問題PDF
光が鏡に入射し、はね返ることを反射といいます。図1のように反射面が球の一部となっている鏡を球面鏡といい、その外側を凸面鏡、内側を凹面鏡といいます。光は入射角と反射角が等しくなるように反射します。球面鏡の場合は、図1の点線のように球の中心Oと反射点を通る直線と、光との間の角度が入射角と反射角になり、これらが等しくなるように反射します。
物体から出た光が反射や屈折をすると「像」が見えることがあります。図2のように物体から出た光が屈折し、1点に集まってから再び広がると、集まった点に物体があるように見えます。このときに見える像を「実像」といいます。図3のように屈折した光が集まらないとき、光を逆向きに延長すると1点で交わり、そこに物体があるように見えます。このときに見える像を「虚像」といいます。また、物体に対して上下がそのままの像を「正立像」、上下が逆の像を「倒立像」といいます。鏡での反射の場合も同様に、光の作図によって「像」の見え方が分かります。
図4のように凸面鏡の前に矢印の形をした物体を置きました。物体の上端と下端から出る光のうち、凸面鏡に入射する光を2本ずつ描いてあります。点線は作図用の補助線です。
(1)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図4で凸面鏡のつくる像は、物体の位置から見て鏡より( ① )の位置にでき、
この像は実像と虚像のうち( ② )である。
(2)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図4で凸面鏡のつくる像は、物体の大きさと比べて( ① )像であり、
この像は正立像と倒立像のうち( ② )である。
図5のように凹面鏡の前に矢印の形をした物体を置きました。物体の上端と下端から出る光のうち、凹面鏡に入射する光を2本ずつ描いてあります。点線は作図用の補助線です。
(3)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図5で凹面鏡のつくる像は、物体の位置から見て鏡より( ① )の位置にでき、
この像は実像と虚像のうち( ② )である。
(4)
以下の文の空欄①、②に入るものの組み合わせとして適当なものを選びなさい。
図5で凹面鏡のつくる像は、物体の大きさと比べて( ① )像であり、
この像は正立像と倒立像のうち( ② )である。
(5)
道路上に設置されている一般的なカーブミラー(道路反射鏡)に使われているのは
平面鏡・凸面鏡・凹面鏡のうちどれですか。
あ:平面鏡 い:凸面鏡 う:凹面鏡
(6)
(5)の答えの鏡が使われている理由として適当なものを2つ選びなさい。
あ:広範囲のものの像を見ることができるから。
い:像が正立像となるから。
う:像が物体よりも大きくなるから。
え:像が鏡よりも手前に映るから。
(7)
図6のような丁字路にカーブミラーが置かれています。
矢印の向きからカーブミラーを見ると、図7のように人が映っていました。
この人は図6のどの位置にいるでしょうか。適当なものを選びなさい。
@解説@
(1)え
上端は青、下端は赤で表した。
入射角と反射角が等しくなるように反射する光を描き、
これと逆向きの延長線をひくと光が交わる。(虚像)
この交点が像の上端と下端である。
物体の位置から見ると、像は凸面鏡の奥側にできる。
(2)う
上図より、像は物体より小さい正立像。
*実像だから倒立像、虚像だから正立像というわけではない。
複数のレンズをうまく使えば正立実像を作れる。顕微鏡は倒立虚像である。
(3)あ
さっきよりごちゃごちゃする(;´Д`)
正確に描ければ上下対称になる。
物体の位置から見ると、像は凹面鏡の手前にできる。
光が1点に集まってから再び広がるので実像。
(4)え
上図より、像は物体より小さい倒立像。
(5)い
見たことはあるでしょう。鏡面が膨らんでいるので凸面鏡。
(6)あ・い
なぜ凸面鏡なのか。
今までの解答をまとめると…
【凸面鏡】鏡の奥、虚像、小さい、正立像
【凹面鏡】鏡の手前、実像、小さい、倒立像
鏡に映った景色が倒立(上下逆)だと危ない…。
図は物体から出た光が反射する様子だが、逆にいえばこの範囲にある光が、
凸面鏡に反射して物体のある場所に集まってくる⇒物体の場所から広範囲を見渡せる。
(7)え
右側に映っているので、【う・え】に絞られる。
もし、自分が右側のカーブミラーの場所に立って赤い矢印の方角をみると、
手前が【う】で奥が【え】と判断しやすいと思う。
難関中学(理科)解説ページに戻る
コメント