2019年度 西大和学園中学入試問題【理科】大問4解説

〔Ⅰ〕
下図の手回し発電機、部品X、他の部品を用いて次の【実験1】~【実験4】を行いました。
部品Xは電気をためることができます。

【実験1】
手回し発電機に部品Xをつなぎ、ハンドルを回した後、ハンドルから手を離しました。

【実験2】
手回し発電機で部品Xに電気をためた後、すぐに発電機から外し、豆電球につなぎ、豆電球が点灯する時間をはかりました。ハンドルを回す回数を変えて実験を行うと、結果は下の表の通りになりました。ただし、ハンドルを回す速さは一定でした。

【実験3】
手回し発電機で部品Xに電気をためた後、すぐに発電機から外し、電子ブザーにつなぎ、電子ブザーが鳴る時間をはかりました。同じように、発光ダイオード(LED)、モーターにつなぎ、実験を行いました。結果は下の表の通りになりました。ハンドルを回す回数は20回とし、その速さは【実験2】と同じでした。

【実験4】
手回し発電機のリード線に、次に①~⑥の通りにつなげて同じ速さで10回ハンドルを回しました。
①リード線に豆電球のみをつなげた。
②リード線に電子ブザーのみをつなげた。
③リード線にLEDのみをつなげた。
④リード線にモーターのみをつなげた。
⑤リード線にガラス棒のみをつなげた。
⑥リード線になにもつなげず、リード線どうしを直接つなげた。

(1)
部品Xの名前を答えなさい。

(2)
【実験1】で、手を離すとどのようなことが起こりますか。10字程度で答えなさい。

(3)
【実験2】と【実験3】の結果からわかることとして適当なものを選びなさい。
ア:発電機のハンドルを回した時間と、モーターが回転した時間は等しい。
イ:同じ時間の間に、最も電気を消費する部品は豆電球である。
ウ:発電機のハンドルを回せば回すほど、部品Xには多くの電気がたまる。
エ:LEDは豆電球よりも故障しにくい。
オ:電子ブザーは豆電球よりも電気を消費しない。

(4)
【実験3】と同じ量の電気をためた部品Xに、豆電球とLEDを並列につなぐとどうなりますか。
適当なものを2つ選びなさい。
ア:豆電球が消えた後、しばらくしてからLEDが消える。
イ:LEDが消えた後、しばらくしてから豆電球が消える。
ウ:豆電球とLEDが同時に消える。
エ:豆電球が点灯する時間は51秒より長くなる。
オ:豆電球が点灯する時間は51秒より短くなる。
カ:豆電球が点灯する時間は51秒である。

(5)
【実験4】の①~⑥を、ハンドルを回す重さが重い順に並びかえなさい。

 

〔Ⅱ〕
豆電球やLEDが点灯するのは、発電した電気や、ためた電気が流れるためです。電気は金属の中の小さな粒子が持っており、粒子が動くことで電気が流れます。いま、図1のように、小さな粒子を玉に、電気が流れる金属を玉がつまったチューブに置きかえます。チューブに水を流すと、水とともに玉が流れ、電気が流れるということです。この流れを電流とよび、その大きさをAやmAという単位を用いて表します。
いま、図1のチューブの断面は一辺が10cmの正方形で、チューブの中は1m3あたり10万個の玉が均等につまっているとします。

(6)
電流の大きさについて述べた次の文章中〔 ⅰ 〕~〔 ⅲ 〕の中に適切な数値を入れなさい。

チューブ内の水が流速5cmで一定のとき、チューブの断面積は0.01m2なので、図1の断面Sを1秒間に通過する水量は〔 ⅰ 〕m3、断面Sを1秒間に通過する玉の数は〔 ⅱ 〕個といえます。電流の大きさは、1秒間に断面を通過する粒子の数に比例して大きくなるように決められています。例えば、玉が1個通過すると1mAの電流が流れるとします。このとき、1秒間に断面Sを〔 ⅱ 〕個の玉が通過すれば、〔 ⅲ 〕Aの電流が流れます。以上より、粒子を流そうとする勢い、粒子の密度の違い、金属の断面積などにより、電流の大きさは変わります。

(7)
電気を持つ小さい粒子は、金属の中で増えたり減ったりしません。金属線のみで作られた次の図2~4の回路で、a~eを流れる電流の大きさは何mAか、それぞれ求めなさい。また、電流の流れる向きを〔あ〕または〔い〕で答えなさい。ただし、電流が流れないときは、大きさも向きも×と答えなさい。


@解説@
(1)コンデンサー
コンデンサーについては、ここにわかりやすい説明が書かれてあります→村田製作所
小学生レベルでは、”電気を貯める電子部品”でよいと思う。

(2)ハンドルが回る。
コンデンサーに蓄えられた電気が手回し発電機に放電され(電流が逆に流れ)、
手でハンドルを回した方向と同じ方向で回り、電気エネルギーがなくなると止まる。

(3)オ

ア:ハンドルは回した時間ではなく回数で測っている。×
イ:ハンドル20回ではモーターが最も動く時間が短いので、それだけ消費電力が大きい。×
ウ:ハンドルを回せば多くの電気がたまるが、豆電球の点灯時間は72秒で頭打ちなので、
  蓄電には限界があるということ。×
エ:故障のしにくさはわからない。×
  あくまで実験結果からわかることだけが正解。
オ:電子ブザーの方が豆電球と比べて長い時間作動するので、電気を消費しない。○

(4)ウ・オ
豆電球とLEDを並列につなぐ。
選択肢の構造からア~ウ、エ~カからそれぞれ1つずつ選ぶ。
ウ:ちょっと自信ない(^^;
 抵抗値が異なり、これに応じた電流量がそれぞれに流れるが、
 電流量の減少度合いは同じなので、消えるタイミングも同じになる…のだと思う(汗)。
 説明が誤っていた場合は、お問い合わせよりお知らせください(^^;
オ:同じ電流量で2つを点灯させるので、当然、豆電球単体と比べると点灯時間は短くなる。

(5)⑥→④→①→②→③→⑤
手回し発電機のハンドルの手ごたえは、流すべき電流量が大きくなるほど重くなる
④モーター→①豆電球→②電子ブザー→③LED
⑤ガラス棒は絶縁体なので抵抗値が大きく、電気が流れない。電流量は0でハンドルは最も軽い。
一方、⑥リード線同士をつなげたとき、抵抗値はほぼ0で電流量が大きくなるので、
ハンドルが最も重くなる。

(6)ⅰ:0.0005 ⅱ、50 ⅲ:0.05
中学生で電流の正体は自由電子の流れと習うが、その概念図が計算問題で出題された(´ㅂ`;)
チューブの断面積は、10cm×10cm=100cm2=0.01m2
ここに水が毎秒5cmで流れるから、
1秒に通過する水量は、0.01m2×0.05m=0.0005m3

1m3あたり10万個の玉が均等につまっているので、0.0005m3の水量に含まれる玉の数は、
10万×0.0005m3/1m3=50個

玉1個が1mAだから、50mA=0.05A
落ち着いて対処すれば、そう難しくはない。
*チューブが太いほど、玉はよく流れる。
=抵抗が太いほど、電流はより大きく流れる。

(7)a:10mA(い)
電流量は増減しない。
回路の分岐点において、流れ込む電流量の和と出て行く電流量の和は等しい

交点の●に20入り、30出て行くので、10入るようすれば帳尻が合う。

b:60mA(あ) c:40mA(い)

cから考える。
中の四角形に20入り、60出て行くので、cから40入る。

点Aはcから40入り、50出ていくので、Bから10入る。
Bは60出ていくので、bから60入る。

全部やるとこんな感じに。

d:×、× e:20mA(あ)

最後に三角錐(立体)の回路。これも外側から攻める。
120入り、100出ていくので、eから20出ていく。

d以外を計算すると、すべて帳尻が合ってしまう・・。
つまり、dは電流が流れない。
電気回路の任意の点において、流れ込む電流量の和と出て行く電流量の和が等しい法則を、
キルヒホッフの第一法則といいます。
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