2020年度 東京都立高校過去問【理科】解説

平均53.4点(前年比;-13.7点)

問題はコチラ→PDFファイル

大問1(小問集合)-56.2%

(1)イ 68.9%
*受精により染色体の数は変わらない。
減数分裂で染色体の数が半分になった2個が合体する。ヒトの場合は23対46本。
〔受精⇒受精卵⇒胚〕
受精卵が体細胞分裂を繰り返し、成長していく過程を発生という。
受精体が体細胞分裂を始めてから、自分で食べ物をとり始めるまでの間の個体が
胎生する哺乳類では、ある程度発生の進んだ胚を胎児という。

@染色体の数@
ヒトの染色体は23対46本。
ヒキガエルは22本。バッタ24本。ハト80本。ウマ64本。ハツカネズミ40本。
イチョウ24本、サンショウ70本、シダの仲間には1000を超すのもいるんだとか…。
染色体の数が多ければ、複雑で高等な生物というわけではない。

(2)ウ 61.7%
*塩酸の電気分解。
電離式;HCl(塩化水素)→H+(水素イオン)+Cl(塩化物イオン)
化学反応式;2HCl→H2(水素)+Cl2(塩素)
陰極のAは水素、陽極のBは塩素。
反応式では水素と塩素の係数が1なので体積は1:1になるはずだが、
塩素は水に溶けやすいので、集まった体積は水素より減ってしまう。

(3)ア 45.5%
*仕事率P(W)=仕事W(J)÷時間(s;秒)
仕事W(J)=力の大きさ(N)×距離(m)
100gが1Nなので、150gは
1.5N。
1.5N×1.6m÷2秒=1.2W

(4)エ 53.8%
*受験生泣かせの火成岩の分類(´・_・`)

Hi-HOより。マグマが冷えてできた岩石を火成岩という。
地表付近で急激に冷えた火山岩は、結晶がまばらな斑状組織。
地表深くでゆっくり冷えた深成岩は、結晶が成長した等粒状組織。
図2は結晶の大きさがバラバラなので火山岩となる→玄武岩
岩石を構成する鉱物は、石英と長石が無色鉱物。
それ以外の黒雲母、角セン石、輝石、カンラン石は有色鉱物
玄武岩もハンレイ岩も有色鉱物の割合が高い。

(5)イ 51.3%
*酸化銀の熱分解。
2Ag2O(酸化銀)→4Ag(銀)+O2(酸素)
うえの化学反応式で銀原子を●、酸素原子〇とすれば、
●〇● ●〇●→● ● ● ●+〇〇

大問2(総合問題)-67.1%

〔水に関する事物や現象のリード文〕
(1)ウ 63.7%
*水は空気に溶ける。
1m3あたりに溶け込める最大の量を飽和水蒸気量(g/m3)といい、
温度が高くなると飽和水蒸気量は大きくなる。
温度を下げて露点に達すると、含み切れなくなった水蒸気が水(霧)として現れる。
室温は24℃、飽和水蒸気量は21.8g/cm3
露点は14℃だったので、12.1g/cm3の水蒸気が空気中に溶けている。
これを百分率に変換。12.1÷21.8×100=55.50…≒55.5%

(2)イ 68.7%
*塩化カルシウムを入れない試験管Aを使った理由。
塩化カルシウムを入れると水の融点が下がるということだが、
そもそも水の融点がわからないと”融点が下がった”とは言えない。
言わずもがな0℃であるが、水に不純物が混じっているかもしれないので一応確かめておく。

融点(凝固点)が下がると、氷点下でも水の状態でいられるので凍結の防止につながる。
氷から水に状態変化するときに周りから熱を奪い(融解熱)、温度が下がっている。

(3)ア 62.6%
*光の反射。

水面を対称の軸としたとき、像であるサクラの木を上下対称にする。

(4)エ 73.6%
*外套(とう)膜といえば…

イカだろう
🦑イカは軟体動物
ちなみに、外套は英語でコート(coat)。
節足動物は昆虫類・甲殻類(エビ、カニ、ミジンコなど)・クモ類・ムカデ類に分かれる。

水質階級の判定がキツイ(;´・ω・)
聞いたことのない生物のカタカナに悩まされる。。
2点シマトビケラ…Ⅱ
2点シマイシビル…Ⅲ
1点カワニナ…Ⅱ
1点カワゲラ…Ⅰ
1点ヒラタカゲロウ…Ⅰ
合計点数が最も高い階級は3点のⅡ。

科学技術振興機構より、
オオシマトビケラ。
シマイシビルはヒルの一種。写真は貼らないよ( ˘ω˘ )

@BOD(生物化学的酸素要求量)@
有機物を含む汚水の流入で川や湖が汚れても、水による希釈や水底への沈殿、
砂礫などへの吸着、微生物の分解などにより、一定の範囲であれば自然浄化で元に戻る。
しかし、自然浄化の範囲を超える汚水を垂れ流すと生態系に悪影響を及ぼす。

高校生物をまとめてみるより、汚水が流入したときの状況の変化。
上が生物の個体数で、下が物質量について。
汚水が流れると有機物を分解する細菌類が増加。
つづいて、細菌類を捕食するゾウリムシなどの原生動物が増加。
これらの増殖で水中に溶けている酸素の濃度(溶存酸素)が低下する。
微生物が有機物を分解するときに使われる酸素量をBOD(生物化学的酸素要求量)といい、
BODの値が高いとそれほど有機物を多分に含むので汚染度の高い水といえる。

原生生物の増加で細菌類が減少。捕食者である原生生物も減少。
細菌類が有機物を分解したときに無機塩類のアンモニウムイオン(NH4)が作られ、
これを肥料に藻類が増加。光合成による酸素の生成によりBODは減っていく。
汚染が浄化されると、問題文のⅠにあるサワガニやカゲロウといった
清水性動物が現れる。


大問3(太陽高度)-39.5%

(1)ウ 75.6%
*天球の方位を定める。

Aが南、Cが北なので、Bが西。つまり、Gが日の入りとなる。
15時~Gまでは9.6cm。1時間で2.4時間だから、9.6÷2.4=4時間
よって、日の入り時刻は15時の4時間後である19時。

(2)エ 32.0%!
*南緯35.6°における太陽の動きが問われた(;´・ω・)

実は、問題の天球の裏側が南緯35.6°の軌道に相当する。
南半球なので北側に南中(正中)する

夏至の東京では北寄りの東から日が出て、北寄りの西に日が沈むことで日照時間が長くなる。
逆に、南半球では北寄りの東から北寄りの西に沈むことで日照時間が短くなる

(3)太陽光が地表に対して垂直に差し込むほど、
単位面積あたりに受ける光の量が多くなるから。 41.6%(部分正答含む)
*経験則上、太陽の光が垂直に差し込むほど暑くなるものだが、
知識を整理していないと答案が作りにくい。

2018年度・渋谷教育学園幕張中学の解説より。
平行な太陽光線を等間隔に図示。
黒い板をア~カの角度に傾け、最も温度が高い角度と低い角度を求める問題。
最も温度が高いのは、板に10本の太陽光線があたるウ。
最も温度が低いのは、板に5本の太陽光線があたるカ。
板の面積はどちらも同じだが、一定の面積が受ける太陽光線の量が異なる。

山口大学情報基盤センターより。
いずれも板の面積は同じ。
赤道にある板が太陽光を受ける面積を②とすると、
北緯30°では〇√3、北緯60°では①となる。
『太陽高度(h)における単位面積当たりの入射量はsinhに比例する』

(4)①ア②ウ 8.9%!!
*完全解答。
①類題の経験はあると思うが、丁寧な理解を要する。

水温が最も高くなる→装置を太陽光に対して垂直にあてる
模式図で太陽光は真横なので、装置は縦方向に描く。
〔c+d=90°〕を頼りに装置と地平面の角度を調べると、右図のように∠cとなる。
②cの角度を求める。

太陽光と公転面は平行。同位角でcを下すと、c=e+f
eは赤道と地点Xとのあいだの角、すなわち、Xの緯度35.6°。
fは公転面とそれに対する垂線を合わせた十字を回転させ、
赤道と地軸の十字に傾けた角度、すなわち、公転面の垂線に対して地軸が傾く23.4°。
c=35.6+23.4=59.0°

@緯度と南中高度@
春分・秋分→90°-緯度
夏至→90°-緯度+23.4°
冬至→90°-緯度-23.4°

求め方は先と同じ。
ちなみに、北半球の夏至に太陽が真上を通る北緯23度26分は北回帰線
反対に、北半球の冬至に太陽が真上を通る南緯23度26分は南回帰線とよばれる。

大問4(消化)-42.3%

(1)①ア②ウ③ウ 59.2%
*完全解答。
①②デンプンが別の物質に変わったことがわかる容器を選ぶ。
デンプンがあるとヨウ素液が茶褐色から青紫色に変わる。
水のAではヨウ素反応が見られたが、唾液のCでは見られなくなった。
→デンプンがなくなって別の物質に変わった。
③デンプンが分解されると糖に変わる。
糖があるとベネジクト液が青色から赤褐色に変わる。
Bの水ではベネジクト反応が見られなかったが、唾液のDでは見られた。
水と比較するのがポイント。

(2)エ 18.5%!
*アミラーゼはデンブンを糖に分解する。
<結果1>のFはヨウ素反応が見られ、ベネジクト反応が見られない→デンプンのまま。
<結果2>のHはXの溶液を染み込ませたろ紙の部分でタンパク質のゼラチンが溶けた。
→消化酵素Xはタンパク質を分解するペプシン

(3)①イ②ア③エ④イ 25.9%!
*完全解答。
デンプンは唾液や膵液(すいえき)に含まれるアミラーゼにより麦芽糖へ、
膵液や小腸の消化液に含まれるマルターゼによりブドウ糖に分解される。
タンパク質は胃液に含まれる
ペプシンや膵液に含まれるトリプシン、
ペプチダーゼにより
アミノ酸に分解される。

胆嚢(胆のう)は肝臓で分泌された胆汁を蓄え、濃縮する。
胆汁は脂肪の消化を助け、十二指腸に排出される

未来へひろがるサイエンスより。
脂肪は1つのグリセリンに3つの脂肪酸がくっついたトリグリセリド。
従来はリパーゼなどの働きで3つの脂肪酸の結合が解かれると考えられていたが、
実は1つの脂肪酸はくっついたままのモノグリセリドであることが判明した。

(4)柔毛により小腸の内壁の表面積が大きくなるので、
栄養を効率よく吸収することができる。 65.5%(部分正答を含む)
*微小の突起は『柔毛』。
記述の内容は頻出。表面積の拡大で効率の良く栄養素を吸収する。

日本人(大人)の小腸の長さは5~7m。
表面積はおよそ200m2で、テニスコート1面分に匹敵するらしい。。
 
ちなみに、大人の血管をすべてつなぎあわせると10万km(地球2周半!!)。
にわかに信じがたいが(;`ω´)毛細血管がすごいんだと思う。


大問5(物質の性質)-30.0%

(1)イ 21.3%!
*加熱で焦げるのは、炭素元素Cをもつ有機物
(ただし、炭素や一酸化炭素、二酸化炭素は無機物に分類される
燃焼で二酸化炭素と水が発生し、砂糖のように炭化して炭になるものもある。
反対に、無機物は加熱しても焦げない。

ロウは有機物。問題は活性炭(´゚ω゚`;)
活性炭の主成分は炭素で無機物
ロウが燃焼で激しい熱や光を伴うので、ロウ→有機物から解答する。

Metacより。炭と活性炭はどちらも炭素だが、違いは孔(こう;穴)。
活性炭の孔は数が多く、小さい。
ナノレベルの孔に物質が入り込み、物質を閉じ込めることができる(吸着)。
活性炭は臭いの成分や有害物質の除去に用いられる。

(2)①ウ②ア 30.1%!
*完全解答。
まずは物質名をあてる。
加熱して焦げたDはショ糖。糖は不完全燃焼で炭化する。
Aが悩みやすい( ̄~ ̄)
加熱で溶ける物質はミョウバン。
正八面体の結晶で有名なミョウバンは、後ろにある溶解度の問題にもでてくる。
水温の上昇で溶解度がグンと上がるので、熱に溶けやすいのでは?と想像するしかないような。。
もしくは、
加熱後に白い物質が残るB・Cが塩化ナトリウムか炭酸水素ナトリウムなので、
ここから消去法でA=ミョウバンと絞る。

炭酸水素ナトリウムの熱分解
2NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)
→Na2CO3(炭酸ナトリウム)+H2O(水)+CO2(二酸化炭素)
二酸化炭素が発生するので、Bが炭酸水素ナトリウム
①二酸化炭素は酸性で、少し水に溶ける。
ア:酸素の助燃性 イ:水素の可燃性
②二酸化炭素の生成方法。石灰石+塩酸→二酸化炭素
イ:二酸化マンガン+過酸化水素水→酸素
ウ:亜鉛+塩酸→水素
エ:塩化アンモニウム+水酸化カルシウム→アンモニア

塩化ナトリウムは加熱しても変化なし。(C)

砂糖を熱すると焦げるが、塩は焦げずにそのまま。
が、むっちゃ加熱(800℃ほど)すると塩が液体になる!

(3)NaCl→Na+Cl- 44.9%(部分正答を含む)
*物質Cは塩化ナトリウム(NaCl)。
陽イオンのナトリウムイオン(Na)と陰イオンの塩化物イオン(Cl)に電離する。

(4)ミョウバン 36.9%、8.6g 16.7%!
*電流が流れなかったDはショ糖が非電解質なため。
砂糖水やアルコールは電離しないので電流が流れない。
塩化ナトリウムCは、20℃の溶解度が35.8gで全て溶けた。

AのミョウバンかBの炭酸水素ナトリウム。
水溶液Pは40℃で20gすべて溶けた。
答えは40℃の溶解度が23.8gであるミョウバンとなる。
20℃に冷やして析出される結晶は、20-11.4=8.6g

大問6(電流)-55.0%

(1)グラフ 70.2%(部分正答を含む)、1.5A 58.3%

*公式解答より。
1.0V-0.17A、2.0V-0.33A、3.0V-0.50A、4.0V-0.67A、5.0V-0.83A
原点からこれらの近似値を直線で結ぶ。
折れ線にしないこと!測定値には誤差がつきもの。

格子点にある〔3.0V-0.50A〕を基準に考えよう。
0.50A×9.0V/3.0V=1.5A

(2)イ 37.5%
*0.5:2.1=5:21…ではない!!(`ω´)
これは回路上の点aから点bまで(AとB)にかかった電圧の大きさ。
問われているのは、電熱線Bに流れる電流の大きさ。

電熱線(抵抗)を直列につないだ場合、電流の大きさがA・B同じ。
電熱線Bに流れる電流は、<結果2>の直列より0.5A。
電熱線を並列につないだ場合、電圧の大きさがA・B同じ。
電熱線Bにかかる電圧は5.0V。
<結果1>より電熱線Bは5.0Vのとき、1.25Aの電流が流れる。
直列:並列=0.5A:1.25A=2:5

(3)エ 36.6%
*発熱量の計算。
発熱量Q(J)=電圧E(V)×電流I(A)×時間t(秒;s)
5.0V×2.1A×300秒=3150J

4)ア 72.3%
*電熱線は抵抗。
オームの法則から電流と抵抗は反比例。
→抵抗値が大きくなると、電流は流れにくくなる。
電流が流れるとジュール熱が発生する。(電気エネルギー→熱エネルギー)

@ジュール熱@

わかりやすい高校物理の部屋より。
原子は+の原子核の周りを-の電子がまわっているが、
金属元素の電子は原子核の束縛を
受けず、電子が自由に動き回ることができる
このような電子を自由電子という。
電圧をかけると自由電子が動き、電流がながれる。
このとき、自由電子が他の原子につぎつぎと衝突して振動させる。
この振動(熱運動)によってジュール熱が生じる。

 
難化したが、得点分布はきれいな山なりで実力差がついた。
全体的に問題文が長く、読解が苦しい:( ´ω` ):
必要な情報をササっと拾える力が試される。
配点がほぼ4点なので、1問あたりの重みがある。
大問1
(2)7割目指そう。
(3)仕事率。計算が苦手な人でも、公式の暗記だけで得点ゲット。
(4)火成岩は知識の整理がわずらわしいが、半数以上が正解!
大問2
(4)正答率は低いかと思いきや、7割を超していた(・Д・)
(3)の方が簡単だと思うのだが・・。
大問3
(2)東京以外の太陽の動きまで把握していたか。
北半球と南半球では南北と季節が逆であることからも想像できる。
(3)(4)シブマクの問題のように、
これらはセットで攻略しておきたい。
(4)平行線と同位角がポイント。図からどの同位角を使うか判断する。
大問4
完全解答が2題出題。
(2)消化酵素Xは結果2から分かる。
大問5
(1)おそらくロウか活性炭で迷ったと思われる。
(2)ミョウバンが曲者だった。白い物質と気体発生から炭酸水素ナトリウムと決める。
(4)そんなに難しくはない。
大問6
(2)情報の整理が問われた。結果1の表も使う。

@2020年度(都立)@
数学…平均61.1点 数学(分割後期) 社会…平均57.0点 英語…平均54.7点
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