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2020年度 浦和明の星女子中学過去問【理科】大問4解説

問題PDF
太陽が月にかくされて見えなくなることを日食といいます。
日食は、月によって太陽がもっともかくされたときの太陽の見え方によって、
3種類に分けられます。これに関する各問いに答えなさい。

皆既日食:太陽全体がかくされて見える日食(図1)。
部分日食:太陽の一部分がかくされて見える日食(図2)。
金環日食:月のまわりから太陽がはみ出して、細い輪のように見える日食(図3)。

問1
図4は太陽、月、地球の位置関係を表したものです。
日食が観測されるとき、月はどの位置にあると考えられますか。
もっとも適当なものを選びなさい。ただし、図4は地球の北極側から見たものです。
また太陽、月、地球のそれぞれの大きさや、おたがいの距離は正確ではありません。

問2
次の文章は地球が太陽の周りをまわることと、日食の関係について説明したものです。
①、②にあてはまる言葉の組合せはどれですか。
もっとも適当なものを選びなさい。

地球を北極側から見たとき、地球は太陽を中心に( ① )にまわっている。
よって日食を観測していると、太陽は( ② )から月によってかくされていく。

問3
地球が太陽の周りをまわる道すじや、月が地球の周りをまわる道すじは、完全な円ではありません。そのためおたがいの距離は変化し、位置関係は同じでも、皆既日食が観測されるときがあれば、金環日食が観測されるときもあります。金環日食の見え方と、太陽、月、地球の距離について、正しいものはどれですか。適当なものをすべて選びなさい。
ア:月のまわりからはみ出して細い輪のように見える太陽の幅が広くなるのは、
 地球と月の距離が近いときである。
イ:月のまわりからはみ出して細い輪のように見える太陽の幅が広くなるのは、
 太陽と月の距離が近いときである。
ウ:月のまわりからはみ出して細い輪のように見える太陽の幅がせまくなるのは、
 地球と月の距離が遠いときである。
エ:月のまわりからはみ出して細い輪のように見える太陽の幅がせまくなるのは、
 太陽と月の距離が遠いときである。
オ:月のまわりからはみ出して細い輪のように見える太陽の幅の広さと、
 地球と月の距離は関係がない。
カ:月のまわりからはみ出して細い輪のように見える太陽の幅の広さと、
 太陽と月の距離は関係がない。

問4
次の図は、地球が太陽の周りをまわる道すじと、月が地球の周りをまわる道すじを、地球の北極側から見たもの(図5)と地球の赤道側から見たもの(図6)です。図6のように、地球が太陽の周りをまわる道すじに対して、月が地球の周りをまわる道すじは傾いています。もし、地球が太陽の周りをまわる道すじに対して、月が地球の周りをまわる道すじが傾いていない場合、日食はどのように観測されると考えられますか。適当なものをすべて選びなさい。ただし、図5と図6の太陽、月、地球のそれぞれの大きさや、おたがいの距離は正確ではありません。


ア:毎月、異なる地域で皆既日食または金環日食が観測できる。
イ:毎月、同じ地域で皆既日食または金環日食が観測できる。
ウ:毎月、同じ日に皆既日食または金環日食が観測できる。
エ:毎月、異なる地域で部分日食が観測できる。
オ:毎月、同じ地域で部分日食が観測できる。
カ:毎月、同じ日に部分日食が観測できる。
キ:地域によっては、一日中皆既日食が観測できる。
ク:地域によっては、一日中部分日食が観測できる。

問5
太陽のようにみずから光る星にも明るさが変化するものがあり、このような星を変光星といいます。変光星にはいくつかの種類があり、地球から見たとき日食と同じしくみによって明るさが変化する星を、食変光星といいます。
いま、星Aのまわりを、星Aよりも暗く大きな星Bが矢印の方向へまわっている食変光星について考えます(図7)。観測者から見て、星Aと星Bが図7のように並んでおり、そこから星Bが星Aの周りを一周まわるまでの時間の経過と、食変光星の明るさの変化を表しているものはどれですか。もっとも適当なものを選びなさい。ただし、星Aと星Bのそれぞれの大きさや、おたがいの距離は正確ではありません。
 


@解説@
問1:キ
リード文の通り、『日食は月によって太陽が隠された』ときに起こる。
太陽-月-地球の並びで月が太陽の方角にあるとき、すなわち、新月のときに起こる。
ウだと月食。

問2:エ
北極側からみたとき、地球の自転も公転も反時計回り。

後半は、日食がどちらから欠けていくか。
地球の自転により、太陽は見かけ上、東→南→西と移動する。
一方、月は地球の自転と同じ方向で公転しているので、
地球から観測したとき、見かけ上の月の動きは遅い
太陽のほうが速く動いてみえるから、見かけ上は太陽が月を追い越す形になる

赤いのが太陽、黒いのが月。
遅い月を固定して太陽だけ動かしてみると、
太陽の右側(太陽は南にあるので方角でいえば西側)から欠けていく。
(あくまで見かけ上の話であり、実際に運動しているのは月)
ちなみに、月食の場合は東側から月が欠けていく。
*問題文の前半(地球の公転)とつなげずに解説してしまった(;^ω^)

問3:イ・エ
金環日食の輪の幅と、3つの天体の位置の関係性を問う。

↑太陽と地球を固定し、月だけ移動させた図。
太陽と月が近い(月と地球が遠い)と、リングの幅が広くなる。
対して、太陽と月が遠い(月と地球が近い)と、リングの幅が狭くなる。

問4:ア・エ
ここもすべて式:(っ`ω´c):

日食は太陽-月-地球が一直線に並んだときに起こるが、新月のたびに日食は起こらない。
それは月の軌道が地球の軌道に対して、少し傾いているから。

国立天文台より。公転軌道を面としたとき、これを公転面といい、
公転面が一致しないことで3つの天体が一直線になるのが珍しくなる。

↑地球を中央に固定させ、見かけ上の動きを作図するとこうなる。

では、もし地球の公転面と月の公転面が傾いていなかったらどうなるか?
月が太陽側にきたとき(新月のとき)に3つの天体が一直線になるので、
毎月日食が観測できることになる。
だが、それは同じ日には起こらない。月の満ち欠けの周期は約29.5日で1ヶ月に近いが、
ズレがでる以上、違う日に観測できる。(そもそも1ヶ月あたりの日数も周期的ではない)
→ウ・カは誤り。

仮に、”同じ地域”で日食が観測できるとなると、
約29.5日の周期で新月になったとき、地球の同じ面が太陽の方向を向くことになるが、
これも先ほどの日にちのズレと同じでそうにはならない。観測場所のズレも生じる。
→イ・オ誤り、ア・エ正答。

地球は自転しているので、一日中日食を観測することはできない。
→キ・ク誤り。

太陽と月の大きさと距離から、日食が見られる範囲は限定される。

問5:エ

Aが明るく、Bが暗い。
暗いといっても自身が光っていたり、Aの光を照り返しているから、
地球に届く光の量は2つの星があらわれているときが最も多い
図7からスタートして、光が最も多い状態から、BがAの後ろにくるのでやや暗くなる。
再び光の量が増え、BがAを隠すと最も暗い状態になる。

@食変光星@
はるか遠くにあるため、地球からみると1つの恒星しかないようにみえても、
望遠鏡で観測すると2つ以上の星が相互に力を及ぼしあいながら、
周期的にグルグルと運動していることがある(連星)。
本問のように、一方が他方を隠すたびに明るさが周期的に変わると食変光星とよばれる。


市川で視直径を用いて距離を計算する問題が出題されました。

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難しいよ:;(∩´_`∩);:
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