2019年度 浦和明の星女子中学入試問題【理科】大問1解説

鉄が磁石に引きつけられたり、磁石同士が引きつけあったり反発しあったりする性質を磁性といいます。これに関する各問いに答えなさい。

問1
棒磁石と鉄の棒を使って、磁性を調べる実験を行おうとしました。
しかし、実験で使おうとした棒磁石と鉄の棒は同じ形で、赤一色でぬられていたため、
区別することができませんでした。そこで、どちらが棒磁石なのかを調べるため、
一方をA、もう一方をBとして、次のア~カの操作を行いました。
どちらが棒磁石でどちらが鉄の棒か判断できる操作はどれですか。
適当なものをすべて選び、答えなさい。また、A、Bのどちらが棒磁石だと考えられますか。

ア:図1のように、Aを机の上においてBを近づけた。するとAが動き出しBにくっついた。
イ:図2のように、Bを机の上においてAを近づけた。するとBが動き出しAにくっついた。
ウ:図3のように、Aを地面と平行に持ってBの片方の端をAの右端にくっつけた。
  そしてBをそのままぶら下げながら、Aの中央までゆっくりとずらした。
  するとBは中央付近でAから落下した。
エ:図4のように、Bを地面と平行に持ってAの片方の端をBの右端にくっつけた。
  そしてAをそのままぶら下げながら、Bの中央までゆっくりとずらした。
  するとAは中央付近でもBにくっついたままだった。
オ:図5のように、AとBを机の上に平行においた。そして平行にしたままBをAに近づけた。
  するとAが動きだしBにくっついた。
カ:図6のように、AとBを机の上に平行においた。そして平行にしたままAをBに近づけた。
  するとBが動きだしAにくっついた。

問2
鉄のゼムグリップにピアノ線を結び、反対側を机に固定しました。
そして、棒磁石とゼムクリップをもちあげ、
ゼムクリップを空中で静止した状態にしました(図7)。

(a)棒磁石とゼムグリップの間に、それぞれ厚さ2mmの木の板と
アクリル板を差しこむ実験を行いました(図8)。

ゼムグリップはどのようになりますか。もっとも適当なものを選びなさい。
ア:木の板を差しこんだときは落下し、
  アクリル板を差しこんだときは空中に静止したままだった。
イ:木の板を差しこんだときは落下し、
  アクリル板を差しこんだときも落下した。
ウ:木の板を差しこんだときは空中に静止したままで、
  アクリル板を差しこんだときも空中に静止したままだった。
エ:木の板を差しこんだときは空中に静止したままで、
  アクリル板を差しこんだときは落下した。

(b)棒磁石やゼムグリップを加熱する実験を行いました。
次の(あ)、(い)は実験とその結果です。
(あ)、(い)から考えられるものをすべて選びなさい。

(あ):図7の状態のまま、棒磁石だけをじゅうぶんに加熱したところ、ゼムグリップは落下した。加熱を止めて棒磁石が冷えてから棒磁石をゼムグリップに近づけたところ、ゼムグリップは着付けられなかった。
(い):図7の状態のまま、ゼムグリップだけをじゅうぶんに加熱したところ、ゼムグリップは落下した。加熱をやめてゼムグリップが冷えて棒磁石をゼムグリップに近づけたところ、ゼムグリップは再び棒磁石に引きつけられた。

ア:棒磁石の磁性はじゅうぶんに加熱するとなくなるが、冷えると戻る。
イ:棒磁石の磁性はじゅうぶんに加熱するとなくなり、冷えても戻らない。
ウ:棒磁石の磁性はじゅうぶんに加熱しても変化しない。
エ:ゼムグリップの磁性はじゅうぶんに加熱するとなくなるが、冷えると戻る。
オ:ゼムグリップの磁性はじゅうぶんに加熱するとなくなり、冷えても戻らない。

(c)鉄の針金を使って点Aを中心に回転できる装置1とつくりました。
そして装置1の横に棒磁石を置き、針金の下2か所に火のついたろうそくを置きました(図9)。
図10は図9を上から見た図です。

上から見たとき、装置1はどのような動きをすると考えられますか。
もっとも適当なものを選びなさい。
ア:時計回りに少しずつまわり続ける。
イ:反時計回りに少しずつまわり続ける。
ウ:時計回りに少しまわり、その後反時計回りに少しまわることをくり返す。
エ:反時計回りに少しまわり、その後時計回りに少しまわることをくり返す。
オ:時計回りに少しずつまわり、1周まわる直前に動かなくなる。
カ:時計回りに少しずつまわり、1周まわった直後に動かなくなる。
キ:反時計回りに少しずつまわり、1周まわる直前に動かなくなる。
ク:反時計回りに少しずつまわり、1周まわった直後に動かなくなる。

(d)アルミニウム板のふちに、外側がN極になるように強い磁石をはりつけ、
点Bを中心に回転できる装置2をつくりました。そして装置2の横に鉄板を置き、
磁石の下2か所に火のついたろうそくをおきました(図11)。
図12は図11を上から見た図です。


上から見たとき、装置2はどのような動きをすると考えられますか。
もっとも適当なものを選びなさい。
ア:時計回りに少しずつまわり続ける。
イ:反時計回りに少しずつまわり続ける。
ウ:時計回りに少しまわり、その後反時計回りに少しまわることをくり返す。
エ:反時計回りに少しまわり、その後時計回りに少しまわることをくり返す。
オ:時計回りに少しずつまわり、1周まわる直前に動かなくなる。
カ:時計回りに少しずつまわり、1周まわった直後に動かなくなる。
キ:反時計回りに少しずつまわり、1周まわる直前に動かなくなる。
ク:反時計回りに少しずつまわり、1周まわった直後に動かなくなる。

@解説@
磁石をつかった装置が面白い(*´I`*)
問1:判断できる操作-ウ・エ、磁石-A
瓜二つの棒のうち、棒磁石と鉄の棒を判別する操作を選ぶ。わりと悩む(笑)

図1・2だと、動き出した理由がA・Bどちらにあるのかがわからない。
図5・6も、向きを変えただけでわからない。
図3では、端にくっついたBがAの中央付近で落ちた。
これは磁石の中央部から磁力線が出ないため
磁力線はN極から出て、回り込み、S極に戻って、棒磁石の中を通り、再びN極から出る。
Aの中央部から磁力線が出ないために、鉄の棒Bが落ちたといえる。
一方で、図4では、棒磁石Aの先端が常に鉄の棒Bに接しているので落ちなかった。

問2:(a)ウ
2mm程度であれば、木の板でもアクリル板でも磁力は透過する。

(b)イ・エ
実験結果だけで答える。
選択肢の構造がア~ウ、エ・オで分けられるので、各々から1つずつチョイス。
【ゼムクリップが落下】→磁性がない。
【ゼムクリップが引きつけられる】→磁性が戻る。
(あ)では、棒磁石を加熱すると磁性はなくなり、冷えても戻らない。
(い)では、ゼムクリップを加熱すると磁性はなくなるが、冷やすと戻る。
のちの問題でも使う知識なので取りこぼせない!

(c)ア
選択肢が8択もあるので、まぐれ当たりは期待できない…。

ゼムグリップは前問でいう針金
前問より、【針金を熱すると磁性はなくなる】。
棒磁石に近い3つの針金をピックアップ。

真ん中と下は磁性がなくなる。
上は加熱されていないので磁性があり、棒磁石に引きつけられる。
熱せられると磁性を失うが
、その上の針金がまた棒磁石に引きつけられるので、
装置1は時計回りに周る。
また、前問より、【針金は冷やすと磁性が戻る】から、
1周まわる間に針金は風にあたって冷やされるので、
一連の現象は繰り返され、回転は継続する。

(d)オ

今度は鉄ではなく、磁石を熱する。
【磁石は熱して磁性を失うと、冷やしても磁性は戻らない


4つの磁石をA~Dとする。
加熱でBとCの磁性がなくなり、磁石Aが鉄板を引き寄せ、
装置2は時計回りに回転する。
磁石は一度熱してしまうと冷やしても磁性が戻らないので、
前問のように回り続けることはない。

問題は、1周まわる直前に動かなくなる(オ)か、
1周まわった直後に動かなくなる(カ)のどちらか。
装置2が1周回ったというには、上図のBが再び右端(Bの位置)にくればいい。
初期状態でBとCの磁性がなくなり、Aから順に左にある磁石の磁性がなくなるので、
最後に磁性がなくなるのは磁石Dである
Dが図のAの位置からBの位置に移ったとき、
Dの左側にあるCはスタートの時点で磁性を失っているため、鉄板にくっつこうとしない。
Dが鉄板にくっつくと、装置2は惰性で(今までの勢いで)時計回りに動こうとするが、
本文では強い磁石とあるので、Dと鉄板がBの位置でピタッとくっつき、
惰性の回転を止めてしまい、その後、Dの強い磁性がロウソクの火で消えてしまうと考えられる。
つまり、DがBの位置にきたときに回転が止まり、Bが再び元の位置に戻らないので、
一周する前に回転が終わってしまう。

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