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2019年度 暁星中学過去問【算数】大問5解説

問題PDF
M、Nはともに1以上の整数であるとし、MはNより大きいものとします。
ここで、<M、N>を次のような分数の式で定めます。
分母はNから1まで大きい順にすべての整数をかけたものとします。
分子はMから大きい順にN個の整数をかけたものとします。
例えば、です。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)
512を素数だけの積の形にしたとき、2は何回かけられているか答えなさい。
ただし、素数とは1とその数のほかに約数がない数のことです。また、1は素数に含めません。

(2)
<520、10>は約分すると整数になります。
この整数を素数だけの積の形にしたとき、2は何回かけられているか答えなさい。

(3)
Aを1以上の整数とします。
<527、A>が偶数となるようなAのうち、最小のものを求めなさい。


@解説@
(1)
512=2×2×2×2×2×2×2×2×2
2は9回かけられている。

(2)
2の素因数を数えていく。
[分子の2の素因数の個数-分母の2の素因数の個数=積の2の素因数の個数]
e.g.)32/8=(2×2×2×2×2)/(2×2×2)=2×2=4
分母の2が5個、分子に2が3個。積は2を(5-3)回かけたもの。

問題文から『約分すると整数になる』ので、最終的に分子はすべて約分できる。

分母の2の素因数は(1)で求めた512から出発しよう。
512の素因数は2が9個あった。
偶数の2の素因数は1、4の倍数は2、8の倍数は3でカウントしていく。

分母の2の素因数⇒16個
分子の2の素因数⇒8個
よって、2の素因数は
16-8=8個(2は8回かけられている)

@指数法則@
中学で習う指数法則。
×a=am+n
÷a=am-n
(a=am×n
e.g.)264÷260=264-60=24=16

(3)
取っ掛かりをつかむために、とりあえずやってみる。
Aの最小値を求めるので、A=1から試行する。

■A=1のとき、527/1=527…奇数
■A=2のとき、526と2に2の素因数が1つずつある。
約分で2を消すと奇数だけになるので奇数。
■A=3のとき、2の素因数の状況が変わらない⇒奇数
■A=4のとき、
524と4に2の素因数が2つずつある。
約分して消すと奇数だけになる⇒奇数

2の素因数が同じ個数だと、積は奇数になってしまう。
積が偶数となるには、分子に2の素因数を残しておく必要がある
奇数は2の素因数が増えないので、偶数のときだけを考える。

522/6→2の素因数はともに1
520/8→2の素因数はともに3
518/10→ともに1
516/12→ともに2
514/14→ともに1
512/16→9個と4個
ここで、分子に2の素因数が一気に5個余り、偶数となる。
よって、A=16
*分母が1~16で分子は連続する16個の整数だから、
約分すると分子がすべて1になって整数になるはず。
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