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選挙では、各候補者の得票数に小数点以下の数がついている場合があります。
この仕組みを例1を用いて説明します。
①~④の4人の候補者について、投票用紙に姓名とも書かれている表の数を正規の得票数と言います。投票用紙に「田中」だけ書かれていると①と③のどちらに投票したか不明です。また、「ともこ」とだけ書かれていると②、③、④の誰に投票したか不明です。そこで、「田中」だけの票が3票あったので、これを①と③の正規の得票数の比に分けて分配し、正規の得票数に足します。この操作を「按分」と言います。ただし、按分する票数は小数第2位を切り捨てます。①については、 なので、1.3票を足して、按分後の得票数は6.3票になります。③についても、同様に計算して、「田中」の分で1.6票を足しますが、③は「ともこ」だけの3票についても按分しないといけません、つまり、なので、さらに0.8票を足して、按分後の得票数は8.4票となります。次の問に答えなさい。
(1)
例1について、(ア)に入る数を答えなさい。
(2)
例2について、(イ)に入る数を求めなさい。
(3)
例2について、(ウ)、(エ)に入る数をそれぞれ求めなさい。
@解説@
(1)
「ともこ」の3票を按分。
3×8/(7+6+8)=8/7=1.1…票
8+1.1=9.1票
(2)
「ともこ」の按分により、②+1.5票、④+1.2票
問題は、これらの数字の小数第2位以下が切り捨てられていること。
②…1.5以上1.6未満
+) ④…1.2以上1.3未満
②+④…2.7以上2.9未満
③の按分票=5票-(②+④)
=5-(2.7以上2.9未満)=2.1より大きく2.3以下
3つの按分票の範囲を比較して、③の正規の得票数を絞り出す。
留意すべき点は、最小値は分子が小、分母が大の組み合わせ、
最大値は分子が大、分母が小の組み合わせで算出すること!
②と③の按分票を比較。
20×2.1/1.6=26.2…
20×2.3/1.5=30.6…
→26.2よりも大きく、30.6以下
②と④の按分票を比較。
17×2.1/1.3=27.4…
17×2.3/1.2=32.5…
→27.4よりも大きく、32.5以下
共通部分にある整数は【28・29・30】の3つ。
答えが1つしかないということは真ん中の29では?と思うが、
試しにイ=28にして④の按分票を求めると、5×17/(20+28+17)=1.3…となり、
1.2票にならないので、28ではない。
イ=30にして②の按分票を求めると、5×20/(20+30+17)=1.4…となり、
1.5票にならないので、30ではない。
29だと辻褄があうので、イ=29
(3)
先にエから検討する。
①の按分票は1.6以上1.7未満
③の田中の按分票を求める。
1.6×29/21=2.2…
1.7×29/21=2.3…
①に振り分けられた按分票が1.6票なので、
③が2.2…票だと繰り上がりを含めても3.9票になる→票数は整数なので不適×
よって、③の田中の按分票は2.3票となり、田中の票は、1.6…+2.3…=3.9…
繰り上げて4票(エ)
③のともこの按分票は、5×29/(20+29+17)=2.1…だから、
29+2.1+2.3=33.4票(ウ)
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