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2014年度 千葉県公立高校入試【前期】国語解説

大問1(リスニング)

(1)エ
*”授業に打ち込む姿勢は変わらない””何事にも真剣に打ち込んで”
”(修学旅行の計画についても)生徒が主体となって、~計画を立てています”
”部活動は、~ほぼすべての生徒が参加”
以上の点から、何事にも必死に取り組む「一所懸命」がふさわしいNOT 一”生”懸命)。
他の四字熟語も全て覚えておきたい。
【晴耕雨読】・・晴れの日に田を耕し、雨の日は室内で読書。悠々(ゆうゆう)自適、のんびりとした生活。
【百戦錬磨】・・百の戦(いくさ)で鍛えられたほどの腕前。
【不言実行】・・何も言わずに行動をする。

(2)ア
*敬語対策を怠るとちょっと難しい。本文の”授業を進めていただき”を聞き逃してしまうと迷うかもしれない。
イ・・”受けさせていただき”だと、先生の許可の下で授業を受けるニュアンスになる。
ウ・・”やる”は「する」という動作の意味だが敬語ではない。”なさいます”ならOK。
エ・・”ご覧になる”は「見る」の尊敬語で、これでは先生が授業を聞く側になってしまう。

(3)イ
*学校行事の冒頭で、千葉が”代表生徒による委員会が中心となって”というのでアのようにも思えるが、
後半で”先生方のアドバイスをいただきながら”とあるので、生徒独自の判断だけではない。

(4)解答例:精神的な成長があってこそ、技術面の上達が見込めるという考え。(30字)
*上の例では、精神的成長→技術面上達となっているが、本文では技術面+精神面の指導もする、という流れなので、「技術面の訓練だけでなく、精神面の鍛錬もかかせないという考え。」(30字)でも正解だと思う。
”どのような考えか”という問いなので、文末は「~という考え。」でフィニッシュ。

大問2(漢字読み)

(1)す(んでいる)(2)くや(しさ)(3)よゆう(4)けいちょう
*(4)が問題。けいちゅうと読む人がいる。
【慶弔】とは、慶(婚姻や出産などの良いこと)と弔(葬儀などの悪いこと)。

大問3(漢字書き)

(1)絶やさず (2)暮れる (3)綿密 (4)模様 (5)集大成
*どれも難しくはないが、案外(1)や(4)でつまづく人も・・。
【集大成】・・多くのものと1つにまとめ上げる。

大問4(知識問題)

(1)2
*文法問題。国文法は複雑だが、今回は易しめ。
2は主格の”の”。試しに〔の→が〕に置きかえて読んでみよう。
「部員が少ない」と主語になりうる。
2以外は連体修飾詞。”の”が名詞に挟まれ、前の名詞が後ろの名詞を修飾する。
”の”は他にも、並立関係の”の” 「高いのか安いのか、どっちを買おうか迷う」
体言に近い”の” 「あの白い家が、私のだ」がある。

(2)解答例参照
漢文の返り点は、まず読む順番ごとに数字を書く。
*鶏口牛後(けいこうぎゅうご)…牛の後ろにあるデカい尻よりも、鶏の鋭いくちばちになれ。
転じて、大きい集団の下にいるより、小さい集団のトップにいなさい。

(3)歯がたたない

(4)ウ
*「三田先生を同窓会にお招きしたくて~」と冒頭で電話の目的を端的に話し、
その後、それまでの経緯を語っている。最初の文書を聞き逃すと大変。
電話で会話するときは、手短に用件をいったあとで理由を述べる。


大問5(説明文)

(1)イ
*文章の構成として、「守・破・離の大切さ」を主題に提示したあと、守→破→離の順で解説している。
二段落目。「真似から始まる」、「これがまさに守です」から、学習の基本は手本と同じことをすることである。

(2)手本と同じ~デメリット
*自分の土台を作る、守を重んじることによってどのようなことが理解できるのか。
四段落目冒頭「初期の段階で我慢して手本の真似を徹底的に繰り返していると~、
そのうちに○○~××”が理解できるようになる”」とある。
理解する内容を尋ねられているので、○~×までのところ。

(3)解答例:周囲の条件の変化に伴って、作法や型を変えていく(23字)
*段落のつながりを意識。破への説明に移行。「効果的で合理的な方法を自分で探す」は七段落最後の文。
八段落は、七段落と九段落のつなぎ。つまり、もう1つの試みは九段落目に潜んでいる。
周りの環境が代わっているのに「守」ばかりでは、その環境へ適応できない。だからこそ「破」が求められる。

抜き出し問題ではないので、ある程度の文章力や要約力が必要。「~という試み」に繋がるようにする。

(4)ア
*作者は、「離」に達した人=優れた創造力の持ち主、と語っている。
アのみ守→破→離と流れている。”新境地”の言葉からも、優れた創造力といえる。

(5)エ
*全体像である、「守破離」のキーワードをはじめに掲げ、守→破→離と順をおって説明が展開される。
最終段落は離の段階の説明であって、再度、文章全体をまとめる段落はない。
今回の説明文は、わりと素直で読みやすかったのではないだろうか。

(6)【1】守  【2】破
*「 」~の段階・意識、なので守・破・離のいずれの段階かに絞られる。
「最初から投げ出してはいけない」「まずはやるべきことを淡々と取り組むことが大切」→守の尊重
“その一方で”「旧態依然としたこのやり方がいいのか」「私なりの新たな貢献はできないか」→守から破への移行

大問6(物語文)

(1)見当がつかなかった
*見当がつかない=めどがたたない、予想・予測が立たない。

(2)ウ
*前半は、利治が無理難題を押し付けて叱咤する場面。そして、沈黙。
傍線部直後に注目。『やがて、定次が、かみしめるようにいった。』
無理難題を押し付けられた家来たちはどうすればよいのか、突破口が見いだせずに困っていた。
”かみしめる”という表現から、殿の意向を少しでも叶えようとする意志が伝わってくる。
よって、ア、イは×。
ウ、エで悩む。ここでも、殿の意向に沿いたい気持ちを示すウが最も適切といえる。
繊細な判断が要求される。

(3)正解例:明や備前のまねではない久谷独自の色絵磁器(20字)
*利治のセリフに注目。『めざすのは、久谷の色絵磁器だ。』
次のセリフ後半『明や備前のまねではない、それを乗り越えて・・』
ここらへんを上手く使って、つなぎあわせる。

(4)【1】おまえたち手で 【2】ア
*『あわてぬぞ、よいか』ここから利治が、どれほどの月日が流れるかわからないが、
自分の部下ならばいつか自分の夢を成し遂げてくれるであろう、との意志がくみ取れる。
それに対して、定次も殿の意志に従おうと決意した。『殿に負けた』『利治の鋭い気迫に負けた』『ことばの終わりにいたわりがあった』『定次は、利治の、やきものにあこがれる心を、しっかりと感じて聞いていた』などから、利治に対する敬意がうかがわれる。殿と家来との強い信頼関係が描写されている。よって【2】ア
【1】は難問。~という言葉なので、利治のセリフに注目する。利治が定次らに強い信頼を寄せるセリフを探す。すると、『おまえたちの手で』という言葉が二回続いた後、『この大聖寺に見せてほしい』といっている。期待と信頼が強く表れている。

(5)正解例:(やきものを焼き上げるまで、)利治の夢を最後まで叶える覚悟が決まった。(20字)
*指定された語を見れば、自ずと答えはほぼ絞られる。簡単にいえば”殿の夢を叶える覚悟が決まった”。
これをアレンジして20字以内の文章にする。

(6)イ
*殿の態度は厳しい面はあるものの、後半の皿を割ったあとのセリフや、問四、五をヒントに、
”殿と家来の強い絆”が、この物語のキーワードとなる。


大問7(古文)

(1)おおきに
*歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに変える。
文頭以外のハ行は「ワ・イ・ウ・エ・オ」に変える。

(2)上東門院の~みたりける
*指示語。前に答えがある。
事実を語る箇所で20~25字以内のところとなれば見るべき場所は絞られる。

(3)正解例:【1】点の位置  【2】偉大な天皇の誕生
*【1】犬を太や天へ変えるには、”点の位置”を変える。
【2】セリフのあとに天皇が産まれた事実がある。
犬が上東門院で子供を産んだ事実から、これを匡衡が予測したのでは?という流れ。
“偉大な”と形容した理由は、天子、太子と二重に呼べるウィットに富んだトンチをヒントに書きました。

(4)エ
*犬の点の位置を変えて、”太”や”天”にし、その下に子をつけて太子・天子と呼び、次の天皇の誕生を予測した。
ア:すぐれた自然現象の知識ではないし、天皇の誕生が入っていない。
イ:漢文や故事の引用はない。
ウ:優れた予知能力ではなく、ウィットに富んだトンチ。
風情ある出来事から上東門院の未来を予測した。

大問8(条件作文)

読書を豊かにさせる行動を書く。
前段は資料から読み取れた事実をそのまま記せばGOOD。
後段は前段の事実から、読書を豊かにする方法を自分なりに書く。
前段と後段の関係がきちんと接続するように!
公式解答のように、後段の結末に前段の事実を再度書くと一貫性のある文章となる。
後段の内容は、ありきたりな一般論でも良い。逆にオリジナリティー性を出そうとして自滅するより無難。
といっても、大部分は想像力で埋めなくてはならないのでネタ作りが大変。
配点が12点と高いので、作文が苦手な生徒もとりあえず何か書こう。

正解例:(概要のみ)
*作者について調べる人が少ない→作者がどのような人生を送ってきたのかを調べてみると・・→それを知った後では、それまで気づけなかった作品の良さを知ることができて、読書の深みが増す。→その作者の違う作品を読み、作者の人生背景に照らしながら、移りゆく作風を味わうという読書の楽しみができる。

*作者や出版社に手紙を出した人が著しく少ない。→本は読んで終わりではない。読者が本から感じ取ったことを書き手に発表する→読み手は手紙を書くために何度も本を読み返す。書き手は自分の作品を振り返り、多様な意見を得る。→本の書き手と読み手の双方が本を通じて、より深い読書の世界を探求することができる。

*その本をもとにお話を書いたり、続きを書いたりする人が極端に少ない→もし、自分が物語の主人公になって、このような場面で違うことをしていたら・・など、本と違ったストーリーを頭の中で描くことは想像力を豊かにさせ、人として叙情感を開花させてくれる。→だからこそ、本のストーリーとは違った、空想のなかで別の物語(アナーザーストーリー)を奏でてみることは、読書を充実にさせ、豊かな人間性を育むことになる。

*読書をより豊かにするために、読書後に何をすればよいか?という問いなのでマイナーなところが書きやすいかも。解答例では、下から4,6,7あたりを参考にしている。
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