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2016年度 横浜翠嵐高校・特色検査【課題2】問題解説

〔科学者の心構えに関するリード文〕
◆設問1
ビュリダンのロバの説明文と、それに近い例を選択する。
すべて英語が書かれている。
英文のレベルは難解ではないが、文章が長いので時間との勝負。

@ビュリダンのロバ@
自分に近い方を選ぶと決めていたロバが食べ物を探していたところ、
自分の左側と右側に干草があり、両者とも自分から等距離にあった。
ロバがどちらの干草を食べようか決めかねてたら、とうとう餓死してしまった。
理論を強調しすぎるとかえって良くない。ときにはそれを覆す自由意志が必要だと説く逸話。

◆設問2
下線部2「正五角形のような対称性」とあるが、今、机の表面に正五角形がかかれている。さらに正五角形の中心に点Oがかかれており、5つの頂点付近には反時計回りで①~⑤の番号が振られている(図1)。また、この正五角形と合同な形の板があり、両面の頂点付近には1~5の番号が、表と裏で同じになるようにかかれている(図2)。

図1の正五角形の上に、図2の板をぴったりと重ねる。板と板にかかれた頂点の番号が一致している状態(これを「初期状態」と呼ぶことにする)から、Oを中心として板を反時計回りに72°回転すると、頂点1、2、3、4、5はそれぞれ②、③、④、⑤、①の位置に移動してぴったりと重なる(図3)。また、初期状態から、①とOを通る直線を軸として板を裏返すと、頂点1、2、3、4、5はそれぞれ①、⑤、④、③、②の位置に移動してぴったりと重なる(図4)。このように、回転や裏返し、およびそれらの繰り返しで、元の図形とぴったり重なる性質のことを正五角形の対称性という。各問いに答えなさい。

問1
板を机の正五角形にぴったりと重ねるとき、頂点①~⑤と、頂点1~5の対応は何通りあるか。
ただし、初期状態も1通りに数えること。
10通り
*時計回りにまわして5通り。
裏にし、同様にまわして5通り。計10通り。

問2
頂点①~⑤から異なる2点を選んでA,Bとする。初期状態から直線OAを軸として板を裏返し、引き続き直線OBを軸として板を裏返す。この結果、板は初期状態と比べて、Oを中心としてAからBの方向に2×∠AOBだけ回転している。なぜそうなるか説明しなさい。
必要ならば、図や数式を用いて説明してよい。
解説参照
*まずは内容理解。
5つの頂点から2つ選び、A、Bとする。
Aと中心Oを軸にひっくり返し、BとOを軸にひっくり返すと、
初期状態からAからB方向に2×∠AOBだけ回転しているという。


↑確かに・・。
図と数式を使うとしても、どうやって説明すればよいのやら(‘ω’)怒

Aはわかりやすいように1に固定してみる。
(正五角形は回転させても互いの位置関係は変わらないので、Aが1以外でも同じだから)
初期状態では番号が反時計回りに振られているが、1度裏返すと時計回りとなり、
再び裏返すと反時計回りに戻る。
並び方の向きが同じになるため、初期状態の正五角形を回転させたのと同義となる。
1回目の裏返しではAの位置にある1は変わらない。
2回目の裏返しでは、BOを対称の軸として1が反対側にうつる。
反対側に移動したAをA’とおくと、A(1)~BO(対称の軸)とBO~A’(1)の角度が等しいので、
『AからBの方向に2×∠AOBだけ回転している』。

こんな感じかな(^^;
対称移動させると対応する点から対称の軸までの距離がそれぞれ等しくなり
本問は距離ではなく、角度になった感じです。
回転させたときにもとの図形をぴったり重なることを回転対称といい、
対称移動(裏返し)を回転移動に見立て、正五角形の回転対称の特徴を活かした設問なんだと思う。


◆設問3
下線部3「この遺伝子を突きとめられれば、花の形を決める普遍的な法則が見つかる」とあるが、被子植物の花の各部分の形を決めている遺伝子と、それらによる調節のしくみについて、シロイヌナズナを用いた研究をもとに、1991年にコーエンとマイロヴィッツにより「ABCモデル」が提唱された。花を同心円状に4つの領域に分け、各領域を外側から領域1~4とすると、領域1にはがく片、領域2には花弁、領域3にはおしべ、領域4にはめしべが形成される(図1)。

これらの花の器官の形成を調節する遺伝子A、B、Cが存在し、遺伝子Aは領域1と2で、遺伝子Bは領域2と3で、遺伝子Cは領域3と4ではたらく。遺伝子Aでがく片が、遺伝子Aと遺伝子Bで花弁が、遺伝子Bと遺伝子Cでおしべが、遺伝子Cでめしべが、それぞれ形成される(図2)。

このモデルでは、遺伝子Aが失われると遺伝子Cが領域1と2でもはたらくようになり、遺伝子Cが失われると遺伝子Aが領域3と4でもはたらくようになるとしている。同種の植物に一重咲きのものと八重咲きのものがみられるといった花の形態変化は、特定の遺伝子のはたらきが失われることにより生じたと考えられている。次の各問いに答えなさい。

問1
次に述べる(1)~(3)の場合について、領域2に形成される花の器官をそれぞれ書きなさい。
(1)遺伝子Aが失われた場合。
(2)遺伝子Bが失われた場合。
(3)遺伝子Aと遺伝子Bの両方が失われた場合。
(1)おしべ(2)がく片(3
)めしべ
*ABCモデルの内容理解。
A→がく片、A+B→花弁、B+C→おしべ、C→めしべ
(1)Aを失うところにCが発現。B+Cになり、おしべ。
(2)Bを失うとAだけになり、がく片
(3)AとBがなくなると全ての領域でCのみ→めしべ
めしべだけの花とは、興味深いですね((( ;゚д゚))

問2
メキシコに自生するラカンドニアという植物の花は、外側から、領域1と領域2ではがく片が、領域3と領域4では、シロイヌナズナと比べて花の器官の形成位置が逆転しており、それぞれめしべ、おしべが形成される(図3)。これは、遺伝子A、B、Cのはたらく領域がシロイヌナズナとは異なるためであると考えられている。ラカンドニアではどの遺伝子がどの領域ではたらいていると考えられるか。図2にならって遺伝子A~Cがどの領域ではたらくかを図示しなさい。

*解答↓

先ほどと同様。
A→がく片、A+B→花弁、B+C→おしべ、C→めしべ
ここはとりやすかったと思う。

◆設問4
下線部4「実験データは必ず誤差を含んでいるので、この誤差以上に桁数を増やして記しても全く意味がない。このように意味のある桁数以下を切り捨てた結果を『有効数字』と呼ぶ」とあるが、実験データは記されている数の最後の桁に誤差を含んでいる。たとえば、下図のようにサクラの花に1cmきざみの目盛りのものさしを当てて大きさを測るとき、2.4cmと読み取れるが、「4」が誤差を含むのである。

下記の【測定値】には、ある地点AB間の直線距離を4つの区間に分けて測定した値が記載されている。これらは、それぞれ最後の桁に誤差を含んでいるものとする。これらの値を合計し、地点AB間の距離を正しい有効数字で答えなさい。
このとき、答の数値について、誤差を含む桁の数字に下線を引くこと
《 例 》 <測定値>15m 11m <答>26
【測定値】 21.2m 1.358m 117m 4.47m
14
*21.2+1.358+117+4.47=144.028m
4つの数字のなかで、117mは一の位の7に誤差を含んでいる。
つまり、一の位に誤差があるので一の位に下線を引き、
小数点以下は有意性(統計的に意味をもつ)のない値として除外する。

◆設問5
本文を要約した英文において、空欄部分をimportantを含む15語以内の英語で埋める。
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