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整数nについて、nのnを除く約数の和を〔n〕で表すことにします。
例えば、6の6を除く約数は1、2、3なので、〔6〕=1+2+3=6です。
また、〔1〕=0とします。
(1)
〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕、〔9〕、〔10〕の平均を求めなさい。
(2)
〔x〕=1となる整数xの中で、100に最も近い整数を求めなさい。
(3)
連続する整数のうち、小さい方をx、大きい方をyとして、〔x〕+〔y〕=yとなるような整数yを考えます。例えば、xとして7、yとして8があります。このような整数yの中で、100以上150以下の整数を1つ求めなさい。
@解説@
(1)
〔1〕=0
〔2〕=1
〔3〕=1
〔4〕=1、2
〔5〕=1
〔6〕=1、2、3
〔7〕=1
〔8〕=1、2、4
〔9〕=1、3
〔10〕=1、2、5
これらの総和÷10=3.2
(2)
前問の結果をみると、〔x〕=1は素数とわかる。
100に近い素数は97…ではなく、101。
(3)
わざわざx=7、y=8の成功例が挙げられているので、最初の切り口は7と8の組合せから考える。
〔7〕=1、7
〔8〕=1、2、4、8
確かに、和が8になる。。
ここから、連続する2つの整数は素数とその前後ではないか?
素数は1となるので、前後の数字の約数の和が自身より1少なくなるのではないか?と発想する。
*〔8〕だったら1+2+4=7と、和が8より1少ない。
8で思いつく性質を考える。
2×2×2=8!
2のベキ乗ではないかと推測する。
試しに、2×2=4をすると、
〔4〕=1、2、4
1+2=3!
2×2×2×2=16
〔16〕=1、2、4、8、16
1+2+4+8=15!
よって、100以上150以下では2を7回かけた128となり、y=128
手前の127は素数なので、〔x〕+〔y〕=yが成立する。
@余談@
2の累乗の約数の和を書いていくと、
21=2→1+2=3=22-1
22=4→1+2+4=7=23-1
23=8→1+2+4+8=15=24-1
24=16→1+2+4+8+16=31=25-1
25=32→1+2+4+8+16+32=63=26-1
どうしてこうなるんでしょ(;´Д`)??
@約数の和に注目した整数論@
【完全数】
自身を除いた約数の和=自分
6の約数…1、2、3、6
1+2+3=6
【友愛数】
自身を除いた約数の和が、相手の数になる組合せ。
220の約数の和→289
289の約数の和→220
【婚約数】
1と自身を除いた約数の和が、相手の数になる組合せ。
48→1、2、3、4、6、8、12、16、24、48→75
75→1、3、5、15、25、75→48
【概完全数】
約数の和が2n-1に等しい数。
n=4のとき、
4の約数の和→1+2+4=7
→2×4-1=7
n=16のとき、
16の約数の和→1+2+4+8+16=31
→2×16-1=31
概完全数は今のところ2のベキ乗以外で確認されていない。
本問は概完全数をモチーフに素数の約数が自身以外で1しかないことを利用している。
@メルセンヌ素数@
ちなみに、2n-1(nは自然数)はメルセンヌ数というそうで、
2n-1の値が素数であれば、必ずnは素数になります。
(本問では27-1=127で、127は素数。n=7も素数ですね)
このような素数をメルセンヌ素数といいます。
2019年現在、51番目のメルセンヌ素数であり、かつ最大の素数は
282589933-1だそうです・・・|д゚)
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