

図9で50V~100Vまでの長さをとると赤が最も短い感じがする。
また、
青と赤を結ぶと、直線の傾きが緩やかになっている
縦軸は過去問にでてきた対数グラフであるが、この調子で電圧をあげていけば、
いずれ赤に対する青の割合は高くなるだろうと予想できなくもない。

『テレビやスマートフォンの画面は、青色、緑色、赤色の光の強さを調節して、
多くの色を表す仕組みになっています』
青・緑・赤は光の三原色。3色の割合でさまざまな色の光を表すことができる。
電圧を上げると3色の割合が変化するので、温度の違いで電球は異なる色に見える。

(4)ウ・キ
電圧が小さいときの明るさは暗く、赤の照度が優勢で赤く見える。
また、電圧が小さいと電球の温度は低い。
温度が低いと暗い赤に見える
逆に、電圧が高い場合、実験では100Vまででわかりにくいが、
前問で「赤色に対して青色と緑色の割合が高く」なり、
選択肢では緑がなく、青しかない。
恒星のような高温になると青の照度が優勢になり、明るい青に見えると考えられる。

アイウエ:赤い星は温度が低くて暗く、青い星は温度が高くて明るい→ウ
オ:いろんな色の光を出しているが、どの色の照度が優勢になるかで見える色が変わる。×
カ:実験1から距離が近いと明るく、距離が遠いと暗くなるが、色の話ではない。×
キ:色の違いは温度に依存する。〇
*「赤い星→低温で暗い、青い星→高温で明るい」という知識に頼っていいと思う。
『星』とは太陽のように自ら光る恒星をさす。

@緑の星はどこへ?@
選択肢から急に緑が消えたが、緑はどこにいったのか。

確かに赤い星と青い星は見たことあるけど、緑の星は実際に見たことがない…。


星の温度が高くなると、赤からオレンジ、黄色、白、青へ色が変化する。
UVは紫外線、IRは赤外線で目に見えない光。
あいだのvisibleは「目に見える」、つまり可視光線。
星の温度が低くなるとグラフの波が右に移動し、visibleの範囲は赤色が占める。
星の温度が高くなるとグラフの波が左に移動し、青色が占めるようになる。
しかし、可視光線(スペクトル)の真ん中に位置する緑に波のピーク(頂点)があるとき
赤、緑、青の光が同程度の量になるので、これらが混ざって白に見えてしまう

@ウィーンの変位則@
光は波の性質を持ち、波の山~山(もしくは谷~谷)までの長さを波長という。
光は波長が短くなると青色、波長が長くなると赤色に見える
そして、波長の長さと温度には次のような関係式が成り立つ。
波長の長さ×温度≒2900
つまり、波長と温度は反比例の関係にある。
高温だと短波長の青色、低温だと長波長の赤色になる。

横軸が波長、縦軸の放射強度は光の強さ。
Tは温度で、K(ケルビン)は絶対温度をあらわす(0℃=273K)。
温度Tが高いとグラフの山が高くなって放射強度が増す。
グラフのピーク(山頂)はその温度で最も優勢である光の波長で、
光はこの波長に応じた色に見える。
各ピークを結ぶと前述の反比例、ウィーンの変位則があらわれる。

地球温暖化の原因で、「太陽から得た熱を地球は宇宙空間に放射している。
しかし、温室効果ガスが熱を吸収して地表に戻してしまう」という話を聞いたことがあると思う。
太陽の光は目に見える可視光線なのに、地表から放出される熱が目に見えないのは何故か?
太陽の表面温度は約6000℃に対し、地球の温度はかなり低い。
ウィーンの変位則から波長が長くなり、目に見えない赤外線になるからである。

(5)①A②青い③赤い

電球の実験結果と同じように、赤が暗く、青が明るいのはAグループ。
しかし、Bグループは明るいのに赤い。

(6)表面積が大きい
難しい(´・_・`)
問題文にだいたいヒントが書いてあるものだが、直接的なヒントが見当たらない…。

(4)の選択肢ウより、
赤い星=温度低い=暗い
青い星=温度高い=明るい
…になるはずなのに、赤くて明るい星があるという。
(1)で照度は光源からの距離の2乗に反比例するから、”地球に近い星”と答えたくなるが、
星団は地球からほとんど同じ距離に集まった星の群れなので、距離ではない

距離が同じで温度が低いのに、照度が高い(明るい)のはどういうことか。
明るいということは光の量が多いということ
温度は低いが光の量が多い。
これを電球の実験で例えると、電圧の低い電球をたくさん並べる感じになる。
すると、1個の電球は暗くても光の量が増えて明るい赤になる。
恒星でいえば光を発する場所が広い、すなわち、表面積が大きい。

@赤い星のデカさ@
中学受験で赤い星といえば、さそり座のアンタレスとオリオン座のベテルギウスを習いますが、
ここで2つの星の大きさを太陽と比較してみましょう。

The Size Of Our Worldより。
左下の点すら見えないのが太陽…デケェ!!( ;゚д゚)
もっとも、ベテルギウスがアンタレスよりも大きいと説明するサイトもあるので、
不確かな部分もありますが、いずれも太陽より圧倒的な大きさを誇る点は間違いないようです。

こちらは太陽系の天体。太陽と比べると地球(Earth)はゴマ粒。

@HR図@
 
板村地質研究所より。図11の元ネタはHR図である。
横軸が表面温度に応じた色、縦軸の絶対等級は明るさ。
恒星の子供である原始星が核融合反応を起こすと主系列星になる。
左上の主系列星は高温で明るいが、重くて燃え尽きるのも早いので寿命が短い。
反対に右下の主系列星は低温で暗いが、軽くて長く燃え続けるので寿命が長い。

主系列星が晩年に近づいていくと、恒星のなかのエネルギーバランスが崩れていき、
大きく膨張してデカくなって巨星赤色巨星)に変わる。これがHR図の右上にあたる。
質量の小さい星では中心部の核融合反応が停止し、外層のガスが宇宙へ抜けていく。
すると、中心の核がむき出しになって高温の小さい白色矮わいがあらわれる。
HR図の左下である。
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2022年度 豊島岡女子学園中学2回目過去問【理科】大問1解説

問題PDF
光が鏡に入射し、はね返ることを反射といいます。図1のように反射面が球の一部となっている鏡を球面鏡といい、その外側を凸面鏡、内側を凹面鏡といいます。光は入射角と反射角が等しくなるように反射します。球面鏡の場合は、図1の点線のように球の中心Oと反射点を通る直線と、光との間の角度が入射角と反射角になり、これらが等しくなるように反射します。


物体から出た光が反射や屈折をすると「」が見えることがあります。図2のように物体から出た光が屈折し、1点に集まってから再び広がると、集まった点に物体があるように見えます。このときに見える像を「実像」といいます。図3のように屈折した光が集まらないとき、光を逆向きに延長すると1点で交わり、そこに物体があるように見えます。このときに見える像を「虚像」といいます。また、物体に対して上下がそのままの像を「正立像」、上下が逆の像を「倒立像」といいます。鏡での反射の場合も同様に、光の作図によって「」の見え方が分かります。

図4のように凸面鏡の前に矢印の形をした物体を置きました。物体の上端と下端から出る光のうち、凸面鏡に入射する光を2本ずつ描いてあります。点線は作図用の補助線です。

(1)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図4で凸面鏡のつくる像は、物体の位置から見て鏡より( ① )の位置にでき、
この像は実像と虚像のうち( ② )である。

(2)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図4で凸面鏡のつくる像は、物体の大きさと比べて( ① )像であり、
この像は正立像と倒立像のうち( ② )である。

図5のように凹面鏡の前に矢印の形をした物体を置きました。物体の上端と下端から出る光のうち、凹面鏡に入射する光を2本ずつ描いてあります。点線は作図用の補助線です。

(3)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。

図5で凹面鏡のつくる像は、物体の位置から見て鏡より( ① )の位置にでき、
この像は実像と虚像のうち( ② )である。

(4)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図5で凹面鏡のつくる像は、物体の大きさと比べて( ① )像であり、
この像は正立像と倒立像のうち( ② )である。

(5)
道路上に設置されている一般的なカーブミラー(道路反射鏡)に使われているのは
平面鏡・凸面鏡・凹面鏡のうちどれですか。
あ:平面鏡 い:凸面鏡 う:凹面鏡

(6)
(5)の答えの鏡が使われている理由として適当なものを2つ選びなさい。
あ:広範囲のものの像を見ることができるから。
い:像が正立像となるから。
う:像が物体よりも大きくなるから。
え:像が鏡よりも手前に映るから。

(7)
図6のような丁字路にカーブミラーが置かれています。
矢印の向きからカーブミラーを見ると、図7のように人が映っていました。
この人は図6のどの位置にいるでしょうか。適当なものを選びなさい。


@解説@
(1)え

上端は、下端はであらわした。
入射角と反射角が等しくなるように反射する光を描き、
これと逆向きの延長線をひくと光が交わる。(虚像
この交点が像の上端と下端である。
物体の位置から見ると、像は凸面鏡の奥側にできる。

(2)う
上図より、像は物体より小さい正立像。
*実像だから倒立像、虚像だから正立像というわけではない!

(3)あ

さっきよりごちゃごちゃする(;´Д`)
正確に描ければ上下対称になる
物体の位置から見ると、像は凹面鏡の手前にできる。
光が1点に集まってから再び広がるので実像。

(4)え
上図より、像は物体より小さい倒立像。

(5)い

見たことはあるでしょう。鏡面が膨らんでいるので凸面鏡。

(6)あ・い
なぜ凸面鏡なのか。
今までの解答をまとめると…
【凸面鏡】鏡の奥、虚像、小さい、正立像
【凹面鏡】鏡の手前、実像、小さい、倒立像
鏡に映った景色が倒立(上下逆)だと危ない…。

図は物体から出た光が反射する様子だが、逆にいえばこの範囲にある光が、
凸面鏡に反射して物体のある場所に集まってくる⇒物体の場所から広範囲を見渡せる。

(7)え

右側に映っているので、【う・え】に絞られる。
もし、自分が右側のカーブミラーの場所に立って赤い矢印の方角をみると、
手前が【う】で奥が【え】と判断しやすいと思う。
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2022年度 豊島岡女子学園中学過去問【理科】大問2解説

問題PDF
二酸化炭素を石灰水に通すと、その溶液は白くにごります。
これは炭酸カルシウムができたためで、しばらくすると底に沈みます。
この底に沈んだものを沈殿といいます。
二酸化炭素2.4Lを十分な量の石灰水と反応させると、10gの沈殿ができます。
沈殿の量から呼気(ヒトが口からはく息)に含まれる二酸化炭素の割合を調べるために、
次の実験をしました。

実験1
二酸化炭素を石灰水に吹きこむと、一部が逃げましたが、残りは沈殿になりました。
沈殿をろ過によって取り出し、よく乾かして重さをはかりました。
吹きこんだ二酸化炭素の体積とできた沈殿の重さの関係は、次のようになりました。

実験2
息を1回はくと2Lはき出されました。石灰水に2Lの呼気を3回吹きこみました。
沈殿をろ過によって取り出し、よく乾かして重さをはかりました。
できた沈殿の重さは0.55gでした。

(1)
二酸化炭素1Lをどこにも逃げないようにして十分な量の石灰水と反応させたとき、
何gの沈殿ができますか。四捨五入して小数第1位まで求めなさい。

(2)
実験1より、二酸化炭素1Lを石灰水に吹きこんだときに逃げる二酸化炭素は何Lと考えられますか。
四捨五入して小数第1位まで求めなさい。

(3)
呼気全体の体積に対して、二酸化炭素の体積の割合は何%ですか。
四捨五入して小数第1位まで求めなさい。ただし、呼気を石灰水に吹きこむとき、
二酸化炭素の一部は逃げ、その割合は実験1と同じとします。

(4)
次の①~③のような誤った操作をした場合、(3)で求めたものはどうなりますか。
以下のあ~うからそれぞれ1つずつ選びなさい。
ただし、それぞれの誤った操作以外は正しく操作したものとします。
①実験2で、沈殿をろ過によって取り出すとき、沈殿はよく乾いていたが、
ろ紙に沈殿を残したまま重さをはかってしまった。

②実験2で、1回で息を2Lはいたのに、1.6Lはいたと記録してしまい、その数字で計算した。

③実験1で、石灰水の量が十分ではなく、次のようになってしまった。

実験2では、石灰水の量が十分だったので、できた沈殿の重さは0.55gで変わらなかった。

あ:大きくなる い:小さくなる う:変わらない


(1)4.2g
本問はCO2が逃げない。
CO2
2.4L=沈殿10g
1LのCO2では、10×1/2.4=4.16…≒4.2g

(2)0.4L

表の数値が比例なので、吹き込んだCO2に対して逃げたCO2の割合は一定

整数値である【CO2
L=沈殿5g】に着目する。

5gの沈殿ということは、2.4×5/10=1.2LのCO2しか反応していない
2Lの吹き込みのうち、空気中に逃げたCO2は2-1.2=0.8L
1Lの吹き込みでは0.4LのCO2が逃げる。

(3)3.7%
呼気の話なので、息を吐く実験2の数値を用いる。
呼気の合計は、2×3=6L
前問より1Lのうち0.4LのCO2が逃げるので、
6Lでは2.4LのCO2が逃げる
残りの3.6Lが石灰水と反応して、0.55gの沈殿物ができた。

CO22.4L=沈殿10g
前半は石灰水と反応した3.6Lに含まれるCO2の量を算出。
これを×6/3.6倍して、6Lの呼気に含まれるCO2は0.22L
呼気におけるCO2の割合は、0.22÷6=0.0366…≒3.7%

@@

今年の筑波大附属駒場中学・大問5より。
ポリエチレンの袋をかぶせた植物を使っておこなう実験で、
ヒトの呼気における二酸化炭素濃度が3~4%であるのを知らないと解けない設問でした。

(4)①い
間違った操作をしたら結果がどうなるかという面白い設問です(‘ω’)
『ろ紙に沈殿を残したまま重さをはかる』
どう解釈していいのか迷ったのだが、ろ紙に乗せたまま沈殿をおもりにかけたのか、
それとも、ろ紙から取り出すときに沈殿の一部がろ紙に残ったのか(´・_・`)?

いずれにせよ、沈殿の重さは0.55gより小さくなる。
6Lの呼気に含まれるCO2は0.22Lより小さくなり、その割合も小さくなる。

②あ
『1回で息を2Lはいたのに、1.6Lはいたと記録した』
呼気の合計が6Lから4.8Lに変わる。
1行目の×6/3.6は、呼気全体と石灰水と反応する分の割合で、
これは呼気4.8Lの場合でも変わらないから0.22Lはそのまま
(吹き込んだ呼気を⑤とすると、②が逃げて③が石灰水と反応する)
しかし、2行目の÷6が÷4.8になるので、体積の割合は大きくなる。

③う

比べてみると確かに違うところがある…。
しかし、沈殿の重さが3gを超すと石灰水が不足して誤差が生じるが、
0.55gのときは石灰水が十分にあるので計算式のどの数値も変動せず、体積の割合は変わらない。
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2022年度 豊島岡女子学園中学過去問【理科】大問1解説

問題PDF
図1のような側面に穴の開いた容器があります。容器には厚さの無視できる仕切りがあり、仕切りの下側には10cmのすき間があります。また、穴が開いていない側の上面からは、液体を注ぐことができるようになっています。ただし、水の密度(1cm3あたりの重さ)を1g/cm3、油の密度を0.8g/cm3とします。


(1)
水が穴からあふれないようにいっぱいに注いだとき、図2のようになりました。
このとき注いだ水は何Lですか。四捨五入して整数で求めなさい。

図2の状態から油を容器にゆっくりと注ぐと、容器の穴から水があふれ、図3のようになりました。このとき、油には、おしのけてあふれた水の重さと同じ大きさの浮力がはたらきます。

(2)
ある量の油をゆっくり注いだとき、穴からは48Lの水があふれました。
注いだ油は何Lですか。四捨五入して整数で求めなさい。

(3)
(2)のとき、容器の底から測った油面の高さXは70cmよりも大きくなります。
この高さXは何cmですか。四捨五入して整数で求めなさい。

(4)
図2の状態から、油が穴からあふれないようにしながら、油をゆっくりと注ぎました。
注げる油は最大何Lですか。四捨五入して整数で求めなさい。
ただし、油が穴からあふれる前に、油が容器の上面からあふれることはありません。


図2の状態から水と油が混ざった液体をゆっくりと注ぐと、水だけが穴からあふれ、油と水を分離することができます。このような水槽は、油と水を分離することができるので、油水分離槽(ゆすいぶんりそう)といいます。

(5)
油と水が混ざった液体250Lをゆっくり注いだとき、穴からは240Lの水があふれました。油と水が混ざった液体250Lのうち、油は何L含まれていましたか。四捨五入して小数第1位まで求めなさい。


@解説@
(1)175L

仕切りをとって、高さ70cmの四角柱と考えればいい。
50×50×70=175000cm3=175L

(2)60L

パスカルの原理を考えたくなる形だが、事はシンプルです。
油には、おしのけてあふれた水の重さと同じ大きさの浮力がはたらく
油が受けた浮力の分だけ水が押しのけられ、容器の穴から出る。
水の密度は1g/cm3、油の密度は0.8g/cm3
同じ体積1cm3における重さの比は、水:油=1:0.8=5:4
同じ重さにおける体積比は逆比で、水:油=④:⑤

容器に注がれた油は、水48Lに相当する重さを押しのけた。
水48Lと同じ重さの油の体積は、48×⑤/④=60L

(3)76cm

水48Lの部分が油60Lに置き換わる
増加分の12L=12000cm3を底面積で割ると、
12000×(40×50)=6cm高くなった。
最初は70cmだから、Xの高さは70+6=76cm

(4)150L
『油が穴からあふれる前に、油が容器の上面からあふれることはない』ので、
配慮すべきは下から穴に向かって油が漏れるとき。

油は水より軽いので、この領域を超えると油が穴から漏れてくる。

油がおしのけるべき水の量は上記の部分
40×60×50=120.000cm3=120L
同じ重さの油の体積は、120×⑤/④=150L

(5)50.0L
図2の状態(水175L)に混合液250Lを注いだら、穴から水240Lが出た。
水1Lを入れると、水1Lが押しのけられる
油1Lを入れると、同体積で重さの比は水:油=⑤:④だから水0.8Lが押しのけられる

押しのけられた水(=排出された水)でツルカメ
左上の長方形は、250×1-240=10L
油の体積は、10÷(1-0.8)=50.0L
*小数第1位まで求めるので、50Lではなく50.0Lである!

@油水分離槽@

イトーヨーギョーより。
仕組みはわかりやすい。比重の小さい油が浮いて水と分離する。
飲食店、学校、病院、食品工場、ガソリンスタンド、工場、大型商業施設といった、
油をよくつかう場所で活躍しているようです。
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2022年度 灘中学過去問【理科】大問6解説

問題PDF
3種類の塩酸(塩酸A、塩酸B、塩酸C)と水酸化ナトリウム水溶液を使って実験をしました。水や水溶液はいずれも1cm3あたり1gとし、また1gの水や水溶液の温度を1℃上げるのに必要な熱は同じになるとして、以下の実験の説明を読み、問いに答えなさい。

実験1
(1)ある濃さの水酸化ナトリウム水溶液と塩酸Aをそれぞれ25℃にし、合計体積が100cm3になるように熱を逃がさない容器の中でよく混ぜた。すぐに温度を測定し、結果を表にした。

実験2
(2)実験1と同じ濃さの水酸化ナトリウム水溶液と塩酸Bをそれぞれ25℃にし、合計体積が100cm3になるように熱を逃がさない容器の中でよく混ぜた。すぐに温度を測定し、結果を表にした。

実験3
塩酸Bを1.5倍の濃さにした塩酸Cを用意した。実験1と同じ濃さの水酸化ナトリウム水溶液と塩酸A、塩酸B、塩酸Cとをそれぞれ25℃にし、熱を逃がさない容器の中でよく混ぜた。すぐに温度を測定し、BTB溶液を加えて水溶液の色を確認した。その結果を表にした。

問1
下線部(1)のように実験を行うと、水溶液の温度を最高何℃まで上げることができますか。

問2
下線部(2)のように実験を行うと、水溶液の温度を最高何℃まで上げることができますか。

問3
実験3において、表の温度①~④にあてはまる数値、⑤~⑧にあてはまる水溶液の色、
水酸化ナトリウム水溶液の体積⑨にあてはまる数値をそれぞれ答えなさい。


@解説@
問1:38.5℃

水酸化ナトリウム水溶液:塩酸A=100:0のとき、水ナトしかないので25℃のまま。
差をとってみると、10cm3の違いで2.7℃の差がうまれる。
これは中和した分だけ中和熱が発生して温度が上昇するから。
簡単なグラフを描くと、水ナト50cm3のときを頂点として左右対称である。
⇒このときが中和点。
水ナト60cm3のときに35.8℃だから、これに2.7℃を足して38.5℃。
*中和点が真ん中ということは、水酸化ナトリウム水溶液と塩酸Aの濃度は等しい

問2:46.6℃

表を見た限りでは、水ナト80cm3が最高温度になっている。
差をとると80cm3までは10cm3ごとに10.8℃の差だが、その後は5.4℃ずつになっている。
グラフを描くと水ナト80cm3のときが頂点(中和点)で温度は46.6℃。
*中和点のとき、水ナト:塩酸B=80:20=4:1
これは塩酸Bの濃度が水酸化ナトリウム水溶液の4倍だからである。

問3:①34、②34、③40、④40.5、⑤青、⑥青、⑦緑、⑧緑、⑨370
まず、色からいきます。
【BTB溶液:酸性―黄色、中性―緑色、アルカリ性―青色】

実験1では水ナト:塩酸A=1:1の濃度だから、
水ナト20cm3に対して塩酸A100cm3の場合は酸が強い⇒酸性(黄)
⑤水ナト90cm3に対して塩酸Aは45cm3しかない⇒アルカリ性(青)
⑥実験2より塩酸Bの濃度は塩酸Aの4倍
塩酸Bの5cm3は塩酸Aの20cm3分に相当する
合計して塩酸A45cm3とみなすと、水ナト105cm3の方が勝る⇒アルカリ性(青)
⑦塩酸Aは、110+10×4=150cm3で水ナト150cm3と同じ⇒中性(緑)
⑧塩酸Cは塩酸Bの1.5倍の濃さ。
塩酸Aは、210+10×4+10×1.5×4=310cm3で水ナトと同じ⇒中性(緑)

ここから温度の計算に移ります。
問1より、水ナト50cm3と塩酸50cm3の中和反応で38.5℃

38.5-25=13.5℃上昇する。
水ナトか塩酸Aを基準にすると、【50cm3の反応で13.5℃上昇】。

一番上の水ナト20cm3では20cm3が中和反応するので13.5×20/50=5.4℃上昇し、
25+5.4=30.4℃になると思いきや、29.5℃になっている…。
実験1では水溶液の合計体積が100cm3であったが、今回は合計体積が120cm3である。
25℃の塩酸Aが20cm3余分にあるので、その分だけ温度が下がる
温度の上昇は溶液の体積に反比例する
溶液の体積が増えると熱が分散して温度が下がる。(過去問で出題済み)
5.4℃×100cm3/120cm3=4.5℃
25+4.5=29.5℃となる。

①これさえわかれば一貫して計算できる。
アルカリ性だから塩酸Aの方が少ない。
塩酸A45cm3が反応した中和熱で、溶液の体積は135cm3だから、
13.5×45/50×100/135=9℃
25+9=34℃

②アルカリ性だから塩酸の方が少ない。
塩酸B5cm3は塩酸A20cm3に相当するので塩酸A45cm3で計算する。
水溶液の体積は、105+25+5=135cm3
13.5×45/50×100/135…
①と同じ式で34℃。

③中性。水ナト150cm3は過不足なく反応する。
13.5×150/50×100/270=15℃
25+15=40℃

④中性。水ナト310cm3で計算。
13.5×310/50×100/540=15.5℃
25+15.5=40.5℃

ここまでの結果をまとめる。

⑨酸性だから水ナトの方が少ない。
塩酸の合計は280+20+5=305cm3
水ナトの体積を□cm3とすると、□cm3分の中和熱が発生するから、

分母の□+305を【27】とすると、分子の□は【14.8】にあたる。
これを比例式で書くと、

305cm31357461に相当するから、
□=305×74/61=370cm3

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2022年度 灘中学過去問【理科】大問5解説

問題PDF
問1

植物における光合成は、次のような変化が起こります。

 二酸化炭素+水①→ブドウ糖+酸素+水②

水①と水②の量をくらべると、水①のほうが多いので、この変化では水が消費されることがわかります。水①は植物のどこから入って来ますか、また、水②は葉のどこから出て行きますか、それぞれ答えなさい。

次に、ヒトのからだの水の出入りを考えます。1日の水の出入りには次の表のA~Iがあり、からだ全体における、入る水の量と出る水の量は同じになっています。

問2
脂(あぶら)と消化液を混ぜるはたらきをするだけで、
消化には直接関わらないものを次のなかから選びなさい。
ア:だ液、イ:胃液、ウ:すい液、エ:たん汁、オ:腸液

問3
上図はヒトにおける水の出入りを矢印で表した模式図です。
矢印あ~くに対応するものを表のA~Iからそれぞれ選びなさい。
ただし、の順番は問いません。

問4
口から肛門までの管全体を『消化管』とみなします。
消化管における水の出入りがつりあっているとして、表のxにあてはまる数値を答えなさい。

問5
ヒトは吸収したブドウ糖を分解し、エネルギーを得て活動しています。
このとき、問1で示した変化の逆向きの変化が起こります。

 ブドウ糖+酸素+水②→二酸化炭素+水①

この変化においても水①のほうが水②よりも多いので、ブドウ糖を分解すると体内で水が生じることがわかります。からだ全体における水の出入りがつりあっているとして、表のyにあてはまる数値を答えなさい。

問6
口から肛門までの『消化管』は水の通路であり、消化管の内側の空間も『からだの外部』とみなすことができます。このとき、『からだの内部』から『からだの外部』に出て行く水の量と、『からだの外部』から『からだの内部』に入る水および体内で生じる水の量がつりあうことになります。下線部③と④にあてはまるものを、それぞれ表のA~Iからすべて選びなさい。


@解説@
問1:①根、②気孔
根の役割は体を支えること、水や栄養を土壌から吸い上げること。
水や気体の出入り口は気孔
気孔のまわりにあるタラコクチビルみたいな細胞を孔辺こうへん細胞といい、
孔辺細胞が気孔を開閉させることで蒸散量やガスの交換量を調整している。

基本的に動かない植物がどうやって開閉運動をしているのか。
うえの動画をまとめると以下の流れになります。
【フォトトロピンとよばれる受容体が太陽光に含まれる青色光をキャッチ→細胞表面にあるプロトンポンプが活性化→カリウムチャネルを通じてカリウムが細胞内に入ってくる→細胞の浸透圧が上昇→細胞に水が取り込まれて孔辺細胞が膨張→気孔が開く】
バケツリレーみたいにいろんなものが連鎖反応することで開いたり閉じたりします。
人為的に気孔を開くことに成功すれば、植物が大気中から取り込めるCO2の量が増えるので、
食糧の生産量が増加したり、気候変動にも良い影響を与えることが期待されています。
反対に気孔を通常より閉じることができれば、植物の蒸散量を意図的に減らし、
乾燥帯でも食物の栽培、たとえば砂漠の真ん中でメロンが育つようになるかもしれません🍈🍈

問2:エ
胆汁(たんじゅう)は脂肪の消化を助ける。消化酵素ではない
脂肪を乳化させて水に溶けやすい形にする。
胆汁は肝臓で作られる。胆嚢(たんのう)で貯蔵・濃縮後、十二指腸から注がれる。

消化酵素は中学生で本格的に習うと思うが、、いくつか覚えておこう。
唾液…アミラーゼはデンプンを麦芽糖に分解。
胃液…ペプシンはタンパク質を分解。
すい液…いろいろ。炭水化物・タンパク質・脂肪のすべてが消化される。
マルターゼが麦芽糖をアミノ酸に分解。トリプシンがタンパク質をさらに分解。
リパーゼが脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解。
腸液…マルターゼやペプチターゼ(タンパク質の分解酵素、膵液にも含まれる)。

問3:あ…C、い…E、う…A、え…G、お…B、か…H、き…F、く…D

わかりやすかったと思う。あとは時間との闘い。
ヒトの体全体が長方形になっていて、肺・腎臓・消化管を表していると把握する。
わかったところから埋めていこう。

問4:10.3

『消化管における水の出入り』なので、右半分だけを見る。
水の収支はつり合っており、xは出ていく水だから、
x=〔消化管に入る水-x以外で消化管から出る水〕
=(1.0+1.2+8.2)-0.1=10.3L

問5:0.3

『からだ全体における水の出入りがつり合っている』ので、
今度は体の内部と関連する左側に注目する。
(次の問題文の通り、消化管は体の外部とみなせる)
”ヒトの体内でブドウ糖が分解されたときに生じる水”は体内で発生する水。
y=〔体外に出ていく水-y以外で体内に入る水〕
=(0.3+0.6+8.2+1.5)-10.3=0.3L

問6:③B、C、D、E④H、I

10.3+0.3=0.3+0.6+8.2+1.5
残りの3つは体内とは無関係。
前問のどこかを間違えるとミスるが、一貫して正解しやすい大問だった。

2022年度 海陽中等教育学校・特別給費過去問【理科】大問1解説

今年の海陽学園(特別給費)です。ヤバかった(´゚ω゚`;)
問5に出てきましたが、
食べ物が通る消化管や空気が通る気管は
口(入口)と肛門(出口)をつなぐ1本道で外とつながっている体外
体内は細胞がぎっしり詰まって体液で満たされている部分。
消化管が体外だからこそ体内に侵入してくる異物を防ぐため、
消化管の内壁に粘膜のバリアーを張って生体防御をしている。

@体内での水の循環@
年齢や性別によりますが、成人では体重の約60%が水分でできていると言われています。

俯瞰すると、体内⇔消化管のやり取りがすごい量です。
1日あたり消化液などで8.2Lも出しているのに、口から入ってきた飲食物分を含め、
大部分の水を腸で回収しています。
それほど消化における化学反応や運搬、吸収に水が必要なのでしょう。

水が最も排出されているのは尿です。
腎臓で尿がつくられますが、
高校レベルでは腎臓の役割を『体内環境の調節』と習います。
全身をめぐってきた血液は腎臓でろ過されます。タンパク質や血球は粒が大きく通れないので、血しょう(血液中の液体)が通過します。これを原尿といい、1日に150ℓほどできます。この原尿が尿細管を通過している間に、体に必要な物質が必要な分だけ再吸収されます例えば、からだが水不足に陥っているときは水分の再吸収量が多くなり、逆に水分超過であるときは水分の再吸収量を抑えることで体内環境の調節を図るのです。

中学理科ポイントまとめと整理より。
濃縮率=尿中の濃度(%)÷血しょう中の濃度(%)】
人体に有用な物質は再吸収されやすいので、尿中の濃度が低く、濃縮率が低い
人体に不要な物質は再吸収されにくいので、尿中の濃度が高く、濃縮率が高い

タンパク質はろ過で通れないから原尿の濃度は0。
ブドウ糖(グルコース)は体内に必要な物質だから再吸収されて尿中は0(濃縮率0)。
ナトリウムやカリウムといった無機塩類も大事なものなので濃縮率は低い。
一方、尿素やアンモニアといった不要物は濃縮率が高く、尿として体外に排出される。
このような腎臓の働きによって体液の成分が調節されている。
体内環境を一定に保つ恒常性(ホメオスタシス)の一例である。
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2022年度 灘中学過去問【理科】大問3解説

問題PDF
地球のまわりには空気が取り巻いており、この空気を地球の大気と呼んでいます。大気中の、特に地表に近い部分では、風がふいたり、雲ができて雨が降ったりと、さまざまな天気の変化が起こっています。地球の大気はどれくらいの高さまであるのでしょうか。

問1
雲は、できる高さと形などによって、10種類に分けられています。次の①~④の説明にあてはまる雲を、下のア~カからそれぞれ選び、記号で答えなさい。
①最も高い位置にできる雲のひとつである。雨を降らせることはない。
②うね雲とも呼ばれ、波打ったような形をしている。
この雲が次々と出てくると、その後の天気がくずれることがある。
③ひつじ雲とも呼ばれる。この雲がすぐに消えると、晴れることが多い。
④むくむくと空高くにわき上がる雲である。雷をともなった大雨を降らせることがある。
ア:高積雲、イ:乱層雲、ウ:巻積雲、エ:積乱雲、オ:層積雲、カ:層雲

問2
空気にも重さがあります。ある高さで、1m2の平面の上に乗っている空気の柱の重さを、その高さでの大気圧といい、高さが0mとなる海水面1m2の上に乗っている空気の柱の重さは10トン(10000kg)にもなります。一方で、大気圧は、その高さよりも上にある空気の柱の重さによって決まるので、高い場所ほど大気圧は小さくなります。図1に示すように、5.5km高くなるごとに、大気圧の大きさは半分になっていくことが知られています。地球の全表面が海水面と同じ高さであると仮定したとき、高さ11kmより下にあるすべての大気の重さは、地球全体の大気の重さのおよそ何%になりますか。整数で答えなさい。

問3
海水面付近では、空気1Lの重さは1.3gであることが知られています。実際には、上空ほど空気1Lの重さは小さくなりますが、もし、空気1Lの重さが1.3gのまま上空まで変わらないとしたら、地球の大気は、海水面からどれくらいの高さまであることになりますか。最も近いものを次のア~カから選び、記号で答えなさい。
ア:80m、イ:800m、ウ:8km、エ:80km、オ:800km、カ:8000km

問4
大気の高さが初めて推定されたのは、今から1000年ほど前と言われています。その方法を説明した次の文の①~③にあてはまる数値を整数で答えなさい。必要であれば、下図の直角三角形の3辺の長さの比を用いなさい。ただし、図は正確ではありません。

 地球の大気は、太陽の光を受けると明るくなるという性質があるため、日の出前に東の地平線付近の空が明るくなる「薄明はくめい」という現象が起こります。この「薄明」が始まってから日の出までの時間の長さを計測することによって、大気の高さを推定しました。ここでは、春分の日に、薄明が始まってから日の出までの時間を72分とします。

 図2は、地球の赤道上のGに人が立ったようすを、北極点の上空から見たものです。Gでの地平線はBCで表され、太陽がBにきたとき、Gでは日の出となります。一方で、Gで薄明が始まった瞬間の太陽の位置をAとします。Aから出た太陽の光は地上のEを通りDに達します。このDが大気の上の端であると考えたのです。
 太陽は24時間で地球のまわりを1周しますから、72分間では( ① )度回転します。したがって、地球の中心をHとすると∠EHG=( ② )度になります。地球の半径を6400kmとすると、FD=( ③ )kmとなり、この値が求める大気の高さとなります。


@解説@
問1:①ウ、②オ、③ア、④エ
覚えるのが憂鬱になる十種雲形(;´*`;)

日本気象協会より。層だの積だの紛らわしい名前が多い(´°ω°`;)
積乱雲が一番わかりやすい。夏の入道雲もこれで、下はとんでもない天候になる。
乱層雲は一般的な雨雲で、“乱”がつく雲は雨を降らす
”巻”がつくと上層にできる雲で、高度が高いからか分厚くない。
巻雲は「すじ雲」とよばれる。巻積雲は「いわし雲」や「うろこ雲」。
巻層雲はさっきの巻雲と一体何が違うのか(;°;ω;°;)
一般的に“層”がつくと横に広がり、”積”がつくと丸っこちい
“高”は”巻”の下。高積雲は「ひつじ雲」。うろこ雲やひつじ雲が大きくなると雨のサイン。
高層雲は”層”とあるので横に広がる。
層積雲が「うね雲」ともいうそうで、これが次々出てくると天気が崩れる可能性があるらしい…。
積雲は「わた雲」。層雲は最も下層にできる霧状の雲。
お手元の教科書で振り返ってください。

問2:75%

高さが5.5km高くなるたびに大気圧の大きさは半分になる。
高さ11kmの大気圧を①とすると、高さ5.5kmでは②、高さ0kmでは④。
【大気圧=ある高さで1m2の平面の上にある空気の柱の重さ】

④が海水面1m2の上にある空気の柱の重さ10トンである。
『地球の全表面が海水面と同じ高さにある』と仮定する→全表面が0km
海水面1m2を地球の全表面に拡大して
地球全体の大気の重さを④とすると、
地球の全表面における高さ0~11km未満の大気の重さは③。
その割合は、③÷④=75%

@@

色と形で気象予報士!より。
対流圏の高度を11kmとする記載があるのは、大気圧が5.5kmごとでおよそ半分になるから。
対流圏と成層圏のあいだを対流圏界面という。地表の温度が高いと対流圏界面が上がるので、
季節や場所によって対流圏の高さは異なるが約10kmという認識で良いと思う。
地球全体の大気の質量の約75%が対流圏に集まっている。

問3:ウ
単位換算。
手際よく処理しないと桁ミスが発生するし、めまいがする(*_*)

空気の柱の質量は10t=10000kg
これは底面積が1m2あたりの重さである。
空気の質量は1L=1000cm3=1.3g
柱の高さを求めたい。

まず、1mあたりの空気の重さを求める。
1m3=100×100×100cm3なので…
1mあたりの空気の重さは、1.3g×(100×100×100)/1.000=1300g=1.3kg
1kmあたりの空気の重さは、1.3kg×1000=1300kg
空気の柱の高さは、10.000kg÷1300kg=100÷13=7.69…≒8km

問4:①…18、②…18、③…64

少しおさらいします。
太陽がAにくると、地点Gにいる人物の視界に太陽の光がはいるので薄明が起こる。
BCは地点Gの地平線で、Bに太陽がくると地点Gで日の出となる。
Dを大気の上の端と考えるので、大気の高さはDFで表される。

太陽は1時間(60分)で15°まわるから、72分間では15×72/60=18°回転する。

∠ADB=18°となるが、これは地球から見た太陽の見かけ上の動きである。
実際は太陽は動かず、地球が自転している。
図は北極側から見たもので、地点
Gが地点Eまで反時計回りして日の出となる。
∠EHG=18°

∠DHE=18÷2=9°
地球の半径6400kmをHE(HF)=【100】とすると、
大気の高さFD=【101】-【100】=【1】
FD=6400×1/100=64km

 

@大気の高さ@
問3では1L=1.3gが上空でも変わらないとの条件付きで8km。
問4では薄明を利用して64km。
値が全然違うんですけど、結局、大気の高さはどのくらいなのか?┐(´~`)┌

空と宇宙の境目はどこですか?(ファン!ファン!JAXA!)

上のページによりますと、結論からいえば一意的な定義はないそうです。
国際航空連盟という民間団体は高度100kmから上を宇宙としていますが(カーマンライン)、アメリカ空軍や連邦航空局、NASAでは80kmを境界線としています。しかし、NASAのなかでもミッションコントロールセンター(管制施設)では空気抵抗が大きくなる76マイル(およそ122km)を大気圏再突入としています。一方で、熱圏の外側にある
外気圏は高度500kmを超え、学術的にはスペースシャトルやISSが飛行する高度400kmでもまだ大気圏内らしいです。つまるところ、大気の高さは考え方によって変わる感じでしょうか。

ちなみに、宇宙条約2条では宇宙空間の領有が禁止されていますが、どこまでが各国の主権が及ぶ領空で、どこからが領有が禁止される宇宙なのか、いまだ明文化はされていません。人工衛星が軌道に乗る高度はとても高く、日本のJAXAが開発した超低高度の人工衛星「つばめ」でも高度が167.4kmらしいので、現段階では曖昧な状態でも差し迫った問題はありません。これから宇宙開発が進んで各国の利害対立がより鮮明になったとき、宇宙がどこから始まるかについて議論されると思います。そう遠い未来の話ではないかもしれませんね。
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