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2019年度 桜蔭中学過去問【理科】大問1解説

問題PDF
Ⅰ:
実験1~3について、文章を読み、問いに答えなさい。

【実験1】
図のように、砂糖をティーバッグの中に入れ、割りばしではさんで水中につるしておくと、
モヤモヤしたものが見られた。およそ15分後、モヤモヤしたものが見られなくなったので、
ティーバッグを静かに取り出した。

問1
モヤモヤしたものが横からどのように見えるか説明した文として正しいものを選びなさい。
ア:砂糖の近くから上にのぼっていくように見える。
イ:砂糖の近くから下に落ちていくように見える。
ウ:砂糖の近くから上下左右に広がっていくように見える。
エ:砂糖の近くだけに見え、広がっていかない。

問2
ティーバッグを静かに取り出した直後の液体について説明した文として
正しいものを2つ選びなさい。
ア:水面の近くよりも底に近い方が濃い砂糖水である。
イ:水面の近くよりも底に近い方がうすい砂糖水である。
ウ:容器内のどこも同じ濃さの砂糖水である。
エ:砂糖のつぶは小さくなって水中に散らばっている。
オ:水に溶けると砂糖の一部は砂糖とは異なるものに変化して、水中に散らばっている。
カ:この液体を加熱すると、砂糖の一部は水とともに蒸発する。

【実験2】
水、1%砂糖水、5%砂糖水の3つの液体を用意した。このうち1つをビーカーに50g取り、液体Aとする。もう1つをスポイトに5gとり、液体Bとする。液体Aに液体Bを1滴ずつ入れていったときに、モヤモヤしたものが見られるかどうかを観察した。組み合わせを変えて、9通りの実験をした結果が下の表である。

問3
表①、表②はそれぞれ、見られる、見られない、どちらですか。

問4
実験2を行うために、少なくとも何gの砂糖と水が必要ですか。それぞれ答えなさい。

問5
実験結果を説明した文として正しいものを選びなさい。
ア:液体Aが砂糖水の場合のみ、モヤモヤしたものが見られる。
イ:液体Bが水の場合は、モヤモヤしたものが見られない。
ウ:砂糖水どうしを混ぜると必ずモヤモヤしたものが見られる。
エ:同じ濃さの砂糖水を混ぜたときにモヤモヤしたものが見られることもある。
オ:異なる濃さの砂糖水を混ぜると必ずモヤモヤしたものが見られる。

問6
実験結果が同じ「見られる」でも、よく観察するとモヤモヤしたものが液体の上の方に見られる場合と、液体の下の方に見られる場合の2通りがありました。つぎの表のあ~けのうち、モヤモヤしたものが上の方に見られるのはどの組み合わせですか。すべて選びなさい。

【実験3】
(1)冷水に少量のかたくり粉(デンプン)を入れ、よくかき混ぜた。
これをろ過し、得られたろ液にヨウ素液を加えた。
(2)熱湯に少量のかたくり粉(デンプン)を入れ、よくかき混ぜた。
これをろ過し、得られたろ液にヨウ素液を加えた。

問7
つぎのものの他に、ろ過をするのに必要な器具が1つあります。それは何ですか。
ろ紙 ろうと 保護メガネ とうろ台 ビーカー

問8
(1)について、①ろ過した直後のろ液、
②ヨウ素液を加えた後のろ液の様子をそれぞれ選びなさい。
ア:青むらさき色のにごった液体 イ:青むらさき色の透明な液体
ウ:無色透明な液体 エ:白色のにごった液体
オ:かっ色のにごった液体 カ:かっ色の透明な液体

問9
(2)では、白色の半透明なろ液が得られ、ヨウ素液を加えると青むらさき色になりました。
熱湯中のデンプンは冷水中と異なり、どのような状態になっていますか。
「つぶ」と「ろ紙」という言葉を必ず使って20~30字で答えなさい。


@解説@
問題は易しいので、試験時間30分のなかの高得点勝負となります。
問1:イ
砂糖の粒子は水より密度が大きいので、下に落ちていく。

問2:ウ・エ
ウ:溶解は、溶質(砂糖)が溶媒(水)に対し、均一に溶けること。
エ:化学反応はしていないので、砂糖の粒は砂糖のまま。

問3:①見られる②見られない

表を観察すると、同じ溶液だと見られない傾向がある。

問4:砂糖-9.9g、水-485.1g
面倒くさい(´Д`)、が方針は立てやすい。
種類ごとに液体A+液体Bをすると、
水:50+5=55g
1%砂糖水:砂糖…55
g×1%=0.55g、水…55-0.55=54.45g
5%砂糖水:砂糖…濃度が5倍なので0.55g×5=2.75g、水…55-2.75=52.25g

各々、3回試行するので、
砂糖…(0.55+2.75)×3=9.9g
水…(55+54.45+52.25)×3=161.7×3=485.1g

問5:オ
問3と変わらない設問では?( ;゚д゚)
同じだと見えない。違うとモヤモヤする。

問6:え・き・く

BをAに垂らしたとき、モヤモヤが上に見られるということは、
Bの密度がAより小さい場合。(密度が小さいと浮き、大きいと沈む)
Bの密度がAより大きいと、モヤモヤは下で見られる。

@シュリーレン現象@


密度の違いから光の屈折率に差が生じ、モヤモヤと揺らぐ。
大気の寒暖さで起こる蜃気楼と原理は一緒。

問7:ガラス棒
ろ過に必要な器具で、あげられていないものを記入する。
有名な実験器具なので易。

問8:①ウ、②カ
デンプンは水に溶けず、沈殿する。
ろ紙を通過したろ液は、ほぼ水で無色透明。
ヨウ素反応もないので、ヨウ素液の色である透明の褐色のまま。

問9:ろ紙の穴を通過できるほど、デンプンのつぶは小さくなっている。
*デンプンは水に溶けないが…冷水とは異なり、ろ液でヨウ素反応を示したということは、
熱湯ではデンプンがろ紙の穴を通過できたことになる
水温が60℃を超えると、デンプンは糊化(こか)でドロドロとした液状になる。
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