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三田さんは、今のままの状態が続くと2050年には海に流出したプラスチックごみの量が海にいる魚の量をこえるということを知り、インターネットサイトでプラスチックについて調べました。次の①から⑤は、三田さんが調べたいろいろなサイトから得た情報です。
①プラスチックを製造するのに必要な石油の量は、世界の石油消費量の約6%に当たり、
その量は世界中を飛ぶ飛行機が年間に消費する燃料とほぼ同じである。
②世界のプラスチック製品の生産量は年に約5%ずつ増加していて、
このままの割合で増え続ければ2050年までに累計で330億トンのプラスチック製品が生産される。
また、世界の人口は年に約2.5%ずつ増加している。
③2010年と2015年に世界で生産されたプラスチック製品はそれぞれ2億6500万トンと4億トンで、そのうち海に流出したとされるプラスチックはそれぞれ少なくとも800万トンと1200万トンと推定されている。
④2015年に世界で生産されたプラスチック製品の内訳のグラフ
⑤プラスチックごみの発生量と処理量の内訳の推移を表すグラフ
(1)
三田さんは、プラスチック製品が世界でどのくらい生産されているかについて、身近にある大きな建物の重さと比べることで実感しようと思いました。そこで、横浜ランドマークタワーの重さを調べたところ、44万トンであることがわかりました。
2015年に世界で生産されたプラスチック製品は横浜ランドマークタワー何個分に相当しますか。小数第一位を四捨五入して答えなさい。
(2)
三田さんは、調べた情報から次のことがらを読み取りました。
正しく読み取ることができているものをすべて選びなさい。
ア:1995年にはすでにプラスチックごみがリサイクルされるようになっており、
リサイクルされるプラスチックごみの量は、年々増え続けている。
イ:生産されるプラスチックの生産量を人口1人当たりに換算すると、
その量は年々増加している。
ウ:2015年に生産されたプラスチック製品のうち、最も多く作られたものは包装・容器等で、
その量は1億5000万トン以上である。
エ:プラスチックごみの発生量は1960年から増え続けているが、
2005年に初めて、それより前に比べてごみの増え方が緩やかになった。
オ:2015年に生産されたプラスチック製品のうち約85%がプラスチックごみになった。
(3)
海にいる魚の量は約8億トンと推定されています。プラスチック製品の生産量に対して、海洋に流出するプラスチックの割合がこのまま変わらなかった場合、2050年には海に流出したプラスチックが海にいる魚の量をこえることを、三田さんが調べた情報をもとに示しなさい。ただし、魚の全生物量はこのまま変わらないとします。
@解説@
(1)
③より、2015年に世界で生産されたプラスチック製品は4億トン。
これを44万トンで割ればいい。
4億トン÷44万トン
=40000万トン÷44万トン
=10000÷11=909.0…≒909個分
(2)
ア:1995年にはリサイクルが始まっている。
リサイクルされた量は青い領域の幅。2016→2017は幅が微妙に狭まっており、減少している。×
イ:②より、プラスチック製品の生産量は年5%増、世界人口は年2.5%増。
ある年のプラ生産量を①、人口を△1、1人当たりのプラ生産量を□1とする。
翌年のプラ生産量〇1.05÷人口△1.025の値は□1を超える→1人当たりのプラ生産量は年々増加。〇
ウ:④の円グラフから、2015年で最も多いのは包装・容器等。
③から2015年のプラ製品の生産量は4億トンだから、4億×36%=1.44億×
エ:プラごみの発生量の推移は赤線。
1980年代に急激に増加しており、延長すると90年代の方が傾きが緩やか。
⇒1990年以降に初めてごみの増え方が緩やか。×
オ:2015年のプラ製品は4億トン。グラフより2015年のプラごみは3.5億トン弱。
3.5億トン弱÷4億トン=35÷40=7/8=0.875弱≒85%〇
イ・オ
(3)
記述問題。
③からプラ生産量に対する海洋に流出するプラの割合を算出する。
2010年…800万t÷2億6500万t=8÷265≒約3%
2015年…1200万t÷4億=3%
→プラ生産量の3%が海洋に流出すると考えられる。
②より、2050年までのプラ生産量の累計は330億tなので、
それまでに海洋に流出するプラは、330億×3%=9.9億t
海にいる魚の量である8億tを超える。
@備考@
プラスチックが自然分解されるには、少なくとも数百年はかかるといわれている。
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