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自然の長さが10cmで重さの無視できるばねを天井につるしておもりを取りつけるとばねは伸び、ばねを床に取りつけておもりをのせるとばねは縮みます。このばねの長さとおもりの重さの関係は、グラフのようになります。
(1)
このばねを2つ用意し、40gのおもりの上下に取りつけました。上側のばね1の端を天井に、下側のばね2の端を床に取りつけ、ばね1、ばね2の長さがそれぞれ10cmになるようにおもりを手で支えました。ばね1、おもり、ばね2は一直線上にある状態になっていました。おもりを静かにはなしてしばらく待つと、ばね1、おもり、ばね2は一直線上にある状態で静止しました。このとき、ばね1とばね2の長さはそれぞれ何cmになりますか。四捨五入して整数で求めなさい。
ばねの代わりに、自然の長さが10cmで重さの無視できるゴムひもを用いると、ゴムひもはばねと同じように伸びますが、縮めようとしてもたるんでしまうため、ゴムひもは10cmの長さのままです。ゴムひもの長さとおもりの重さの関係は、グラフのようになります。
(2)
このゴムひもを2つ用意し、(1)のばね1、2の代わりにゴムひも1、2を取りつけました。おもりを静かにはなして止まるまで待つと、ゴムひも1とゴムひも2の長さはそれぞれ何cmになりますか。四捨五入して整数で求めなさい。
ゴムひも1の端を天井からはずして手で持ち、ゴムひも1とゴムひも2をたるんだ状態にして、おもりを床に置きました。はじめにおもりと手の距離を0cmとしてから、ゴムひも1を持つ手をおもりの真上に向けて一定の速さでゆっくりと動かし、ゴムひもの合計の長さが30cmになるまで引っ張りました。
(3)
手を動かし始めてから時間を横軸に、ゴムひも1とゴムひも2の長さを縦軸にとったグラフとして正しいものをそれぞれ1つずつ選びなさい。
次に、下の図のように、太さが均一な40gの棒の左端をばねばかりで、右端をゴムひもでつるし、水平になるようにしました。ばねはかりは1kgまではかることができます。棒のちょうど中央におもりをつるせるようになっていて、中央におもりをつるしたときに、ゴムひもがどれだけ伸びるか調べる実験をしました。
棒の中央に100gのおもりを1個ずつ増やしていった場合について、ゴムひもの長さを測定しました。その結果は、下の表のようになりました。
(4)
おもりの重さが200gのとき、ばねはかりの目盛りは何gを指していますか。
四捨五入して整数で求めなさい。
(5)
今度は、100gのおもりを何個かゴムひもに直接つるしました。これまでの実験結果から、おもりの個数とゴムひもの伸びの比が変わらない(おもりの個数とゴムひもの伸びが比例している)のは、おもりが何個のときまでと考えられますか。
@解説@
(1)ばね1…12cm、ばね2…8cm
グラフより10gで1cm伸びるから、ばね1が40gを支えるので14cmと6cm…ではない!!
ばねは伸びたら縮もうとし、縮んだら伸びようとする。
もとの自然長に戻ろうとする力を弾性力という。
弾性力でばね1はおもりを上にあげ、ばね2は下から押す。
2つのばねは同じばねで、グラフから縮んだときと伸びたときののびの大きさは同じだから、
40÷2=20gずつ均等にかかっている。
ばね1は2cm伸びて12cm、ばね2は2cm縮んで8cm。
(2)ゴムひも1…14cm、ゴムひも2…10cm
一方で、ゴムひもは伸びるときに弾性力が働くが、たるんだときは弾性力が働かない。
ゴムひも1に40gがかかるので長さは14cm。
ゴムひも2はたるんだ状態で、たるんでいるときの長さはグラフから10cm。
(3)ゴムひも1…か、ゴムひも2…お
横軸の時間が詳しく記載されていないので変化に注意する。
はじめ、ゴムひも1はたるんでいる状態で10cmのまま。
10cmを超えると、おもりの重さは地面だけでなくゴムひも1にもかかって伸びる。
ゴムひも1が14cm伸びておもりが地面から離れると、ゴムひも1に40gすべてがかかる。
24cmを超えるとゴムひも2が伸びて下からひっぱり、ゴムひも1が上からひっぱり伸びる。
このとき、手に引っ張られて変形する伸び率は1と2で半分ずつ。
(4)120g
均一な棒なので、棒の重さ40gはおもりが吊るされる真ん中にかかる。
ばねはかりにかかる重さは、(200+40)÷2=120g
(5)3個
表の最初のほうでは100gで5cmずつ伸びているが、
600g→700gで6cm伸びている。
おもりが600gのとき、ゴムひもにかかる力は(600+40)÷2=320g
700gでは、(700+40)÷2=370g
320~370gのどこかで比例関係が崩れる。
おもりの重さの合計は100の倍数なので、おもり3個まで比例関係がつづく。
*元に戻らなくなる限界値を弾性限界という。
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