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2020年度 市川高校過去問【数学】大問2解説

問題PDF
4で割って1余る素数は、必ず自然数の平方数の和で表すことができることが分かっている。
例えば、13=22+32である。このとき、次の問いに答えよ。
(1)
2020を素因数分解せよ。

(2)
(ac+bd)2+(ad-bc)2を因数分解せよ。

(3)
2020を2つの自然数の平方数の和で2通り表せ。


@解説@
(1)
2020=22×5×101
*101は素数。

(2)
(ac+bd)2+(ad-bc)2
=a22+2abcd+b22+a22-2abcd+b22
=a22+b22+a22
+b22
=a2(c2+d2)+b2(c2+d2
=(a2+b2)(c2+d2

(3)
ここからが本番です。
2020を2つの自然数の平方数の和で示す。
求めたい形は、(自然数)2+(自然数)2
(2)より、(ac+bd)2+(ad-bc)2の形は、
(a2+b2)(c2+d2)と2数の積から生み出すことができる。
2020を(a2+b2)(c2+d2)の形に変形する

(1)より、2020=22×5×101
おのおのの素因数を(a2+b2)の形に直す。
2はそれ自体が平方数。
0を用いて、22=02+22
問題文から『4で割って1余る素数は、必ず自然数の平方数の和で表すことができる』
5と101は4で割って1余る素数である。
5=12+22
101=12+102

まとめると。。
2=02+22
5=12+22
101=12+102

2020=(22×5)×101と、22と5を1つの数に組み合わせてみる。
(2)の式【(a2+b2)(c2+d2)=(ac+bd)2+(ad-bc)2
2×5
=(02+22)×(12+22 ←a=0、b=2、c=1、d=2
=(0×1+2×2)2+(0×2-2×1)2
=42+(-2)2

(-2)2は22と同じなので、わかりやすいように42+22に変換。
これに101をかければ積が2020になる。
2020=(42+22)×101
=(42+22)×(12+102) ←a=4、b=2、c=1、d=10
=(4×1+2×10)2+(4×10-2×1)2
=242+382

もう1つは、3行前の式の12と102を逆にしてみる。
(足し算は項を逆にしても、交換法則で和が等しい)
(42+22)×(102+12
=(4×10+2×1)2+(4×1-2×10)2
=422+(-16)2

-16は自然数ではないが、(-16)2=162なので、
もう1つの答えは、162+422となる。
【解答例】162+422、242+382

@余談@
2×5=42+22を公式に代入せず、
和が20となる2つの平方数の組み合わせを探したほうが早い。

@余談2@
他にも求め方は複数ある。
×(5×101)でまとめると、
5×101
=(12+22)×(12+102
=(1×1+2×10
2+(1×10-2×1)2
=212+82

2×(212+82
=(02+22)×(212+82
=(0×21+2×8)2+(0×8-2×21)2
=162+(-42)2
→162+422

5×(22×101)でまとめたり、これらの順番を変えても同様。
2乗をすると負の数が正の数に変わるので正確に書くと

2=02+(±2)2
5=(±1)2+(±2)2
101=(±1)2+(±10)2
abcdは負の数を入れてもOK。

◆◆◆
元ネタを調べてみました。
問題文の『4で割って1余る素数は、必ず自然数の平方数の和で表すことができる』は、
フェルマーの二平方定理という。
5=12+22
13=22+32
17=12+42
29=22+52

(a2+b2)(c2+d2)=(ac+bd)2+(ad-bc)2
↑これはブラーマグプタの恒等式というらしい。

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