問題PDF
都市ガスの成分である2種類の気体A、Bについて次のような【実験】を行いました。
以下の問いに答えなさい。ただし、空気には窒素と酸素が4:1の割合で含まれており、
気体の体積はすべて同じ状態で測定しているものとします。
なお、この問題では重さをmg(ミリグラム)という単位で表します。
【実験1】
図のように、プラスチックのとう明な容器に石灰水をみたし、水そうに入れた石灰水にさかまさに立て、10cm3の気体Aと150cm3の空気をこの容器に入れた。次に点火装置で火花をとばし、気体Aを完全に燃やしたところ、残った気体の体積は130cm3であった。さらに、このとき石灰水中に生じた白い固体の重さを測ると45mgであった。
【実験2】
10cm3の気体Bと300cm3の空気をこの容器に入れて、【実験1】と同様に完全に燃やしたところ、残った気体の体積は250cm3であった。また、石灰水中に生じた白い固体の重さを測ると135mgであった。
問1
以下の文章はこの実験について説明したものです。
空欄( ① )~( ③ )にふさわしい気体をア~オからそれぞれ選びなさい。
また、( ④ )にあてはまる数値を答えなさい。
気体AとBを完全に燃やすといずれも元の気体はなくなり、水と( ① )が発生する。
発生した水は室温で液体となり、( ① )は石灰水にすべて吸収される。
よって、残った気体の中に水と( ① )は含まれていない。
また空気中に含まれる( ② )は反応しないので反応の前後で( ② )の体積は変化しない。
これより実験1で10cm3の気体Aと反応した( ③ )の体積は( ④ )cm3と求められる。
ア:アンモニア イ:塩化水素 ウ:酸素 エ:窒素 オ:二酸化炭素
問2
10cm3の気体Bを完全に燃やすのに空気は少なくとも何cm3必要ですか。
問3
気体Aと気体Bを混ぜて10cm3とし、同じ装置で完全に燃やしました。
その後、石灰水中の白い固体の重さを測ると72mgでした。
この気体10cm3に気体Aは何cm3含まれていますか。
また、この気体10cm3を完全に燃やすのに空気は少なくとも何cm3必要ですか。
@解説@
問1
①オ ②エ ③ウ ④20cm3
うしろの問題に影響するので正確に!
①
気体の名前は不明だが、都市ガスの成分なので有機物の燃焼と同じく考えればOK。
燃焼では水と二酸化炭素が発生する。
水はそのまま水槽の水の一部となり、二酸化炭素は水に溶けるので、残った気体に含まれない。
②
問題文から、空気の中には窒素と酸素しかない。
酸素は燃焼で消費される。反応しないのは窒素。
③
気体Aと反応したのは酸素。
④
『気体AとBを完全に燃やすといずれも元の気体はなくなる』
空気150cm3は、窒素:酸素=4:1に分けておこう。
気体A10cm3+酸素30cm3+窒素120cm3⇒窒素120cm3+〔何か〕10cm3
この〔何か〕は燃焼で使われなかった酸素である。
なぜなら、気体Aはなくなり、二酸化炭素は石灰水にすべて吸収されたから、
窒素以外で気体は酸素しかない。
気体A10cm3の燃焼に、酸素は30-10=20cm3使われたことになる。
(2)250cm3
前問と考え方は同じ。
気体B10cm3+酸素60cm3+窒素240cm3⇒窒素240cm3+酸素10cm3
気体B10cm3を完全に燃やすのに、酸素は60-10=50cm3使われる。
酸素が50cm3あるときの空気の体積は、50×5/1=250cm3
(3)気体A:7cm3、空気:145cm3
条件整理。
A10cm3の完全燃焼で沈殿物45mg、B10cm3の完全燃焼で沈殿物135mg。
この沈殿物の重さは燃焼で発生した二酸化炭素の量に依存する。
1cm3あたりではAが4.5mg、Bが13.5mg。
【AとBは合計10cm3、沈殿物は72mg】→鶴亀算
A+Bの2つの長方形の和が72mg。
左上の長方形は、13.5×10-72=63mg
よって、気体Aは63÷(13.5-4.5)=7cm3含まれている。
気体Bは3cm3となる。
気体A10cm3で酸素20cm3(空気は100cm3)
気体B10cm3で酸素50cm3(空気は250cm3)
混合気体10cm3の完全燃焼に必要な空気の量は、
100×7/10+250×3/10=145cm3
*都市ガスの成分はメタンとエタンかな?
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