2019年度 成蹊中学入試問題【理科】大問3解説

ヒトの「うんち」に関する文章を読んで、後の各問いに答えなさい。

 ヒトは健康であれば1日1回「うんち」を出します。動物は食べものを食べてそれをもやして(分解して)エネルギーを得ているので、必ず食べもののかすが出てきてしまいます。ですから、そのかすをうんちとして体の外に出すわけです。みなさんはきっとうんちは固体のイメージが強いので、うんち全体がのこりかすでできているイメージがあるかもしれません。しかし、ヒトでは、うんち全体の70%は水で、10%が腸の中に住んでいる細きんやその死がい、10%が消化管をつくっている細ぼうの破片やその死がい、それ以外が食べもののかすでできているのです。
 図2は、ヒト(成人)1人が1日当たりどのくらいの量の酸素を吸って二酸化炭素を出し、食物を食べ体外に出し、また、水をのんで体外に出しているかの物質の流れを示しています。

例えば、この人は食物1400gからうんちを140g出しています。食物1400gの中には約800gの水が含まれていて、うんちを140gの中には( ① )gの水が含まれています。水分を除外して考えるなら、食べものは水を差し引いた600g、うんちの食べもののかす部分は( ② )gとなります。とすると食べたものの約( ③ )%がうんちとなって出ていることが分かります。では、食べたものの大部分はどうなってしまったのでしょうか。図2で分かるようにヒトは呼吸により二酸化炭素を出しています。実は食べものは呼吸により酸素と共にもやされ、残りが二酸化炭素となって体外に出されています。食べものの多くはエネルギーを取り出すためにもやされ、二酸化炭素となって空気中に出されていることになります。

 現在はうんちの多くは水洗トイレで水と共に流してしまいます。それは下水となり、下水処理場できれいにされてから川や海に流されます。江戸時代は水洗トイレではなく、くみ取り式と呼ばれるうんちを一時的にため、くみだす方法でした。そして、そのうんちをわざわざ買いにくる人がいました。それはうんちが畑の良い肥料となったからです。しかし、現在は寄生虫が広がるなどの問題があるため、ヒトのうんちを畑にまくことは禁止されています。

(1)
健康なヒトのうんちの形状として最もふさわしいものを選びなさい。

(2)
表1は、動物の種類とうんちのにおいをまとめたものです。
表1からどのようなことがわかるか、
動物が食べているものとにおいとの関係について答えなさい。

(3)
以下に、食べたものがうんちになるまでに通る消化器官の順番を示しました。
( ア )( イ 
)に当てはまるヒトの消化器官の名前を入れなさい。

(4)
文章中の( ① )~( ③ )に入る数字を答えなさい。
ただし、( ③ )は小数第一位を四捨五入して整数で答えなさい。

(5)
下線部Aの二酸化炭素は、最終的に植物に吸収されてどのような物質になるか、
気体でない方の物質名を答えなさい。

(6)
下線部Bの下水処理場で水にとけたうんちを分解し、
最終的にきれいにする生物として正しいものを選びなさい。
ア:び生物 イ:魚 ウ:水草 エ:貝

(7)
下線部Cのように、うんちが畑の良い肥料となるのは、
土の中にいる生物のはたらきで植物の成長に必要な成分がつくられるからです。
土の中でこの成分を主に作っていると考えられる生物として最もふさわしいものを選びなさい。
ア:モグラ イ:ミミズ ウ:び生物 エ:ムカデ

(8)
図3は、水上トイレといわれるもので、東南アジアの一部で今も使われているトイレの様式です。
ただし、トイレの内部がわかるように、壁が一部しかかかれていません。
このトイレは、川に生息する魚やその他の生物がうんちを食べてくれますが、
大きな問題点もあります。どんな問題点が考えられるか、1つ答えなさい。(解答欄1行)

(9)
トイレは物質のじゅんかんを考える上でとても大切です。
自然の物質の流れを考えたとき、どのようなトイレが好ましいと思うか、
これからの未来のトイレを考え、1つ案を出してみてください。(解答欄2行)


@解説@
うんぽ(*´ェ`*)
9問も出してくるとはね(;`ω´)
(1)ア

ア:健康体はバナナウンコ。
イ:便秘気味のコロコロウンコ。
ウ:モリモリウンコ?ふんばって出した感じでしょうか??
エ:下痢ピーウンコ。

(2)肉食動物のうんちは臭く、草食動物のうんちは臭くない。

ペンギンのうんちも臭いんですねぇ(´゚д゚`)
ヒトは雑食だからか、少し臭いレベル。
肉を多く食べると口臭や体臭がきつくなるのと同じで、
腸内にいる細菌がタンパク質を分解し、その副産物で臭いガスが発生する。

また、草食動物は草の成分であるセルロースを分解するために、
肉食動物より消化器官が非常に発達しているので、タンパク質が大腸まで残りにくい。
ただ、草は肉より栄養価が足りないので、草食動物は草をモリモリ食べ続け、
モリモリ臭くないウンチを出し続けます。

(3)ア:胃、イ:小腸

消化器官の順序。最後はうんちでフィニッシュ!!(ノ)`ω´(ヾ)

(4)①98 ②14 ③2
図2ではなく、リード文に目を向ける。
①うんち全体の70%が水なので、140g×70%=98g
②うんち全体のうち、食べカスは10%なので、140×10%=14g
③食べ物1400gのうち水800gを引いた600gから、
食べカスとしてうんちになるのは14gなので、
14÷600×100=2.3…≒2%の食べカスがうんちとして排出される。
…ということは、食べ物の実に98%が体内で吸収されていることになる。

(5)デンプン(有機物)
生産者である植物は大気中の二酸化炭素と水を材料に、
光合成により有機物(デンプン)を生成する(炭素固定)。

(6)ア
分解者である微生物が有機物を無機物に分解して、水を奇麗にする。

(7)ウ
ミミズも分解者だが、うんちを分解して肥料の成分を主につくっている生物なので、
微生物が適当となる。

(8)川が汚染されて、寄生虫や感染症の発生を引き起こすおそれがある。
うんちを川へ直接垂れ流すことで起こる問題。リード文の最終段落がヒントになる。
うんちは水生生物のエサにもなるが、菌がたくさんいるので感染症のもととなる。
ヒンドゥー教徒が沐浴するガンジス川は、下水の垂れ流しで汚染が酷いらしい…。

(9)下記参照。
自然の物質の流れを考慮したときに好ましいと思われる、未来のトイレを提案する。
ヒトにとってうんちは不要物なので、うんちを有益なものに変換するには、
微生物の力を借りるしかないと思われる・・。
こちらはご自身で考えてみてください(^^;

@@@
リード文の『江戸時代にうんちを買いにくる人』に関連して、
当時は人の糞尿がたい肥として価値を持つ品物と扱われ、盛んに取引が行われていた。
どうやら、うんちを出す人物の身分の差によって、うんちのランキングが付けられ、
位の高い者は良いものを食べていることから、うんちも良いはずだと高値で扱われたという・・・。
とりわけ、大奥の女中たちのうんちは高貴なうんちと扱われ、
江戸城のうんちを汲み取る権限を与えられた葛西権四郎(かさいごんしろう)は、
うんちビジネスで多額の財を成した。

@@@
うんちは菌の繁殖が懸念されて難しいですが、
尿に関しては浄化して飲料水に変える技術が実現している。

JAXAより、水再生システムの仕組み。
生物にとって液体の水は不可欠で、水資源の乏しいISS(国際宇宙ステーション)で活躍している。

@@@
ハエの幼虫に循環社会の夢を見た東大医学部生の挑戦(日経スタイルより)
東大医学部らの学生が、カンボジアでの衛生環境の悲惨さに衝撃を受けたことを機に、
アメリカミズアブというハエの幼虫を使って生ごみを高速分解する試みを紹介する記事。
このハエの成虫は口がなく、病原菌を媒介しないうえ、高い栄養価を持つことから、
ゴミのリサイクルと食糧難を一挙に解決する手がかりになるかもしれないそうだ。

日々産出されるうんちも資源にできれば、可能性は無限大∞ですな(´ω`).。0
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