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2021年度 渋谷教育学園幕張中学過去問【理科】大問4解説

問題PDF
てつお君は趣味で、電車の乗り換え案内を作成しました。

さらに興味を持ったてつお君は、駅間の距離も調べることにしました。
次の文章は、てつお君が先生に相談したときの会話です。

てつお:先生!駅間の距離を調べる良い方法はありませんか。
先生:時間と速さの関係のグラフから距離を求めることができるよ。
てつお:どうしてですか?!
先生:例えば、一定の速さ10km/時(時速10kmを10km/時と書き表します)で
 5時間進んだら、どれだけの距離を移動したことになるかな。
てつお:    kmです。
先生:どうやって求めたのかな。
てつお:「(あ)   ×(い)   =距離」の式を用いて計算しました。
先生:そうだよね。では、横軸を時間、縦軸を速さにしてグラフを書いてみよう。
てつお:図1のようになりました。

先生:では、時間と速さのグラフをよく観察してごらん。
 距離を求めた計算式は、グラフの何を計算することになるかな。
てつお:図2の塗りつぶした部分の(う)   です。
先生:正解!!

先生:では、図3のように速さが変化するグラフの場合は、
 グラフのどの部分が5時間で移動した距離を示すかな。


てつお:うーん、分かりません…。
先生:では、図4のように、グラフを短い時間間隔に分け、長方形を使って考えてみよう。

先生:図4の時間間隔をさらに短くしていくと、図5のように、
 たくさんの長方形で埋め尽くすことになるよね。

てつお:はい。
先生:では、1つ1つの長方形の(う)    は何を表しているのかな。
てつお:短い時間の間に移動した距離です。
先生:正解。よって、5時間の間に移動した距離は、
 それぞれの細長い長方形の(う)    を足し合わせたものとして考えることができるよ。
 図5のグラフの時間間隔をさらに短くしていくと、5時間の間に移動した距離は
 図のどの部分になるのかな。
てつお:移動した距離は、図のこの部分ですね。
(てつおくんはそう言いながら、図3の一部分を塗りつぶしました)
先生:その通り!では、図3のように速さが変化した場合、
 5時間の間に移動した距離はいくらかな。
てつお:    kmです。
先生:大正解!!
てつお:先生、ありがとうございました!

(1)
会話文の①、②には適切な数値を答え、(あ)~(う)には適切な語句を答えなさい。

てつお君は先生との会話のあと、図6の幕張駅から幕張本郷駅までの距離を求めるために、
幕張駅から乗車し、幕張本郷駅に向かいました。

電車の先頭車両の速度計を利用して、10秒おきの速さを調べました。
速度計の値は、その時間の瞬間の速さを示します。結果は表1のようになりました。
電車が発車してから60秒後までは、一定の割合で速さが増していきます。
60秒後から120秒後までは一定の速さで進みます。
120秒後から一定の速さで減っていき、150秒後に停車しました。
ただし、電車と駅の長さは考えないものとします。

(2)
表1の値を点(●)ではっきりと示し、時間と速さのグラフを書きなさい。

(3)
72km/時は何m/秒ですか。

(4)
幕張駅から幕張本郷駅までの距離は何mですか。

次に、てつお君は幕張本郷駅から乗車し、幕張駅に戻りました。
てつお君は同じように、10秒おきの速さを調べました。
時間と速さの関係のグラフは図7のようになりました。

2本の電車が幕張駅と幕張本郷駅を同時に発車してすれ違う場合、
次の問いに答えなさい。

(5)
出発してから2本の電車がすれ違うまでの時間は何秒ですか。
小数第1位まで答えなさい。

(6)
電車がすれ違う位置と幕張駅との間の距離は何mですか。整数で答えなさい。


@解説@
(1)①50②25(あ)速さ(い)時間(う)面積
基本。
①10km/時×5時間=50km
(あ)(い)…速さ×時間=距離

(う)…縦軸が速さ、横軸が
時間。縦×横=面積が距離となる。

(2)下図参照。

機械的にプロットして線をひく。
きれいな形になる。0にも●を忘れないように(ノ)`ω´(ヾ)

(3)20m/秒
簡単すぎる(;^ω^)
時速kmから秒速mは×10/36倍
72×10/36=20m/秒

(4)2100m

速さ―時間のグラフでは、距離が面積であらわされる。
さきほどの台形の面積を求める
高さは72km/時ではなく、20m/秒で計算。
(60+150)×20÷2=2100m

(5)77.5秒

ありがたいことに最高速度20m/秒は同じ。
最初の加速シーンが面倒なので、いったん60秒後にそれぞれが走った距離を求める。
幕張発が600m。幕張本郷発が800m。
残りは2100-(600+800)=700mで、両者は1秒あたり40m近づく。
700÷40=17.5秒
したがって、60+17.5=77.5秒

(6)950m

60秒から17.5秒を追加。
600+20×17.5
=600+350=950m

@v-tグラフ@
縦軸に速度v(velocity)、横軸に時間t(time)をとるグラフをv-tグラフという。

物理解体新書より。
速度と方向が一定である等速直線運動をv-tグラフであらわすと水平線、
これに一定の速度の変化がつく等加速度直線運動では斜め線になる。
0はt=0のときの速さV(初速度)である。

加速度aは傾きで示される。傾きが大きいと加速度も大きい。
(加速度a=速度v/時間t→v=at)
減速は斜め左下となり、傾きは負(マイナス)になる。
初速度のある等加速度直線運動の距離は長方形と三角形の面積の和であり、
文字式であらわすと、v0t+1/2at2となる。
くわしくは高校物理で習います。
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