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毎年日本には多くの台風がやってきます。その一部が日本に上陸あるいは通過し、大きな被害をもたらすことがあります。上陸とは台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合を言い、通過とは台風の中心が、小さい島や小さい半島を横切って、短時間で再び海上に出る場合を言います。この問題では、台風が上陸した場合も通過した場合も「日本に来た」と表すことにします。
次の表1は2017年から2019年の間に発生し、日本に来たすべての台風について、そのときの日付、階級、中心気圧、最大風速についてまとめたものです。なお、階級は気象庁がある基準にしたがって定めたものです。
(1)
9月に日本へ来た台風の中心気圧の平均値を答えなさい。
(2)
最大風速の小さい順に並べたとき、11番目である台風名を答えなさい。
(3)
表1から読み取れることとして適当なものを2つ答えなさい。
ア:気象庁は最大風速が70ノット以上の台風を階級が5であると定めている。
イ:2017年から2019年の間に、12月に台風が日本へ来たことはない。
ウ:2017年から2019年の間に日本へ来た台風について、
7月の最大風速の平均値と10月の最大風速の平均値を比べると、10月の方が大きい。
エ:最大風速が速いほど、日本各地に大きな被害がでる。
(4)
表1をまとめたグラフとして正しいものを、すべて選びなさい。
(5)
次の表2は、表1とは違う年に日本に来た台風の一部をまとめたものです。
この3つの台風のうち、階級5であるものは1つだけです。
どの台風か名前を答えなさい。
また、階級が5である台風はどのような条件を満たすと考えられますか。説明しなさい。
@解説@
(1)
9月に襲来した台風の中心気圧は975、950、960、960hPa。
950hPaを基準にして、これより上の部分を均してから950を足す。
(25+0+10+10)÷4=11.25hPa
11.25+950=961.25hPa
(2)
昇順に並べて数えるだけだが、下からだとキツイ。
全部で16個。下から11番目は上から6番目。
最大の85ノットが1個、80ノットが4個。
上から6番目は75ノットのシマロン。
(3)
ア:ジョンダリは65ノットで階級5に分類されている。×
イ:12月の台風はない。〇
ウ:7月は55、50、65、35ノット。10月は80、60、80ノット。
パッと見て、10月の方が平均値が大きい。〇
エ:最大風速が速いほど階級は大きそうだが、表1は日本に来た台風のリストであり、
被害状況についてはわからない。×
イ・ウ
(4)
時間がかかるので、本番では後回しにするのも手。
ア:階級3…2回、階級4…6回、階級5…8回。×
イ:重複を除外して調べる。階級3…998、1000hPa。
階級4…970、975、985hPa、階級5…950、955、960、970hPa。〇
ウ:2017年…5回、2018年…6回、2019年…5回。割合も合っている。〇
エ:すべてのプロットを検証するのは疲れる(´Д`)
グラフを全体的に俯瞰すると、中心気圧が高いほど最大風速が小さくなっている(負の相関)。
相関から外れる960hPa、40ノットの点に注目すると、表1で40ノットは998hPaしかない。×
イ・ウ
(5)
表1や前問エの散布図の通り、中心気圧が低く、かつ最大風速が大きい台風ほど階級値が高い。
ナムセウムとメギは中心気圧がともに980hPaだが、最大風速はナムセウムが大きい。
ノグリとメギは最大風速がともに60ノットだが、中心気圧はノグリが低い。
階級5はナムセウムかノグリのどちらかだが、表2ではわからない。
表1を見返すと、サオラがノグリと同じ975hPa、60ノットで階級4となっている。
ということは、ナムセウムが階級5である。
ナムセウムはノグリより中心気圧が高いので、中心気圧は階級に関係ない。
階級4で最大風速が最も大きいのはノル、サオラ・60ノット。
階級5で最も小さいのはジョンダリ・65ノット。
階級4と階級5の境は最大風速が60ノットより大きく、65ノット以下にある。
表からでは厳密にわからないが、解答は”最大風速65ノット以上”で大丈夫だと思う。
【解答】ナムセウム・最大風速が65ノット以上。
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