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中学生のKさんとLさんは、数学の授業で次のような奇数についての【性質】を学習した。
次の各問に答えよ。
〔問1〕
1から始まる連続する正の奇数の和が64になるとき、
1から始まる連続する正の奇数の中で最大の数を求めよ。
【性質】を学習したKさんは、1以外の奇数から始まる連続する正の奇数の和にどのような性質が
あるのかを調べ、授業で【Kさんが気付いた性質】を発表した。
Kさんは、【Kさんが気付いた性質】から、次の【Kさんの疑問】を整理した。
〔問2〕
【Kさんの疑問】において、1以外の奇数から始まる連続する6個の正の奇数の和が360になる場合があれば、
連続する6個の奇数の中で最小の奇数を求め、ない場合には、ない理由を説明せよ。
ただし、答えだけでなく、答えを求める過程が分かるように、途中の式や考え方なども書け。
続いて、K さんが授業で発表した【Kさんが気付いた性質】をもとに、
先生が次の【先生が作った課題】を出した。
KさんとLさんが、この【先生が作った課題】に取り組むために、グループで話し合いを行いながら
【Kさんのメモ】、【Lさんのメモ】に考えの過程をそれぞれ記した。
〔問3〕
【先生が作った課題】を解け。
@解説@
〔問1〕
64=8×8→8番目の奇数を求めればいい。
8番目の奇数=8番目の偶数-1
=2×8-1
=15
〔問2〕
公式解答を見ます。
@@@
@@@
(1とlが紛らわしいので、以下ではℓにします)
2ℓ-5、2ℓ-3、2ℓ-1、2ℓ+1、2ℓ+3、2ℓ+5と対称的な並びにして、
6つの和が12ℓ=360、ℓ=30だから、最小数2ℓ-5=2×30-5=55
ℓ≧4の自然数とするのは、最小数が1以外の奇数なので、
2ℓ-5≧3→ℓ≧4の自然数になるからです。
もし、ℓが4未満であったり、自然数でないときは和が360になる場合がないので、
ℓの条件とその適否の記述が必要になります。
@別解@
問3のKの考え方でも求められる。
連続する6個の正の奇数のうち、最大数を奇数のa番目とすると、
a番目までの和から(a-6)番目までの和を引けばいい。
(a-5≧2より、a≧7の自然数)
a2-(a-6)2
=(a+a-6)(a-a+6)
=6(2a-6)=360 ←÷6
2a-6=60
a=33(aの条件に適する)
最小数は33-5=28番目の奇数だから、28×2-1=55
@余談@
連続する6個の正の奇数は、段差が2である6段の階段で表される。
問題文より、19+21+…29=144
和が360になる場合があるとすれば、144の階段を上に平行移動した6段が作れる。
360-144=216
上に平行移動した数は、216÷6=36 ←割り切れたということは作れる。
最小数は、19+36=55
〔問3〕
数列をかくと上図のようになる。
m番目は2m-1
2m+1からn個の連続する奇数が連なり、m+n番目までの和が2025になる。
(m+n)2-m2
=(m+n+m)(m+n-m)
=n(2m+n)=2025=45×45
mとnの条件は『mは自然数、nは2以上の自然数』しかない。
n<2m+n
最大のnは2025の約数のうち、45の1個手前である。
n=27
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