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なるべく選択肢に関連する事項もつけています。
1コ1コは長くはないですが、全体として分量多めです。
知りたいところだけを適宜参照して頂ければなと。
大問1
問1
1…× 食糧管理制度とは、米などの食糧品の価格や供給量を政府が管理する仕組み。
以前は戦後における米の安定的供給を目的として、食糧の生産・流通・消費の全過程に政府が
介入して統制色が濃厚だったが、平成の米騒動や米の輸入自由化で米の生産管理がうまくいかず、1995年に廃止。現在は自由流通が基本となっている。
2…○ 食料・農業・農村法第三条。食料の供給以外にも国土の保全、水源の涵養、自然環境保全、良好な景観、文化伝承といった農業の多機能についての言及がある。
3…× 農業のGDP比率は、実に1%台。
4…× 中山間地域での耕作放棄地は約5%で増加傾向。
跡継ぎ不足が主な原因といわれ、病虫害、鳥獣害、崖崩れ被害の温床となる。
問2
1…○ 食の安全性は頻出事項。
2…○ 3.11以降、度重なる審議の結果、新基準でより厳格化。
3…○ 前年にも出題されたトレーサビリティ。BSE問題がその端緒となった。
4…× 遺伝子組み換え食品には、大豆やじゃがいもといった身近な食品が含まれるが、食品安全委員会で安全性が認められたものでしか流通できないことになっている。
なお、表示義務についての所管は消費者庁。
問3
3
リカードの比較生産費説は、2ヵ国間で各々の得意分野を分業・特化して交換すれば
両国にとって利得が増大するという考え。
1単位の生産に必要な労働者数に引きなおす。
ブロッコリー ワイン
A国 5人 4人
B国 4.5人 2.666…人
B国の方がブロッコリーもワインも少ない労働者で1単位を作れるので、
両財においてA国より生産効率が高い。
だが、B国内ではワインの方がブロッコリーに比べて比較優位するので、
B国がワインを、A国がブロッコリーを製造して交換した方が、
結果としてB国にとっても大きな利益を享受する。
問4
1…○ 牛肉とオレンジの輸入自由化(1991)は重要。
2…○ ウルグアイラウンドでGATTはWTOへ発展的解消した。
3…× 2001、2009年にセーフガードを発動した例がある。
4…○ ドーハはカタールの首都。WTO加盟国での自由化交渉をラウンドという。
ドーハラウンドでは、農産品の関税削減、農業保護への補助金削減、鉱工業品や水林産品の関税削減が争点となったが、途上国側がセーフガードの発動基準について異を唱えたことから、合意には至らなかった。
問5
1…○ 四大公害病の1つ、四日市ぜんそく。
2…○ ダイオキシンは毒性が高く、大気汚染防止法の指定物質に指定され、排出基準が設けられている。
3…○ アスベスト(石綿)は、被害を受けてから具体的な発症が起きるまで長期にわたるので、
損害賠償請求権の時効期間との兼ね合いで問題になった。
4…× 酸性雨の原因は硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)。
メタンガスは温室効果ガス。
問6
1…× 外部経済。
2…○ 公害は外部不経済の典型例。
3…× 農業の多角的機能は外部経済。
4…× 対価を払っているので市場を通じた経済効果。
外部不経済の定義にあてはまらない。
問7
1…× フードマイレージは、食糧の輸送に伴う環境負荷に関する指標なので、
輸送距離が短く重量が小さければ値は小さくなる。
2…○ エコポイントで商品券や旅行券を受け取れた。
3…○ 開発途上国の持続的発展を実現させるうえで重要。
4…○ エコマークは中学受験でもよくでる。
問8
6
ア:ディベート イ:アンケート ウ:ブレインストーミング
ブレインストーミングは会議方法の1つ。
意見の質より量を重んじ、自由奔放にアイデアを出し合う特徴をもつ。
大問2
問9
1…× 消費者契約法を知らなくても、消去法で正解できる。
2…○ 消費者保護の機運の高まりから設立された。
3…○ 通信販売にはクーリングオフ制度の適用がない。
4…○ 俗にいわれるグレーンゾーンの廃止。総量規制も覚えておこう。
問10
1…× 国債には建設国債と赤字国債(特例公債)の2種類があり、財政法上、赤字国債の発行は原則できない。しかし、社会情勢に鑑みて、特例公債法の制定から赤字国債が発行されている。
2…× ポリシーミックスとは、複数の経済政策を組み合わせて行うこと。
3…○ 財政の硬直化とは、歳出額の増加で国家予算が圧迫されて、弾力的な財政運営が難しくなること。
4…× 消費税は担税力の少ない低所得者の税負担が増える。実質的平等とはいえない。
問11
1…× 以前は公定歩合が政策金利に用いられていたが、現在は無担保コール翌日物が使われている。コールとは、金融機関同士が短期間の借り入れをする金融市場。ちなみに、公定歩合は「基準割引率および基準貸付利率」に名称が変更された。
2…× 預金準備率操作は金融政策の一。
預金の種類にもよるが、原則1000万+利息までがペイオフで保護される。
3…× 国庫の出納は日銀(政府の銀行)。日本政策投資銀行は一般の金融機関を補完し、日本経済を金融面から支える。インフラ整備や政策投資、第三セクターへの融資などを行う。
4…○ 外為法(外国為替法)の改正で、銀行や証券会社以外でも自由に外国為替の取り扱いを行えるようになった。これにより、企業は外貨建てでの相殺決済が容易となり、また、多様な外為サービスを実現できるようになった。
問12
1…○ 日本は世界一の対外純資産保有国。しかし、負債も多く、財政の硬直化が懸念される。
2…○ 2012年6月に開かれたメキシコサミットの内容。
3…○ 正しい。IMFもよく出る。
4…× 経常収支の所得収支は、対外の金融資産にかかる利子や配当金といった収益を計上する。一方、資本収支は金融資産負債の取得・処分を計上する。簡単にいえば、金融商品から派生した収益等の計上は所得収支、金融商品そのもの売買から生じた損得は資本収支。もっと噛み砕けば、利子部分が所得収支、元本部分が資本収支。
例えば、海外の機関投資家による日本証券の購入は、証券という金融商品の売買行為で、日本国内にお金が入るから資本収支がプラスになる。
問13
1…× 不況+インフレ=スタグフレーション。
2…○ 量的緩和とは、金融機関が日銀に保有している当座預金残高を増して行う金融緩和政策。マネーサプライが増えるので好況になる。2001~2006年に実施。ゼロ金利政策によって金利引き下げが困難となったため、資金量(日銀の当座預金残高)の増加に目を向けられた。
3…× 景気変動は頻出。約20年周期で訪れる建築需要の循環はクズネッツの波。
4…× 金融緩和政策はバブル崩壊後の景気刺激対策。
大問3
問14
1…○ 1991年のソ連崩壊後、ソ連の衛星国であった東欧諸国では相次いで民主化が実現した。
2…× EU発足の契機となったマーストリヒト条約では、共通外交・安全保障政策の実施が掲げられている。
3…○ 全国人民代表会議は昨年にも出題された。
4…○ 2010年の選挙で連立。世界情勢に目を向けていないと難しい問題。
問15
1…× 国務大臣の任免権は内閣総理大臣にある。
2…× 大臣不在の場合は副大臣が代行答弁。
3…× 政令の制定者は内閣。
4…○ 憲法62条。
問16
1…× 最高裁判所長官の任命は天皇。
2…○ 原則は事前承認だが、一定の場合は事後承認も可能。
3…× 憲法81条。法律、命令、規則およびこれらに基づいて行われた行政庁の処分についても違憲審査の対象となりえる。
4…× 国会に設置される。
問17
1…○ 地方分権強化の流れは今後も要注意!
2…× 地方税・地方交付税が一般財源。国家支出金・地方債が特定財源。
3…× 三位一体改革は頻出。「税源移譲」「補助金廃止・縮小」「地方交付税の見直し」
4…× 日本で政治的中立性が保たれているオンブズマンは、市町村レベルでオンブズマン条例を設けるところがある。
問18
1…× 集団的自衛権は国連憲章51条や日米安全保障条約(ただし安保はアメリカに片面的な集団的自衛権)に定めがあるが、憲法9条の解釈論争から、その存否や範囲に争いがある。(2015年に新安保が成立)日米地位協定は、日本に駐留する米軍の地位を定めた条約。
2…○ 正しい。
3…○ 佐藤内閣時の武器輸出三原則。
4…○ 普天間問題でよく報道された。
問19
地方自治法上の直接請求権の要件と手続きは頻出。
1…× 監査請求の相手先は監査委員会。
2…× 条例制定改廃請求の相手先は自治体の首長。
3…× リコール。
イニシアティブは、国家(地方自治)の意思形成に関して国民(住民)に発案権を認めるもの。政策に関する国民投票や住民投票が典型例。条例の制定改廃権も広い意味ではイニシアティブだが、議案を議会へ付議するにとどまり、必ずしも議案が通るわけではない。極めて限定されたイニシアティブといえる。
4…○ 首長以外にも議会の議員や主要公務員もリコール対象可。
問20
1…○ 政治とカネの問題の一端。
2…× 自民党vs社会党の保革伯仲。
3…× 郵政民営化、聖域なき構造改革は小泉純一郎。
4…× マニフェスト作成の法的義務はない。
問21
1…○ 現在も福島県の矢祭町は住基ネットに接続していないそうです。
2…○ 正しい。
3…× 住民投票の結果について首長が法的に拘束させる拘束型と、拘束されずに意見として尊重すれば足りる諮問型がある。住民投票条例の法的拘束力には争いがあるが、一般的には拘束力を認める立法が存在しない限りは諮問型にとどまると解されている(市町村合併については特例法があり、住民投票の拘束が許される)。下級裁でも同様の見解を採用した裁判例がある。
4…○ 憲法92条の「地方自治の本旨」は、具体的に住民自治と団体自治と解されている。
本肢は前者の説明。
大問4
問22
1…○ 1960年、池田内閣の下で作成。のちに日本は著しい経済成長を遂げる。
2…× 貯蓄率が高く、設備投資がうまくいく要因となる。
3…× 1973年、為替レートの変更や変動相場制への移行により、輸出産業は大打撃を受け、第一次オイルショックとともに高度経済成長期は終息を迎える。
4…× 何をもって経済成長率といえるか曖昧模糊。実質GDPでいえば1960年の13.3%が最高だが、名目GDPだと20%を超える。
問23
1…○ まさにバブル崩壊後の雇用情勢そのもの。
2…○ 労働日に応じた有給休暇の付与などが定められているが、正社員と同一とはいえないパートタイマーの処遇については努力義務が多い。
3…× 公定歩合の引き下げ。のちの量的緩和に続く。
4…○ 金融再生法とは、破綻した金融機関の事後処理手続きを定めた法律(1998年制定)。
公的資金の注入は早期健全化法。
問24
3
表の読み取りだが、計算が面倒くさい。
産業別の全雇用者に占める非正規雇用者の割合を出す。
ア:384/854 →筆算すると約45%
イ:211/304 →3分の2強
ウ:218/612 →3分の1強
イ→ア→ウの順で高い。Aからb<cなので、
bはイかア、cはアかウ…①
産業別の非正規雇用者に占める15~34歳の割合を出す。
ア:133/384 →3分の1強
イ:99/211 →2分の1弱
ウ:49/218 →4分の1弱
イ→ア→ウの順で高い。Bからa<bなので、
aはイかア、bはアかウ…②
①②より、ア=bが確定。
①よりc=ウ、②よりa=イ
問25
1…○ 2010年度のGDPで中国は日本を追い越し経済大国2位へ。
2…× 1998年に大幅なマイナス成長となるが、IMFの力で2000年にはプラスに転じた。
3…× アジア通貨危機により韓国は打撃をうけ、IMFの助けを得た。
4…× ベトナムはASEAN設立当初は加盟していなかったが、1995年に加盟。
もともとASEANは対共産圏封じ込めを目的としていたため、社会主義国のベトナムとカンボジアが加盟入りを果たしたのはソ連崩壊後であった。
問26
1…○ 人間はポリスに生きる(社会的)動物である。ギリシャ・ローマ時代の民主制の礎。
2…× トマス・ホッブズの言葉。リバイアサンの言説。
3…○ 功利主義は頻出。
4…○ サルトルは実存主義。すべての者に社会的立場・責任があること自認し、社会参加を通じてその責任をとることで個人の実存に近づけるとした。
大問5
問27
5
自分がしたいこと→接近、したくないこと→回避と考えれば容易。
問28
1…○ 教育基本法は、前文のある数少ない法律の一。
2…○ 教育費の増大が少子化の一因。
3…○ 2011年度から小学5、6年生に外国語必修化。
4…× 全国学力テストは昨年実施された。グラフ・表の読み取りや記述の平均点が低かったことが、今度の受験界にどう影響を及ぼすか注意が必要だ。
問29
1…○ 小学生多い-中高81.2% 中学生多いー中高75.6% いずれも70%以上。
2…× 中学生多い-低24.4 高40.5% 低は高の2分の1以下ではない。
3…× 小学生少ない-中が最も多い。
4…× 中学生少ない-低51.1% 高20.2% 低は高の3倍以上ではない。
問30
1…× ナショナルトラスト運動の主体者は民間人。
2…○ 旅行会社ではエコツアーの好評を博している。
3…× ワークシェアリングとは、失業者を減らすために一人あたりの労働時間を短縮して仕事を皆で分け合うこと。企業による文化活動はメセナ。
4…× 調べてみると結構ある。ただし、日本での地域通貨の発行は法律的にグレーである。
問31
1…○ 正しい。
2…○ 確立←→拡散。エリクソン8つの発達課題の第五段階。
3…× 「われわれは二度この世に生まれる。一度目は存在するために、二度目は生きるために」というルソーの言葉は第二の誕生。
4…○ レヴィンのマージナルマン(境界人)は昨年もでた。
大問6
問32
1…○ 法には、文章化させた成文法と、文章化されていない不文法があり、習慣や慣行も不文法の一種として法の源になりうる。(慣習法)
とりわけ、国際法の分野では、慣習法は重要な法源となっている。
2…○ 国家間での法的合意書を法律上は総称して条約というが、実際に交わされる文書の名称は××条約以外にもこのような名称が付される。
3…○ 国際司法裁判所の弱点。他にも、判決の執行力が内政不干渉との兼ね合いで問題となり、その実効性に疑問視する声もある。
4…× 条約の締約手続きは複雑なので要注意分野!最終的に国内での批准手続き(日本では国会の承認)を得て、その国で条約の効力が生ずる。
問33
1…× 平和維持活動は広範囲にわたり、選挙監視や避難民の移動も含む。
2…× 国際平和と安全維持のついて主要な責任を負う機関は安全保障理事会。
3…○ 安保理の決定は法的拘束力をもち、加盟国はそれに服する。ちなみに、国連総会の決議は、国連内部における決議事項については法的拘束力を持つものの、他の決議事項については勧告的効力にとどまり、法的拘束力はもたない。
4…× 人道的介入とは重大な人権侵害が生じている国に対し、人道上の観点から他の国家が軍事介入を行うこと。国際法の通説では、武力行使は国連憲章7章の強制措置または51条自衛権行使と認められない限り、原則武力行使が不可能と位置づけられている。人道的介入を認める見解もあるが、国連憲章に明文はない。
問34
8
ア-世界人権宣言 イ-国際人権規約 ウ-国際機関
1948年に採択された世界人権宣言は人権条約の中核的存在。
しかし、条約ではないので、法的拘束力を有するかは争いがある。
国際人権規約は世界人権宣言を具体化した条約。
A規約とB規約に列挙される人権の種類を覚えておこう。
第一選択議定書に批准していれば(日本は未批准)人権侵害を受けた場合に国際機関に訴えることができるが、主権国家の司法権尊重の兼ね合いから、まずは国内での救済手続き(行政への不服申し立てや司法手続き)を経ることが条件となっている。
4つの自由は米フランクリン・ローズヴェルト大統領が挙げた4つの自由で、民主主義の根幹として国連憲章の基礎にもなった。
問35
1…× 前半は正解だが、この時点でフセイン政権は崩壊していない。同時多発テロをきっかけに勃発したイラク戦争で、隠れ家にてフセインが米軍に拘束される。のちイラク政府により絞首刑に処される。
2…○ 正しい。アラブの春の流れを理解するには、小国の場所も確認しておく必要がある。
3…× アフガン戦争でアメリカはオサマ・ビンラディン氏をかくまうタリバン政権を攻撃した。
4…× カダフィはリビア。隣国チュニジアのジャスミン革命をうけて反政府軍がデモを蜂起(リビア内戦)。カダフィの独裁政権に終止符が打たれることとなる。
問36
1…× 開発援助委員会(DAC)は経済協力開発機構(OECD)の委員会。
2…○ 人間開発の概念は昨年と同様。
3…○ 自然災害に対しても支援がある。
4…○ 難民問題は頻出。同じくUNHCRも頻出。
各国の統治機構はあまりでませんでした。
去年と比べると倫理や心理の問題も減ったような…。
新聞にもありましたが、アラブ情勢は今後も目が離せませんね。
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