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水溶液には、酸性の水溶液、中性の水溶液、アルカリ性の水溶液があります。
水溶液の性質は、BTB溶液を使って知ることができます。
BTB溶液は酸性では黄色、中性では緑色、アルカリ性では青色を示します。
塩酸、食塩水、水酸化ナトリウム水溶液にBTB溶液を入れると、
それぞれ黄色、緑色、青色になります。塩酸にBTB溶液を入れ、
そこに水酸化ナトリウム水溶液を加えていくと液は黄色からやがて緑色になり、
さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えると液は青色になります。
【実験1】
うすい塩酸(ア)とうすい水酸化ナトリウム水溶液(A)があります。
塩酸(ア)を10mL取りBTB溶液を入れると黄色になりました。
ここに水酸化ナトリウム水溶液(A)を加えましたが、
(A)を50mL入れても黄色のままでした。
そこで、塩酸(ア)の濃度を10分の1にうすめた塩酸(イ)を用意し、
(イ)を10mL取り、BTB溶液を加え水酸化ナトリウム水溶液(A)を加えましたが、
(A)を50mL入れても黄色のままでした。
そこで、さらに塩酸(イ)の濃度を10分の1にうすめた塩酸(ウ)を用意しました。
(ウ)10mLにBTB溶液を加えて水酸化ナトリウム水溶液(A)を加えていくと
(A)を8mL加えたところでBTB溶液の色は緑色になりました。
(1)
塩酸(ア)の濃度を50分の1にうすめた塩酸(エ)を用意し、
(エ)を5mL取りBTB溶液を加えて水酸化ナトリウム水溶液(A)を加えていくと、
(A)を何mL加えたところでBTB溶液の色は緑色になると考えられますか。
(2)
水酸化ナトリウム水溶液(A)の10倍の濃度の水酸化ナトリウム水溶液(B)を用意しました。
塩酸(ア)を5mLと(イ)を5mLと(ウ)を5mL混ぜた混合溶液に、
水酸化ナトリウム水溶液(B)を45mL加えたところ、溶液の色は青色になりました。
この溶液を緑色にするには、(ア)、(イ)、(ウ)のどの塩酸を何mL加えればよいですか。
記号と体積を答えなさい。
なお、加える塩酸の体積は1~10mLの範囲とし、小数第1位まで答えなさい。
(3)
塩酸(ア)と塩酸(ウ)は、次に示すどの物質を使って区別することができますか。
その方法を解答欄に合うように答えなさい。
使える物質:食塩 石灰石 でんぷん ミョウバン 石灰水
解答方式:(物質名) と反応させると(変化のようす) する方が(ア)である。
【実験2】
うすい塩酸とうすい水酸化ナトリウム水溶液があります。
(【実験1】で使ったのとは違う濃度です)それぞれにBTB溶液を加え、
ちょうど10mLずつ混ぜると混合した溶液の色は緑色になりました。
はじめに試験管に水酸化ナトリウム水溶液3.0mL取り、
次に2.5mLを水酸化ナトリウム水溶液と混ざらないように試験管の内壁(内側)を
伝わらせながら少しずつそっと加えたところ、下が青色、上が黄色の二層に分かれました。
(4)
この試験管をそのまま24時間放置しておくと、
試験管内の水溶液の様子はどのようになると考えられますか。
ア:色は黄色一色になっている。
イ:色は青色一色になっている。
ウ:下が青色、上が黄色の似そうに分かれたままである。
エ:下が黄色、上が青色に逆転し、二層に分かれている。
オ:試験管の底の方が濃い青色、水溶液の上の方が濃い黄色になっており、
その間は無色透明になっている。
【実験3】
次のア~カの溶液を用意し、それぞれにレモン果汁を加えて酸性にすると、
すぐに色の変化するものと色が変化しないものがありました。
(5)
色が変化しないものとして最も適切なものを選びなさい。
ア:アサガオの花の汁 イ:ムラサキキャベツの汁
ウ:ぶどうジュース エ:牛乳
オ:紅茶 カ:黒豆(黒大豆)の皮の汁
@解説@
はじめの2問がとくに厳しい。
(1) 8mL
中性になる塩酸(ウ)と水酸化ナト(A)の組み合わせから考える。
(ウ):(A)=10mL:8mL
濃度を酸とアルカリの数で示すと、酸:アルカリ=⑩:△8(酸を○、アルカリを△とする)
(イ)は(ウ)と同じ量で濃度が10倍濃い。
(イ)の酸の数を○100とおく。
(ア)は(イ)の10倍の濃度なので、○1000とおく。
(ア)(イ)(ウ)の酸の数は10mL、(A)のアルカリの数は8mLが基準であることに注意!
(エ)は(ア)の50分の1の濃度。
(エ)の酸の数は、○1000×1/50=⑳
5mLなので、酸の数は⑳×5/10=⑩
中性は酸:アルカリ=⑩:△8だから、
アルカリの数は△8→(A)8mL
(2) ウ・7.5mL
(ア)5mL+(イ)5mL+(ウ)5mLの酸の数は、
○1000×5/10+○100×5/10+⑩×5/10=○555
一方、水酸化ナトリウム水溶液(B)は(A)の濃度の10倍なので、
アルカリの数は10倍→△80
45mLなので、△80×45/8=△450
中性は酸:アルカリ=⑩:△8だから、
△450を中性にするのに必要な酸の数は、
△450×⑩/△8=○562.5となる。
酸の数は○555しかない。
不足分は、○562.5-○555=○7.5
(ウ)は10mLで⑩の酸なので、
(ウ)を7.5mL加えれば、○7.5の酸の数が足されて中性になる。
(3) 石灰石、激しく気体が発生する
濃度の異なる塩酸の区別法。
石灰石+塩酸→二酸化炭素
濃度が濃い(ア)は激しい反応で二酸化炭素の気泡がブクブクでる。
(4) イ
確実にとりたい。
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は分離せずに溶解する。
溶解は均一に混ざる。
酸:アルカリ=1:1で中性になるところ、
アルカリ方が多いので、水溶液は青色一色になっていく。
(5) エ
ムラサキキャベツはBTB溶液の代用で試験にでてくるので外れる。
これと近いアサガオも外しやすい。
レモン汁を入れると紅茶の色が薄くなることも知っておきたい。
黒豆が謎だが選択肢の雰囲気から察して、エ以外は植物で、エの牛乳だけ動物性タンパク質。
ここから牛乳なのではと推察する。
酸であるレモン汁を加えて色が変わるのは、他方がアルカリ性で中和反応が起きたから。
ムラサキキャベツの色が変わるのは、アントシアニンとよばれる色素が関係しており、
この色素はさまざまな植物に含まれる。
紅茶には他にもテアフラビンというポリフェノールの一種と反応して変色するそうだ。
なお、牛乳は中性である。
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