2023年度 灘中学過去問【理科】大問3解説

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 ヒトが生きていくために最も重要な3つの栄養素には、A、B、Cがあります。Aはおもにからだをつくる材料になります。またBおよびCは、おもにからだを動かすためのエネルギー源になります。多くの植物体内で、光や空気中の物質Xなどを利用してつくられる物質Yは、Bに分類されます。Yにヨウ素液を1滴たらすと、青むらさき色になりました。

 また、ヒトがからだの調子を整えるのに必要な2つの栄養素DとEをふくめて、A~Eは五大栄養素とよばれています。
 下図は、さまざまな食品の可食部(食べられる部分)にふくまれるA~Cなどの成分について、重さの割合をグラフで表したものです。

 一番上のグラフはコメ(白米)のものです。食品①~④のグラフは、牛肉(もも)、バナナ、ほうれんそう、ごまのいずれかのものです。
 なおZはさまざまな食品にふくまれている成分で、五大栄養素にはふくまれませんが、ヒトのからだの中でも大切なはたらきをしています。

問1
A~Eはそれぞれ何ですか。ただしDとEの順序は問いません。

問2
X~Zはそれぞれ何ですか。

問3
食品①~④はそれぞれ何ですか。次のなかから選びなさい。
ア:牛肉(もも) イ:バナナ ウ:ほうれんそう エ:ごま


物質Yに関する、以下の実験1、実験2を行いました。


問4
実験1と実験2の結果を比べることにより「物質Sが物質Yを他のものに変える性質をもつ」ことがわかりました。〔 あ 〕と〔 い 〕にあてはまる文を書きなさい。


@解説@
問1:Aタンパク質、B炭水化物、C脂肪、Dビタミン、Eミネラル
A「からだをつくる材料」⇒タンパク質
生命の設計図であるDNAに刻まれた情報(遺伝子)をもとにタンパク質を合成して、
筋肉や臓器、骨、皮膚など体の組織や器官をつくる。
BC「主にからだを動かすためのエネルギー源」
Bは植物体内で作られる物質で、ヨウ素液をたらすと青紫色になる→デンプン⇒炭水化物
米や小麦などの穀物、イモ類、果実、砂糖などから得られる糖質のほか、食物繊維も含む。
Cは残りの三大栄養素である脂質
生物のエネルギー源であり、細胞膜の主成分でもある。

五大栄養素はこれらにビタミンミネラルが加わる。
ビタミンは三大栄養素の代謝を助ける潤滑油のような働きをする。
ミネラルはカルシウム、鉄、カリウム、ナトリウム、マグネシウムなどの無機物で、
体を構成する物質(カルシウム→骨・歯)になったり、体の機能を正常に保つなど役割は様々。

問2:X二酸化炭素、Yデンプン、Z水
XY光合成は水と二酸化炭素(無機物)を材料に光エネルギーを使ってデンプン(有機物)をつくる。
生物が二酸化炭素から有機物をつくる働きを炭酸同化作用という。
Zさまざまな食品に含まれており、ヒトの体で大切な働きをする成分⇒

名古屋学芸大学より。
水といっても、水道水から出てくるようなゴクゴク飲める水ばかりではない。食品に含まれる水には自由に動くことができる自由水と、食品成分にくっついて動くことができない結合水がある。結合水は水分子の移動ができないので凍結や蒸発がしづらく、物質を溶解しない。また、微生物が増殖に利用できないことから、自由水が少なく、結合水の多い食品は腐敗しにくい。食品の保存性を示す指標で、自由水の割合である水分活性というものがある。測定方法は食品中の自由水をすべて外に出すのは困難なので、まず一定の温度下で密閉した容器に食品を入れて水分を蒸発させる。その蒸気圧を器械で測り、純水の蒸気圧と比較する。

問3:①ウ、②ア、③イ、④エ

品目;【牛肉(もも)・バナナ・ほうれんそう・ごま】
特徴のある④は、他と比べて水が極端に少ない→硬いゴマ。
ゴマ油を思い浮かべれば、脂質が50%以上あるのも合点がいく。
脂質の多い②は牛肉(もも)。炭水化物が豊富な③は果実のバナナ。
残り①がホウレン草。葉物野菜だからか水分が多い。

問4:あ―粉末状のYを1g入れ、水5mLを加えて10分間、40℃に保ってからヨウ素液を1滴たらした。
いー青むらさき色になった
*対照実験。
調べたいテーマは『物質Sが物質Yを他のものに変える性質をもつ』
実験1では物質Sを加えたので、実験2では物質Sを加えず
かつ他の条件を等しくさせて結果が異なればいい

公立高校入試ではデンプンに人の唾液を加える対照実験がよく出題される。
唾液にはアミラーゼとよばれる消化酵素が含まれ、デンプンを
マルトース(麦芽糖)に分解して、
ヨウ素デンプン反応が見られなくなる。

@デンプンの分解@

アサヒグループホールディングスより。
炭水化物=糖質+食物繊維(糖質が多くを占める)

デンプンの分解の流れ:
デンプン(多糖類)→デキストリン(多糖類)→マルトース(二糖類)→グルコース(単糖類)
アミラーゼが粒子の大きいデンプンを分解するとデキストリン。いずれも多糖類。
さらに分解して二糖類のマルトース(麦芽糖)になる。
別の消化酵素であるマルターゼの分解によって単糖類のグルコース(ブドウ糖)に変わり、
ようやく人間が消化・吸収できるようになる。
糖の分類では、糖質から多糖類などを除いた二糖類・単糖類をまとめて糖類という。
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