問題PDF
太陽と地球と月の3つの天体について考えます。太陽の直径は約1400000km、地球の直径は約12800km、月の直径は約3500kmなので、太陽の直径は地球の直径の約109倍、月の直径は地球の約0.27倍となります。また、太陽の直径は月の約400個分の長さになります。
図1のように、地球は太陽の周りを、そして、月は地球の周りを公転しています。このとき、どちらの公転軌道も円であるとすると、地球の公転軌道の直径は約300000000km、月の公転軌道の直径は約770000kmとなります。また、公転軌道を1周するのにかかる時間を公転周期といいますが、地球の公転周期は約365日、月の公転周期は約27日です。
(1)
月の公転軌道の円周の長さは、月何個分ですか。
もっとも適したものを選びなさい。ただし、円周率は3.14とします。
(ア)約200個 (イ)約350個 (ウ)約690個 (エ)約1380個
(2)
月が1時間で公転する距離は、月何個分ですか。最も適したものを選びなさい。
(ア)約1個 (イ)約2個 (ウ)約25個 (エ)約28個
(3)
地球から見たとき、月は1時間で公転軌道を月何個分動いているように見えますか。
ただし、答えが割り切れない場合は、小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。
(4)
図2は、地球上で月食が観測されるときの太陽と地球と月の場所の関係を表してます。太陽の光を地球がさえぎると、2種類の暗い場所ができます。最も暗い場所を本影(ほんえい)、少し暗い場所を半影(はんえい)といいます。図2の中で、半影はどこですか。
(5)
図3は、太陽と地球と月の大きさや距離の関係を模式的に表したものです。これを使って、本影が月の軌道と重なる部分の長さを計算してみます。次の文章は、その計算方法の手順と述べたものです。あとの(a)・(b)の問いに答えなさい。ただし、角DBEが小さな値なので、本影が月の軌道と重なる部分DEは円の弧ですが、直線であると考えます。
太陽と地球の距離CFと、地球の中心Fから点Bまでの距離FBの比は、太陽の直径と地球の直径の比から求めることができ、約108:1と表すことができます。地球の公転軌道の半径CFと月の公転軌道の半径の比は約390:1と表すことができます。これら2つの比から、月の公転軌道の半径と地球の中心Fから点Bまでの距離FBの比は1:( あ )となります。このことから、本影が月の公転軌道と重なる部分DEの長さは、地球の( い )個分の長さとなります。
(a)
( あ )にあてはまる数値として最も適したものを選びなさい。
(ア)約1.6 (イ)約2.6 (ウ)約3.6 (エ)約4.6
(b)
( い )にあてはまる数値として最も適したものを選びなさい。
(ア)約0.18 (イ)約0.36 (ウ)約0.72 (エ)約0.92
@解説@
(1)ウ
月の公転周期の直径は770000km。これに円周率をかけ、月の直径3500kmで割る。
770000×3.14÷3500=220×3.14=690.8≒690個分
(2)ア
月の公転周期は27日なので、月は27日間で月690個分の長さを公転する。
これを1時間あたりになおす。
690個÷27日÷24時間=1.06…≒1個分
(3)月28個分
ここだけ記号じゃない(´゚ω゚`;)
ただ、ここも月何個分かを求めるので、前問の解答を基礎として計算する。
(1)より、月の公転軌道は月690個分。
地球の自転(1時間)で動いてみえる月の距離は、690÷24=月28.75個分
(2)より、この間に月は同じ方向に公転して月1個分動くので、
地球から見える動きは、28.75-1=27.75≒月28個分
(4)エ
『影』なので、太陽側にあるア・イ・ウは×。
国立天文台より。月が地球の後ろ側にくると本影。
本影ではほとんど太陽光が入らない。
月が本影にすっぽり入ると皆既月食、一部が入ると部分月食。
スタパオーナー八ヶ岳日記より。左が半影に入る前の満月、右が半影月食。
半影は本影より太陽光が入るので、わずかに暗くなる程度。
(5)a:ウ
DEは直線と考えるので、月の公転軌道の半径はFE=①
CF:FE=〇390:①
CF:FB=□108:□1
求めたいのはFE:FBなので、〇と□の比を統一する。
〇390=□108
FB=①×390/108=3.61…≒〇3.6
b:ウ
FB:EB=〇3.6:〇2.6
うえの赤い三角形で相似。
地球の直径:DE=3.6:2.6
2.6÷3.6=0.722…≒約0.72
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