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2016年度 センター試験(現代社会)解説

昨年と比べて難しくなっています。
問題はコチラ→東進ハイスクールさん
表グラフは2題。レアル安の処理を除けば易しい。
現存する法律が廃止された、明示がないのに明示があるなど、いやらしい選択肢がある。
あくまで概要のみ!また、自分の知っている分野とそうでない分野で解説に偏りがあります。

大問1

アメリカの富裕層が独自の自治体をもつことで、分離された住民が財政危機に陥り、十分な公的サービスを享受できない例を挙げて、自由と平等の均衡を保つ難しさを紹介する。
(1)①
眺望権は権利としてストレートに承認はされていないが、「法的保護に値する利益」として認める裁判例はある。
権利性は弱いので、眺望の利益を侵害する行為は違法と判断されにくい。
②逆。最高裁は13条(プライバシー権)に反しないと判示。というか、違憲判決ならやってない。住基ネットは自治体中心であったが、マイナンバーは国が主導
石に泳ぐ魚事件。法学部志望の人は必須。
④かつては、15歳未満の者のドナーカード(現在の臓器提供意思表示カード)の記載は事務次官通知で効力が認められず、かつ、家族の代諾も認められなかった。その後、もめにもめた結果、改正臓器移植法では、本人の意思が不明であっても家族の承諾で脳死判定・臓器提供が認められるようになった。子供の心移植は新聞記事になっている。

(2)③
①かつては、法律で定める一定の業務以外の業務への派遣は原則禁止(ポジティブリスト)であったが、現在は、法律で定める一定の業務以外の業務への派遣が原則自由(ネガティブリスト)となっている。
②削減ではなく、維持。
③Small Office/Home Office
④日本の男性の育児休暇取得率は低い(2%ほど)。これを知っていれば、短時間勤務や残業免除はほとんど実現はされてはいないものの、制度上の話では男女同等の観点から同等になっていると推測できる。

(3)②
①予算案提出は内閣。(憲法73条5号)実際は、内閣総理大臣が提出しているけど。
②本肢は建設国債。
財政投融資は過去問頻出。郵貯・年金の預託廃止、財投機関債も注意。
③財政の硬直化。
財政法4条では原則公債発行禁止、同条但書きで建設国債を認めている。赤字国債は次世代への借金増加につながるため、財政法では禁止。しかし、恒常的に予算が足りないため、新しい法律をつくっては継続して発行されている。。特例法に基づくから特例国債ともいわれる。

(4)④
情報の非対称性とは、簡単にいえば情報格差。モノ・サービスの売り手である企業と、買い手である消費者との間には、モノ・サービスに関する情報が売り手に偏在する。市場の効率性を欠く要因の一。
③お金持ちから多額の税金を徴収し、それを公的サービスで還元するから所得の再分配。
④非価格競争が”強まる”。寡占市場では、管理価格による安値勝負といった価格競争ができない。そこで、商品価値の差別化や宣伝広告、パッケージの変更、アフターサービスの付加など価格以外の競争(非価格競争が強まりやすい。

(5)①
②預金保護上限額を設定している。1000万+利息。
③④中小企業基本法は存続、消費者保護基本法は消費者保護法の前身。

(6)③
表問題。該当箇所を的確にみていく。難しくはない。
感覚で結果を予測できるものもある。。

(7)②
①難しい。らい予防法が廃止されたあとに、国家賠償請求訴訟が提起された。違憲判決を受けて廃止された形ではない。ハンセン病患者が、らい予防法で隔離措置を受けていた現実は憶えておこう
(1963年に開かれた国際会議の場ではハンセン病者の隔離政策が時代に合わないとされたのに、そこから30年も日本は隔離政策を続けていた)
③もともと法的義務であったものもあれば、段階的に努力義務から法的義務になったものもある。
④議員定数不均衡違憲判決。本来、憲法に反した選挙の効力は無効であるものの、選挙を無効にすると政治の空白が起きたり、再び選挙を行わなくてはならないので、事情判決の法理の考えから公益を理由に”違憲だけど有効”と裁判所は判断する。

(8)①
①ロールズの正義論は過去問にでたような。
功利主義の矛盾・問題点を突き、実質的な利益配分に着目する。
アンガジュマンは実存主義でおなじみのサルトルの言葉らしい・・。調べてみると、「特に、知識人や芸術家が現実の問題に取り組み、社会運動などに参加すること」と説明されていた。言葉の背景は倫理の先生に聞いてください。J.S.ミルはベンサムと同じく功利主義
③「最大多数の最大幸福」→迷わず、功利主義ベンサム
④知らない。調べてみたら、インドの経済学者であるアマルティア・センの「潜在能力アプローチ」がヒットした。厚生経済学とよばれる、人々の満足度を高める状況・手法を探求する分野があるらしい・・(汗)倫理?の先生に聞いてください(o´д`o)

大問2

(9)④
一億総中流とは、日本人の多くが自分は中流階級だと考える社会意識。高度経済成長期終期(1970年代)以降。どことなく、一億総活躍社会を彷彿させる・・。
②大衆民主主義社会だから、世論形成に大きな影響を与えるマスメディアの力が上昇↑↑
③「孤独な群衆」がわからなくても、毎度でてくるリースマンの他人指向型でわかる。
フロムの「自由からの逃走」。自由とは何か、自由が大衆にもたらすものをドイツのファシズム化(ナチズム)をもとにひもとく。現代人ならば知っておきたい思想。

(10)②
金融再生法は金融機関の破綻で使われる。消費者の多重債務問題は総量規制とか。
②消費者問題を担当する相談窓口がわからなかったり、役所間でたらい回しにされたことから、消費者行政の一元化→消費者庁の設置。内閣府の外局に設置。
③生協は協同組合。公金ではなく、組合員から募った出資金で運営。
④国民生活センターは消費者庁(国)が所管する独立行政法人。消費生活センターは各自治体で設置される。互いに分立しているわけではなく、協力連携しあって消費者問題の対処に努めている。

(11)①
①二酸化炭素ではなく酸素。 ③第二次産業から第三次産業への転換。

(12)③
①日本十進分類法を知りませんでした。 ②肖像権 ④引用 ③が明らかに違う。

(13)①
②法テラス ③インターン ④十分な説明の上での同意。懐疑論もあるけど。。


大問3

ごみの経路は「山・川・海」というつながりで捉えることの重要性。
(14)①
①11条など。拡大生産者責任。生産者は生産すればおしまいではなく、廃棄についても一定の責任が及ぶとする考え。これにより、生産者は環境に配慮した生産を考えざるを得なくなる。
3Rの優先順位。リデュース>リユース>リサイクル。まずは無駄を減らせということですね。リサイクルは金かかるし。
④余力のある人は、典型七公害も覚えておこう。

(15)②
①教育委員会、選挙管理委員会、公安委員会など。
②首長ではなく監査委員。監査委員も行政委員会。
オンブズマン条例。国レベルのオンブズマン制度はない。

(16)④
ラムサール条約バーゼル条約は、有害廃棄物の輸出入・処分に関する取り決め。
②故意+過失(過失責任主義)。環境法分野では、無過失責任が導入されている。
③”持続可能な開発”が理念として盛り込まれたのは、1992年地球サミットでのリオ宣言
人間環境宣言は20年前の1972年スウェーデンのストックホルムで開催された会議で採択
濃度規制では希釈して薄めれば潜脱ができた。そこで、排出総量を基準とする総量規制が加えられた。

(17)②
①外部経済 ③美観向上で観光業が盛んになったり、不動産投資が活発になれば、経済活動にプラスの影響を及ぼすので外部効果といえるが、「快適に過ごせる」だけでは”効果”といえるか怪しいところ・・。仮に、個人の満足感が効果に当たるとしても、プラスに働くので外部効果といえるのかもしれない。
④需要と供給のバランスから、市場内部の話。

(18)③
①候補者であってもなくても戸別訪問は一律禁止されている(違憲論もあるが)。
連座制。個人主義(責任主義)の例外。
④普通選挙。直接選挙の理解は間接選挙との対比で。

(19)②
①公害対策基本法。のちに環境基本法に脱皮。
汚染者負担の原則(PPP)は環境法の重大原則の一。
汚染物質を排出した者が、その排出責任を負う。
③むしろ、環境税で徴収した税金は、再生可能エネルギー促進に充当されるべき。
④環境基本法。

(20)③
①すべて国税 ②所得の”低い”人ほど税負担の割合が高くなる。
④憲法84条、租税法律主義。

(21)①
①小売店を保護するため、大型店の地方進出に歯止めをかける法律があった。
②青森ではリンゴ園が放任園となり、人の管理が及んでいない放任園で発生した害虫が周囲のリンゴ園に被害を及ぼし、問題になっていると聞いたことがある。
③民間が主体  ④TPPの影響で農業法人による農業経営の合理化が進められている。

大問4

(22)③
ドッジ・ラインは、戦後の日本経済復興のために行われた金融引き締め政策。
インフレは収まったがデフレが進行する。
②円安は輸出産業にメリット。 ④公定歩合引上げによる金融引き締め策。

(23)②
①累進課税、ビルド・イン・スタビライザー ③不況+インフレ。オイルショックなど。
ジュグラーの要因は設備投資。大きな技術革新はコンドラチェフ

(24)①
マーストリヒト条約に通貨同盟の設立や単一通貨の導入が定められている。リスボン条約は、EU憲章の未発効(フランス・オランダの国民投票否決)を受けてつくられた、EUの新たな基本枠組み条約。
③一定水準”以上”。国際金融機関の財務健全化を図り、世界的な金融危機を予防。
BIS規制はバーゼル合意ともいう。
BIS規制…自己資本比率8%以上を銀行に課し、財務の健全を保つ。
護送船団方式による金融機関への甘やかしをなくすために金融ビッグバンを実行する

(25)④
物価変動を考慮する実質GDPの変化率が実質経済成長率
国民純福祉(NNW)福祉水準を図る指標。グリーンGDPとともに、GDPでは測れない幸福度を数値化しようと試みるが、算出方法が不明と指摘されている。
③GDPとGNIが逆。GNP(国民総生産)がGNI(国民総所得)に変わった。

(26)③
ア・・600以上のAorBが中国。
イ・・AorCがブラジルorロシア。
ウ・・2011年度のブラジルの状況を100%とおく
レアル建てで約6%成長したので、2012年度は106%。
ここで、米ドルに対して約17%のレアル安が発生。2011年度の交換比率を1$=100レアルとおくと、2012年度は1$=117レアルとなる。GDPを米ドル換算すると、106%×100/117=90.59・・=90.6%。2011年度GDP×90.6%=2012年度GDPとなる、Cがブラジル。


大問5

(27)④
①第二次性徴期。
②ハヴィガーストは過去問にでているが、発達課題の内容まで覚えるのはツライ。本肢は「青年期を迎える前に~」となっているが、青年期における発達課題。
③以前は青年期の年齢はいつからいつまでかという話もあったようだが、今では年齢基準を明確に設けない考えもある。
マージナル・マンのレヴィンはセンター常連人物。

(28)③
G20金融サミットは、リーマンショックの直後に開催。②垂直分業 ④貿易赤字

(29)⑥
A:イニシエーションは通過儀礼。
BC:第二反抗期の名付け親はビューラー。これがわからなくても、「自分が自分であることの確信を得る」→アイデンティティー→エリクソン

(30)④
積立方式と賦課方式。積立方式では、経済状況や運用実績によって受給できる年金額が増減する。
確定拠出年金は私的年金の1つで企業単位でも行われている。
③憲法25条2項。公衆衛生の具体例はいくつかいえるようにしておこう。
④原則1割自己負担。

(31)③
②支払準備預金。金融政策にででくる。
コール市場は金融機関同士で行われる短期資金の貸し借り。
④以前はマネーサプライとよばれていた。

大問6

難しい選択肢あり。
(32)④
①国際法の父こと、グロティウスの著書。 ②内閣。条約の公布は国事行為。
植民地独立付与宣言を採決したのは国連総会。 ④国際法では慣習法が重要な法源。

(33)②
①一時期、クルディスタン共和国というクルド人国家があったが消滅。
②スーダンのダルフール紛争
ウィーン宣言世界人権会議にて採決。世界人権宣言採択(1948)の20年後にテヘランの国際人権会議、その25年後に世界人権会議。

(34)④
①安全保障理事会の決議は、9カ国以上の理事国が賛成し、常任理事国5カ国が反対をしないこと。武力行使容認決議についても同様。全理事国の賛成を決議要件にすると円滑な意思決定ができず、対応が遅れる。
国連憲章51条で個別的・集団的自衛権の存在を認めているが、国連総会が国連加盟国に武力行使を勧告する明示はどこにもない。
③広島
クラスター爆弾とは大きい爆弾のなかにたくさんの小さい爆弾がつまっていて、それをバラまいて破壊する爆弾。
クラスター爆弾禁止条約で使用・製造・取引などが禁止される。

(35)②
②オーストラリアと捕鯨をめぐってバトル経験済み。日本敗訴。
仲裁裁判所は世界初の国際的司法機関。第一次世界大戦前からあるが、現在も存続している。国際連盟の設立に伴って常設仲裁裁判所へ。
国際海洋法裁判所。日本は、みなみまぐろ調査漁獲とロシアへの日本船解放の件で当事国になっている。

(36)①
①インドネシアやフィリピンからの看護・介護職受け入れの話は新聞記事にでてくる。日本語による国家試験がネックに。
TPP初代メンバーはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド
③IMFの役割そのもの。
ウルグアイ・ラウンド
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QUIZ…☆4以上はムズいよ!
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