問題PDF
父:太郎、何してるの?
太郎:10%の食塩水を作ろうと思って、1の位まで量れるはかりで食塩を5g量っているよ。
よし、表示が5gになったよ。
父:それ、本当に5gなの?
太郎:えっ、どういうこと?表示が5gなのだから、5gに決まっているじゃん!
父:試しに、小数第1位まで量れるはかりを使ってごらん。
太郎:あれ、4.8gだ・・。5gにならないよ。おかしいな・・。
父:気になるなら、1の位まで量れるはかりで5g量った後、
小数第1位まで量れるはかりで量ることを何回かやってみると良いよ。
太郎:わかった。やってみて、表にまとめてみるよ。
太郎:お父さん、表にまとめてみたよ。やっぱり、値が違うなあ。なんでだろう?
父:もう少し考えてみようか。はかりで表示された値が、表示される桁より1つ下の桁を四捨五入することによって得られた値だとしよう。1の位まで量れるはかりで食塩のおもさが5gと表示されたなら、実際の食塩のおもさがどのような範囲に含まれるかわかるかな?
太郎:〔 Ⅰ 〕。
父:その通り。では、小数第1位まで量れるはかりで食塩のおもさが5.0gと表示されたなら、
実際の食塩のおもさがどのような範囲に含まれるかわかるかな?
太郎:〔 Ⅱ 〕。
父:その通り。したがって、1の位まで量れるはかりと小数第1位まで量れるはかりを比べると、
実際の食塩のおもさの範囲について〔 Ⅲ 〕ことがわかるね。
太郎:なるほど。お父さん、ありがとう。
(1)
食塩の結晶の形として適切なものを、次のなかから選びなさい。
(2)
太郎さんの会話ⅠとⅡに入る文は次の通りです。ⅠとⅡそれぞれについて文を完成させなさい。
ただし、(A)と(B)には適する数値を答え、(ⅰ)と(ⅱ)には適する語句の組み合わせを
以下のなかから選びなさい。また、同じ記号を複数回使用してもかまいません。
会話ⅠとⅡに入る文:範囲は(A)g(ⅰ)、(B)g(ⅱ)
(ⅰ)と(ⅱ)の語句の組み合わせ
ア:ⅰ以上で ⅱ以下だよ
イ:ⅰ以上で ⅱより小さいよ
ウ:ⅰより大きくて ⅱ以下だよ
エ:ⅰより大きくて ⅱより小さいよ
(3)
文中のⅢに入る文として適切なものを、次のなかから選びなさい。
ア:小数第1位まで量れるはかりの方が狭い
イ:小数第1位まで量れるはかりの方が広い
ウ:1の位まで量れるはかりと小数第1位まで量れるはかりで変わらない
エ:1の位まで量れるはかりの方が広いときもあれば、
小数第1位まで量れるはかりの方が広いときもある
(4)
太郎さんはお父さんの話をもとに、次のようなことを考えました。
もし、正確に食塩5gと水( C )gを別々に量れるのであれば、正確に10%の食塩水を作ることができる。しかし、1の位まで量れるはかりを用いて、食塩5gと水を別々に量って10%の食塩水を作ろうとしても、作った食塩水の実際の濃度範囲は〔 Ⅳ 〕。また、1の位まで量れるはかりを用いても、より正確に10%の食塩水を作るには、〔 Ⅴ 〕。
①文中の(C)に適する数値を答えなさい。
②文中のⅣに入る文は次の通りです。文を完成させなさい。ただし、(D)と(E)には適する数値を答え、(ⅲ)と(ⅳ)には適する語句の組み合わせを次の中から選びなさい。また、数値を答える際、割りきれない場合は小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
文中のⅣに入る入る文:(D)%(ⅲ)、(E)%(ⅳ)
(ⅲ)と(ⅳ)の語句の組み合わせ
ア:ⅲ以上で ⅳ以下である
イ:ⅲ以上で ⅳより小さい
ウ:ⅲより大きくて ⅳ以下である
エ:ⅲより大きくて ⅳより小さい
③文中のⅤに適する文を「食塩」という語句を用いて答えなさい。
@解説@
(1)イ
イが食塩。
ア:ミョウバンっぽいが正八面体ではない。
エ:ホウ酸は六角形だが、なんか違うような…。
(2)Ⅰ:A4.5、5.5、イ Ⅱ:A4.95、B5.05、イ
算数の問題。
小数第1位を四捨五入して5となる範囲→4.5以上5.5未満
小数第2位を四捨五入して5.0となる範囲→4.95以上5.05未満
(3)ア
1の位まで量れるはかり…4.5以上5.5未満
小数第1位の位まで量れるはかり…4.95以上5.05未満
小数第1位の位まで量れるはかりの方が範囲が狭い。
⇒目盛りが細かいほうが、それほど正確であるということ。
(4)①45
濃度が10%なので、食塩5gを【10】としたとき、水の重さは【90】
水の重さは、5×90/10=45g
②D9、E11、エ
食塩が4.5g以上5.5g未満、水が44.5g以上45.5g未満。
■濃度が薄い食塩水を作る
食塩が最も少ない4.5g、水が最も多い45.5gで計算する。
4.5/50=9/100=9%
もっとも「水は45.5g未満」だから、濃度は9%より大きい。
■濃度が濃い食塩水を作る
食塩が最も多い5.5g、水が最も少ない44.5gで計算する。
5.5/50=11/100=11%
同様に「食塩は5.5g未満」だから、濃度は11%より小さい。
濃度の範囲は9%より大きくて、11%より小さい。
(5)食塩の割合を10%に維持したまま、食塩と水の量を増やす。
*発想力が問われる。
はかりの種類を変えずに、より正確に10%の食塩水を作る方法を考える。
食塩を①とすると、水は⑨。
この割合は変えないので、変えられる要素は各々の量となる。
〔食塩/食塩水=1/10=10/100=100/1000=10%〕
◆食塩1g、水9gの場合
食塩の範囲は0.5g~1.5g、水の範囲は8.5~9.5g
濃度の範囲は5%~15%
◆食塩100g、水900gの場合
食塩の範囲は99.5g~100.5g、水の範囲は899.5~900.5g
濃度の範囲は9.95%~10.05%
後者の方が誤差が少ない!
割合が同じなので分母・分子の比は同じだが、
量を多くするほど、食塩と水の誤差の範囲が食塩水全体の量と比して小さくなる。

灘でも類題が出ています。
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