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下図のような空気でっぽうを作って、いろいろ試してみました。
空気でっぽうから空気は漏れないこととします。
問1
押し棒を押す速さを変えて試したところ、速く押すほど手応えが大きくなって前玉が飛びました。
そうなる理由を説明した下の文章の空欄に、ふさわしいものを選びなさい。
同じ記号を選んではいけません。
『手応えが大きいほど〔 〕。その結果、空気が〔 〕、前玉が飛び出した後に〔 〕、
という2つの理由でよく飛んだ』
ア:押し棒を押す力が強い イ:筒から出る空気の量が多い ウ:後玉が前玉を押す
エ:押し棒の力が直接前玉に伝わる オ:空気がより縮まない カ:押し棒を速く押す
キ:後玉よりも前玉を強く押す ク:空気がより縮む ケ:前玉を押す力が大きい
問2
空気で膨らませた小さなゴム風船を空気でっぽうの中に入れ、前玉を押さえて飛ばないようにして、押し棒をゆっくり押しました。このときの風船の様子をア~オ、そうなる理由をカ~シからそれぞれ選びなさい。
風船の様子
ア:すばやく小さくなる イ:徐々に小さくなる ウ:そのまま変わらない
エ:徐々に大きくなる オ:すばやく大きくなる
理由
カ:風船の中の空気が徐々に少なくなるから。
キ:風船の中の空気がすぐに多くなるから。
ク:風船の中の空気の温度が徐々に下がるから。
ケ:風船の中の空気の温度が徐々に上がるから。
コ:風船の中の空気が徐々に縮むから。
サ:風船の中の空気がすぐに膨らむから。
シ:風船の中の空気は影響を受けないから。
問3
前玉と後玉の真ん中にスムーズに動く中玉を入れ、玉の間の一方を水で満たします。
下のAとBとでは、同じように押し棒を押しても前玉の動き方に違いが現れます。
この違いと、そうなる理由を書きなさい。
(解答欄;違い…1行程度、理由…3~5行程度の空欄)
@解説@
(1)ク・ケ・イ
押し棒を押す速さの違いで何が変わるのか?

押し棒を勢いよく押すと手応えが大きくなるのは、
筒の中で密閉された空気の反作用を受けるから。
反作用は加えた力(作用)が大きくなるほど大きくなる。
押し棒を押すと筒のなかの空気がギュッと凝縮され、
空気が元に戻ろうとする反動で前玉がスポーンと飛ぶ。
最初の2つは、(手応えが大きいほど)空気がより縮む。
(その結果、空気が)前玉を押す力が大きい、となる。
(前玉が飛び出した後は)空気が激しく動くので、筒から多くの空気が出る。
9択もあるので情報整理に手間がかかる。わかるところから確実に埋めていこう。
(2)風船の様子:イ、理由:コ
ここは取りやすい。
筒の中の空気がギュッと押されて気圧が高くなる。
ゴム風船が外側から押され、風船内部の空気が縮み、風船は徐々に小さくなっていく。
看護roo!より。肺の動きと似ている。
肋骨や横隔膜といった肺の周りを動かすことで、筋肉のない肺が動く。
右のように横隔膜が上にあがると、なかの気圧が上がって肺が縮む。
(3)違い:Aの前玉の方が勢いよく飛ぶ。
理由:下記参照。
*難しい。
頭のなかで押し棒を押してみたとき、なんとなくAが飛びそうに思えるか。
思えたとしても、言葉で理由を説明しにくい。
まず、空気と水の違いを確認する。
空気鉄砲で前玉が飛ぶのは、空気が圧縮され、元に戻ろうとする反動で前玉を押すから。
一方、水は空気と比べて粒子がすきまなく並んでいるので圧縮されにくい。
つまり、反動も起こりにくいので、前玉が飛びにくい。
つまるところ、Aは中玉までが押し棒と捉えて良いと思う。
中玉が空気を圧縮。その反動が前玉へ伝わるので、前玉はポーンと飛ぶ。
対して、Bでは圧縮された空気の反動が中玉と水を通じて前玉に伝わるが、
中玉と水を移動させることに反動の力(エネルギー)をいくらか消費してしまうので、
前玉を押す力が弱まってしまう。
水を満たした状態で押すと、玉があまり飛ばない。
水は後ろから押されると、そのまま横に移動してチョロンと落ちる。
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