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2019年度 栄光学園中学過去問【算数】大問4解説

問題PDF
A君はツルを1個折るのに130秒、カメを1個折るのに90秒かかります。
B君はツルを1個折るのに160秒、カメを1個折るのに120秒かかります。

(1)
A君とB君が2人合わせてツルを20個折りました。
A君が折っていた時間とB君が折っていた時間の合計は2990秒でした。
A君が折ったツルの個数を答えなさい。

(2)
A君とB君が
同時に折りはじめ、2人合わせてツルを10個、カメを10個折りました。
A君が折っていた時間とB君が折っていた時間の合計は2500秒でした。

A君はツルとカメを何個ずつ折りましたか。
考えられる組み合わせを下の例にならってすべて答えなさい。
例)ツルを1個、カメを3個折った場合・・(1、3)


①の答えの組み合わせの中で、折りはじめてから完成するまでにかかった時間が最も短くなる組み合わせと、そのときにかかった時間を答えなさい。例えば、A君が2000秒、B君が500秒折っていた場合は、完成するまでに2000秒かかったことになります。

(3)
A君とB君が同時に折りはじめ、2人合わせてツルを10個、カメを10個折るとき、完成するまでにかかる時間は最も短くて何秒ですか。また、そのとき、A君はツルとカメを何個ずつ折りましたか。(2)の例にならって、考えられる組み合わせをすべて答えなさい。


@解説@
(1)
ツルだけ。典型的な鶴亀算。

太い枠線が2990。
左上の長方形は、160×20-2990=210
210÷(160-130)=7個

(2)①
ここから厳しくなってくる(;´Д`)
ツル10個、カメ10個、AとBで時間の合計が2500秒となる組み合わせを見つける。

数字を斜めに見てみよう
130+120=250秒、90+160=250秒

…ということは、Aがツルだけ、Bがカメだけ折ると2500秒。
反対に、Aがカメだけ、Bがツルだけ折っても2500秒になる。

Aがツルだけ(ツル10個)、Bがカメだけ(カメ10個)折る時間が2500秒。
もし、Aが1個だけツルからカメに交換すると、この場合も時間の合計は2500秒となる。
なぜなら、Aがツル→カメのとき、130秒→90秒と40秒短くなるが、
Bがカメ→ツルだと、120秒→160秒と40秒長くなるので、時間の合計は変わらないから。

つまり、Aがツルだけでカメを全く折らない(10、0)から段階的に考えると、
組合せは(10、0)(9、1)(8、2)(7、3)(6、4)(5、5)
(4、6)(3、7)(2、8)(1、9)(0、10)となる。
数字を観察し、数的センスで突破する。


①の答えの中から時間の合計ではなく、完成までの時間が最も短くなる組み合わせを求める。
完成までの時間を短くするには、できるだけAとBが同時に作業している時間を増やす。

(10、0)の場合、すなわち、Aがツル10個、Bがカメ10の場合、
A…130×10=1300秒
B…120×10=1200秒
全体で作業は1300秒で完了する。

ここから、Aのツル1個をカメ1個に交換(Bのカメ1個をツル1個に交換)していく。
すると、Aの作業時間は-40秒、Bの作用時間は+40秒となるので、
A(10、0)→A:1300秒 B:1200秒
A(9、1)→A:1260秒 B:1240秒
A(8、2)→A:1220秒 B:1280秒
A(7、3)→A:1180秒 B:1320秒
AとBの時間が逆転する付近が、AとBが同時に作業する時間が長くなるので、
完成までの時間も短くなる。
(9、1) 1260秒
*カメよりツルの方が折るのに時間を要し、
ツルもカメもBよりAの方が折る時間が短いので、
折るのに苦労するツルをAに多く担当させたほうが良いとの発想を持つ。


(3)
満点とらせない問題(;´Д`)
本番では捨てていいと思う。。

(2)では2人の時間の合計が2500秒と設定されていたが、
本問ではその条件が外れたうえで、作業完成までの時間が最も短くなる組み合わせを求める。

(2)はAが折るツル・カメの合計枚数が10枚だったので、
Aの合計枚数を場合分けして調べる。

◆Aの合計が9枚以下。
ツル・カメそれぞれ10個、計20個折るが、ツルもカメもAの方が早く折れる。
Aが9枚だと、遅いBが11枚担当することになり、作業時間が遅れるので×。

◆Aの合計が11枚。
(2)でA(9、1)のとき、1240秒だったので、
Aがツルをもう1個折ると、(10、1)=1240+130=1370秒となる。
このとき、B(0、9)=120×9=1080秒
ここから、Aのツル1個をカメに、Bのカメ1個をツルに交換していく

A(10、1)=1370秒 B(0、9)=1080秒
A(9、2)=1330 B(1、8)=1120
A(8、3)=1290 B(2、7)=1160
A(7、4)=1250 B(3、6)=1200
A(6、5)=1210 B(4、5)=1240
ここで逆転するので、1240秒が最短。

◆Aの合計が12枚。
A(10、2)=1460 B(0、8)=960
A(9、3)=1420 B(1、7)=1000
・・・
A(5、7)=1280 B(5、3)=1260
A(4、8)=1240 B(6、2)=1200
A(3、9)=1200 B(7、1)=1240
同様に、1240秒で逆転。

◆Aの合計が13枚。
A(10、3)=1570 B(0、7)=840
・・・
A(2、11)=1250 B(8、-1)=×
1240秒に近づけると、Aのカメが11個となり、10個をオーバーしてしまう。
よって、作業時間は1240秒。
作業時間が最短となるときのAの組み合わせは、(6、5)(4、8)(3、9)。
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