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図は、ある地域の地層の分布や断層のようすを示しています。このような図は、地質図と呼ばれます。図中の点線は等高線で、この地域には丘があることがわかります。この地域には異なる岩石でできているA層、B層、C層が分布していて、B層から見つかった化石のほうが、A層で見つかった化石より、新しい時代に栄えた生物の化石でした。また、図中の実線は、A層、B層、C層の互いの境界を示していて、太線は南北方向の断層を示しています。
この地質図から、断層の〔 ① 〕側が〔 ② 〕m隆起していることがわかります。
問1
図中のa―a’の地形の断面を、西側から見たときの図として最もふさわしいものを選びなさい。
問2
図中のb―b’の地形の断面を、南側から見たときの図として最もふさわしいものを選びなさい。
問3
C層は、砂が下から上に向かって順に堆積して形成されたことが分かっている。
図中の地点XではC層の地層が見られ、地層中の砂の粒の大きさや浅い海だったときに
生息していたカニの巣穴の化石に注目して観察した。
観察したスケッチとして最もふさわしいものを選びなさい。
問4
図中の地点Yから水平に、西に向かってほり進めたところ、A層とB層の境界面に達した。
ほり進んだ距離として最もふさわしいものを選びなさい。
ア:10m イ:20m ウ:40m エ:60m オ:80m
問5
文章中の〔 ① 〕、〔 ② 〕あてはまる語と数値の組合せとして最もふさわしいものを選びなさい。
@解説@
問1:エ
Bの化石がAの化石より新しい⇒B層はA層より上。
図の等高線からきれいな山なりの丘で、上からC⇒B⇒Aの順。
a―a’の断面はA~Cいずれの層にも触れる。
問2:ウ
b―b’は断層の左側。
ぱっと見た感じB層が左にせり出しているので、南側からみるとA―Bの境界面は左上。
問3:エ
素直に考えればよいと思う。
下から堆積したから大きな粒が先に堆積して下にくる。
カニは穴を掘って巣穴を作るから、穴は下側にのびる。
@級化層理@
粒子の大きいものから順に堆積する構造を級化層理(きゅうかそうり)という。
このBGMなんなんだ(*’ω’*)w
琉球大学の作製なので一応ちゃんとした動画になっています。
ペットボトルにグラウンドの砂と水を入れてシャッフル。
そのまま放置していると粒子の大きい砂が下に積もる。
選択肢のエでは3層分みえますが、その回数分だけ級化層理が起こったことになる。
巨大地震が起こると河口付近の浅瀬に積もっていた堆積物が地すべりをして混濁流となり、
さらに深い海底へ落ち、級化層理によって下から砂⇒泥の順に積もる。
地震のたびに一連の現象が起こると、海底では砂や泥が交互に重なるタービダイトが形成される。
問4:イ
実力差がでる(;`ω´)
距離を求めるので数値に注目する。
地表にあらわれているA―Bの境界面に★をつけてみると、
東西に10m移動すると標高差もちょうど10mである。
(ということは、B層は西側に45度傾斜している)
Yを通る垂線をひく。
この垂線におけるA―B境界面の高さ★は、50mの1個右だから40m。
Y地点の標高は60mなので、Y地点から西へ20m進むと境界面(黒線との交点)にぶつかる。
問5:ウ
C層が邪魔くさい。
先ほどの境界面を延長すると、断層の東側は80m。
一方で断層の西側は50m。よって、東側が30m隆起した。
@余談@
問題文では『隆起』から東側の隆起を確定できてしまいますが、
この文言がもしなかったら、西側が30m沈降した場合も想定できる。
この場合、どう判断するか?
本問の地質図の奇妙な点は断層の東側にA層が中途半端に露頭しているところ。
もし西側が隆起すればB層とB層のあいだにA層がくることはないが、
東側が隆起してc—c’の上の部分が風化や浸食でなくなったとすれば、
左からA層→B層→A層→B層の順で地表にあらわれる。
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