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生徒の人数が40人のクラスで、数学Ⅰと数学Ⅱのテストを行った。テストの点数(整数)をもとにして、ヒストグラム(区分は、「左端」以上、「右端」未満)と箱ひげ図を作成し、図示したところ以下のようになった。ただし、それぞれの試験は50点満点で行われ、数学Ⅰでは1名欠席、数学Ⅱでは欠席者はいなかった。また、箱ひげ図はテストの点数から作成しており、数学Ⅱのデータでの最頻値は29点のみであった。なお、中央値はデータの個数が偶数のときは中央2数の平均値とする。また、データの個数が奇数のときは中央値を除いたそれぞれの部分の中央値を第1、第3四分位数とする。
(1)
数学Ⅰの欠席者に対して再試験を行った結果、得点は38点であった。
この結果をデータに反映させた場合、第1四分位数、中央値、第3四分位数のそれぞれについて、
読み取れる情報として適切なものを、以下からそれぞれ選びなさい。
①値は変わらない。
②値は小さくなる。
③値は大きくなる。
④値は小さくなることも変わらないこともあり得る。
⑤値は大きくなることも変わらないこともあり得る。
⑥①~⑤のいずれとも言えない。
(2)
数学Ⅱでは、答案返却後に採点ミスが1件見つかり、29点だった生徒の点数が9点あがった。
この訂正後、データを再集計したところ、最頻値は38点のみになった。
(ⅰ)訂正後の情報を用いずに、訂正前のヒストグラムと箱ひげ図のみから、
訂正前の考えられる30番目と31番目の組を2組答えよ。
(ⅱ)(ⅰ)およびデータでの最頻値を考えることにより、訂正後 の第3四分位数は何点か答えよ。
(ⅲ)訂正後の点数データの28番目と29番目は何点か、それぞれ答えよ。
@解説@
(1)
39人の第1四分位数(Q1)は10番目、中央値(Q2)は20番目、第3四分位数(Q3)は30番目、
40人のQ1は10番目と11番目、Q2は20番目と21番目、Q3は30番目と31番目の平均である。
箱ひげ図だけでなく、ヒストグラムと合わせて判断する必要がある。
38点が挿入される→37点以下は順位が変わらない。
-Q1–
19点以下は10人なので、11番目は20点以上が確定。Q1は19点より大きくなる。
-Q2-
30点台は18人もいる。21番目が34点であればQ2は変わらない。
21番目が35点以上であればQ2は大きくなる。
-Q3-
上位8人が40点台。
挿入前の31番目が38点か39点かわからないが、これを挿入後の32番目とすると、
38点がもう1つ増えるから30番目と31番目は38点が確定→Q3は変わらない。
第1四分位数…③、中央値…⑤、第3四分位数…①
(2)(ⅰ)
40点以上は上位3人→31番目は39点以下。
平均が37.5点となる2組は(36、39)(37、38)
(ⅱ)
29点→38点に訂正したら、最頻値は29点単独→38点単独になった。
これは29点と38点の度数の差が1で、訂正後に度数が入れ替わって38点が上回ったから。
訂正前の(30番目、31番目)が(36、39)だとすると、38点のデータが不存在で最頻値にならない。
(少なくとも2個のデータがないと、最も多い度数にはならない)
よって、訂正前の(30番目、31番目)=(37、38)となり、
38点の追加により37点は29番目に順位を下げ、いずれも38点になるからQ3は38点
(ⅲ)
30番目と31番目が38点、37点は29番目に下がる。
ヒストグラムから30点以上は12人なので、28番目は最頻値であった29点。
28番目…29点、29番目…37点
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