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学習の基礎は言葉

勉強方法

教育界では散々言われていることですけど、
サボもここは改めて念をおしておきます。
とくに読んでいただきたいのは、
>>両親との会話
>>親の学歴は子の学力に影響するか?です。
言葉の学習は家庭教育にあり( ∩ˇωˇ∩)

本を読むだけでは読解力はあまりあがらない

国語ってどうやって勉強するのですか?
よく寄せられた質問です。サボも国語の成績が悪かったので気持ちがわかります。
国語の現代文は文字がズラっと並ぶ長文読解がメインですから、
なかなか勉強法がつかみにくい科目だと思います。
また、受験勉強は基本的に『書を読む』座学なので、
社会であっても数学であっても文書の読解は常につきまといます。

よくいわれる読書…サボはあまり効果がないと思っています。
なぜなら、文の読み方がわからないまま読んでも読み方がわからない状態が続くだけで、読書習慣も三日坊主になるのが関の山だからです。
もちろん、本を読むこと自体は言葉に親しんだり、
新しい知識や考えを吸収できるきっかけとなって良いことなのですが、
読解力の鍛錬からいえば、ある程度の読み方がわかっている人に限られます。

言葉との触れ合い(重要)

年のわりにボキャブラリーや表現力が豊富な子は、
おしなべて国語の成績が高い傾向にあります。
読解の対象となる文章は言葉の連鎖で構成されますから、
多様な言葉の感覚をつかむことが、文章をスラスラ読めるようになる秘訣です。
語彙力と読解力には相関関係があり、
これまでの指導でも「言葉に鋭敏な子」ほど読解力が高かったのです。
言葉に鋭敏になるにはどうすべきか?
それは、 多くの言葉と触れ合うこと言葉に接触すること
文字を読んだり、書いたり、人の話を聞いたり、人と話すことですね。

我々はこの世に命を授かってから多様な言葉に親しみます。
はじめはご両親の口から発せられた言葉が多いでしょうか。
国文法による後付けの理屈より先に、日常生活のなかで感覚をつかみながら母国語を習得します。
現役を離れた大人が無勉強で高いスコアが取れる試験科目は現代文かと思われます。
年長者ほど読解力に長けるのは、それほど多くの言葉と接っしてきた期間が長いからです。
同世代と読解力で差をつけるには、どれほど多くの言葉に触れあう機会があったかどうか

言葉を知る、言葉を使う、言葉に関心を寄せる。
言葉に鋭敏になる

両親との会話 (重要)

漢字のテストで「ユウシュウの美を飾る」を書かせる問題があります。
答えは「有終」。
「有終の美を飾る」は、見事な結果で締めくくる。

毎週行われる漢字のテストで、高得点常連のグループがいます。
彼らの多くは、『ユウシュウ』という音と『有終』という漢字の画像を頭のなかで重ね合わせ、読みと書きを1対1に照らし合わせて暗記をします。
ですから、「有終」は「ユウシュウ」と読み、「ユウシュウの美を飾る」は「有終の美を飾る」と書き、読みと書きが符号(イコール)できるので漢字テストは満点かそれに近いです。
ですが、「有終の美を飾る」の意味を知っている子の割合は、テストの正答率よりもガクっと下がります。意味を知っていても、「有終の美を飾る」というフレーズをペンで書いたり、口で話す子はさらに少なくなります。
言葉を知識として知っていてもその言葉を使える子は少ないのです
これでは言葉を十分に習得したとはいえず、文意をつかむことができません。

覚えた言葉を使えるようにするためには、1行で終わるテストの例文だけではダメ。
「有終の美を飾る」というフレーズを使った文章をその子自身が目にするか、
周りの誰かが「有終の美を飾る」という言葉をその子に示すか。
言葉に触れる方法は、文字として読むか、言葉として聞くか

文字を読むという動作は、基本的に読み手の単独行為です。
書いてある文字を目で把握して、意味をつかむ。
この間に他者が介在できる余地は大きくありません。
だけど、言葉として本人に伝えるのであれば、他者の働きは大きいもの。
人の声は聴覚の情報であり、
音は本人の意志に関係なく脳ミソに入りこみます
子供が言葉に関心を寄せる、言葉に鋭い感覚を持つには、
周りの人がどのような言葉を投げかけるか、そういった言語環境の差が大きいと思います。

引退試合で我が子のファインプレーの話を聞いたとき。
卒業式できっちりとした身なりで、堂々とした掛け声を聞いて。
吹っ切れた様子で清清しく応えるスポーツ選手の引退会見をみて。
有終の美を飾れてよかったね.。*゚+(・∀・)+.。*゚+

子供の脳はコロコロ変わりますから、何が頭のなかでひっかかるかはわかりませんが、
その言葉に強烈なインプレッションを感じたのならば、

ああ、こういった場面でそういう風に使うのか』と、
言葉の使い方やあり方を実感します。
別の機会に同じフレーズを使えば、2度目の出会いでより鮮明な記憶として刻まれます。
漢字テストの単調な暗記では体感できない、エピソード記憶.。*゚+.*.。
言葉の習得にはご両親との会話は重要なのです。

幼少期に読み聞かせが大切』といわれる理由もそこにあります。
一人では読む行為ができないからこそ、大人がサポートをしてあげる。
語彙力の少ない児童にとって、ご両親から発せられる言葉は大きな刺激となります。
親が積極的にいろんな言葉を交えれば、子は新しい言葉と触れ合えます。
接触する回数を重ねていけば、言葉を確実に自分のモノとします。

親の学歴は子の学力に影響するか?

『親が高学歴であるほど統計的に年収が高い傾向にあり、十分な教育資金をもっているので、高等な教育を受けさせる家庭の割合も高くなり、子の学力水準が高くなる』
巷ではこういう人がいます。

確かに、所得格差が教育格差を生む面はあると思います。
それに高学歴の親は厳しい受験戦争をくぐり抜けた経験があるので、
どの科目でどんな問題がでるのか、自らが家庭教師の役割を果たし、
学習指導やその助けになる引き出しの数が多いこともあるでしょう。

ただ、サボが思うのは、”親の学歴が子どもの学力に直結する”というより、
親の語彙力や説明力が子供の学力に影響する
…ほうが大きいと考えています。

誰かと会話して『この人、できるな!』と思う人、いませんでしたか?
表現が巧みでいろんな物事を知っていて、教養の高さそうな人物。
有名人でいえばタケシ・タモリ・マツコ・林先生・池上さん・俳句の夏井先生。
林先生は東大卒、池上さんは慶應卒、タモリは早稲田中退、タケシは明大卒ですが、
夏井先生は京都女子大学でそれほど高学歴というわけではないです。
マツコにいたっては美容系の専門学校卒ですが、そこらへんの一流大卒よりはるかに知的です。

学歴が高いか低いかではなく、
日常的に活字と接しているかどうかの差ではないかと、サボは思います。
どなたも好奇心旺盛で、文字を読む習慣のある方々です。

そして、教養は伝播します
教養の高そうな人の話を聞くと、それが自分にも良い効果を及ぼすのです。
本当に知性のある人間は単に知識を詰め込んだ頭でっかちではなく、
周りに良い影響力を及ぼせる人です。
東大の現代文で出題された内田樹氏いわく『知性は集団的な現象』であると説きます。個人の知識量や知能指数、演算能力の程度ではなく、”周囲にいる他者に影響を及ぼすことで、その集団全体の知的パフォーマンスを向上させる”。
これこそが知性の源泉であると。サボも同感ですね(。・ω・。)
この人の話を聞くと自分も頭がよくなった気がする、と思える人は頭の良い人です。
いろんな物事を知って、言葉遣いに触れて、
自分も知的向上心が高まり、学習の土壌が築かれます。
これは親子間でも同じことが言えます。

私事になりますが、サボの母は短大卒で四年制大学の一般入試を経験していません。
論理的ではなく直感派で口うるさくてやかましいのですが、
推理小説が好きで、古本屋に行ってはさまざまな小説を買い漁っています。林真理子や吉本ばななといった、おばちゃん世代に人気のある女流作家の随筆も読みます。
口うるさくてかしましいおばはんなので、言葉が絶え間なくよどみなく出てきます。
今思えば、この母の小うるささが良かったのかなと思っています。

『今、霧雨が降ってるから洗濯物取り込まないと』
を正して、はめくる!は伸ばして』
『大企業の不祥事相次でいるわね』

雨にもいろんな種類がありますよね。
小雨・通り雨・天気雨・にわか雨・時雨・氷雨・五月雨・長雨・豪雨・驟雨・・
「雨が降る」が最も使いやすいですが、”雨”以外で雨の態様をあらわす言葉を母はときどき口にしていました。1回きりだと忘れますが、母のセリフを耳にする度に自然と雨に関する言葉が染み付きました。

襟・袖・裾。大人であればこれらの違いはわかりますが、
子供ではわかる子とわからない子がいます。
国語の文章にもでてくる日常用語ですが、 襟と袖と裾の違い、
これは学校で習うものでしょうか、学習塾で学ぶことでしょうか?
家庭だと思います。ご両親が何かのきっかけで教えて欲しいなと。

サボの母はニュースを見ながら、ブツブツ独り言?(リアクションを期待してでしょうが)を言います。息子が無反応でも、「やーねー」と画面に映っている政治家に愚痴を言い、芸能ニュースでは好き勝手いったあとで「どうでもいいわよ」と。
自分から話し始めてしゃべり続けて怒って笑って自己完結します(不思議・・)。
ある日、大企業が決算書をちょろまかして株価が暴落したニュースが続く時期がありました。そのときの母のセリフが『不祥事が相次ぐ』。
何度が耳にしているうちに、辞書で調べなくても、
「不祥事」は悪い出来事で、「相次ぐ」は次々に起こることなんだなと感じ、
「不祥事」と「相次ぐ」はセットで出てきやすい表現だなと感覚で知りました
言葉を実演して、言葉に触れさせる

サボの母は教育を意図してやったのではなく、
単に自分の思いをほしいままにぶちまける身勝手な性格なだけですが(´゚д゚`)
結果的に言葉の学習になりました。

サボも指導中、あえて生徒が知らないであろう言葉をときどき使います。
「スーツはオフィシャルな場で着るよ。オフィシャルというのは公式、公という意味だよ」こんな感じに。言葉を示して、あとに意味を添えます
 
「笑う」「泣く」も、いろいろありますよね。
【笑う】→大笑い、微笑む、ほくそ笑む、薄笑う、失笑、あざ笑う、せせら笑う
【泣く】→泣き叫ぶ、すすり泣く、むせび泣く、号泣する、嗚咽、泣きじゃくる、もらい泣き
説明しているときに頭のなかで浮かんだら使います。

多くの言葉に触れさせることで、子供は言葉に関心を寄せ、言葉に鋭敏になります。
読解力の源泉は”言葉”。
学校や塾、家庭教師でもサポートはしますが、
あくまで言葉の学習は家庭学習の1つに位置づけられるべきです

言葉遊び

天才キッズはどうやって生まれたかを追求する番組をみたのですが、
報道された家庭では親子で言葉クイズを楽しみながら語彙力を鍛えていました。
固有名詞はでていませんでしたが、おもちゃの機械のボタンを押すと、
「かき」から始まる名詞をできるだけ答えなさい、と質問文が放送され、
「かきごおり」「かきあげ」「かきおろし」「かきすて」「かきつばた」
・・・といった具合に競い合います。
ぜひ、親子でトライしてみてください(σ’д’)σGive it a try!

別に専用の機械がなくても、goo辞書などのオンライン辞書で調べれば、
「○○から始まる言葉」を調べることはできます。
検索フォームで、『~で始まる』を『~で終わる』に切り替えれば、
「~ションで終わる言葉」も検索できます。
「エディション(版)」「コンディション」「モチベーション」「イノベーション」
「シチュエーション」「シミュレーション」「バリエーション」
「コミュニケーション」 他に何があるかな?(σ’д’)σ

【~しいで終わる言葉】
浅ましい、美しい、うらやましい、大人しい、まどろっこしい…かなりありますね。

【独り(一人)で始まる言葉】
独り歩き、独り暮らし、独りぼっち、独り勝ち、独り身・・。
ゲーム感覚で親子で楽しめます( ∩ˇωˇ∩)

「『あ○○い』となる言葉」と中抜きワードを探したいときにお勧めなのは、
>>クロスワード用語検索<<です。
「アイアイ」「愛妻」「曖昧」「赤貝」「悪性」
「あしらい」「味わい」「アジサイ」「扱い」・・
けっこうありますね(゚Д゚)
でてこない場合は「あじ○い」とヒントを増やしたりノルマを少なくすればOKです。

@ワイルドカード検索@
お手元に電子辞書があれば、ワイルドカードを使ってより高度な検索ができます。
【?】は任意の1字。
さきほどの『あ○○い』であれば『あ??い』と検索フォームに打ちます。
『あ○○○い』であれば『あ???い』「青田買い」「秋野菜」「あげつらい」「足払い」。

【*】(アスタリスク)は任意の長さの任意の1文字。
『あ*い』だと、【あ】と【い】の間に1文字以上の何かが入る単語全てがヒットします。「あかい」「あわい」「あじさい」「青田買い」全部ヒット。
『あ**い』だと、【あ】と【い】の間に2文字以上の何かが入る単語がヒット。
『あじさい』『青田買い』はヒットしますが『あかい』『あわい』はヒットしません
先ほどのクロスワード用語検索での*はワイルドカードでいう?にあてはまります。

クロスワードも、ボキャブラリーや知識の吸収にピッタリです。
ヨコ5『人や物の優劣やよしあしなどを批評することで、【し】から始まる5文字の言葉は・・』
しなさだめ(品定め)
言葉をあまり知らない生徒に一般のクロスワードは結構キツイので、

簡単なものから始めましょう。

穴埋めパズルは、クロスワードよりやりやすいかな?

  映
絵 □ 像  ←こんなヤツです。4つの二字熟語ができます。答えは、画。
  家

他にも、【にんべんの漢字をできるだけ書きなさい】は、
生徒さんが熱中して取り組んでいました。

魚偏もいっぱいありますね(*^^*) 鮪・鰹・鰯・鯨・鰆・鮒・鯔・・・
言葉に関心を寄せる、言葉に鋭敏になる。
表現力・思考力・独創性・知的好奇心・・これらの源泉の一端は言語能力にあると思います。
言葉遊びでステキな言語環境を構築しましょう(*´ω`*)

-追記-

昨日の潜在能力テストでこんなのがでました。
地味に難しいので、挑戦してみてください。
↓答え(ドラッグで見えます)
1・・オランダ 2・・アメリカ   3・・メキシコ   4・・コロンビア
5・・トルコ  6・・カナダ    7・・スウェーデン 8・・インドネシア
9・・スペイン  10・・アルゼンチン11・・カンボジア  12・・モロッコ
13・・ポルトガル 14・・ブルガリア 15・・韓国     16・・ノルウェー
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