2018年度 ラ・サール中学入試問題【理科】大問1A解説

次のような手順で棒温度計のかわりになる温度計を作り、気温を測ることを考えます。
これは、ガリレオ温度計と呼ばれています。

〔手順と結果〕
①図のような容器の中に水を入れ棒温度計を用いて温度を測り、
その温度で一定に保つようにします。
なお、このときの水の温度は均一にしてあります。

②ふたのついた軽い空のボトルにおもりを入れ、手順①で用意した水の中に入れます。

③ボトルの中に入れるおもりを調整していくと、ボトルは浮いていったり、
沈んでいったりしますが、ボトルが水中で止まるように調整します。

④ここで、手順①で用意する水の温度を、お湯や氷を使って温めたり冷やしたりすることで、
下表のように10℃から30℃までの範囲で5℃ずつ変えていきます。
そして、それぞれの温度のもとで手順②、③を同じように行い、
おもりの入った5つのボトルA~Eをつくります。

⑤一方で、水を入れた大きな水そうを用意し、その中に5つのボトルをすべて入れてみます。
すると、気温によって、水中にあるボトルの位置関係が変化する様子が観察されました。

(1)
手順①に関して、棒温度計の目盛りの読み方として正しいものはどれですか。
ア:液の先がちょうど目盛りの真ん中にきたときは、下の目盛りを読む。
イ:液の先の動きがなくなってから目盛りを読む。
ウ:目線は温度計に対して直角、あるいは見やすいように斜めにして、液の先の目盛りを読む。

(2)
手順②、③に関して、次のa、bの(  )から適当なものを選びなさい。

 手順①で用意したある一定温度の水の中に、おもりのみを入れると沈んでも、同じおもりをふたのついた軽い空のボトルに入れたものでは沈まないことがあります。このことから、同じ重さのものに対する浮く力の大きさは水中に入っているものの体積で異なることがわかります。すなわち、水中に入っているものの体積がa(ア:大きい イ:小さい)ほど、浮く力の大きさは大きいことになります。
 また、「浮く力の大きさは水中に入っているものと同じ体積の水の重さと等しい」ことが知られています。以上より、ある一定温度の水の中において、おもりの入っているボトルは、同じ体積の水よりb(ア:重い イ:軽い)と沈んでいき、その逆であると浮いていくと考えることができます。つまり、そのボトルが水中でちょうど止まっているときは、ボトルの重さとボトルと同じ体積の水の重さが等しく、つりあっているときになります。

(3)
手順④、⑤に関して、次のa~eの(  )から適当なものを選びなさい。
なお、水の温度を変化させたとき、水中にあるボトルの体積は一定と考えてよいです。

 まず、同じ体積あたりで考えたとき、水の場合は温度が4℃のときが最もa(ア:重く イ:軽く)、それよりも温かいときはb(ア:重く イ:軽く)なる性質があります。これは、お風呂を沸かしたときの、お湯の上下の温度差を考えてみればわかります。このことから、用意した5つのボトルのうち、最もc(ア:重い イ:軽い)ものはボトルAで、最もd(ア:重い イ:軽い)ものはボトルEといえます。
 次に手順⑤について考えます。いま、水中にある5つのボトルのうち1つに注目してみます、このボトルは、水そう中の水の温度が、手順④の表に示されているボトルをつくったときの水の温度より高温になっていくとe(ア:浮いて イ:沈んで)いき、その温度より低温になっていくと、それとは逆に動いていきます。このような原理によって、水中にある5つのボトルの位置関係は変化します。
 また、水そう中の水全体の温度は、しばらくすると気温と等しくなっていきます。つまり、水中にあるボトルの位置関係が変化する様子を観察することで、気温を測ることができ、温度計として利用することができるのです。

(4)
手順⑤に関して、気温が23℃であったとき、5つのボトルのうち水そう中の底に沈んでいるものはどれですか、(3)を参考にして、A~Eの記号ですべて答えなさい。


@解説@
問題文は長いが、全体的に基本問題なので全部当ててほしい(ノ)`ω´(ヾ)
(1)イ
棒温度計は、水銀の膨張具合で温度を測る。
だから、動きがなくなるの待ち、真横から目盛りを読む。

(2)a:ア b:ア
a:リード文にも書かれてあるアルキメデスの原理から自明。
『浮力は物体が押しのけた液体の重さに等しい』
 水の密度は1g/cm3とすれば、『重さ』の部分は『体積』に置き換えられる。
 すなわち、物体が水を押しのけている部分(水中部分)の体積が大きいほど浮力は大きい。
 おもりだけより、おもり+空のボトルの方が体積が大きく、密度が小さくなるので浮く。
b:重いと沈んでいく…感覚でわかってしまう。
 同じ体積に対して質量(重さ)が大きいと密度が大きくなる。
 密度の大小関係で浮き沈みが決定される

(3)a:ア b:イ c:ア d:イ e:イ
a:水は4℃で最も密度が大きくなる。基礎知識なので覚えておこう。
b:4℃よりも温かいと、密度は小さくなって軽くなる。
 お風呂のお湯をしばらく放置してから触ると、水面付近が温かいのはこのため。
 ちなみに、4℃より下げても密度は小さくなる。

文部科学省より。固体の氷になると一気に密度が小さくなっている。
氷が浮かぶ原因だが何故??

医学部に入ろう!ドットコムより。
水分子(H2O)はクの字をしており、液体ではこれが積み重なっているが、
固体の氷では水素結合とよばれる結合をなすことで、あいだに隙間ができる
この隙間が空間をスカスカにさせるので、氷の密度は水よりも小さくなる。
では、なぜ4℃のときに密度が最大になるのか?上記のサイトに詳しい説明が書かれてあります。

4℃の水から水温を上げていくと、水分子がよく運動するようになるので密度が小さくなる。
一方で、4℃から水温を下げるとクラスター構造という固まりができ、
密度が次第に大きくなる。
熱運動と凝集のバランスから密度が最も大きくなるタイミングが4℃だそうです。

cd:Aは最も低温→密度大きい=重い。Eは最も高温→密度小さい=軽い。

e:本問がガリレオ温度計のポイントにあたる。

周りの水(水槽の水)がボトル内の水より温度が高いと、
相対的に密度が大きいボトルの水は沈む。

(4)A・B・C
前問と同じ。
ボトルが沈むのは、ボトル内の水より水槽の水の温度が高いとき。
気温が23℃→水槽の水温も23℃となり、これよりも温度の低いA。B・Cが沈む。

なかの液体は、水だけでなく温度変化の影響を受けやすいエタノール(灯油?)もある模様。
割れるとちょっと危ないかも(^^;
インテリア用品として2000円~で売られています。

近い将来の天気を予測する(といわれている)ストームグラス。
こちらは浮力と関係ないが、温度や気圧の変化?によっていろんな結晶が見られるそう。
本当かいな(;`ω´)

難関中学(理科)解説ページに戻る


note書いています(*'ω'*)
入試問題を題材にした読み物や個人的なことを綴っていこうと思います。
気軽にお立ち寄り下さい(*^^*)→サボのnote

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA