2019年度 女子学院中学過去問【社会】解説

大問1(歴史)

(3)
紙の使用が広まる前に用いられた、木でできた札を何と呼びますか(★★)
木簡
*当時は紙が貴重だったので、木製の札に文字が書かれた。

都に運ばれた品物の荷札には、税の内容や生産地が木簡に記された。
使用済みの戸籍(紙)は写経所に回されたんだとか…。

(6)
関東地方で起きた出来事として、古い順に並びかえなさい(★★)
ア:平氏が、武力を背景に関東でも領地を広げた。
イ:北条氏が、周りの大名と関東で勢力を争った。
ウ:ヲワケという豪族がワカタケル大王に仕えた。
エ:北条氏が執権となり、幕府の政治を進めた。
ウ→ア→エ→イ
*ウ:ワカタケル大王(古墳)
ア:平将門の乱(939;平安中期)
エ:北条氏による執権政治(鎌倉)
イ:問題はここかと(^^;
  鎌倉時代の北条氏は鎌倉幕府とともに、ほぼ滅亡した(1333)。
  室町の終わり頃、北条早雲を初代とする北条氏が小田原城を本拠地として関東を支配する。
 (鎌倉の北条氏と区別するために、後北条氏と呼ばれる)
  秀吉が小田原攻めで『北条氏』を滅ぼし、天下統一を果たしたときにもでてくる。

(9)
次の職業から、江戸時代では再利用の方法には3通りあったことがわかります。ア~カを2つずつ組にして3つのグループに分け、それぞれどのように再利用したか述べなさい(★)
ア:古着屋―古い着物を買い取り、洗ってから仕立て直して市内で売った。
イ:古傘買い―傘を買い取り、折れた骨をはずし、油紙は味噌や魚の包装紙として市内で売った。
ウ:灰買い:まきなどを燃やして出た灰を買い集め、農村で売った。
エ:焼継ぎ:欠けた陶器を、鉛ガラスの粉末を使って接着し、再び焼いて市内で売った。
オ:肥くみ:人の小便・大便をくみとって買取り、農村で売った。
カ:ほうき買い:古くなったほうきを買い取り、タワシなどにして市内で売った。
ア・エ→修理をする。
イ・カ→加工をする。
ウ・オ→不要物を集める。
*再利用の方法を3つに分けて、簡易記述させる。
時間がないので、短時間で要領よくまとめること。
江戸の町は高度なリサイクル社会で、非常にクリーンな町だと外国人を驚かせたようだ。

大問2(歴史2)

(2)
石炭とかかわりのある次のできごとを、古い順に記号で並びかえなさい(★★★)
ア:本州にある主な炭鉱で、石炭の採掘が行われなくなった。
イ:新橋と横浜の間に鉄道が開通した。
ウ:九州の炭鉱を含む産業施設が、「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録された。
エ:長州藩は領内で石炭を採掘していた。
オ:筑豊炭田の石炭と中国の鉄鉱石を用い、八幡製鉄所が操業を開始した。
エ→イ→オ→ア→ウ
*エ:長州藩から廃藩置県の前だから江戸以前だと推測。

イ:1872年。有名な年号なので覚えておきたい。
オ:日清戦争の講和条約、下関条約で2億両(テール)の賠償金をゲット。
  当時の日本の国家予算の3倍の額にあたるらしい…。
  これを原資に建てられた官営の八幡製鉄所が操業開始(1901)。
ア:最もフワフワしてわかりにくい└(‘ω’)┘ だが、推測はしやすい。
  八幡製鉄所が北九州に建てられたのが三井三池炭鉱などの筑豊炭田にあるので、
  炭鉱業の衰退はオの後ろにくる。ウが最近の出来事なので、オとウの間となる。
  明治以降の近代化のなかで石炭の生産・消費量は増加の一途をたどり、
  ことに日露戦争後の重工業の発展や、戦時下での軍需産業の隆盛では、
  エネルギーとなる石炭の採掘が盛んに行われた。
  戦後も傾斜生産方式とよばれる、基幹産業に重点を置く経済復興策のなかで
  石炭の生産が行われたが、1960年代のエネルギー革命で次第に石油にシフトしていく。
  1997年に三井三池炭鉱が閉山。本州での炭鉱閉鎖もこの頃だと思われる。
  現在は北海道の方で細々と行われているようだが、大部分は輸入に依存している。
ウ:最近の出来事(2015)。


「明治日本の産業革命遺産」では長崎の軍艦島(端島)が有名だが、
静岡の伊豆の国市にある韮山反射炉にらやまはんしゃろ)も教科書によくでてくる。
金属を反射炉で溶かし、砲台を作っていた。

(4)
20世紀初めに石油を燃料とする乗り物がアメリカで大量生産され、人々に広く使われるようになると、石油の消費は大幅に増えました。この乗り物は何ですか(★★)
自動車
*石油の大量消費を伴う乗り物といえば自動車。
ビッグスリーの1つであるフォードが、ベルトコンベアを用いた生産体制のオートメーション化に成功。大量生産を実現させて、自動車の大衆化が始まった。
飛行機で迷った人もいるかもしれない。
飛行機も20世紀初めにライト兄弟が開発し、戦闘機や偵察機に応用されたが、
『人々に広く使われる』ほど航空機が往来するのは戦後しばらく経ってから。
“大衆による石油の大量消費”から自動車を選べるようにしたい。


フォード・モーター社の初期モデル、T型フォード。
レトロな雰囲気でシャレオツ。時速は70kmほど出るのだとか。。

(5)
石油と関わりのある次の文を、古い順位記号で並べかえなさい(★)
ア:西洋から石油ランプが日本に輸入され、ろうそくにかわる明かりとして使われはじめた。
イ:天智天皇に「燃える水」が献上された。
ウ:石包丁が使われるようになると、その接着剤として、
  石油を原料とする天然のアスファルトが用いられた。
エ:満州国で油田の探索が行われた。
ウ→イ→ア→エ
*ウ:石包丁(弥生)。
  天然のアスファルトは縄文期の矢じりなどの接着剤でも出土されている。
イ:天智天皇(飛鳥)。
 「燃える水」は石油のことで、日本書紀の記述によるらしい。
  石油は草生水(くそうず)と呼ばれていたそうな。
ア:文明開化(明治)。 エ:満州国建国宣言(1932)

(6
1950年代の日本で「三種の神器」と呼ばれた電化製品のうち、白黒テレビ以外の2つが
人々に余暇を楽しむゆとりを与えた理由を説明しなさい(★)
家事労働の負担が減り、余暇の時間が増えたから。
*三種の神器→洗濯機・掃除機・白黒テレビ。
家事の時短は女性の社会進出につながる。


大問3(地理)

(1)
東京都にある日の出町は、関東平野の西部から関東山地にまたがる町です。
図1は、日の出町の主な道路(都道)やいくつかの使節を表したものです。

①日の出町役場、②工場が一番多くある地域は、どの範囲にはると考えられますか(★★)
それぞれ選び、記号で答えなさい(ただし、同じ記号を2回選ぶことはできません)。
ア:Aより西側 イ:AとBの間 ウ:BとCの間 エ:Cより東側
①ウ、②エ
*ザックリした問い方で戸惑うが、落ち着いて対処しよう。
①町役場は地方行政の中心地。郵便局や病院といった施設が多くあるB~C間は住民も多い。
②工場は高速道路に近いCより東側。理由は輸送に便利だから。
 A~Bの間に発電所があるが、送電エリアの範囲内であれば電力の地域格差はさほどないはず。

(4)
図2は日の出町にある廃棄物処理場の地形図です。
図から読み取れることとして、まちがっているものを2つ選びなさい(★★★)


ア:廃棄物処分場は、日の出町と、となりの地方自治体との境界付近にある。
イ:廃棄物処分場は、北向きの斜面につくられた。
ウ:廃棄物処分場の周囲は森林に囲まれている。
エ:廃棄物処分場へは、自動車が通れるトンネルがある。
オ:○印の神社から、廃棄物処分場を見わたすことができる。
イ・オ
*普段は聞かれない地図記号が問われる。

ア・ウ・エはこのような感じ。

↑トンネルはこれ
イ…山に囲まれているが、北向きの斜面にはない。
  山々の間を切り開いて、平地にしたと思われる。

オ…間に尾根があって見えない。

(5)
ごみ処分の一般的な説明として、正しいものを2つ選びなさい(★★★)
ア:ごみ減量のため、家庭ごみの回収有料化を実施する市町村が増えている。
イ:燃えるごみは清掃工場で焼却灰にしたのち、必ず埋め立てなければならない。
ウ:燃えないごみの中からも、鉄やアルミなどを取り出してリサイクルしている。
エ:テレビやエアコンなどは資源化できるので、無料で市区町村が回収する。
オ:市区町村で出たごみは、それぞれの市区町村の中で焼却や埋め立てを行うことが
  決められている。
ア・ウ
*ゴミ問題。
ア:サボの自治体も市が販売するゴミ袋で出さないと回収してくれなくなりました。・゚・(ノε`)・゚・。

イ:選択に迷うが、選択問題で「必ず」ときたら怪しむべし。
  焼却灰はスラグとなり、コンクリートや道路の材料としてリサイクルされる。
ウ:燃えないゴミからもリサイクルはされているようです。→春日大野城衛生施設組合
  人為的に大きなものを取り除き、細かく粉砕した後にも磁石や風の力で分別をしている。
エ:家電リサイクル法によると冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンは、
  消費者が家電小売店に持ち寄り、もしくは引き取りの依頼をしてリサイクル料金を支払う。
オ:産業廃棄物は別として、一般の家庭ゴミ(一般廃棄物)については、
  原則、それが生じた市区町村内で処理をすることとなっているが、
  埋め立て地など最終処分場のない市区町村はどこかに依頼をしている。
  千代田区のような大都会で埋め立ては無理なので、東京湾岸沿いのどこかに埋めているはず。

(7)
日の出町の地域では、戦国時代、市が立ち炭(木炭)などが取引されていました。
炭について述べた文として、まちがっているものを選びなさい(★)
ア:刀の鍛冶場で燃料として使用されてきた。 イ:魚や肉を焼くなど調理に使用される。
ウ:暖房用として使用されてきた。 エ:砕いて固めたものは書道で墨として使用される。

*炭=墨、にあらず!(`ω´)
木を燃やすと炭になるが、墨は松や菜種などの植物油を燃やしたものを
膠(にかわ)で固めたものだそうです。→書道入門
建築や家具に使われる木材を用材といい、
ア~ウのような燃料用の木材を薪炭材しんたんざい)という。

(8)
江戸時代では、日の出町一帯の森林の木材は、
川を使って運ばれて材木の大消費地であった江戸で取引されました。
①国土に占める森林面積の割合が日本に最も近い国を選びなさい(★★★)
ア:エジプト イ:オーストラリア ウ:フィンランド エ:中国

*世界地理。国をイメージできるかどうか…。小学生にはシビア。
日本の森林面積の割合(森林率)は7割弱。これは世界的にみて上位。

エジプトはサハラ砂漠があるので森林率が少ない。
オーストラリアは国土面積が広いので森林面積は日本よりも大きいが、
中央部
に乾燥帯であるため、割合だと日本より小さくなる。
また、日本がオーストラリアから大量の木材チップを輸入しており、
そのための森林伐採が問題視されているようである。→熱帯林行動ネットワーク
北欧のフィンランドは森林大国で、林業、パルプ・製紙工業が盛ん
中国の南部は温帯だが、北部の東北は冷帯、内陸部では乾燥帯が広がり、
標高の高いチベット高原では寒帯と、地域で気候分布が大きく異なる。
森林は東北と西南部に多いそうで、全体の割合では少ない。
以下、GLOBAL NOTEより。
日本…68.46% エジプト…0.07% オーストラリア…16.26%
フィンランド…73.11% 中国…22.35%

②森林面積の割合が最も高い府県を選びなさい(★)
ア:大阪府 イ:千葉県 ウ:香川県 エ:秋田県 オ:沖縄県

*沖縄は島なので×。平野が少なさそうなのを選べばいい。

(9)
材木の値段は、江戸で冬に急上昇することがありました。
それはどのようなことが起きた後でしたか(★★)
火事が起きた後。
*江戸の冬で「起きた」ことを述べる。
材木の値段が急上昇した→材木の需要が高まる。
火災が起こると家屋を建てる材木が求められる。
フェーン現象により、冬の関東は空気が乾燥するので、火の手が回りやすい。


大問4(公民)

(3)
条約を締結する権限を持つ国の機関を答えなさい(★)
内閣
*外務省ではないよ!権限は内閣。憲73条3号

(4)
市町村の中には、産業廃棄物の排出や埋め立てに税金をかけることで、
ごみの減量をすすめようとしているところもあります。
このような市町村独自の税金の徴収を決める機関を選びなさい(★★)
ア:国税庁 イ:国会 ウ:市町村長 エ:市町村の議会 オ:税務署

*選択肢が紛らわしいが、推測はできる。
地方税は地方自治体独自の財源で、条例の制定により創設される。
よって、地方政治の立法府たる市長村の議会が決定する。
国税庁や市町村長、税務署は行政。行政府は立法府が決めた法律(条例)を執行する機関
国税の徴収事務は税務署、地方税は各地方自治体が行う。

(5)
プラスチックごみのついての説明として、正しいものを3つ選びなさい(★★★)
ア:使い捨てのプラスチック製ストローを廃止する方針を打ち出した飲食店チェーンがあり、
  廃止の動きは世界的に加速している。
イ:2018年のG7サミットでは、海のプラスチックごみ削減を盛り込んだ
 「海洋プラスチック憲章」にすべての参加国が署名した。
ウ:中国は、日本や米国、欧州などからプラスチックごみを資源ごみとして輸入していた。
エ:海に流れたプラスチックの多くは、波や紫外線で砕け5ミリ以下に小さくなり、
  その後、短時間で溶けてなくなる。
オ:魚がプラスチックごみを飲みこむと、
  食物連鎖により人体に悪影響を与える可能性が指摘されている。
カ:一人当たりのプラスチックごみ排出量で、日本は世界の国々の中で下位である。
ア・ウ・オ
*時事問題。6つから3つを選ぶ。狙い撃ちなのでシビア。
ア:マクドナルドやスターバックスがプラスチック製ストローの段階的廃止を発表した。〇
イ:G7のうち、アメリカと日本は経済界の反対を理由に署名しなかった。×
ウ:中国は廃棄されたプラスチックごみを資源として輸入していた。〇
   しかし、環境保護のために輸入を禁止して先進国がパニック。
エ:前半はマイクロプラスチックの説明であっているが、後半が誤り。
  自然界で溶けてなくならないからこそ問題になっている。×
オ:いわゆる生物濃縮。はじめは濃度が低くても食物連鎖の過程を経て、
   生物の体内で濃縮されて濃度が高くなる。〇
   生物濃縮は水俣病など他の公害でもよく問題になる。
カ:1人当たりのプラゴミ排出量は1位アメリカ、2位日本。
  先進国なので下位はない。×

(6)
循環型社会の実現につながらないものを選びなさい(★)
ア:空きびんを特定の場所に返却すると、返金される。
イ:古い電球を持っていくと、寿命の長いLED電球と交換してくれる。
ウ:電化製品の新型モデルが販売されると、新しいものに買い換える。
エ:不要になったものをフリーマーケットで売る。

*ウが明らかな誤答(^^;
ア:デポジット。サボの母校の校門前にもありました。
  お金ではなく、地域の商品券でしたが…。
イ:小池知事がやったヤツ。2つの白熱で1つのLEDと交換できるというもの。
  しかし、目標の値に届かず、平成31年3月31日に事業は終了した。
エ:フリマのフリーはflea(蚤;のみ)。

(7)
循環基本法(循環型社会形成推進基本法)に定められていることは、
私たちの生活にも関係しています。法律の内容としてまちがっているものを選びなさい。
ア:廃棄物を燃やした際に発生する熱を、エネルギーとして地域で利用する。
イ:使い終わった製品の再利用や処分についての責任は製造した企業にはなく、買った人が負う。
ウ:国は自ら率先して、再生品を使用する。
エ:製品を長期間使用して、廃棄物をできるだけ出さないようにする。

*環境問題多いね。
ア:廃熱を利用するコジェネレーションの代表例。暖房や温水プールに使う。
イ:生産者は製品を作って終わりではなく、製品が消費されたあとでリサイクルの責任を負う。
  これを拡大生産者責任といい、循環基本法にもこの概念が盛り込まれている。
ウ:まずは国がお手本を示せということ。
  国が環境負荷の少ないものを優先的に購入するグリーン購入法もある。
エ:〇

(9)
世界の人々がともに豊かに暮らすために、限りある資源から得られる利益を公平に分かち合えるしくみを考えることが大切です。利益を公平に分かち合うためには、日本で生活する私たちがチョコレートや衣料品などの商品を購入するときにどのようなことを考えて選べばよいか、述べなさい。
不当に安い価格で売られていない商品を選ぶこと。
*持続可能な開発を促すためには、途上国が経済的な自立を果たすこと。
だが、立場の強い先進国の企業が途上国で作られたカカオ豆や繊維品を
安く買い叩いてしまったら、途上国は搾取され続け、経済的な自立ができない。
途上国で作られた製品を適正な価格で継続的に取引することをフェアトレードという。

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