平均66.8点(前年比;+7.4点)
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大問1(小問集合)-70.9%
(1)エ 57.4%
*化学反応式。
化学式は水素…H2、酸素…O2、水…H2O
元素の数が合うように係数をつける。
(2)イ 62.5%
*オームの法則…V(電圧)=I(電流;A)×R(抵抗;Ω)
6V÷1.5A=4Ω
電力量(J)=P(消費電力;W)×t(時間;秒)=VIt
6V×1.5A×300秒=2700J
(3)ウ 80.9%
*脊椎は背骨のこと。
脊椎動物…哺乳類・鳥類・両生類・爬虫類・魚類
無脊椎動物…節足動物(昆虫類、甲殻類、クモ、ムカデなど)・軟体動物など。
節足動物は節のある足と外骨格をもつ。
軟体動物の身体は外套膜で覆われている(外套=coat)。
(4)ア 84.4%
*陽子は正(+)の電気をもち、中性子は電気的に中性。
原子核=陽子+中性子、原子核全体では+の電気をもつ。
電子は負(-)の電気をもつ。
水素原子は1億分の1cmほどで、電子が周回する範囲を東京ドームに置き換えると、
原子核の大きさは1円玉くらいになるといわれている。
@@
万物は何からできているのか?
これには科学史の長大な物語があるが、、イギリスの科学者ドルトンの原子説は少しかじっておこう。
・物質はこれ以上分割できない原子からできている。
・原子はいきなり生まれたり、消えたりしない。
・原子は種類によって大きさや質量が決まっている。
・化学変化は原子の結びつきの変化である。
@電子@
ILCの物理より。
現在の原子モデルでは電子は明確な粒ではなく、電子雲というモヤ~とした状態で描かれる。
電子雲の濃いところに電子が存在する確率が高い。
どうやら原子の世界は我々の日常とはかけ離れた物理法則に満ちあふれているようで、
通常、その場所に存在するか否かの二択だが、電子の場合は事情が異なるという…。
電子は粒子であり波でもある。
スリット(狭いスキマ)を手前におくと、ボール(粒子)ではスキマと同じ跡が後ろの壁にできる。
一方、プールの波で同じことをすると、スリットが1つではボールと同じ跡ができるが、
スリットを2つにすると波は放射状に広がり、互いにぶつかり合って干渉縞が起こる。
今度は電子で試してみると、ボールを1個ずつ打ったはずなのに波と同じ干渉縞が起きた。
電子は粒子であると共に波でもあり、波だからどこにでもあるはずだが、
いざ位置を確認しようとするとどこか1つの場所を選ぶようになる。
スリットの出口部分に観測装置をセットして観測すると干渉縞が消えてしまう。
『確認するまで電子は右のスリットも左のスリットも同時に通過するが、
確認した瞬間に電子がどちらのルートをたどったかが決まる』
これをどう解釈するか。物理学の有力説にボルンが唱えた確率解釈があります。
ボルンによると、電子の波はプールの波のようなものではなく、確率の波であると。。
電子の位置はあらかじめ特定できず、「どこどこにいる可能性は何%だ」と確率でしかわからない。
波が大きく振幅するエネルギーの高い場所に電子が存在している可能性が高いという。
興味を持たれた方は量子力学を学んでください。
(5)イ 65.5%
*表2より風速3.0m/sは風力2。
曇りの天気記号は◎
天気記号は快晴・晴れ・曇り・雨・雪まで覚えておこう。
(みぞれは雨まじりの雪、氷の粒が直径5mm未満だと霰、5mm以上だと雹)
雲量が0~1割…快晴、2~8割…晴れ、9~10割…曇り
風力2だから横線は2本。風向は北東から吹く北東風。Fも北東を向き。
(6)エ 74.7%
*赤血球に含まれるヘモグロビンは、酸素と結合して酸素ヘモグロビンになる。
酸素濃度が高い動脈血では酸素ヘモグロビンが多いので鮮やかな赤色、
反対に、酸素濃度が低いと静脈血では酸素ヘモグロビンが少なく、暗い赤色になる。
酸素濃度の違いから酸素を結合・分離することで酸素を運搬する。
大問2(総合問題)-56.5%
(1)ア 54.6%
*化石写真館より。
①左からフズリナ(古生代)・アンモナイト(中生代)・ビカリア(新生代)・サンヨウチュウ(古生代)
これらは年代の特定に利用される示準化石の代表例。アンモナイトよりフズリナの方が古い。
特定の年代かつ広範囲に生息していた生物の化石が示準化石になりうる。
②当時の環境を示す化石→示相化石
サンゴの化石が見つかると、そこはかつて暖かい遠浅の海であったとわかる。
特定の環境かつ長期にわたり生存する生物の化石が示相化石になりうる。
(2)イ 40.3%
*どのような物質があらわれるか、簡単にメモしておく。
クジャク石から酸化銅・二酸化炭素・水に分かれる。
酸化銅に炭素を混ぜて加熱すると、還元反応で銅が得られる(CO2も出る)。
クジャク石が0.2g。3つの物質のうち、黒色の固体は酸化銅(CuO)0.13g。
表より、質量比は銅(Cu):酸化銅(CuO)=④:⑤
(差の①が銅と結びつく酸素)
酸化銅と炭素を混ぜて加熱すると、還元反応でCuO(⑤)のO(①)が取れてCu(④)になる。
得られた銅は、0.13×④/⑤=0.104g
クジャク石に対する銅の割合は、0.104÷0.2≒50%
@余談@
酸化銅の還元反応式は【2CuO+C→2Cu∔CO2】
酸化銅が還元されて銅、炭素が酸化して二酸化炭素になる。
@クジャク石@
アマゾンで売られていました。(45000円で…)
正式にはマラカイトとよばれる緑色の鉱石。クジャクの羽にみられる模様と似ていることからクジャク石ともいわれ、顔料やアクセサリーの素材に使われているようです。銅原子を含むため、還元で銅を取り出せます。
(3)エ 46.8%
*入射角<屈折角は境界面R。
ガラスの厚さを2倍すると、光は赤のルートをたどる。
ガラスの中は右4上1、ガラスの外は右2上1の傾きで、直線Lとの交点Pは下がる。
@スネルの法則@
波の入射角と屈折角には法則がある。
(境界面に対して垂直な直線を法線という)
入射角と屈折角の比は、境界面前後の波の速さの比と等しくなる。これをスネルの法則という。
(角度は高校数学で習う三角比sinで記述する)
波の速さは波が進む物質(媒質)で異なる。光はガラスより空気の方が速く動く。
【ガラス→空気】の順で光が進む場合は、入射角<屈折角になる。
スネルの法則を感覚的につかむために、通常、光は線で表すが、幅のある帯状でとらえる。
最初は長い棒が上図のようにゆっくりと平行移動していた。
棒の左端がいち早く速度の大きい世界(空気)に突入すると、棒の左側が速く、右側が遅い状態にある。
運動会の台風の目で三角コーンを曲がるときに外側が速く、内側がゆっくり動くのと同じように、
棒は速い左端をアウトコース、遅い右端をインコースにして、境界面に近づくように曲がる。
境界面をはさんで波の速度の差が大きいほど、曲がり具合も大きくなる。
(4)ウ 84.4%
*生態ピラミッド。
一般的に生態系の上位ほど、個体数や生物量(その生物種の重さの合計)は少なくなる。
大問3(太陽の動き)-50.3%
(1)ウ 48.1%
*正答率が半数ない!
Aが南。
透明半球にペン先をあて、ペン先の影が中心Oと一致する場所に印をつける。
Pがペン先、その影がOに映る。
OPの延長線上に太陽があるから、南中高度R=∠POA
(2) 68.3%
「2時間ごとに記録した透明半球上の●印のそれぞれの間隔は、」
いずれも等しいから、地球上での太陽の見かけ上の動く速さは一定である。
*問われているのは、『地球上での太陽の見かけ上の動く速さについてどのようなことが分かるか』
2時間ごとの間隔はどれも5.2cmで等しかった→太陽の見かけ上の速さは一定である。
実際の太陽は動かない。地球から太陽が動いて見えるのは地球の自転による。
地球の自転速度は一定→太陽の見かけ上の動きの速さも一定。
だから、2時間おきの●印の間隔はそれぞれ等しくなる。
(3)エ 51.9%
*北半球にある東京では、太陽は【東→南→西】に動いて見える。
南半球の太陽の動きは【東→北→西】。東西は一緒で南北が違う。
北極点が北。
方角を記すと、太陽が東に見えるのは点M、西に見えるのは点K。
東→西の順に見えるから、地球の自転方向は反時計回りのⅡ。
(4)ア 33.1%!
*わかりやすいように、<観察1>の6月を夏至、<観察2>の9月を秋分とする。
秋分(春分)は真東から昇り、真西に沈む。昼夜はほぼ12時間ずつ。
夏至は北寄りの東から昇り、北寄りの西に沈む。昼の時間は長い。
冬至は南寄りの東から昇り、南寄りの西に沈む。昼の時間は短い。
天球の反対側が夜の時間である。
図5は<観察1>夏至である点に注意!
左半分が夜。赤道と平行であるXとYの緯線を引く。
赤い線分は表側の12時間で、裏側も昼夜の線分割合は表側と等しい。
Xの方が夜の線分の割合が大きい→Xの方が夜の時間が長い。
一定以上の高緯度になると、太陽が沈まない白夜になる。
大問4(光合成)-81.5%
(1)イ 72.4%
*光学顕微鏡の使い方。
①直射日光の当たらない平らな場所に置く。
②接眼レンズをセット。
③対物レンズをセット。
④反射鏡で明るさ調整。
⑤プレパラートをセット。
⑥横から見ながら調節ネジを回し、プレパラートと対物レンズを近づける。
⑦接眼レンズをのぞき、調節ネジを回して対物レンズを遠ざけ、ピントを合わせる。
接眼レンズをのぞきながら調節ネジで近づけて、カバーガラスを割ったことあります。
接眼10倍×対物20倍=顕微鏡の倍率200倍
低倍率→高倍率の順で観察する。
@高倍率と筒の長さ@
対物レンズの高倍率は筒が長いが、接眼レンズの高倍率は筒が短い。
働きアリより、光学顕微鏡の仕組み。
高倍率の凸レンズは厚みがあり、焦点距離が短い。
筒を長くするとプレパラートと対物レンズの距離を近づいて、
焦点距離の短い対物レンズの反対側に映る実像が大きくなる。
そして、我々は顕微鏡をみるとき、接眼レンズを通じて対物レンズで映し出された実像を虚像でみる。
虚像はレンズと目の距離が近いとより大きく見えるので、焦点距離が短く筒の短い接眼レンズが高倍率になる。
〔観察対象→対物→実像∽虚像←接眼←目〕
対物レンズの倍率で拡大した実像を、接眼レンズの倍率で拡大した虚像で観察するから、
《顕微鏡の倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率》が成り立つ。
(2)ア 83.5%
*【昼→光合成+呼吸、夜→呼吸】ですべて察せる。
光が強くなると光合成速度>呼吸速度になり、光合成のCO2吸収量が呼吸のCO2放出量を上回る。
(3)ウ 88.7%
*ここも基本問題。
表2より、光を当てたAではヨウ素液が青紫色になった(ヨウ素デンプン反応)。
一方で、光を当てなかったBは変わらなかった。
→Aは光合成でデンプンが作られた。
@余談@
熱湯に葉を浸すのは、植物細胞の細胞壁を壊してエタノールやヨウ素液を染み込ませるため。
湯煎したエタノールに葉を浸すのは、脱色でヨウ素デンプン反応を見やすくするため。
その前にAとBを光の当たらない場所にわざわざ2日間置いたのは何故か?
実験前のオオカナダモの葉にデンプンが残ってしまうと、
B側でもヨウ素デンプン反応をしてしまうのでデンプンをしっかり抜くため。
大問5(溶解)-49.9%
(1)イ 84.3%
*B(塩化ナトリウム水溶液;食塩水)は電流が流れた。
→塩化ナトリウムは電解質。水に溶けると電離(イオン化)して、水溶液に電圧をかけると電流が流れる。
NaCl(塩化ナトリウム)→Na+(ナトリウムイオン)+Cl-(塩化物イオン)
電流の正体は電子の流れ。
陰イオンの塩化物イオンが正極で電子を渡し、陽イオンのナトリウムイオンが負極で電子を受け取る。
電子の受け渡しがつづいて電流が流れる。
C(砂糖水)は電流が流れなかった。
→砂糖はエタノールやベンゼンと同じ非電解質。水に溶けても電離しない。
@余談@
水もわずかに電離している。
H2O→H+(水素イオン)+OH-(水酸化物イオン)
わずかなので、蒸留水はほとんど電流が流れない。
(2)エ 32.1%!
*情報整理。
最初の試験管A…27℃の水5g+硝酸カリウム3g
このとき、硝酸カリウムは一部溶解。38℃で全部溶解。
【質量パーセント濃度=溶質÷溶液×100】
38℃までは固体の硝酸カリウムが溶け続ける。
溶媒の水は5gで一定、溶質の硝酸カリウムが増えるから質量パーセント濃度は上がる。
38℃以降は溶ける硝酸カリウムがなくなるので、質量パーセント濃度は変わらない。
溶解度とは水100gに溶ける物質の最大量。
一般的に温度を上げるほど、溶解度は高くなる。
(水酸化カルシウムなど一部の物質は、温度を上げると溶解度が逆に低くなる)
資料の溶解度曲線をみると、38℃水100gに対して60gの硝酸カリウムが溶ける。
水:硝酸カリウム=100:60=⑤:③
実験2は水5g、硝酸カリウム3gだから、ちょうど38℃で飽和水溶液になる。
(3)例:<資料>から、塩化ナトリウムの溶解度は温度によってほとんど変化しないから。 51.5%
*塩化ナトリウムの溶解度曲線は、温度を変えても溶解度がほとんど変化していない。
温度を上げても下げても溶ける量がほぼ変わらないから、試験管Bの様子も変化がなかった。
一方、飽和状態の硝酸カリウム水溶液では38℃で結晶が出始め、温度を下げるほど結晶の析出量が増える。
(4)ウ 31.8%!
*資料より、水100gに対して塩化ナトリウムは40g弱溶ける。
質量比を水:NaCl=100:40=⑤:②とすると、
飽和状態の塩化ナトリウム水溶液⑦に対して水は⑤、NaClは②含まれる。
試験管B(27℃水5gNaCl3g)は溶け残ったので飽和。
20℃に下げても溶解度はほぼ変わらず、同様に飽和。
塩化ナトリウム水溶液0.35g(⑦)から溶質のNaCl(②)を取り出すために、溶媒の水(⑤)を蒸発する。
0.35×⑤/⑦=0.25g
大問6(力学)-49.1%
(1)ウ 47.3%
*仕事(J)=力(F)×距離(m)
6N×0.1m=0.6J
作用・反作用は2つの物体が作用点を通じて及ぼしあう力の関係。
同一直線上で大きさが等しく、向きが反対である。
重力や磁力のように作用点が離れる場合もあるが、
基本的には2つの物体の接点が作用点になり、そこから矢印を伸ばす。
『ばねばかりが糸を引く力』を作用とすると、『糸がばねばかりを引く力』が反作用。
(2)①ウ②イ 49.4%
*【1秒=50回打点】
→0.1秒=5回打点
0.4秒=20回打点
台車Cは0.4秒間で、2.2+3.6+5+6.4=17.2cm移動した。
平均の速さは、17.2cm÷0.4秒=43cm/s
Dは0.4秒間で、4.4+7.2+10+12.8=34.4cm移動した。
時間一定だから、距離の比が速さの比になる。
C:D=17.2:34.4=1:2
(0.5秒ごとの移動距離がすべて2倍)
(3)ア 58.3%
*同じ力学台車を使うので重力の大きさは同じ。
斜面で重力が分解されると、傾き20°の方が斜面に平行な分力が大きい。
(斜面に垂直な分力は小さくなる)
(4)エ 41.3%
*道具を使っても仕事の大きさは変わらない。これを仕事の原理という。
(1)は6Nの力で10cm引いた。
(2)は物体を2本の糸で支えるので、1本の糸には半分の力(3N)がかかるが、
(1)と同じく10cm持ち上げるには糸を2倍の距離(20cm)引く必要がある。
仕事の大きさはいずれも0.6Jで等しいが、仕事の完了に(1)は25秒、(2)は45秒かかる。
→25秒後に(1)は仕事を終えているが、(2)はまだ終えていない。(進捗率;25/45=5/9)
位置エネルギーは高い位置にある物体ほど大きい。
10cm持ち上げられた(1)の方が位置エネルギーは大きい。
(位置エネルギーU=mgh m…質量、g…重力加速度、h…高さ)
傾斜を変えただけなので、力学台車を動かす場所(点A)と車止め(点B)までの距離は同じ。
20°の方が斜面に平行な分力が大きい→速度が大きい→点Bでの運動エネルギーは大きい。
@2024年度・都立解説@
数学…平均61.7点 数学(分割後期) 社会…準備中 英語…平均66.9点
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