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三角形と四角形を組み合わせて作られた立体があり、【図1】はその見取図である。
【図2】から【図5】は、この立体を真上、真下、真正面、右側から見たときの図である。
【図2】では四角形ABFE、DAEI、HCAD、CGBA、【図3】では四角形FGHI、【図4】では四角形HCAD、【図5】では四角形IDAEは正方形である。また【図4】では△AIG、【図5】では△AFHは直角二等辺三角形である。辺ABの実際の長さが3cmであるとき、次の問いに答えなさい。
(1)
この立体の表面積を求めなさい。
(2)
この立体の体積を求めなさい。
(3)
この立体を3点C、H、Iをふくむ平面で2つに分ける。
面FGHIをふくむ側の立体の体積を求めなさい。
@解説@
(1)
AB=3cmしか情報がないので、他の辺の長さを調べる。
回転対称(回したら元の図形とピッタリ重なる)からAB=AC=AD=AE=3cm
真上の図で4つの四角形は正方形→CはGHの中点。
真上の〇と真正面の●は同じ長さか不明でも、図を重ね合わせると真正面のCはAGの中点にくる。
AC=3cmだから、CG=3cm
回転対称からCH、DH、DIなども3cm。
→四角形ACHDは1辺3cmの菱形で、他3つも合同の菱形である。
残りの辺がとても厄介。
3cmを斜辺とする直角三角形を作成する。
他に使えそうな情報は、真正面の図で△AGIが直角二等辺であること。
B・C・D・Eで横に切り取ると、切断面は正方形。
Aから垂線を下ろし、正方形BCDEとの交点をMとする。
Mを通るCDに平行な線をひき、BC、EDとの交点をそれぞれJ・Kとする。
△AJK∽△AGIより、△AJKは直角二等辺三角形。
MはJKの中点だから、右半分の△AMKも直角二等辺。
AM=①とするとMK=①(真正面の図でみるとMD=①)
真上の図で△AKEも直角二等辺で、AE=〇√2
立体図から△AMEで三平方→AK=〇√3=3cm
AM①=3×①/〇√3cm=√3cm
CE=〇2√2で、これが底面の四角形の1辺であるHIの長さにあたる。
√3×〇2√2=2√6cm
底面の四角形FGHIは1辺2√6cmの正方形である。
Mの真下で底面の正方形との交点をNとする。
MN=AM=①だから√3cm(1階部分と2階部分の高さは共に√3cm)
DE=②、√3×②=2√3cm
AK=〇√2→AI=〇2√2、√3×〇2√2=2√6cm
ようやく必要な情報がすべてそろった(;´・ω・)
立体の表面積は、2√6×2√6+2√3×2√6÷2×4+2√6×√3×4÷2
=24+24√2+12√2
=24+36√2cm2
@余談@
このアングルでは見にくいですけど、△AGIと△AHFは合同の直角二等辺で、
四角錘AーFGHIは1辺がすべて2√6の正四角錘である。
AH=2√6だから、菱形を縦に割った△ADHは△DHIと合同で、
正方形FGHI+△DHI×12
=(2√6)2+2√6×√3÷2×12
=24+36√2cm2でもいけました。
(2)
2階部分の正四角錘AーBCDEを十字に4分割する。
その4分の1である三角錐A―MDEをひっくり返して下の部分にあてはめる。
これをもう3箇所で行うと、求積すべき立体は直方体になる!
先ほど底面積は24cm3と出したので、24×√3=24√3cm3
(3)
C・H・Iを含む切断面とABとの交点をOとする。
切断面の真横から見た図形は五角形であり、縦2√3cm、横2√6cmの長方形を4分割すると、
Oの位置がABの中点にあると見えやすい。
面ACEで分割する。
立体ACE―DHIは斜めに傾いているが、底面△DHI、高さ√6cmの柱体とみなせる。
また、三角錘OーACEにおいて、底面の△ACEは△DHIと等しく、高さは√6/2cm。
2√6×√3÷2×√6+2√6×√3÷2×√6/2÷3
=7√3cm3
求めたい立体は反対側なので、24√3-7√3=17√3cm3
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