2017年度 横浜翠嵐高校・特色検査【課題1】問題解説

〔ニセガネに関するリード文〕
◆設問1
下線部1「ニセガネ」とあるが、
「ニセガネ」を『ホンモノの金貨と外見からは見分けがつかないが、
ホンモノの金貨よりわずかに軽い』と定義するとき、次の問いに答えなさい。
ただし、問1、問2のどちらの場合とも、ニセガネは1枚だけあるとする。

問1
いまここに27枚の金貨があるとする。

天秤式の秤(はかり)を使って、最も少ない回数で確実に1枚のニセガネを見つけるには
天秤式の秤を何回使えばよいか。最小回数を答えなさい。
3回
*9枚ずつの3つのグループに分ける。
【1回目】 左:9枚  右:9枚  外:9枚。
⇒軽いグループにニセガネ
【2回目】 左:3枚  右:3枚  外:3枚。
⇒同上。
【3回目】 左:1枚  右:1枚  外:1枚。

秤に乗せないグループを作ること!乗せない金貨は1枚だけではないこと!

 問2
いまここにN枚の金貨があるとする。

天秤式の秤を7回だけ使って、確実に1枚のニセガネを見つけ出せる最大のNを求めなさい。
2187枚
*前問がヒント。3つずつわけて秤を3回使うと、最後が1-1-1になる
3=27枚 ⇒秤3回で調べられる最大の枚数。
(*26枚であれば、9-9-8にわけ、同様に3回で調べられる

1-1-1からさかのぼって、3つずつの各グループの枚数を大きくする。
秤を2回使う⇒32=9枚  秤を4回使う⇒34=81枚
秤を7回使うのであれば、37=2187枚

◆設問2
下線部2「幕府が発行した丁銀」とあるが、次の表1は、江戸時代の丁銀の発行を、
表2は江戸時代の四大飢饉を、図1は、江戸時代における米価格の変遷を表したものである。
これらの図表から読み取れるものをすべて選び、番号で答えなさい。

①:Aの期間では、銀含有率の高い丁銀が流通していたため、米の価格は全く変動していない。
②:Bの期間における米の価格の上昇は、銀含有率の低い丁銀の相次ぐ発行により、
  丁銀の信用が上がったためとみられる。
③:Cの期間では、大飢饉により米の価格が上昇したが、新しい丁銀の発行により安定を取り戻したとみられる。
④:Dの期間では大飢饉に加え、銀含有率の低い丁銀が発行されたことも関係し、
  米の価格は上昇したとみられる。
➄:安政丁銀の鋳造に使用された銀の総量は、慶長丁銀の鋳造に使用された銀の総量の12分の1以下とみられる。
④・⑤
*流行りの資料問題。プラス想像力も問われる。
実際の入試では時間が足りないので、所要時間は2分半ほど。
①:慶長丁銀は銀含有率80%と高いが、米価は変動しながら緩やかに上昇している。×
②:正徳丁銀の前までは銀含有率が少ない。貨幣の悪鋳(あくちゅう)で質の悪い貨幣をつくったことから、貨幣に対する信用が下がったためにインフレを招いた。×
③:1780年代に天明の大飢饉が起きたが、この間に新しい丁銀が発行されていない。×
④:1830年代に天保の大飢饉が起こり、銀含有率が26%しかない天保丁銀の発行(1837)が
米価上昇に拍車をかけた思われる。○
⑤:『安政丁銀のために使われた銀の総量』⇒102907×13%≒100000×13&=13000
『慶長丁銀のために使われた銀の総量』⇒1200000×80%=960000
73倍を超える格差。○   時間がないので概算処理!

◆設問3
下線部3「ホンモノのおカネの単なる『代わり』が、本来のホンモノのおカネに『代わって』それ自身がホンモノのおカネになってしまうという逆説」の意味を、次のように説明した。

A(条件)預かり手形はホンモノのおカネに似ても似つかない
にもかかわらず、いやそれだからこそ
B(結論)本来のホンモノのおカネに代わってそれ自身がホンモノのおカネになることができる。

C(理由)というのも、ホンモノのおカネと似せようとすると、どうしてもニセモノのおカネになってしまうが、似ていなければホンモノの「代わり」として流通しはじめ、いずれホンモノの地位を奪う可能性があるからである。


このような逆説的な意味を持つことわざを、次のなかから1つ選びなさい。
また、そのことわざの意味を上の形式にならって説明しなさい。
なお、逆説的な意味を持つことわざは複数ある。

①弘法にも筆の誤り  ②逃がした魚は大きい  ③雨降って地固まる
④ちりも積もれば山となる  ➄かわいい子には旅させよ
③(解答)
A(条件)他者ともめ事や争いがあった(にもかかわらず、いやそれだからこそ)
B(結論)かえって、以前よりも仲がよくなるなることができる。
C(理由)(というのも、)衝突があったからこそ、本音で話し合う機会を得られて、
互いの距離を縮めることができるからである。

(解答)
A(条件)かわいい我が子は手もとにおいておきたい(にもかかわらず、いやそれだからこそ)
B(結論)家から出して旅をさせるべきである。
C(理由)(というのも、)親の助けを得ずに一人で困難に立ち向かうことで、
どこにだしても恥ずかしくない立派な人間に成長するからである。     
*語彙力・読解力・論理力・表現力の4連続パンチ(;^ω^)
逆説とは、一般的に正しいとされていることに反する説明。
【普通に考えたら〇〇だけど、実際はその逆】
選択肢の5つのことわざから逆説をにおわすものを選ぶ。
①弘法にも筆の誤り⇒プロでも失敗する。×
②逃がした魚は大きい⇒手に入れそこなったものは、悔しさから実際よりも価値が大きく見える。×
④ちりも積もれば山となる⇒小さなこともコツコツ積み重ねば大きくなる。
以上は逆説的な要素がない。

③雨降って地固まる。
雨が降れば、普通は地面がぬかるんでドロドロになる。⇒しかし、実際は固まる。
⑤かわいい子には旅させよ
かわいい子は手元において育てたい。⇒しかし、実際は手放して旅をさせた方がいい。

この流れを例題のように、<条件><結論><理由>で説明する。
預かり手形の例を簡単にいえば、
<条件>預かり手形はホンモノのおカネに似つかない。
常識で考えれば、預かり手形はホンモノのおカネにならなさそう
<結論>預かり手形がホンモノのおカネになってしまう。
<理由>なぜなら、~~だから。

<結論>と<理由>は文字通り、そのまんまだが、<条件>が何を書いてよいのか迷ってしまうかもしれない。
結論の前提となる物事、”普通に考えて(一般的には )こうだろうと考えられる物事”ととらえれば書きやすいかも。
あとは記述力、表現力!


◆設問4
下線部4「小切手やクレディットカード」とあるが、近年は、クレディットカードにポイント・プログラムのサービスが加えられたものが普及してきている。
ポイント・プログラムは、商品・サービスの購入金額や利用頻度に応じて顧客(その店にとっての客のこと)に”ポイント”を与えるサービスで、ポイント制度、ポイント・カードの名称で呼ばれることもある。顧客はそのポイントを次回以降の利用時に代金の代わりとして使えたり、所定のポイントを貯めると賞品や優待が得られたりする。典型的な例としては「支払額の1%のポイントを付与し、次回以降の支払で1ポイントを1円として利用可能」というようなサービスがあげられる。
店舗側にとって上記のポイント・プログラムを行う狙いとして、どのようなことが考えられるか。
異なる視点で2つ書きなさい。ただし、文は「顧客」という語に続けて、この語も含めて15字以内で書くこと。句読点は1字と数える。
顧客の購買意欲をうながすこと。
顧客の流出を防げること。
顧客情報の分析ができること。
顧客に対する宣伝になること。 etc…
*客視点ではなく、【店舗側】にとってのポイントプログラムのメリットを答える。
問題文は長いが、前半はポイント制の説明なので読み飛ばしても問題なし。
文頭は【顧客】から始める&15字以内の文字制限の縛りがある。
企業の目的は利潤の追求なので、売り上げアップにつながるものであればOK!
本番では時間に追われるので、短時間で手早く書けるようにしたい。

@POSシステム@
会計時に顧客の性別や年代が登録されるシステムをPOSシステムという。
ポイントカードを作るときにも登録者の性別や生年月日が登録されるので、
POSレジとポイントカードを連動させれば、誰がいつ何をいくらで買ったが会計時に逐一記録される。
こうして得られたデータは販売戦略の一環として利用され、
陳列棚に並ぶ商品の種類や量が決められたり、個々の顧客にオススメの商品を宣伝することができる。

◆設問5
本文に関する次の会話文を読み、英文中の空欄を、5語以上10語以内の英語でうめなさい。
ただし、短縮形(I’mやdon’tなど)は1語と数え、符号(.や?)は語数に含めない。
A:Do you think that ever I can make *real money?
B:I don’t think *so. It is *impossible for everyone to make real money. That is’t easy.
A:What do you mean?
B:Of corse you can make money, but it will be *fake money.
The fake money is different from real money.
A:*I wonder what kind of people can make real money.
B:Well, only             can make a *bond as a *substitude for real money.
And they need *reliabilities, too. Then the *substitute money may become real money.

*real=本物の  money=お金  so=そのように  impossible=不可能な  fake=偽の
I wonder=~だろうか  bond=証書・手形  substitude for~=~の代わりになる
reliabilities=信頼性  substitute=代わりの

●本文抜粋●(本文は長いです。今回は設問5を解くために必要な箇所だけを抜粋します)
金貨や銀貨に似せた『ニセガネ』はホンモノのおカネにはなりえない。
一方で、大阪で両替屋を営んでいた天王寺屋や鴻池屋(こうのいけや)は、
その資力による信用と厳重に守られたその金蔵の安全性をもとに、
ひとびとの財産の保管もおこなっていた。
そこで預金者に対してかれらが発行したのが「預かり手形」である。

ホンモノのおカネとしての金貨銀貨とは似ても似つかないこの紙切れこそ、
ニセガネならぬホンモノのおカネに変貌していくのである。

ホンモノのおカネに似せる『ニセガネ』ではなく、ホンモノのおカネに代わってしまうという逆説。
それがホンモノのおカネを作る極意なのである。
もちろん、だれもがホンモノのおカネを作ることができるわけではない。
実際、天王寺屋や鴻池屋ほどの大きな資力も厳重な金蔵もないところには、
ホンモノのおカネを作りだすあの逆説は見向きもしてくれない。
それゆえ、われわれには、ホンモノの形而上学に身をまかせてニセガネを作ることか、
あるいはホンモノのおカネの作り方について陰鬱に科学することよりほかに道はない。
(岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』)
The rich (rich people) who have much money
*問題文の和訳
A:私は本物のお金をつくれると思う?
B:つくれないと思うな。皆が本物のお金を作るのはできないよ。容易じゃない。
A:どういうこと?
B:もちろん、君もお金をつくれるよ。ニセガネになっちゃうけど。
ニセガネは本物のお金と違うね。
A:じゃあ、どんな人が本物のお金を作れるのかしら?
B:うーん、本物のお金に代わる手形をつくれるのは(      )だけだよ。
くわえて周囲からの信頼性も問われるけど、条件さえ満たせば、
代わりのお金は本物のお金に変貌するかもしれないのさ。

本文は長いが、該当箇所は見つけやすい。
天王寺屋や鴻池屋は資力のある資産家で、社会的な信用もあった。
(   )内にはいる英文は、”金をいっぱい持っている人”と書けばいい。
先行詞にpeopleをもってきて関係代名詞whoにつなげれば語数を稼げる。
The richのように〔the+形容詞〕で、〔形容詞のような人物〕となる(the young=若者)。
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