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2021年度 都立西高校過去問【数学】大問4解説

問題PDF
先生が数学の授業で次の【課題】を出した。この【課題】について考えている【太郎さんと花子さんの会話】を読んで、あとの各問いに答えよ。

【課題】
3以上の自然数Nを、2つの自然数x、yの和で、N=x+yと表す。ただし、x>yとする。
さらに、xとyの積xyを考える。
このとき、積xyが2つの自然数m、nの平方の差で、xy=m2-n2と表すことができるのは
Nがどのような場合か考えよ。

【太郎さんと花子さんの会話】
太郎:まずはNに具体的な数を当てはめて考えてみよう。N=8としたらどうかな。
花子:8は7+1か6+2か5+3だから、N=8のときxとyの積xyは3組あるね。
太郎:7×1=42-32、6×2=42-22、5×3=42-12だから、
 N=8とすると積xyは、必ず自然数の平方の差で表すことができるね。
 N=7とするとどうかな。
花子:(1)積xyは、必ずしも自然数の平方の差で表せるとは限らないね
太郎:Nとしてもっと大きな数でいくつか考えてみようか。
 N=2020やN=2021の場合はどうかな。
花子:大きな数だからすぐには分からないけど、積xyを自然数の平方の差で必ず表すためには
 Nに何か条件が必要だと思う。
太郎:そうか、分かった。
 (2)Nが偶数のときには、積xyは必ず自然数の平方の差で表すことができるよ
花子:N=x+yだから、2つの数x、yがともに偶数ならNは偶数だね。
太郎:そうだね。ちなみに、2つの数x、yについて【表】で示される関係があるよ。
 ア~オには偶数か奇数のどちらかが必ず入るよ。

花子:なるほどね。じゃあ、N=2021の場合は、
 積xyは自然数の平方の差で必ずしも表せるとは限らないということかな。
太郎:そうだね。たとえば、2021=x+yとして、x=2019、y=2のときは、
 積xyは自然数の平方の差で表せないけど、(3)x=1984、y=37のときは
 積xyは自然数の平方の差で表すことができるよ

問1
(1)積xyは、必ずしも自然数の平方の差で表せるとは限らないね。とあるが、
N=7の場合、自然数の平方の差で表すことができる(x、y)の組は1組である。
このときxとyの積xyを求めよ。

問2
(2)Nが偶数のときには、積xyは必ず自然数の平方の差で表すことができるよ
が正しい理由を文字N、x、y、m、nを用いて説明せよ。
ただし、【表】のア~オに偶数か奇数を当てはめた結果については証明せずに用いてよい。

問3
(3)x=1984、y=37のときは、積xyは自然数の平方の差で表すことができるよ。とあるが、
1984×37=m2-n2を満たす自然数(m、n)の組は何組あるか。


@解説@
問1
実際に試してみる。
7=6+1=5+2=4+3
6×1=6、5×2=10、4×3=12

平方数を並べる。
【1、4、9、16、25、36…】
16-4=12なので、積xyは12。

問2
N=x+y(x>y)
xy=m2-n2(m+n)(m-n)

条件整理。
x、y、m、nは自然数。xy>0、m+n>0
xy=(m+n)(m-n)
だから、m-nも正の数(m-n>0)。
m+n>m-n、x>yなので、xが(m+n)、yが(m-n)に相当する

x=m+n…①、y=m-n…②の連立方程式を解く。
①+②
 x=m+n
+)y=m-n
x+y=2m
m=(x+y
)/2

①-②→n=(x-y)/2

mとnは自然数だから、分子の(x+y)と(x-y)は偶数でなくてはならない。
x+yとx-yがともに偶数となるには、xとyがどちらも偶数か奇数でなくてはならない
偶数+偶数=偶数、奇数+奇数=偶数なので、N=x+yにおいてNは偶数となる。

問3
1984を素因数分解すると、1984=26×31
【xy=1984×37=26×31×37=(m+n)(m-n)】
前問よりxとyはいずれも偶数か奇数でなければならない。
xyは素因数2を含むので偶数
偶×偶=偶、奇×奇=奇だから、xとyはともに偶数で
(偶数)×(偶数)の形しかない

また、m=(x+y)/2、n=(x-y)/2から、
xとyの値がわかれば、自動的にm、nの値も判明する。

x、yがともに偶数となるように素因数2を分配する
5×31、2×37
4×31、22×37
3×31、23×37

2×31、24×37
2×31、25×37
5、2×31×37
4、22×31×37
3、23×31×37
2、24×31×37
2、25×31×37
以上、10組。
*【25×31、2×37】であれば、x>yからx=25×31=992、y=2×37=74
m+n=992、m-n=74の連立をとくと、m=533、n=459となる。
本問はm、nの組み合わせの個数を求めるので、mとnの値はいちいち出さなくていい。
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