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2020年度 渋谷教育学園渋谷中学過去問【算数】大問3解説

問題PDF
視覚障がい者が、指先の触覚により文字や文章を読み取れるように、6点式点字が用いられています。6点式点字では、下の図のようにマス内にA~Fの6点について、突起(以下●と表す)と平面(以下〇と表す)を組み合わせることで1つの文字表します。

渋男と教子さんが、駅の自働券売機の前で点字について会話をしています。
次の会話文を読み、〔 あ 〕~〔 け 〕にあてはまる数を答えなさい。

渋男:運賃表にある、このボコボコしてるの、何だろう?
教子:これはね、点字といって、目の不自由な人が指先の触覚で
文字が読み取れるようにしているんだよ。私ね、点字のことは勉強したことがあるんだ。
渋男:そうなんだ。僕は初めて知ったよ。
よく見てみると、縦に3つ、横に2つの6つの点で1セットになっているみたいだね。
教子:そうなの。日本で使われている点字は『6点式点字』といって、上の図のように
マス内のA~Fの6点について、●と〇を組み合わせることで1つの文字を表しているんだよ。
渋男:なるほど。6点全部が〇のときは文字にならないから除くとして、
全部で〔 あ 〕通りを表せるよね。
教子:その通り。でも、目の不自由な人がその全てを区別できるかしら。
まずは、●が1点のときから考えて見ましょう。さっきの〔 あ 〕通りは、
下の図の<ア>~<カ>はそれぞれ異なる文字を表すこととして考えたよね。

渋男:そうだね。
教子:でも、上の図の<ア>~<カ>はいずれもマスの中に●が1点なので区別が難しいから、
実際にはどれも同じ文字を表すことになるの。同じように、次の図の<キ>~<コ>は、
マスの中に●が2点あって、その2点の位置関係が同じだから、4つとも同じ文字を表すの。


渋男:分かった。ということは、下の図の<サ>、<シ>も、マスの中に6点のうち3点が●で、
3点の位置関係が同じだから、同じ文字を表すことになるね。
でも、<ス>は別の文字を表すんだね。

教子:そういうこと。これ以降は、<サ>と<シ>のように、
●の数が同じでその位置関係も同じものは同じ文字として扱うとしましょう。
では、まず数字から考えてみよう。
数字を点字で表すときは、1マスの6点のうち、A~Dの点だけが使われるんだけど、
この4点だけを使うと、1マスで何通りの文字が表せるかしら。
渋男:これは地道に数えていくしかないのかな。
4点のうちの1点が●のときは1通り、4点のうちの2点が●のときは〔 い 〕通り、
4点のうちの3点が●のときは〔 う 〕通り、4点のうちの4点が●のときは1通りで、
全部で〔 え 〕通りだ!
教子:そうだね。これだけあれば、0~9の全ての数字を1マスで表せることになるね。
じゃあ、次にひらがなのことも考えてみよう。ひらがなを点字で表すときは、
A~Fの6点すべてを使われるのだけど、数字で考えたものも含めて何通りあるか。
同じように考えて見ましょう。
渋男:少し大変になるね。6点のうちの1点が●のときは1通り、
6点のうちの2点が●のときは〔 お 〕通り、6点のうちの3点が●のときは〔 か 〕通り、
6点のうちの4点が●のときは〔 き 〕通り、6点のうちの5点が●のときは〔 く 〕通り、
6点のうちの6点が●のときは1通りで、全部で〔 け 〕通りだ!
教子:がんばったね。
渋男:でもこれだと、数字と重複するものもあるし、
ひらがな全種類表すことができないんじゃないかな。
教子:鋭いところに気付いたね。実際には、数字が始まる前には『数字が始まる』という意味の
点字が入るし、『ん』の文字は1文字目に来ることがないから、他の文字と同じだったりして、
上手く作られているらしいわ。
渋男:そうなんだ!それはおもしろいね。点字も奥が深そうだね。


@解説@
あ…1つの点は●か〇の2通り。点は6つで、すべて〇の場合を除く。
2×2×2×2×2×2-1=63通り

い…4マスに2点。

位置関係が重複しないようにする。4通り

う…4マスに3点。
使わない1マスを選んで4通り。(どれも形はかぶらない)

え…1+4+4+1=10通り

お…6マスに2点。

先ほどの4通りに3段目を追加する。
4+3=7通り

か…6マスに3点。
上2段の3点は4通りだった。これに加えて、3段目を使うケースを考える。

〔 い 〕より上2段の2点の位置は4通り。
気をつけるべき点は、上2段のが縦に並んだときは3通りできること
計9通り。

さらに3段目に2つあるケース。
2段目にもう1つを入れてしまうと、上2段だけでつくったパターンとかぶってしまう。
距離を開け、1段目の左右で2通り。
4+9+2=15通り

き…6マスに4点。

上2段が4通り。
残り1つを3段目の左右のどちらかに配置して2通り。
4×2=8通り

3段目に2つを固定。
すると、同じ形を上下1段ズラせても、左右を入れ替えても別の形になるので、
4マスから2つ選ぶ組み合わせと同じ→42=6通り

3段目を使わない場合(上2段4マスが●)は、すでにカウント済み。
+6=14通り

く…6マスに5点。
使わない1マスを選んで6通り。

け…1+7+15+14+6+1=44通り
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