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2023年度 灘中学過去問【理科】大問6解説

問題PDF

 図1のように、一本の糸の端に輪をくっつけて、もう一方の端におもりをくっつけたものを用意します(これをSとよぶことにします)。図では輪とおもりは大きくえがいてありますが、それらの大きさは無視できるものとします。また、おもり以外の部分の重さはすべて無視するものとします。

 図2のように、細くてかたい棒を水平に固定して、棒にSの輪を通します。棒はじゅうぶん長く、輪と棒の間には摩擦はない(よくすべる)ものとします。おもりを持っていた手を放すと、輪がどの場所にあっても糸はつりあいます(安定して静止する)。
 図3のように、棒をななめに固定した場合は、手を放したときにつりあう場所はありません。
 図4のように、固定点Aと固定点Bの間に別の糸をゆるく張り(点Aのほうが点Bよりも高い位置にある)、その糸にSの輪を通します。輪と糸の間には摩擦はないものとします。手を放すと、輪がすべって移動し、特定の場所でつりあいます。
 つりあっているときには糸はまっすぐになっている(たるんでいない)ことに注意して以下の問いに答えなさい。

問1
図4で手を放したあとでつりあったとき、輪の場所はどのような場所でしょうか。
最も適するものを選びなさい。
ア:AとBを直線で結んだ真ん中の点の真下。
イ:アよりもAに近いところ。 ウ:アよりもBに近いところ。

問2
問1の場所の説明として適するものはどれですか。次のなかから選びなさい。
ア:輪から点A、点Bまでの直線距離が等しい。 イ:輪から点A、点Bまでの水平距離が等しい。
ウ:Sの糸の延長線が、張られた糸が折れ曲がって作る角を二等分する。


 一端または両端に輪をつけた糸を新たに用意します(これをS’とよぶことにします)。
図5のように壁に棒を70度の角で固定します。

問3
図5に示したようにSとS’を配置して手を放すと、SとS’は、およそ図5’のような形になってつりあいます。このときS’の糸が壁となす角度を答えなさい。(角度は壁の下方向となす角xの値で答えること。以下同様)

問4
図6のようにSとS’を配置して手を放すと、SとS’はどのような形になってつりあうでしょうか。
S’の糸が壁となす角度を答えなさい。

問5
図7のようにSとS’を配置して手を放すと、SとS’はどのような形になってつりあう
でしょうか。
Sの糸が壁となす角度を答えなさい。


@解説@
問1:ウ

水平な棒だと、どこでも静止する。
傾いた棒だと静止する場所がなく、棒と輪の間の摩擦は考えないので、
おもりの重力にしたがって滑り落ちる。

たるんだ糸の場合は輪が動いて糸がV字に折れ曲がり、つりあって静止する。
仮にAとBが同じ高さにあったとすると、
左右対称となる糸の中点に落ち着くと予想できると思う。
A側とB側から引っ張られる力の大きさがそれぞれ等しい

これはA側の長さを変えても同様である。
輪は真ん中よりもBに近いところで落ち着く。

問2:ウ
後ろの設問に関わるので間違えられない。

左右対称に同じ力で引っ張られると判断できれば、
Sの糸の延長線が張られた糸が作る角を2等分する。

力の分解の作図方法は中学で習う。
力の方向は矢印の向き、力の大きさは矢印の長さで表す
①輪から下におもりの重力に相応する矢印を描く。
②その一直線上の反対側に同じ長さの矢印を描く。
③矢印の先端を通過する、張られた糸に平行な線を描く。
④平行線と張られた糸の交点までが分解された力(分力)で、
上図では分力1と分力2の大きさが等しい。

問3:20°

ポイントは、S’につけた輪は棒のどこで止まるのか。

もし、棒が壁に対して90°であった場合を考える。
おもりは壁の固定点に引き寄せられ、輪は右側に移動して
壁に密着し、
図2と同じく棒と糸S’は垂直になる。
棒を下に傾けたとしても、棒と糸S’が垂直である関係は維持されるのでは?
ようするに糸S’が引っ張られる方向に対して輪が向き、糸と棒が垂直になるところで輪が止まる
ここに気付けるかどうか。


2つの輪を通る、壁に対して平行な線をひく
xを錯角→等角(糸がつくる角の二等分線)→錯角で移し、70°を同位角で移す。
棒とS’の角度は90°なので、x=90-70=20°

問4:80°

S’の一方を壁に固定する。
S’を反対側へ延長。20°を錯角、xを同位角で移す。
等角(糸がつくる角の二等分線)よりxが2つ。
一直線に注目して、x=(180-20)÷2=80°

問5:140°

今度はSの一方を壁に固定して、S’の両端に輪をつける。
S’を延長して、20°を同位角で移動。
等角の和40°を錯角で移動。
x=180-40=140°
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2023年度 灘中学過去問【理科】大問3解説

問題PDF
 ヒトが生きていくために最も重要な3つの栄養素には、A、B、Cがあります。Aはおもにからだをつくる材料になります。またBおよびCは、おもにからだを動かすためのエネルギー源になります。多くの植物体内で、光や空気中の物質Xなどを利用してつくられる物質Yは、Bに分類されます。Yにヨウ素液を1滴たらすと、青むらさき色になりました。

 また、ヒトがからだの調子を整えるのに必要な2つの栄養素DとEをふくめて、A~Eは五大栄養素とよばれています。
 下図は、さまざまな食品の可食部(食べられる部分)にふくまれるA~Cなどの成分について、重さの割合をグラフで表したものです。

 一番上のグラフはコメ(白米)のものです。食品①~④のグラフは、牛肉(もも)、バナナ、ほうれんそう、ごまのいずれかのものです。
 なおZはさまざまな食品にふくまれている成分で、五大栄養素にはふくまれませんが、ヒトのからだの中でも大切なはたらきをしています。

問1
A~Eはそれぞれ何ですか。ただしDとEの順序は問いません。

問2
X~Zはそれぞれ何ですか。

問3
食品①~④はそれぞれ何ですか。次のなかから選びなさい。
ア:牛肉(もも) イ:バナナ ウ:ほうれんそう エ:ごま


物質Yに関する、以下の実験1、実験2を行いました。


問4
実験1と実験2の結果を比べることにより「物質Sが物質Yを他のものに変える性質をもつ」ことがわかりました。〔 あ 〕と〔 い 〕にあてはまる文を書きなさい。


@解説@
問1:Aタンパク質、B炭水化物、C脂肪、Dビタミン、Eミネラル
A「からだをつくる材料」⇒タンパク質
生命の設計図であるDNAに刻まれた情報(遺伝子)をもとにタンパク質を合成して、
筋肉や臓器、骨、皮膚など体の組織や器官をつくる。
BC「主にからだを動かすためのエネルギー源」
Bは植物体内で作られる物質で、ヨウ素液をたらすと青紫色になる→デンプン⇒炭水化物
米や小麦などの穀物、イモ類、果実、砂糖などから得られる糖質のほか、食物繊維も含む。
Cは残りの三大栄養素である脂質
生物のエネルギー源であり、細胞膜の主成分でもある。

五大栄養素はこれらにビタミンミネラルが加わる。
ビタミンは三大栄養素の代謝を助ける潤滑油のような働きをする。
ミネラルはカルシウム、鉄、カリウム、ナトリウム、マグネシウムなどの無機物で、
体を構成する物質(カルシウム→骨・歯)になったり、体の機能を正常に保つなど役割は様々。

問2:X二酸化炭素、Yデンプン、Z水
XY光合成は水と二酸化炭素(無機物)を材料に光エネルギーを使ってデンプン(有機物)をつくる。
生物が二酸化炭素から有機物をつくる働きを炭酸同化作用という。
Zさまざまな食品に含まれており、ヒトの体で大切な働きをする成分⇒

名古屋学芸大学より。
水といっても、水道水から出てくるようなゴクゴク飲める水ばかりではない。食品に含まれる水には自由に動くことができる自由水と、食品成分にくっついて動くことができない結合水がある。結合水は水分子の移動ができないので凍結や蒸発がしづらく、物質を溶解しない。また、微生物が増殖に利用できないことから、自由水が少なく、結合水の多い食品は腐敗しにくい。食品の保存性を示す指標で、自由水の割合である水分活性というものがある。測定方法は食品中の自由水をすべて外に出すのは困難なので、まず一定の温度下で密閉した容器に食品を入れて水分を蒸発させる。その蒸気圧を器械で測り、純水の蒸気圧と比較する。

問3:①ウ、②ア、③イ、④エ

品目;【牛肉(もも)・バナナ・ほうれんそう・ごま】
特徴のある④は、他と比べて水が極端に少ない→硬いゴマ。
ゴマ油を思い浮かべれば、脂質が50%以上あるのも合点がいく。
脂質の多い②は牛肉(もも)。炭水化物が豊富な③は果実のバナナ。
残り①がホウレン草。葉物野菜だからか水分が多い。

問4:あ―粉末状のYを1g入れ、水5mLを加えて10分間、40℃に保ってからヨウ素液を1滴たらした。
いー青むらさき色になった
*対照実験。
調べたいテーマは『物質Sが物質Yを他のものに変える性質をもつ』
実験1では物質Sを加えたので、実験2では物質Sを加えず
かつ他の条件を等しくさせて結果が異なればいい

公立高校入試ではデンプンに人の唾液を加える対照実験がよく出題される。
唾液にはアミラーゼとよばれる消化酵素が含まれ、デンプンを
マルトース(麦芽糖)に分解して、
ヨウ素デンプン反応が見られなくなる。

@デンプンの分解@

アサヒグループホールディングスより。
炭水化物=糖質+食物繊維(糖質が多くを占める)

デンプンの分解の流れ:
デンプン(多糖類)→デキストリン(多糖類)→マルトース(二糖類)→グルコース(単糖類)
アミラーゼが粒子の大きいデンプンを分解するとデキストリン。いずれも多糖類。
さらに分解して二糖類のマルトース(麦芽糖)になる。
別の消化酵素であるマルターゼの分解によって単糖類のグルコース(ブドウ糖)に変わり、
ようやく人間が消化・吸収できるようになる。
糖の分類では、糖質から多糖類などを除いた二糖類・単糖類をまとめて糖類という。
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2023年度 灘中学過去問【理科】大問2解説

問題PDF
下図のように金属板が、床との角度がx度となるように糸でつるされています。

xの値は0≦x≦90の間で調整でき、実験中の太陽の高度は常に60度で、
太陽光の光の強さは一定とします。

問1
いくつかのxに対して、一定時間あたりの金属板に当たる光の量を調べました。金属板に最も光が当たるときの光の量を1とすると、xの値と光の量との関係は下表のようになりました。表の中の①~③にあてはまる数値を答えなさい。

 x=0のとき、金属板に太陽光を10分間当て続けると、はじめ20℃だった金属板の温度が上昇し、30℃になりました。金属板の温度変化は太陽光からのエネルギーでのみ起こり、また金属板が受け取る太陽光からのエネルギーは表の光の量に比例するものとします。

問2
x=30のとき、金属板に太陽光を10分間当て続けると、はじめ20℃だった金属板の温度は
何℃になりますか。割り切れない場合は、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで答えなさい。


以下の各問いでは、xの値が一定の割合で増えるように、金属板をゆっくり引き上げます。

問3
10分間かけてx=0からx=30まで金属板を引き上げました。
このとき、はじめ20℃だった金属板の温度は何℃になりますか。最も近いものを選びなさい。
ア:29.0℃ イ:29.5℃ ウ:30.0℃ エ:30.5℃ オ:31.0℃ カ:31.5℃ キ:32.0℃


問4、問5では、問3で選んだ値を用いて計算しなさい。

問4
20分間かけてx=0からx=60まで金属板を引き上げました。
このとき、はじめ20℃だった金属板の温度は何℃になりますか。

問5
10分間かけてx=0からx=60まで金属板を引き上げました。
このとき、はじめ20℃だった金属板の温度は何℃になりますか。


@解説@
問1:①1、②0.87、③0.5

x=30のとき、金属板に対して太陽光が垂直にあたる。
→単位面積あたりの太陽光の量が最大になるので①=1
x=30を中心に0~30と60~30は左右対称。②=0.87
x=90のとき、金属板に対して太陽光は30°の角度でさす。
 
春分や秋分の赤道では太陽光は地面に対して垂直にさす。
この面の横の長さを②とする。
太陽光が地面に対して30°にさす北緯60度で同じ長さの面②を描くと、
面に差し込む太陽光の量は①。
つまり、単位面積あたりの太陽光の量について、北緯60度地点は赤道の半分になる
x=90のときはx=30の半分→③=0.5

問2:31.5℃
問題文より、温度変化は太陽光からのエネルギーのみで起こる。
x=0のとき、光の量は0.87。10分間で10℃上昇した。
x=30のとき、光の量は1。10分間では、10℃×1/0.87=11.49…℃上昇するので、
11.49…+20=31.49…≒31.5℃

問3:オ
x=0で10分間あてると30℃になった。
金属板を傾けて光の量を増やすから30℃より高くなるはず→アイウは×
一方で、前問よりx=30で10分間あてると31.5℃であった。
光の量は1未満から始めるので31.5℃以上にはならない→カキは×!

残りはエ(30.5℃)かオ(31.0℃)。

0.87を基準として光の量の増加率をみると、弧を描くような形で上昇する
仮に光の量が比例で上昇する場合、30℃と31.5℃の平均30.75℃になり、
これを超えるはず→オ

問4:42℃

x=0~30と60~3
0の10分間ずつは、金属板を傾ける速さが一定で対称性がある。
光の量の増加率が一定でなくても、『10分間の温度上昇』は31-20=11℃で同じ。
31+11=42℃

問5:31℃

金属板を傾ける速さを2倍にする。
前問は20分間でx=0→60で22℃上昇した。
光の量の変化の仕方は同じで時間が半分だから、
『全体の10分間』では22÷2=11℃上昇するので、20+11=31℃
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2023年度 成蹊中学過去問【理科】大問3解説

問題PDF
桃ちゃんはお母さんとパンづくりをしています。
次の会話を読んで、後の各問いに答えなさい。

お母さん:今日は一緒にパンを焼いてみようね。
桃ちゃん:お母さんのつくるパンが一番好き!楽しみだわ。
お母さん:まずは材料の用意。小麦粉・水・イースト・砂糖・塩・バターを準備して。
桃ちゃん:イーストって何?
お母さん:イーストは「酵母菌」といって、パンを発酵させるための微生物なの。
  発酵といってもいろいろとあるのだけれど、これはアルコール発酵という種類になるのよ。
  イーストはあたたかい方が活発になって、空気があると呼吸をして、
  空気がないとアルコール発酵をおこなってアルコールをつくるの。
桃ちゃん:パンは微生物の力を借りてつくられているんだね。知らなかった。
お母さん:まずは材料をボールに入れて混ぜるの。しっかりこねてね。
桃ちゃん:だんだんねばりが出てきた!
お母さん:小麦粉に含まれているタンパク質からグルテンという物質ができて、
  ねばりが出てくるのよ。このねばりがとても大事なの!
桃ちゃん:どうしてねばりが大事なの?
お母さん:あとのステップでその理由が分かるからそこで考えてみようね。
     次はあたたかい場所でボールにラップをかけて発酵させるの。 
桃ちゃん:だんだんふくれてきた!
お母さん:イーストによる発酵が進んで、( あ )が出てきてふくれるのよ。
  パンがふくれるためにはこの( あ )が外に出ないことが大切なの。
 ( あ )は呼吸の際に出される気体と同じよ。
桃ちゃん:だからねばりが大事なんだね。ねばりの必要な理由が分かったわ。
お母さん:また少しこねて同じように発酵させるとパン生地に( あ )がさらに入り、
    ふっくら仕上がるの。
桃ちゃん:さらに発酵が進んでおいしくなるんだね。
お母さん:あとは形を整えてオーブンで焼いてできあがり。
桃ちゃん:できあがるのが楽しみ!
お母さん:微生物の力に感謝だね!

(1)
次の図6はコムギの断面図です。
パンの材料の小麦粉(下線部①)はコムギのどの部分を主に粉にしたものでしょうか。
図6のア~エから1つ選びなさい。また、その部分の名前も答えなさい。

(2)
下線部②アルコール発酵で主につくられる食品を、次の中から1つ選びなさい。
ア:みそ イ:納豆 ウ:ヨーグルト エ:チーズ

(3)
下線部③について、パンを食べてもアルコールでよわない理由として正しいものを選びなさい。
ア:アルコールがちがう物質に変化したから。
イ:アルコールがイーストに取りこまれたから。
ウ:アルコールが熱で蒸発したから。
エ:アルコールはすぐに分解される物質だから。

(4)
下線部④の理由の説明としてふさわしくないものを、次の中から選びなさい。
ア:温度を一定に保つため。
イ:空気が入らないようにして発酵をうながすため。
ウ:水分の蒸発を防ぐため。
エ:さらにねばりを出すため。

(5)
文章中の( あ )に入る気体として正しいものを、次の中から選びなさい。
ア:酸素 イ:二酸化炭素 ウ:ちっ素 エ:水素

(6)
下線部⑤ねばりの必要な理由を説明しなさい。

(7)
次の図7はイーストにおける( あ )の発生量と温度との関係を示したものです。
イーストのはたらきと温度との関係についての説明として正しいものを選びなさい。

ア:アルコール発酵は、温度の影響を受けにくい。
イ:温度が低くなるほどアルコール発酵が進みやすい。
ウ:温度が高くなるほどアルコール発酵が進みやすい。
エ:アルコール発酵は、最もよくはたらく温度が決まっている。

(8)
前問(7)をもとに、パンをつくるのに使う水はどのような水が適切であると考えられますか。
適切なものを選びなさい。
ア:氷水 イ:冷水 ウ:温水 エ:熱水

(9)
人はイーストのような微生物をうまく利用しながら生活してきました。
しかし、微生物の中には人に害を与える種類もたくさんあります。
地球で人と微生物はどのように共存していくことが望ましいと考えられますか。
あなたの考えを述べなさい。


@解説@
(1)イ・胚乳

小麦は有胚乳種子
発芽に必要な栄養(デンプン)を胚乳に蓄える。
イネ、トウモロコシ、カキも有胚乳種子の代表例。

(2)ア
いずれも発酵食品ゆえ迷う。。
問題文では、パンを発酵させるイーストは酵母菌だとある。
ヨーグルトとチーズは牛乳を加工した乳製品で乳酸菌の力を借りる。
納豆は大豆を納豆菌で発酵させ、ナットウキナーゼとよばれる酵素を生み出す。
味噌は酵母菌や乳酸菌も使うようだが、主に麹菌が使われる。菌類の一種で、いわゆるカビ。
(乳酸菌と納豆菌は細菌類、酵母菌やカビは菌類に分類される)

アルコール発酵を行うのはどれかだが判定が難しい。
正解は1つなので、ヨーグルトとチーズはセットで除外。
残る納豆か味噌で、どちらがアルコールっぽいか→味噌と選ぶしかないような。。
味噌作りでは気泡が出てくることがあり、これはアルコール発酵で発生した二酸化炭素である。
アルコール発酵で作られる食品はパンと味噌の他、ワインやビールなどの酒類、醤油が挙げられる。

@発酵と腐敗@
発酵は微生物が食べ物(有機物)を分解することで人に利益をもたらす。
腐敗も微生物が食べ物を分解するが、人に利益をもたらさない。
発酵も腐敗もプロセスは同じだが、人にとって都合が良いかどうかで決まる

(3)ウ
イーストが空気のない状態で小麦に含まれる糖を分解すると、
アルコール発酵をしてアルコールの一種であるエタノールができる。
しかし、揮発性の高いエタノールは蒸発しやすく、パンを焼き上げる過程で外に出ていくので、
子供でも安心して食べられます。

蒸しパン食べてアルコール検知 「業界で常識」、市バス運転手を処分(朝日新聞)
記事によると、バスの運転手が出勤の十数分前に蒸しパンを食べたら、道路交通法上の酒気帯び運転には抵触しないものの、市の内規で定める基準値を超えるアルコールが検知されたそうです。

(4)エ
ア:うしろの設問にも出てくるが、ラップをかけることでイーストがよく活動する温度を保つ。
イ:『空気がないとアルコール発酵を行う』とあるから〇。
ウ:ラップをかけると水分の蒸発を防げる。水が抜けると生地が硬くなってしまう。
ねばりの原因であるグルテンは小麦粉と水が力を受けながら混ざることで、
2つのタンパク質が絡み合ってできる。
最近はグルテンの摂取を抑えるグルテンフリーの食品が売られている。

(5)イ
呼吸の際に出される気体→CO2
呼吸は酸素を使って有機物から生命活動に必要なエネルギーを取り出す。
アルコール発酵酸素を使わずに有機物から生命活動に必要なエネルギーを取り出す。
呼吸の方が取り出せるエネルギー量は大きいが、
酸素がない環境下でも酵母菌はアルコール発酵で生き長らえることができる。
なお、パンの発酵中は呼吸とアルコール発酵を同時に行っている。

@@
好気性…生育に酸素を必要とする。
嫌気性…生育に酸素を必要としない、もしくは酸素があると死ぬ。
嫌気性生物は海中や地中、動物の腸内に存在する。

(6)二酸化炭素を逃がさずにパンをふくらませるため。
*内側から外側へ押し上げる力が働いて物体は膨らむ。
発酵で生まれた二酸化炭素がグルテンを中から押し上げて、パンがふっくら仕上がる。
このとき、グルテンが硬すぎると風船のように膨らまない。
逆に柔らかすぎてグチョグチョだと、二酸化炭素が外へ抜けてしまって膨らまない。

(7)エ

アルコール発酵でCO2が発生する
グラフによると、CO2の発生がピークを迎えるのは45℃付近で、
このときにアルコール発酵が最も良くはたらくといえる。
微生物だって生物
活動しやすい温度がある程度定まっているはずで、暑すぎても寒すぎてもNG。


(8)ウ
30~45℃前後でアルコール発酵が進むので温水。

🍞余談🥖
昔、パンをよく作っていた時期があったのですが、そのときの発酵温度は30~35℃だったような…。ボールで生地をこねてからレンジで一次発酵。ベンチタイムで少し寝かせたあと、パンの形を整えてさらにレンジで二次発酵。焼き上げて完成です。強力粉とドライイーストさえあれば、あとはお家によくある材料で作れますから試してみてください。

レシピをみたら一次発酵が25~30℃、二次発酵が30~35℃くらいと二次発酵の方が高めの温度に設定されています。なぜ違いがあるのか?この疑問を解消してくれる動画を見つけました。
動画によると、一次発酵で高温発酵が推奨されないのは、家庭ではなく業務レベルの話だそうです。お店での製造では生地の塊が大きいので、外気に近い外側の温度が高くなり、内側と温度差が生まれます。高温の外側は発酵速度が大きく、あとで生地を小分けして分割すると、パンによって発酵度合いのムラができてしまうそうです。家庭サイズであれば生地が小さいので、内外の温度差がそれほど変わらないことから、動画の実験では高温発酵でもあまり問題になりませんでした。でも、過発酵だとパンがパサついて美味しくないとの声もあるので、他に何かあるかもしれません。

@キューネ発酵管@

アルコール発酵の実験では、J型のキューネ発酵管が用いられる。

高等学校生物準備室より。
水とドライ
イースト、ブドウ糖を混ぜた溶液を図1のように管内へ空気が入らないように注ぐ。
(ドライイーストはイースト菌を乾燥させて仮死状態にしたもの。水に浸すと生き返る)
綿栓で閉め、温水に浸しておくと、アルコール発酵で盲管部に二酸化炭素が集まる。
これを確かめるには水酸化ナトリウム溶液を入れ、管の入り口を親指の腹でおさえながら、
キューネ発酵管を上下にシャッフルする。水酸化ナトリウムは二酸化炭素を吸収するから、
管内の圧力が下がり、親指が管に吸い付く。
さらに、ヨウ素液を加えると黄色い沈殿物が生じ、特有の臭いを発するヨードホルム反応とよばれる化学反応が発生して、エタノールの検知もできるそうです。

(9)例:微生物をよく知り、過度に恐れることをせず、
生活のあり方を柔軟に変えながら人類が適応すべき環境を見出す。
*人に害を与えた微生物…猛威を振るった微生物といえばコロナウイルスが浮かぶ。
おそらく、本問は『ウィズコロナ』を意識して作問したのかもしれない。
世界的に大流行したコロナウィルスと人類はどう付き合っていくべきか。
抽象的な問いなので、答案構成を練るのが難しい(´д`)

まずは初期の国内感染拡大期でキャスターが言っていたように、”正しく恐れる“こと。
微生物は目に見えない。
大多数の人々は医学や感染症の専門知識がなく、未知の微生物に対して懸念が広がる。
過度な社会不安は混乱を招く。各人が正しい知識を身につけて冷静な判断をしなければならない。

また、新型コロナウィルスの流行を機に、三密を避け、手洗いと消毒を徹底し、
ソーシャルディスタンスを保つようテレワークの推進や通販・出前サービスの活用、
非接触であるキャッシュレス決済の導入促進といった、あらゆる生活様式が変わっていった。
突然変異の可能性があるウィルスを医学の力で根絶やしにするのは難しいからこそ、
人間側が知恵を絞ってウィルスと共存できる社会を作る必要がある。
着地点とすべき社会環境は何なのか、探すのは容易いことではないが、
見つけなければならない人類の課題である。

@余談@
愛媛県立医療技術大学の安川正貴学長がこのように仰っています。

はた迷惑すぎる( ˙ω˙ )
新しいのが出てきたら、とっとと免疫を獲得してキラーT細胞で根絶やしです。

@余談;微生物が新素材を生み出す@

NHK高校講座(家庭科)でやっていたのですが、
新しい繊維としてクモの糸が注目されているらしい( ;゚д゚)
クモの糸の強靭性は鋼鉄のなんと340倍!といわれており、
丈夫でかつ軽く、伸縮性に富んだスゴイ素材なのだそう。
たしかにクモの糸ってあんなに細いのに、大きく振り切らないと切れないですよね。

ですが、クモ1匹が作り出す糸の量は少ししかないので生産性がありません。
そこで、クモのDNAから糸に関する遺伝子を抽出して、それを微生物に組み込みます。
微生物の力を借りてクモの糸を作るのです。
微生物は繁殖が容易で、風呂桶1杯分の培養液があれば、
約1時間でセーター1枚に必要なクモの糸が調達できるとのこと。
こういった生物の利用法もあるんですね。
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2023年度 海陽中等教育学校・特別給費過去問【理科】大問1解説

問題PDF
地球の内部を調べる方法について、次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

 地球は半径およそ6400kmのほぼ球形で、地表から中心に向かって、地殻、マントル、核の3層に分かれています。
 核は地表から深さ約2900kmより深い部分で、主に鉄からなります。さらに核は、状態により2つの層に分けることもできます。深さ約5100kmまでは液体、そこから中心までは固体になっています。
 マントルと地殻は、主に岩石でできており、岩石のちがいにより区分されています。直接掘って調べたわけではないのに、どうしてわかるのでしょうか。
 地震が起こると、震源から振動が四方八方に伝わっていきます。これが地震波です。人工地震でも同様で、地震波が発生した時刻が正確にわかるため、弱い地震波でも観測することができます。地震波にはP波とS波があり、P波は固体・液体・気体いずれの状態でも伝わりますが、S波は固体にしか伝わりません。
 震源が地表にあり、地球全体を伝わる人工地震について考えていきます。地球の反対側までは数十分かかって伝わります。

問1
次の図1は地球の断面の半分を、内部の構造とともに示したものです。
ただし、地殻はうすいため、ここでは省略しています。

(1)震源(×印)から地震波が地球全体を伝わるとき、P波・S波がそれぞれ最も遠くまで伝わる経路を図にかき入れなさい。P波の経路は実線の矢印()で、S波の経路は点線の矢印()でかきなさい。ここでは地球内部を伝わる地震波速度は一定であるものとします。

(2)地球全体に占めるマントルの体積の割合は何%になるか、計算しなさい。答えは小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。図1のように、地球は半径6400kmの球形で、マントルと核の境界までの深さは2900km、地殻の厚さは無視するものとします。また、体積は半径×半径×半径に比例します。

 実際には、地震波速度はかたい物質中で大きく、やわらかい物質中で小さくなります。地球内部の地震波速度は一定ではなく、一般に地球の深部ほど地震波速度は大きくなります。深部に行くほど圧力が大きくなり、岩石はかたくなるためです。ただし、液体になるとP波の地震波速度は急に小さくなります。また、岩石であっても温度が高くなるとやわらかくなるため、地震波速度は小さくなります。
 地震波が伝わっていくとき、状態が固体から液体に変わったり、岩石から金属へ物質そのものが変わったりするところでは、地震波は屈折して方向を変えて伝わっていきます。地震波の屈折の関係は図2のようになることが知られています。

 地球表層は、地殻とマントルからなります。地殻の厚さは場所により大きく異なりますが、それでもおよそ5~60kmほどです。地殻をつくる岩石よりも、マントルをつくる岩石の方がかたいので、地震波速度は大きくなっています。

 次の表1は、8時48分50秒に発生したある地震で、観測点までの距離とP波到達時刻をまとめたものです。

 この結果から、地震波速度が途中で変化していることが分かります。直接地殻だけを伝わったP波が観測される場合(直接波という)と、地殻からマントルに地震波が伝わって屈折し、マントルを速く伝わった地震波が再び地表まで到達して観測される場合(屈折波という)があり、より速く伝わった方の波がP波の到達時刻として記録されます。つまり、屈折波が直接波を追いこすと、記録は屈折波のものとなります。図3はこのようすを説明したものです。


問2
表1の結果から、次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1)直接波と屈折波がほぼ同時に到達する(この観測点より遠方へは屈折波の方が先に届く)観測点は、A~Jのどこが最も近いと考えられますか。A~Jの記号で答えなさい。

(2)①直接波のP波速度(秒速)と、②屈折波のマントル内を伝わるP波速度をそれぞれ求めなさい。答えは小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

(3)この地域での地殻の厚さ(地殻とマントルの境界面までの深さ)を考えます。次の図4のように地震波が地殻やマントルを伝わっていくものとして、地殻の厚さを求めなさい。求め方も説明し、答えは小数点以下を四捨五入して整数で答えなさい。なお、直角二等辺三角形の辺の長さの比は下図の通りです。
 

 境界面で地震波速度が大きく変化しなくても、同じ層内であっても深部ほど速度が大きくなるため、地震波は曲がって伝わっていきます。さらに、地震波が核に到達すると、地震波速度が大きく変化するため、図5のように進む方向が大きく屈曲して伝わります。

 次の図6は、地表付近の地表からの深さとS波の地震波速度の変化を表したものです。

 また、図7は地表付近で発生した地震波のS波が伝わるのにかかる時間を表したグラフです。震源からの距離1100km前後のところでグラフがとぎれていますが、これは地震波が伝わっていないことを示しています。

問3
図6・図7について、正しい説明をしている文を次のなかから選びなさい。
ア 地表からの深さ約5~70kmの層は、その上下の層より岩石がかたくなっている。
イ 地表からの深さ約70~220kmは、マグマが発生している層であるので、
  すべてとけて液体になっており、やわらかい。
ウ 震源からの距離1100kmの前後は海になっているため、地震波が伝わらない。
エ 図7でグラフがいったんとぎれた後、再び現れるとき上にずれて現れるため、
 とぎれた地点より遠い地点へ伝わるときには、地震波速度が増加していると考えられる。

問4
図7においてグラフがとぎれる理由を、図2・図5を参考に、次の図を使って説明しなさい。
深さの縮尺が異なりますが、図の通り考えてください。

問5
地球表層は十数枚のプレートに分かれており、海のプレートは地球表層をすべるように動き、陸のプレートにぶつかって、陸のプレートの下に沈みこんでいると考えられています。これまでの内容から、プレートは何kmぐらいの厚さであると考えられますか。最も適当なものを選びなさい。
ア:10km イ:40km ウ:70km エ:110km オ:220km

 地震波速度は温度の違いによっても変化します。地球内部のわずかな地震波速度の変化をとらえ、地球の内部構造を三次元的に解析する方法を、地震波トモグラフィーといいます。これによって海のプレートが陸のプレートの下にしずみこむようすが証拠としてとらえられています。

問6
図8は、地表付近の2地点を震源とする人工地震で発生した地震波の経路と、地表の観測点を示したものです。図中の矢印で示した観測点では、この地域の地下の岩石が均質であった場合と比べて地震波の到達がおそくなりました。このことから、地下には周囲より温度が高く、やわらかい部分があると推定されます。その部分を図中に1つのだ円と斜線()で示しなさい。


@解説@
問1(1)下図参照
前文の情報をまとめる。

深さ2900kmより下にある核の主な構成物質は鉄。
核は深さ5100kmの内外で状態が異なり、外側は液体、内側は固体。
マントルと地殻の主な構成物質は岩石。
地震波は震源から四方八方に伝わり、S波は固体のみ伝わる(液体・気体は伝わらない

解答は上図になる。
P波は液体を通過できるので、核を通過して震源の反対側まで到達する。
S波は液体を通過できないので、核に接する直線との交点が最も遠い。

@P波とS波@

P波は縦波。進行方向に平行な振動。速いがエネルギーは小さい。
S波は横波、進行方向に垂直な振動。遅いがエネルギーは大きい。
地震が起きたときの最初のカタカタカタ(初期微動)はP波、
あとにくるガタガタガタ(主要動)はS波によるもの。

(2)84%

体積は半径×半径×半径に比例する。
地球の体積比…64×64×64=262144
核の体積比…核の半径は、6400-2900=3500kmであることに注意!35×35×35=42875
マントルの体積比…262144-42875=219269
219269÷262144=0.836…≒84%

@余談@
地殻:マントル:核の割合は、卵のカラ:白身:黄身のたとえがよく紹介される。
カラが地殻、白身がマントル、黄身が核に相当する
問題文にあるように、地殻の厚さは場所によって大きく異なるが、
厚くても50~60km程度が多いので、実際の地殻は卵のカラより小さい割合である。

問2(1)E

図3にならってグラフを作成する。
横軸は震源距離、縦軸はP波の到達時刻。

1マスをどれくらいに設定するか。
5マスが横9個、縦が6個。震源距離の最大は410km、到達時間は1分後。
1マスを10km、1秒としてプロットする。すると、Eのところできれいに折れ曲がる。
Eまでは直接波、E以降は屈折波が観測されたことになる。

(2)①秒速6km
計算するときは距離を長くとろう。
震源距離はEの210kmで計算する。
8:49:25-8:48:50=35秒
210km÷35秒=秒速6秒

②秒速8km
ここも距離を長くとるため、E~A間で計算する。
410-210=200km
8:49:50-8:49:25=25秒
200km÷25=秒速8秒

(3)40km
なんと説明も要求される。
いったん公式解答をみてみましょう。

xが□に変わっただけで、もろに数学の方程式です。
難関校狙いはできて当然なのでしょうね(;´・ω・)

震源からEまでは210km、35秒。
求めたい地層の厚さを□kmとすると、震源距離の両サイドも□kmとなる。
斜辺は1.4×□km。真ん中部分は210-2×□km。
地殻の斜辺が秒速6km、マントルの直線が秒速8kmで伝わるので、
屈折波の時間で等式を立てると、2×1.4×□÷6+(210-2×□)÷8=35秒
これを解くと、□=40.3…となって40km。

@別解@
解答欄に書けるかわかりませんが、算数で攻略するには以下のように解くといいと思います。

屈折波も直接波と同様に210kmを走った場合を考える。
時間は速さの逆比で、直接波:屈折波=④:③
④が35秒なので、差の①は35/4秒。

35/4秒の差は両端で起こる。片方の差は÷2して35/8秒。
青線ルート赤線ルートより35/8秒遅い
距離の比は、青:赤=1.4:1=⑦:⑤
時間の比=距離の比÷速さの比だから、青:赤=⑦÷:⑤÷=【28】:【15】
差の【13】=35/8秒
求める距離は赤線の長さ。(35/8×15/13)秒×秒速8km=40.3…≒40km

@走時曲線@

wikibooksより、高校地学で習う走時曲線
横軸は震央距離。震央とは震源の真上の地点。
縦軸は走時。走時とは地震波が到達するまでの時間。
震央から離れると、ある地点からは地震波が予想より早く観測された。これは地殻の下には地震波の高速道路となる”別の何か”があり、それを通じて急速に伝わった地震波が再び地殻へ戻ったから。こうして屈折波の観測から地殻の下にあるマントルの存在が判明した。地殻とマントルの境界面は発見者である旧ユーゴスラビアの地震学者の名を冠してモホロビチッチ不連続面モホ面)という。


問3:ア

ア:図6、深さ5~70kmのS波はその上下の層より速度が大きい。
 問題文より『地震波速度はかたい物質で大きい』ので、深さ5~70kmの層は硬い。〇

誤答はいろいろ違和感がある。
イ:液体のマグマがあったとしたら、S波は伝わらないので図7の70-220kmはとぎれるはず。
ウ:海?(‘Д’)S波は海を伝わらないが、震源距離1100kmにある大陸を探せば良さそうだが…。
 グラフがとぎれる理由は次の問題で扱う。地震波の屈折がポイントになる。
エ:確かに図7の前半の直線を延長すると、後半の直線はそれより上にズレている。
 横軸が距離、縦軸が時間なので速さは傾きで表されるが、直線の傾きは同じに見える=等速。
 加速度(速度の変化率)が大きくなると、グラフは放物線を横向きにした形になる。

問4:下図参照
1100km前後でグラフがとぎれる理由を説明する。
まずは図2と図5を照らしあわせてみる。

(↑図2は右側だけ上下反転しました)
なぜ、青線の地震波は曲線で伝わっていくのか。
 地層は深いほど圧力が大きくなって密度が大きい。地震波速度は小⇒大と変化し、屈折角は大きくなって境界面に近づきながら(進行方向の左に曲がりながら)進んでいく。ある地点から波は密度の小さい上層を向く。地震波の速度は大⇒小と変化し、屈折角は小さくなって境界面から遠ざかりながら(左に曲がりながら)のぼっていく。このように速度と屈折角が連続的に変化しつつ、地震波は緩やかな曲線を描く。
 一方で、赤線の地震波は核の中へ侵入すると、地球の中心に向かって大きく湾曲している。核の外側は鉄の液体ゆえ、地震波速度が大きく減少して屈折角が小さくなった結果、境界面から遠ざかるように曲がったことで、地表のゴール地点も遠くにズレている
 青線赤線のあいだには地震波が到達しないエリアができる。図5のP波の屈折はマントル―核間の境界面における深さ2900kmの出来事であり、本問は深さ220kmまでのS波が伝わる経路と別の話であるが、この地震波のスキマが図7のグラフのとぎれと類似する現象ではないか?と推測する(;`ω´)キツ

波は左右対称に描いてください。
青線の地震波は深さ70km近くを通過する。このカーブの内側は地震波が伝わる領域である。
赤線の地震波は70kmより深い層へ侵入し、一度大きく屈折して遠くへ伸びる。
深さ70kmに戻った後で同様の弧を描くと、震源から1100km付近に地震波が到達しなくなる。

@グーテンベルク不連続面@
図5に関して、マントルと核の境界でも大きな屈折が起こる。

Webで地学より。震源を0度すると103°まではP波とS波が到達するが、103°~143°の間はいずれも伝わらず、143°以降はP波のみが観測される。2つの波が伝わらない地域をシャドーゾーンという。103°の手前で到達する地震波の曲線の最下点あたりにP波を屈曲させる境目があり、143°以降でS波が到達しないことから、境目の下は液体だと考えられる。このマントルと核(外核)の境目はグーテンベルク不連続面とよばれ、地表から約2900kmの深さにある。

@スネルの法則@
波の入射角と屈折角には法則がある。

 境界面に対して垂直な直線を法線という。図の小・大が書かれる角の位置関係は入射角と屈折角に相当する。そして、入射角と屈折角の比は波の速さの比と等しくなる。これをスネルの法則という。(*厳密にいうと、角度は高校数学で習う三角比のsinで記述する)

 スネルの法則を感覚的につかむために、運動会の台風の目を想像しよう(´ω`).。0
通常、光は線で表すが、幅のある帯状でとらえる。最初は長い棒が上図のようにゆっくりと平行移動していた。棒の左端がいち早く速度の大きい世界へ突入すると、棒の左側が速く、右側が遅い状態になる。台風の目が三角コーンを曲がるときに外側が速く、内側がゆっくり動くのと同じように、棒は速い左側をアウトコース、遅い右側をインコースにして曲がる。境界面をはさんで波の速度が大きくなると、曲がり具合も大きくなる。


問5:ウ
今までの説明のなかで、プレートはどこにも出てこなかった(;`ω´)
地球の表層にある海洋プレートは『すべるように動く』。
核の外側は液体だが、深さ2900kmだから違う。
あまり深くないところで、他に動きやすそうな部分はどこだろうか。

地震波の特徴で地球内部の構造がわかったので、本問も地震波から考える。

図6のココです。
深さ70~220kmはマントル内部の固体であるはずだが、
この領域だけいきなりS波の速度がガクッと落ちている。
なぜなら、深さ70~250kmの層は高温でやわらかく、流動性があるから
プレートはこの上をすべるので、プレートの厚さは70kmほどとなる。

@大陸は流れる@

ちーがくんと地学の未来を考えるより。
地球は外側から地殻→マントル→核に分けられる。
(細かくいうとマントルは上部と下部、核は液体の外核と固体の内核がある)
物質の違いに基づく分け方だが、動きやすさ(力学的な観点)に着目した分類がある
それがリソスフェア→アセノスフェア→メソスフェアとよばれる区分。
リソスフェアは低温で堅く、物質の分類でいえば地殻とマントル最上部にあたる。
このリソスフェアがプレートである

リソスフェア=プレート=地殻+マントル最上部

大陸地殻(大陸部分の地殻)はとくに密度が小さく、マントルに浮いているといえる。
リソスフェアの下にあるアセノスフェアは高温で軟らかいため、ゆっくりと流動しており、
アセノスフェアの流れを受けて大陸地殻を乗っけているプレートが移動し、
地殻変動で地震や火山が起きたり、大陸が流される。
下の世界と上の世界はつながっている。

@マントルは動いている@
では、なぜプレートを動かすアセノスフェアは固体なのに動いているのか。
有力視される仮説がプルームテクトニクスである。

島根半島・宍道湖中海ジオパークより。
 プルームテクトニクスの考えによると、マントルは全体的にゆっくりと対流するという。ハワイやタヒチ(太平洋)、アフリカあたりの地下深くでは、核の熱を受けてマントル物質が上昇するホットプルームが起こる。マントル物質は横へ広がり、この流れが上に乗っかっているプレートを動かす。やがて、アジアの下にあるコールドプルームとよばれる下降流に乗り、核へ戻っていく。すべてのマントル物質がうまい具合に循環しているかはわからないが、地球内部で起こるダイナミックな対流からプレートが動く仕組みを大まかに説明できるようになった。
 確かに、太平洋の海底にはプレート同士が離れていく『広がる境界』があり、アフリカ東部にはアフリカ大地溝帯(だいちこうたい)とよばれる巨大な大地の裂け目がある。また、アジアではプレート同士がぶつかり合う『せばまる境界』として日本海溝やマリアナ海溝があり、インド半島が大陸に衝突することでヒマラヤ山脈が形成され、対流によりプレートが集められたことで巨大なユーラシア大陸が生まれたとも考えられる。

問6:下図参照

温度が高く、やらわかい部分は地震波が遅い。
2地点から伸びる地震波のうち、→のあいだにそのような場所がある。
青の領域と赤の領域が交わる部分が正答となる。
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2022年度 早稲田中学過去問【理科】大問4解説

問題PDF
 図は、ある地域の地層の分布や断層のようすを示しています。このような図は、地質図と呼ばれます。図中の点線は等高線で、この地域には丘があることがわかります。この地域には異なる岩石でできているA層、B層、C層が分布していて、B層から見つかった化石のほうが、A層で見つかった化石より、新しい時代に栄えた生物の化石でした。また、図中の実線は、A層、B層、C層の互いの境界を示していて、太線は南北方向の断層を示しています。
 この地質図から、断層の〔 ① 〕側が〔 ② 〕m隆起していることがわかります。

問1
図中のa―a’の地形の断面を、西側から見たときの図として最もふさわしいものを選びなさい。

問2
図中のb―b’の地形の断面を、南側から見たときの図として最もふさわしいものを選びなさい。

問3
C層は、砂が下から上に向かって順に堆積して形成されたことが分かっている。
図中の地点XではC層の地層が見られ、地層中の砂の粒の大きさや浅い海だったときに
生息していたカニの巣穴の化石に注目して観察した。
観察したスケッチとして最もふさわしいものを選びなさい。

問4
図中の地点Yから水平に、西に向かってほり進めたところ、A層とB層の境界面に達した。
ほり進んだ距離として最もふさわしいものを選びなさい。
ア:10m イ:20m ウ:40m エ:60m オ:80m

問5
文章中の〔 ① 〕、〔 ② 〕あてはまる語と数値の組合せとして最もふさわしいものを選びなさい。


@解説@
問1:エ

Bの化石がAの化石より新しい⇒B層はA層より上。
図の等高線からきれいな山なりの丘で、上からC⇒B⇒Aの順。
a―a’の断面はA~Cいずれの層にも触れる。

問2:ウ

b―b’は断層の左側。
ぱっと見た感じB層が左にせり出しているので、南側からみるとA―Bの境界面は左上。

問3:エ
素直に考えればよいと思う。

下から堆積したから大きな粒が先に堆積して下にくる。
カニは穴を掘って巣穴を作るから、穴は下側にのびる。

@級化層理@
粒子の大きいものから順に堆積する構造を級化層理(きゅうかそうり)という。

このBGMなんなんだ(*’ω’*)w
琉球大学の作製なので一応ちゃんとした動画になっています。
ペットボトルにグラウンドの砂と水を入れてシャッフル。
そのまま放置していると粒子の大きい砂が下に積もる。

選択肢のエでは3層分みえますが、その回数分だけ級化層理が起こったことになる。
巨大地震が起こると河口付近の浅瀬に積もっていた堆積物が地すべりをして混濁流となり、
さらに深い海底へ落ち、級化層理によって下から砂⇒泥の順に積もる。
地震のたびに一連の現象が起こると、海底では砂や泥が交互に重なるタービダイトが形成される。

問4:イ
実力差がでる(;`ω´)

距離を求めるので数値に注目する。
地表にあらわれているA―Bの境界面にをつけてみると、
東西に10m移動すると標高差もちょうど10mである
(ということは、B層は西側に45度傾斜している)

Yを通る垂線をひく。
この垂線におけるA―B境界面の高さは、50mの1個右だから40m。
Y地点の標高は60mなので
、Y地点から西へ20m進むと境界面(黒線との交点)にぶつかる。

問5:ウ

C層が邪魔くさい。
先ほどの境界面を延長すると、断層の東側は80m。
一方で断層の西側は50m。よって、東側が30m隆起した。

@余談@
問題文では『隆起』から東側の隆起を確定できてしまいますが、
この文言がもしなかったら、西側が30m沈降した場合も想定できる。
この場合、どう判断するか?

本問の地質図の奇妙な点は断層の東側にA層が中途半端に露頭しているところ。
もし西側が隆起すればB層とB層のあいだにA層がくることはないが、
東側が隆起してc—c’の上の部分が風化や浸食でなくなったとすれば、
左からA層→B層→A層→B層の順で地表にあらわれる。
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2022年度 渋谷教育学園幕張中学過去問【理科】大問4解説

問題PDF
次の各問いに答えなさい。ただし音速は常に毎秒350mとします。

 図1のように壁から300m離れた位置に観測者がいます。壁と観測者の直線上に音源を置きます。この音源から音を1回鳴らすと、観測者は音源から直接届く音と、壁で反射した音の、合わせて2回の音が聞こえました。このとき観測者が聞いた音と音の間の時間をT秒とします。

(1)
次の①、②の場合について、Tの値を小数第1位まで答えなさい。
①音源と壁の間の距離が140mの場合(図2)

②音源と壁の間の距離が400mの場合(図3)

(2)
(1)の音源の位置だけを同じ直線上でいろいろ変えたとき、Tの値がどうなるか調べました。
図4のように、横軸を壁から音源までの距離、縦軸をTとするとき、
どのような形のグラフになるか示しなさい。ただし値は書かないこと。
(1)②の答えをtとする。

 次に平面上で考えます。図5は上から見た様子で1目盛りを50mとします。A、Bの2か所に観測者がいて、AとBは800m離れています。A、Bと同じ平面上のどこか1か所に音源を置き、その音源から出た音を聞いた時刻を測定しました。


(3)
音源で音を出してからAでは1秒後に、Bでは2秒後に音が聞こえました。このとき音源の位置として考えられるすべての位置を作図しなさい。ただし、作図に必要な線はすべて残しなさい。また、音源の位置を点、線、範囲で示す場合、図6に従い答えの部分を矢印で示しなさい。


(4)
音源で音を出し、Aで音が聞こえた時刻から1秒後にBで音が聞こえました。
このときの音源の位置を示す線として最も適切なものを選びなさい。

(5)
音源の位置をいろいろ変えて、AとBで音が聞こえた時刻の差を測定したところ、
その時間には最大値があることがわかりました。
①初めにAで音が聞こえてから、次にBで音が聞こえるまでの時間の最大値を小数第1位まで答えなさい。

②①のときの音源の位置として考えられるすべての位置を(3)と同様の方法で作図しなさい。


@解説@
(1)①0.8秒

の差はの往復分280m。
280÷350=0.8秒

②1.7秒

の差はの往復分600m。
600÷350=1.71≒1.7秒

2)
 
音源を右に移動させて壁から離す。
の差であるは前問と変わらない
すなわち、音源が壁から300m以上離れると
T=tで一定である。

今度は音源を左に移動させて壁に近づける。
が短くなるのでTの値は減少していく。

壁の位置に音源があると差は0になる(T=0)。

↑答え

(3)
確実にとっておきたい作図。

Aから1秒=350m=7マスの距離。
Bから2秒=700m=14マスの距離。
Aを中心に7マス、Bを中心に14マスの円を描き、2つの交点が答えになる。
解答の形式は図6にならうこと!

(4)エ
Aが先に聞こえるので、A寄りになるはず。

が(3)の円。
は1つ内側、は1つ外側で、黒は2つ外側の円。
円の交点はエのような線をたどる。

@@
図が失敗してしまった(; -_-)
グラフの右端(★)はAから4.5マスになる。
A~★の長さを〇mとすると、★~Bは〇+350m
〇+(〇+350)=800m
〇=225m
225÷50=4.5マス

(5)①2.3秒

どういうときにAとBの差が大きくなるか。
直線AB上のに音源があると差は800mになる。
もし直線AB上から外れたに音源があると、差は800mよりも短くなる!
つまり、差の最大は800m
800÷350=2.28…≒2.3秒



直線上の話なので、(2)がヒントになりうる。
壁と観測者の延長線上にある音源をさらに遠くへ置いても、
音と音のあいだの時間T秒は変動しない。
Bの反対側の直線が答えとなる。
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2022年度 渋谷教育学園幕張中学過去問【理科】大問3解説

問題PDF
 夜空を見上げると、さまざまな明るさの星が輝いています。注意深く観察すると、星には色の違いがあることが分かります。カメラや望遠鏡を使うと、星の明るさや色がさらにはっきりと区別できるようになります。

 電球を使った実験を行い、夜空に輝く星について調べます。みなさんの家庭で使われている電球は、LEDのものが多くなってきましたが、白熱電球という種類の電球も使われています。白熱電球は点灯すると熱を発生します。
 家庭や実験室で使われている電気の電圧は、100V(ボルト)です。電圧を変える装置のことを変圧器と呼びます。電圧を変えると、白熱電球の明るさが変化します。
 光が当たっている場所の明るさを照度といい、ルックスという単位を使います。照度が大きいほど明るいです。照度は照度計で測れます。

<実験1>
 図1のように装置を配置して電圧は一定のまま、白熱電球を点灯し、電球から照度計を少しずつ遠ざけて、距離と照度の関係を測定しました。すると、図2のような結果が得られました。

(1)
次の〔  〕にもっとも適するものを選びなさい。
 電圧が一定ということは、白熱電球が出している光の量に変化がないということです。<実験1>では、電球と照度計の距離が遠くなると、照度が〔上昇・下降〕していくことがわかります。図2より、電球から100cmの距離での照度は、50cmの距離での照度にくらべると、約〔1/2・1/3・1/4〕になっていることがわかります。この関係から、250cmの距離での照度は、50cmの距離での照度にくらべて、約〔1/5、1/10、1/25、1/250〕になることが予想できます。

<実験2>
 次に図3のように、白熱電球と照度計との距離を一定にして、電圧を変化させて照度を測定しました。結果を図4に示します。同時に、放射温度計を用いて電球の温度を測定しました。結果を図5に示します。

(2)
次の〔  〕にもっとも適するものを選びなさい。
 電圧を上げると、照度が〔上昇・下降〕します。白熱電球と照度計の距離は一定なので、電圧が大きいほど、電球は〔明るく・暗く〕なることがわかります。電圧が50Vの時とくらべて、100Vでは、明るさは約〔2・5・15・30〕倍になっていることがわかります。電球の温度は、電圧を上げると〔上昇・下降〕していくことがわかります。夜空の星が同じような性質ならば、明るい星は温度が〔高い・低い〕ということになります。

 図6の虹の写真からわかるように、太陽の光の中にはさまざまな色の光がふくまれています。白熱電球も同様です。
 テレビやスマートフォンの画面は、青色、緑色、赤色の光の強さを調節して、多くの色を表す仕組みになっています。そこで、図7のような青色、緑色、赤色の色ガラスを用意しました。これらの色ガラスは、その色の光しか通さない性質をもっています。色ガラスを利用して、白熱電球の光の特徴を測定しました。

<実験3>
 照度計に色ガラスをかぶせて、次の実験をしました。白熱電球との距離を一定に保ったまま、電圧を変えて、それぞれの色ガラスごとに照度の測定をしました。すると、表1のような結果になりました。これをもとにグラフを作ったのが図8、図9です。

(3)
<実験3>の結果から考えられる文として適切なものを2つ選びなさい。
ア:白熱電球からの光は電圧を高くすると、赤色に対して青色と緑色の割合が高くなっていく。
イ:白熱電球からの光は電圧を高くすると、赤色に対して青色と緑色の割合が低くなっていく。
ウ:白熱電球からの光は電圧を変化させても、赤色に対する青色と緑色の割合は変わらない。
エ:電圧を変化させると、白熱電球の色が変わると考えられる。
オ:電圧を変化させても、白熱電球の色に変化はないと考えられる。

(4)
夜空に見える星の明るさや色の関係が、<実験1、2、3>と同じと考える。
次の文のうち適切なものを2つ選びなさい。
ア:赤い星と青い星は、温度は変わらないが、青い星ほど明るい。
イ:赤い星と青い星は、温度は変わらないが、赤い星ほど明るい。
ウ:赤い星は温度が低くて暗く、青い星は温度が高くて明るい。
エ:赤い星は温度が低くて明るく、青い星は温度が高くて暗い。
オ:赤い星は赤色の光だけ、青い星は青色の光だけを出して輝いている。
カ:星はさまざまな色の光を出しているが、距離が遠いと青く、近いと赤く見える。
キ:星はさまざまな色の光を出しているが、温度のちがいで出している色の割合が変わり、
 ちがった色に見える。

 宇宙では、たくさんの星がせまい範囲に同時に誕生することがあります。地球から見ると、ほとんど同じ距離に星が集まっていることになります。このような星の群れを星団とよびます。図10は星団の例です。

<実験4>
 まず色ガラスをつけないでプレセペ星団を撮影して、それぞれの星の明るさを求めました。次に色ガラスをつけて星団を撮影し、青い光と赤い光の割合を計算しました。図11には測定できた星団の一部の星を示しています。明るい星は上に、暗い星は下になります。左側にあるのは青い星、右側にあるのは赤い星となります。

(5)
次の〔  〕に適するものを選びなさい。
 プレセペ星団には、図11の中に点線で囲んだように、AとBの異なった性質をもつ星のグループが見られます。白熱電球の実験結果と似ているのは〔A・B〕グループと考えられます。Aグループは〔青い・赤い〕星が明るいという特徴が見られます。ところが、Bグループは明るくて、〔青い・赤い〕星があります。

(6)
プレセペ星団には、赤い色をした星が二種類あることがわかります。明るい赤い星と暗い赤い星です。明るい赤い星は、暗い赤い星と比べて、どのようにちがうと考えられますか。次の(  )を補い、文を完成させなさい。

明るい赤い星は、暗い赤い星と比べて(    )。


@解説@
(1)①下降②1/4③1/25

歪んでしまいました(-_-;)
なめらか曲線で描いてください。

距離が遠くなるほど照度は下降していく。
50cmでは500ルックス、100cmでは120ルックスほど。
120÷500が約1/4なので、125ルックスと思われる。

距離が2倍になると、照度は1/4倍になる

2倍が1/4倍になるということは、2回かけた数の逆数では?
150cmだと距離が3倍になるので1/9倍になるはず。
500×1/9=55.55…⇒グラフでは50の上で当たってそう。
250cmは距離が5倍だから、照度は1/25倍。

@逆2乗の法則@

電圧一定⇒光源から発せられる光の量も一定。
距離が2倍だと面積は4倍になるから、単位面積(1つの面)あたりの光の量は1/4倍に落ちる。
すなわち、『照度(面の明るさ)は光源との距離の2乗に反比例する』。
2乗とは同じ数を2回かけること。
2乗した数の逆数になる法則は逆2乗の法則といわれ、
万有引力や静電気力に関する自然法則にも登場する。

(2)①上昇②明るく③15④上昇⑤高い

電圧を上げると照度は上昇している。
距離一定にある照度計の照度が上昇したのは、光源の電球が明るくなったから。
50Vのときは1200ルックス。100Vでは17200ルックスを超す。
17200÷1200=14.33…≒15倍

電圧を上げると温度は上昇している。
明るい(照度が高い)⇒電圧が大きい⇒温度が高い。
明るい星の温度は高いことになる。

(3)ア・エ

電圧を上げると3色いずれも照度が高くなり、最初は赤が突き抜けるが、
70Vを超すと緑が追い越すので赤色に対する緑色の割合は高くなっていく。

問題は照度の少ない青。
選択肢では緑が高くなるから青も高くなるアだと予想できるが、
電圧をさらに高めていくと本当に青の割合が増えていくのか不安になる…。

図9で50V~100Vまでの長さをとると赤が最も短い感じがする。
また、
青と赤を結ぶと、直線の傾きが緩やかになっている
縦軸は過去問にでてきた対数グラフであるが、この調子で電圧をあげていけば、
いずれ赤に対する青の割合は高くなるだろうと予想できなくもない。

『テレビやスマートフォンの画面は、青色、緑色、赤色の光の強さを調節して、
多くの色を表す仕組みになっています』
青・緑・赤は光の三原色。3色の割合でさまざまな色の光を表すことができる。
電圧を上げると3色の割合が変化するので、温度の違いで電球は異なる色に見える。

(4)ウ・キ
電圧が小さいときの明るさは暗く、赤の照度が優勢で赤く見える。
また、電圧が小さいと電球の温度は低い。
温度が低いと暗い赤に見える
逆に、電圧が高い場合、実験では100Vまででわかりにくいが、
前問で「赤色に対して青色と緑色の割合が高く」なり、
選択肢では緑がなく、青しかない。
恒星のような高温になると青の照度が優勢になり、明るい青に見えると考えられる。

アイウエ:赤い星は温度が低くて暗く、青い星は温度が高くて明るい→ウ
オ:いろんな色の光を出しているが、どの色の照度が優勢になるかで見える色が変わる。×
カ:実験1から距離が近いと明るく、距離が遠いと暗くなるが、色の話ではない。×
キ:色の違いは温度に依存する。〇
*「赤い星→低温で暗い、青い星→高温で明るい」という知識に頼っていいと思う。
『星』とは太陽のように自ら光る恒星をさす。

@緑の星はどこへ?@
選択肢から急に緑が消えたが、緑はどこにいったのか。

確かに赤い星と青い星は見たことあるけど、緑の星は実際に見たことがない…。


星の温度が高くなると、赤からオレンジ、黄色、白、青へ色が変化する。
UVは紫外線、IRは赤外線で目に見えない光。
あいだのvisibleは「目に見える」、つまり可視光線。
星の温度が低くなるとグラフの波が右に移動し、visibleの範囲は赤色が占める。
星の温度が高くなるとグラフの波が左に移動し、青色が占めるようになる。
しかし、可視光線(スペクトル)の真ん中に位置する緑に波のピーク(頂点)があるとき
赤、緑、青の光が同程度の量になるので、これらが混ざって白に見えてしまう

@ウィーンの変位則@
光は波の性質を持ち、波の山~山(もしくは谷~谷)までの長さを波長という。
光は波長が短くなると青色、波長が長くなると赤色に見える
そして、波長の長さと温度には次のような関係式が成り立つ。
波長の長さ×温度≒2900
つまり、波長と温度は反比例の関係にある。
高温だと短波長の青色、低温だと長波長の赤色になる。

横軸が波長、縦軸の放射強度は光の強さ。
Tは温度で、K(ケルビン)は絶対温度をあらわす(0℃=273K)。
温度Tが高いとグラフの山が高くなって放射強度が増す。
グラフのピーク(山頂)はその温度で最も優勢である光の波長で、
光はこの波長に応じた色に見える。
各ピークを結ぶと前述の反比例、ウィーンの変位則があらわれる。

地球温暖化の原因で、「太陽から得た熱を地球は宇宙空間に放射している。
しかし、温室効果ガスが熱を吸収して地表に戻してしまう」という話を聞いたことがあると思う。
太陽の光は目に見える可視光線なのに、地表から放出される熱が目に見えないのは何故か?
太陽の表面温度は約6000℃に対し、地球の温度はかなり低い。
ウィーンの変位則から波長が長くなり、目に見えない赤外線になるからである。

(5)①A②青い③赤い

電球の実験結果と同じように、赤が暗く、青が明るいのはAグループ。
しかし、Bグループは明るいのに赤い。

(6)表面積が大きい
難しい(´・_・`)
問題文にだいたいヒントが書いてあるものだが、直接的なヒントが見当たらない…。

(4)の選択肢ウより、
赤い星=温度低い=暗い
青い星=温度高い=明るい
…になるはずなのに、赤くて明るい星があるという。
(1)で照度は光源からの距離の2乗に反比例するから、”地球に近い星”と答えたくなるが、
星団は地球からほとんど同じ距離に集まった星の群れなので、距離ではない

距離が同じで温度が低いのに、照度が高い(明るい)のはどういうことか。
明るいということは光の量が多いということ
温度は低いが光の量が多い。
これを電球の実験で例えると、電圧の低い電球をたくさん並べる感じになる。
すると、1個の電球は暗くても光の量が増えて明るい赤になる。
恒星でいえば光を発する場所が広い、すなわち、表面積が大きい。

@赤い星のデカさ@
中学受験で赤い星といえば、さそり座のアンタレスとオリオン座のベテルギウスを習いますが、
ここで2つの星の大きさを太陽と比較してみましょう。

The Size Of Our Worldより。
左下の点すら見えないのが太陽…デケェ!!( ;゚д゚)
もっとも、ベテルギウスがアンタレスよりも大きいと説明するサイトもあるので、
不確かな部分もありますが、いずれも太陽より圧倒的な大きさを誇る点は間違いないようです。

こちらは太陽系の天体。太陽と比べると地球(Earth)はゴマ粒。

@HR図@
 
板村地質研究所より。図11の元ネタはHR図である。
横軸が表面温度に応じた色、縦軸の絶対等級は明るさ。
恒星の子供である原始星が核融合反応を起こすと主系列星になる。
左上の主系列星は高温で明るいが、重くて燃え尽きるのも早いので寿命が短い。
反対に右下の主系列星は低温で暗いが、軽くて長く燃え続けるので寿命が長い。

主系列星が晩年に近づいていくと、恒星のなかのエネルギーバランスが崩れていき、
大きく膨張してデカくなって巨星赤色巨星)に変わる。これがHR図の右上にあたる。
質量の小さい星では中心部の核融合反応が停止し、外層のガスが宇宙へ抜けていく。
すると、中心の核がむき出しになって高温の小さい白色矮わいがあらわれる。
HR図の左下である。
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2022年度 豊島岡女子学園中学2回目過去問【理科】大問1解説

問題PDF
光が鏡に入射し、はね返ることを反射といいます。図1のように反射面が球の一部となっている鏡を球面鏡といい、その外側を凸面鏡、内側を凹面鏡といいます。光は入射角と反射角が等しくなるように反射します。球面鏡の場合は、図1の点線のように球の中心Oと反射点を通る直線と、光との間の角度が入射角と反射角になり、これらが等しくなるように反射します。


物体から出た光が反射や屈折をすると「」が見えることがあります。図2のように物体から出た光が屈折し、1点に集まってから再び広がると、集まった点に物体があるように見えます。このときに見える像を「実像」といいます。図3のように屈折した光が集まらないとき、光を逆向きに延長すると1点で交わり、そこに物体があるように見えます。このときに見える像を「虚像」といいます。また、物体に対して上下がそのままの像を「正立像」、上下が逆の像を「倒立像」といいます。鏡での反射の場合も同様に、光の作図によって「」の見え方が分かります。

図4のように凸面鏡の前に矢印の形をした物体を置きました。物体の上端と下端から出る光のうち、凸面鏡に入射する光を2本ずつ描いてあります。点線は作図用の補助線です。

(1)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図4で凸面鏡のつくる像は、物体の位置から見て鏡より( ① )の位置にでき、
この像は実像と虚像のうち( ② )である。

(2)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図4で凸面鏡のつくる像は、物体の大きさと比べて( ① )像であり、
この像は正立像と倒立像のうち( ② )である。

図5のように凹面鏡の前に矢印の形をした物体を置きました。物体の上端と下端から出る光のうち、凹面鏡に入射する光を2本ずつ描いてあります。点線は作図用の補助線です。

(3)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。

図5で凹面鏡のつくる像は、物体の位置から見て鏡より( ① )の位置にでき、
この像は実像と虚像のうち( ② )である。

(4)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図5で凹面鏡のつくる像は、物体の大きさと比べて( ① )像であり、
この像は正立像と倒立像のうち( ② )である。

(5)
道路上に設置されている一般的なカーブミラー(道路反射鏡)に使われているのは
平面鏡・凸面鏡・凹面鏡のうちどれですか。
あ:平面鏡 い:凸面鏡 う:凹面鏡

(6)
(5)の答えの鏡が使われている理由として適当なものを2つ選びなさい。
あ:広範囲のものの像を見ることができるから。
い:像が正立像となるから。
う:像が物体よりも大きくなるから。
え:像が鏡よりも手前に映るから。

(7)
図6のような丁字路にカーブミラーが置かれています。
矢印の向きからカーブミラーを見ると、図7のように人が映っていました。
この人は図6のどの位置にいるでしょうか。適当なものを選びなさい。


@解説@
(1)え

上端は、下端はであらわした。
入射角と反射角が等しくなるように反射する光を描き、
これと逆向きの延長線をひくと光が交わる。(虚像
この交点が像の上端と下端である。
物体の位置から見ると、像は凸面鏡の奥側にできる。

(2)う
上図より、像は物体より小さい正立像。
*実像だから倒立像、虚像だから正立像というわけではない。
複数のレンズをうまく使えば正立実像を作れる。顕微鏡は倒立虚像である。

(3)あ

さっきよりごちゃごちゃする(;´Д`)
正確に描ければ上下対称になる
物体の位置から見ると、像は凹面鏡の手前にできる。
光が1点に集まってから再び広がるので実像。

(4)え
上図より、像は物体より小さい倒立像。

(5)い

見たことはあるでしょう。鏡面が膨らんでいるので凸面鏡。

(6)あ・い
なぜ凸面鏡なのか。
今までの解答をまとめると…
【凸面鏡】鏡の奥、虚像、小さい、正立像
【凹面鏡】鏡の手前、実像、小さい、倒立像
鏡に映った景色が倒立(上下逆)だと危ない…。

図は物体から出た光が反射する様子だが、逆にいえばこの範囲にある光が、
凸面鏡に反射して物体のある場所に集まってくる⇒物体の場所から広範囲を見渡せる。

(7)え

右側に映っているので、【う・え】に絞られる。
もし、自分が右側のカーブミラーの場所に立って赤い矢印の方角をみると、
手前が【う】で奥が【え】と判断しやすいと思う。
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2022年度 豊島岡女子学園中学過去問【理科】大問2解説

問題PDF
二酸化炭素を石灰水に通すと、その溶液は白くにごります。
これは炭酸カルシウムができたためで、しばらくすると底に沈みます。
この底に沈んだものを沈殿といいます。
二酸化炭素2.4Lを十分な量の石灰水と反応させると、10gの沈殿ができます。
沈殿の量から呼気(ヒトが口からはく息)に含まれる二酸化炭素の割合を調べるために、
次の実験をしました。

実験1
二酸化炭素を石灰水に吹きこむと、一部が逃げましたが、残りは沈殿になりました。
沈殿をろ過によって取り出し、よく乾かして重さをはかりました。
吹きこんだ二酸化炭素の体積とできた沈殿の重さの関係は、次のようになりました。

実験2
息を1回はくと2Lはき出されました。石灰水に2Lの呼気を3回吹きこみました。
沈殿をろ過によって取り出し、よく乾かして重さをはかりました。
できた沈殿の重さは0.55gでした。

(1)
二酸化炭素1Lをどこにも逃げないようにして十分な量の石灰水と反応させたとき、
何gの沈殿ができますか。四捨五入して小数第1位まで求めなさい。

(2)
実験1より、二酸化炭素1Lを石灰水に吹きこんだときに逃げる二酸化炭素は何Lと考えられますか。
四捨五入して小数第1位まで求めなさい。

(3)
呼気全体の体積に対して、二酸化炭素の体積の割合は何%ですか。
四捨五入して小数第1位まで求めなさい。ただし、呼気を石灰水に吹きこむとき、
二酸化炭素の一部は逃げ、その割合は実験1と同じとします。

(4)
次の①~③のような誤った操作をした場合、(3)で求めたものはどうなりますか。
以下のあ~うからそれぞれ1つずつ選びなさい。
ただし、それぞれの誤った操作以外は正しく操作したものとします。
①実験2で、沈殿をろ過によって取り出すとき、沈殿はよく乾いていたが、
ろ紙に沈殿を残したまま重さをはかってしまった。

②実験2で、1回で息を2Lはいたのに、1.6Lはいたと記録してしまい、その数字で計算した。

③実験1で、石灰水の量が十分ではなく、次のようになってしまった。

実験2では、石灰水の量が十分だったので、できた沈殿の重さは0.55gで変わらなかった。

あ:大きくなる い:小さくなる う:変わらない


(1)4.2g
本問はCO2が逃げない。
CO2
2.4L=沈殿10g
1LのCO2では、10×1/2.4=4.16…≒4.2g

(2)0.4L

表の数値が比例なので、吹き込んだCO2に対して逃げたCO2の割合は一定

整数値である【CO2
L=沈殿5g】に着目する。

5gの沈殿ということは、2.4×5/10=1.2LのCO2しか反応していない
2Lの吹き込みのうち、空気中に逃げたCO2は2-1.2=0.8L
1Lの吹き込みでは0.4LのCO2が逃げる。

(3)3.7%
呼気の話なので、息を吐く実験2の数値を用いる。
呼気の合計は、2×3=6L
前問より1Lのうち0.4LのCO2が逃げるので、
6Lでは2.4LのCO2が逃げる
残りの3.6Lが石灰水と反応して、0.55gの沈殿物ができた。

CO22.4L=沈殿10g
前半は石灰水と反応した3.6Lに含まれるCO2の量を算出。
これを×6/3.6倍して、6Lの呼気に含まれるCO2は0.22L
呼気におけるCO2の割合は、0.22÷6=0.0366…≒3.7%

@@

今年の筑波大附属駒場中学・大問5より。
ポリエチレンの袋をかぶせた植物を使っておこなう実験で、
ヒトの呼気における二酸化炭素濃度が3~4%であるのを知らないと解けない設問でした。

(4)①い
間違った操作をしたら結果がどうなるかという面白い設問です(‘ω’)
『ろ紙に沈殿を残したまま重さをはかる』
どう解釈していいのか迷ったのだが、ろ紙に乗せたまま沈殿をおもりにかけたのか、
それとも、ろ紙から取り出すときに沈殿の一部がろ紙に残ったのか(´・_・`)?

いずれにせよ、沈殿の重さは0.55gより小さくなる。
6Lの呼気に含まれるCO2は0.22Lより小さくなり、その割合も小さくなる。

②あ
『1回で息を2Lはいたのに、1.6Lはいたと記録した』
呼気の合計が6Lから4.8Lに変わる。
1行目の×6/3.6は、呼気全体と石灰水と反応する分の割合で、
これは呼気4.8Lの場合でも変わらないから0.22Lはそのまま
(吹き込んだ呼気を⑤とすると、②が逃げて③が石灰水と反応する)
しかし、2行目の÷6が÷4.8になるので、体積の割合は大きくなる。

③う

比べてみると確かに違うところがある…。
しかし、沈殿の重さが3gを超すと石灰水が不足して誤差が生じるが、
0.55gのときは石灰水が十分にあるので計算式のどの数値も変動せず、体積の割合は変わらない。
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