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下の図1に示した立体ABCD―EFGHは、1辺の長さが3cmの立方体である。点Pは、この立方体の内部および全ての面、全ての辺上を動く点である。頂点Aと点P、頂点Bと点Pをそれぞれ結ぶ。AP=acm、BP=bcmとする。次の各問に答えよ。ただし、円周率はπとする。
〔問1〕
点Pがa=b=3を満たしながら動くとき、点Pはある曲線上を動く。
点Pが動いてできる曲線の長さは何cmか。
〔問2〕
下の図2は、図1において、頂点Dと頂点E、頂点Dと頂点F、頂点Eと点Pをそれぞれ結び、点Pが線分DF上にある場合を表している。a+bの値が最も小さくなるとき、立体P―ADEの体積は何cm3か。ただし、答えだけでなく、答えを求める過程が分かるように、図や途中の式などもかけ。
〔問3〕
下の図3は、図1において、a≧bのとき頂点Hと点Pを結んだ場合を表している。HP=ccmとし、点Pがb=cを満たしながら動くとき、点Pはある多角形の辺上および内部を動く。点Pが動いてできる多角形の面積は何cm2か。
@解説@
〔問1〕
面ABCD上に、辺ABを1辺とする正三角形ABQをつくる。
この正三角形ABQをABを軸として面AEFBまで回転させるイメージをする。
ABの中点をRとする。△ARQは1:2:√3の直角三角形→RQ=3√3/2cm
求める長さは、半径が3√3/2cmである4分の1円の弧の長さ。
3√3/2×2×π×1/4=3√3/4πcm
〔問2〕
なんとなくPはDFの中点だと察せるが、説明問題ゆえ逃げられない(´゚д゚`)…
PはDF上を動く。
線分APは△ADF上を、線分BPは△BFD上を動くことに着目する。
AD=BF=3cm、AF=BD=3√2cm
AD⊥面AEFB、BF⊥面ABCDより、∠DAF=∠FBD=90°
2辺とあいだの角が等しく、△ADF≡△BFD
合同な2つの直角三角形を合わせると長方形になる。
APとBPが最短となるのは、ABとDFの交点がPのとき。
長方形の対角線は各々の中点で交わるから、PはDFの中点である。
Pは立方体の中心である。
四角錐P―ADHEは立方体の6分の1。
(P―ADHEを6つ組み合わせると立方体になる)
三角錐P―ADEは底面積が四角錘の半分⇒体積半分なので、
33÷6÷2=9/4cm3
@@
公式解答では三角錐F―ABDの展開図から説明しています。
〔問3〕
先にb=cを考える。
BP=HPということはPはBとHから距離が等しい点の集合で、
これがどうやら多角形になるらしい…。
適当な辺でPの位置を探るのがやりやすい。
最短距離→展開図の要領で考えると、CDとCGの中点が該当する。
他の辺も調べると、立方体内部でBとHから等しい点の集合は正六角形になる。
正六角形の1辺は等辺が3/2cmの直角二等辺の斜辺→3√2/2cm
次にa(AP)≧b(BP)を考える。
この正六角形のうち、AP=BPの場合を含めたBに近い方の面積を求めたい。
ABの中点★を通り、ABに対して垂直な面が両点からの距離が等しい点の集合である。
この面より右側にある正六角形の半分が答えになる。
求積すべき図形は、1辺が3√2/2cmの正三角形の3個分に相当する。
正三角形の高さは3√6/4cm。
3√2/2×3√6/4×1/2×3=27√3/8cm2
@余談@
立方体の辺上において、Bから距離が等しい複数の点を動かして考えてみる。
最初はBA、BC、BF上の3点で三角錘が拡大していくが、頂点A・C・Fを過ぎると六角形になる。
これをH側からもやってみると、B側の青とH側の赤の面が重なるのは正六角形である。
@余談2@
PはBとHから距離の等しい点の集合。
立方体を斜めから見ると、求めるべき多角形は点Pを通る線分BHに垂直な線となる。
この線とDB、HFとの交点をそれぞれI・Jとする。
△BHF∽△PHE∽JPE(2角相等)より、BF:FH=JE:EP=PE:EH=1:√2
比を合わせると、HE:EJ=②:①
EF=HE=②だから、JはEFの中点である。
対称性からIもDAの中点。
これを立体で捉えなおすと左図のようになり、あとはこれらを通る立方体の切断面を考えばいい。
@余談3@
立方体を対角線上(上図はB方向から)から眺めると、アウトラインは正六角形になる。
中心のB・Hから6辺にひいた垂線は、実際の立体でも同じ長さである。
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