平均48.5点
大問1(リスニング)-42.4%
(1)エ 33.1%!
*作成方針を確認するために、戸山が資料を読み上げる。
一番、二番、三番とテンポ良く記載事実を読み上げるべきところ、自分の意見をちょこちょこ披露している。
意見は議事に入ってから。
(2)ウ 64.7%
*「デザインや名称はあとで検討」→進行の手順の示している。
「作成方針の三つのうち二つ~について考えたいと思います」→論点を明らかにしている。
全国学力テストにでてきそうな問題。
(3)日吉・・2 戸山・・1 59.5%
*当然だが、前の放送で作成方針をメモしていないと解けない。
日吉は初めから終わりまで観光の話をしているので容易。
戸山は自身の経験を持ち出して、『いろいろな世代の人にとって、昔も今も変わらない心の風景』と理由を述べている。
世代、心の風景とくれば、若葉市の特徴より、若葉市民の郷土愛が適確だろう。
完答式なので、どちらか間違えるとペケ。
(4)解答例:若葉市のシンボルについて何か良い意見があるか、全生徒を対象にアンケートをとる。(39字)
4点―12.1%! 1~3点―17.2% 無答―26.4%
*次の放送で、『生徒みんなの意見をみれば、いいシンボルが見つかるかもしれませんね』とある。そこから、”生徒たちみんなの意見“が「対象」となる。「生徒」がどの範囲の生徒を示すかは不確定だが、対象を広げた方が多様な意見を聞けるので、全校生徒を対象にするほうがベター。
手法はなんでも良いが、公式解答のようにアンケートが手っ取り早い。
目安箱の設置やサイトを開設して意見を投稿してもらうのも間違いではないと思う。
単に「全生徒に~を聞く」として具体的な手法を示さないと、提案として具体性に欠けるから減点対象になるかもしれない。そこらへんは自力で頭からひねり出す。
「何か」の使い道がちょっと迷うかもしれない。提案の目的は若葉市にふさわしいシンボルを見つけることなので、「若葉市のシンボルは何か」「若葉市のシンボルについて何か良い案はないか」と表現を工夫しなくてはならない。「何が」に変換できないので言い回しが狭まるから、ここでひっかかった生徒もいるかもしれない。提案の内容を書けば良いので、文末は「こと」以外でも良いと思う。三つの作成方針については日吉があとで確認をとっているので、安田の提案内容では触れない。
大問2(漢字読み)-54.9%
(1)委ねる ゆだねる 79.4% (2)繕う つくろう 74.2%
(3)琴線 きんせん 44.2% (4)進捗 しんちょく 21.6%!
*(1)は簡単。(1)以外は人によって間違えるものがでてくるかもしれない。
繕う=破れた布を直す、身なりを整える。
琴線に触れる=深く感動する。
逆鱗(げきりん)に触れる=怒らせる。誤用注意!
進捗=物事がはかどる。「仕事の進捗状況はどう?」と尋ねられたら、仕事の進み具合を聞いている。
大問3(漢字書き)-62.2%
(1)察(する) 56.7% (2)欲(しい) 79.0% (3)株価 85.9%
(4)熟達 49.9% (5)風物詩 39.3%
*難しくない。が、テスト中になって頭から抜ける事故が起こるのが、漢字テストの恐ろしいところ。風物詩・・季節感に富んだ物事。
大問4(知識問題)-46.2%
(1)③ 52.7%
*③以外は否定の助動詞。③だけ形容詞。
だが、細かい文法の知識を使わなくても感覚で解けてしまう。
助動詞は付属語で前の動詞とくっつき、文節で分けることができない。
形容詞は独立語で文節を分けられる。区別がしやすいので正答率は高いと思う。
(2)エ 31.2%!
*役不足は、役目が軽いこと。力不足は、力量が足りないこと。
文科省の世論調査でお馴染みの言葉。
しかし、正答率は以前として高くはないように思える。
(3)ア 74.4%
*「恐れ入る」の意味。学生があまり使う言葉ではないが、本文の文脈から意味を想像できる。鈴木の説明では満足せず、自分で意味の基準を作ってしまったトムに対して、鈴木は感心した。
(4)Ⅰ:熱いものが常温になっていく(13字) Ⅱ:常温より温度が低くなる(11字) 26.6%!
*完答式。「冷める」と「冷える」の違い。
答えをみれば、あーーー!となるが、曲者なので焦ると思考停止に陥る。
“常温”という言葉を用いることと、鈴木の言葉(温かいスープは冷めるけど、ジュースは冷える)がヒント。
大問5(説明文)-45.6%
(1)ア 62.8%
*「あいまいな構文を、言葉の(傍線部A)によって、唯一に解釈される。」
このように、前後の流れを要約すればアとわかる。複雑に考えすぎると、かえって間違いやすくなると思う。
筆者がいう「第一のレベル」。
(2)行為の主体 79.7%
*傍線部Cのうしろ、「すなわち」と言い換えの接続詞がある。「どういう場面~か、誰が行為の主体~か」と、
問題文と同様の並びなので、容易に発見できる。「すなわち」のあとは筆者の主張が隠れている場合が多い。
語句を省略せずに文章の解釈を明確化しているので、”対象世界との関係で理解すること”すなわち「第二のレベル」。
(3)解答例:語句を省略する(7字) 1.8%!!
*「逆に」に注目。前後を要約すると、”読者に明確にわかるように語句は省略せずに書いたほうがよい。
逆に、文の直前にどんな記述があるかによっても( D )することができる。
このように、文脈は文の解釈に影響を与える”。
前文は語句の省略はしないほうがよいと述べ、「逆に」、前文の記述次第では語句の省略が可能、という流れになる。
解釈に変更する(7字)を入れると、前文と明確な対比にならないうえ、本文では”解釈の明確性”が焦点なので不適。
(4)ウ 26.3%!
*「場面情報が与えられれば」、一応わかったような気になる(傍線部E)。
「場面」→問題(2)→第二のレベル。「対象世界との関係」というワードが、
最終段落になって唐突に登場してくるので、やや戸惑うかもしれない。
修飾語句や前文を補うこと(文脈の整理)で、文章の対象(文の解釈)を明確にすること。
「ゴルフのスイング」という場面情報を付加することで、一応わかった気になる。
一応がつくのは、第三のレベルに達していないから。
(5)自分の知識~解すること 42.4%
*傍線部Fの前後で、「体験をしなければならない」「身体で理解する」から、第三のレベルの内容を示せばOK。
(6)イ 60.6%
*本文は、第一、第二、第三の流れにのっとっている。ウエは、はじきやすい。
ウ:(3)の通り、語句の省略ができる場合はあるといっているが、
語句の省略の利点は述べていないし、後半は明確な誤文。
エ:文脈が明らかな文が優れた文とは、どこにも書かれていない。
むしろ、一文目で構文上のあいまいさが全くない文章を書くことは
ほとんど不可能である、と筆者は語っている。
アイで迷いやすい。
ア:前半の例示は、本文に記述がある。後半は第三のレベルについて述べている。
ゴルフのスイングは第三のレベルに関する例示だが、情報機器の操作は第二のレベルに関する例示である。
イ:文脈が文の理解に影響力をもつことは、第二のレベルに関する記述の最後(Dの次の文章)に書かれている。後半は、もろに第三のレベル。
よってイが正解。アを前半後半に分別して正誤判定すると間違いやすい。
大問6(物語文)-55.7%
(1)イ 90.7%
*努の心情を察する問題。「トキ、見られますか」と唯に尋ねられ、努は何も答えなった。
それは、見ることの難しいトキを見せたくても見せられず、もどかしくなって何も答えられなかったから。
(2)B:ウ C:オ 43.5%
*B「ぼそっと言った」がヒント。トキを見ることができないかもしれない、と皆あきらめムードであるが、亮太は、どうしても唯にトキを見せたくて、つい小声でいってしまった。ためらいがちな唯の返事を受けて『自信たっぷりの笑顔になって』とあるので、傍線部Bの段階ではあまり自信がなかったともいえる。
C:父にトキを見せることが難しいと水をさされながらも、『頬を紅潮させて』亮太が言う。無鉄砲で行き当たりばったりなセリフだが、それほど唯にトキを見せたいという強い気持ちが表れている。完答式だが得点したい。
(3)①イ ②カ 85.6%・43.9%
*口数の少なかった娘が笑顔を見せたときの、母親の気持ちを問う。
①好転する場面なのでウエは合わない。アとイで迷うが、「ことん」という擬音語で心臓が静かに音をたてるから、小さくても確かに芽生えた唯の気持ちを表現したイが最もふさわしい。
②好転だからクは×。唯は亮太の優しさに心を打たれたが、それが恋心によるものと匂わせる表現はどこにもないのでケも×。キの支えていく自信は言い過ぎ。心を閉ざしていた唯の心に、明るい楽しみが芽生えた様子を表したものと解するのがベスト。
(4)解答例:人目のつかないところで、トキが強かに生きていること。(26字)
4点―18.6%! 1~3点―14.6% 無答―28.3%
*パッと見、何を書いていいのか悩む。この記述問題は、複数の解答パターンができてしまいそうな気がする。
『この島のどこかに~命のともしび』なので、トキの命であることは間違いない。
(傍線部Eは抽象性の高い文書なので、変な解釈をして変な方向にいってしまうと0点になる)
後ろの文に、『そう唯が気づいてくれれば、それでいいんだ』と、梓は思っている(物語は梓の視点で展開している)。
何年も笑顔をこぼさなかった唯が、姿をあらわさないトキの命に気づいてくれればいいと思っている。
問題文から文末は「こと」で結ぶ。しかし、「トキが生きていること。」だけだと字数が不足してしまう。
そこで『ひっそり点り続ける』からどのようなトキであるかを付け加えたいが、
トキの情報が本文に見当たらないので、おそらく言葉の感じからイマジネーションする他ない。
解答例は、問題(3)の”小さくても確かな”になぞらえて、姿をあらわさなくても、島のどこかで確かに生きているトキの生命力を意識してみた。公式解答では、トキが絶滅危惧種である知識をいかして書いてある。
(5)エ 51.8%
*トキを呼ぶ少年と少女の叫びに、梓が静かに耳を傾けるシーン。ウエで迷う。
ア:後半が誤り。トキより二人の存在にスポットがあてられている。傍線部Eの前文の「見られなくたっていいんだ」からも、梓はトキを見ることをさほど重要視してはいないと判断できる。
イ:あわれに感じているは明らかな誤文。
ウ:二人のやり取りや「和音」から選びたくなるが、梓の気持ちとしてベストといえない。
エ:梓が最も感じていることは、口数が少なかった娘の、トキを呼ぼうと必死に叫ぶ姿にうれしさを感じたこと。そして、二人の「青くたおやかな斉唱」に、静かに耳を傾けて、その風景を進んで感じとろうとしている。
聴覚的な描写を、風景を見るという視覚的な行為に置き換えていることにひっかかるかもしれないが、梓は五感をフルにつかって、二人の斉唱を感じ取っていたのかもしれない。
必死にトキを叫ぶ姿には、笑うことのなかった娘に強い生命力が芽生えた印象を受ける。
大問7(古典)-48.9%
(1)ア 51.8%
*まだ登場人物は二人しかでていない。アかイのどちらか。「心付く」は気がつく、わかるという意。
傍線部Aの前を大雑把に訳すと、『「旗本の武士で何とかという者が町奉行におなりになったとき、堀田筑前守殿(堀田正俊)が「必ず相手にしないようにあれよ」と申されたが、何某はそのとき、この言葉の意味がわからなかったが、訴えをきくようになると、はじめてその意味がわかった』
途中で「何某」と主人公の名前が略されている。
(2)エ 52.6%
*やや難しい。
「我が相手」からエと判断しやすいが、文意を理解してから解答したほうがいい。
他の問題の選択肢がヒントになるので、意味がわからなかったら素直に後回ししていい。
町奉行は争いの判決を下す。裁判官は公平な立場で理知的な判断を下さなくてはならない。しかし、訴えをきくことが公務だとはいえ、当事者の主張をきいているうちに、気に入らない、わずらわしいと思うと、裁きを与える側の人間が、紛争当事者(其人)を、あたかも自分の争いの相手と考えてしまうおそれがある。
堀田正俊の金言の「相手」とは、このような意味であった。
(3)①イ ②ウ 78.6%・60.7%
*①読み方に注意しながら、読む順番の数字を書く。
すると後ろから順番に読むことがわかる。
②傍線部Cの前を訳すと『私(町奉行の何其)の言葉が鋭くなると』。
其人は町奉行に強く言われると、その圧力に屈し、自分の言い分を十分に主張できなくなるおそれがある。
(4)解答例:公平に判断 4点―5.1%! 1~3点―2.5% 無答―50.9%
*「取さばき平らかならず」から。(2)がわからなくても正解はできる。
大問8(条件作文)-11.8%
12点―11.8% 8~11点―21.9% 4~7点―16.8% 1~3点―7.4% 無答―9.5%
野外レクリエーションに関する自由作文。
資料から読み取れる傾向を書き、「受け止める」を使って理由を述べる。
配点が12点もあるので書かないわけにはいかない。
資料の示す傾向は『子供の頃に夜空の星をゆっくり見た人ほど、友だちから相談を受けやすい』こと。そのまんまなので、前段の得点は手堅くゲットできる。
後段は、
(子供の頃に夜空の星をゆっくり見る)→( )→(友達から相談を受けやすくなる)
空欄を埋める
どのような理屈で埋めるかは自由。
説得力のある文章にこしたことはないが、かっこつけ過ぎなくても大丈夫。
「受け止める」を使うので、何を受け止めるかを書く 。”相手の気持ち”が書きやすいかもしれない(公式解答では”受け止める姿勢”となっている)。
後ろはつなげやすいが、それを天体観測につなげなくてはならないのでイマジネーションを発揮させる。
解答例:(大雑把な流れのみ)
子供の頃に夜空の星を見る→屋外で自然と親しむ→心が豊か・器が大きくなる→人として成長→相手の気持ちを受け止めることができる人→友だちから相談を受けやすい
*屋外で自然と親しむと、なんで心が豊かになるんだよ!と突っ込みたくなるが詳細はボカす。なぜなぜを繰り返すとキリがない。資料の傾向が客観的に正しいとはいえない(別の原因による可能性もある)ので、自由作文の解答として因果関係を組み立てたに過ぎない。実際はどうなのか、興味のある方は考えてみましょう。
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