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2023年度 都立高校入試問題過去問【英語】解説

平均62.8点(前年比;+1.7点)

問題はコチラ→PDFファイル
*必ずしも逐語訳ではありません。

大問1(リスニング)―62.1%

〔問題A〕 1回目の放送のあとに5秒、2回目は10秒の解答時間がある。
<対話文1>ア 90.1%

メグ:ねぇ、太郎。前の日曜は何をしたの?
タロウ:やぁ、メグ。おばあちゃん家に行って、誕生日会をしたよ。
メグ:良いわね。
タロウ:午前中は家でおばあちゃんへの誕生日カードを書いたよ。
 おばあちゃん家に行ってカードを渡したら、嬉しそうだった。
 そのあと、僕に紅茶をいれてくれたよ。
メグ:良いわね。
タロウ:夜に妹と母と父がケーキを買ってきたんだ。
メグ:パーティは楽しかった?
タロウ:うん。とっても。
問題―なぜ、太郎は祖母の家に行ったか?
ア:誕生日会をするため。 イ:彼女への誕生日カードを書くため。
ウ:紅茶をいれるため。  エ:ケーキを持ってくるため。
*『have a party』=パーティを行う、催す

<対話文2>エ 56.0%
サトミ:やぁ、ジョン。あなたを探してたわ。どこにいたの?
ジョン:ごめん、サトミ。とても忙しいんだ。
サトミ:午前と昼休みにあなたの教室に行ったの。そのとき何していたの?
ジョン:早朝は学校の庭で花に水をやったよ。それから、教室で宿題をやった。
サトミ:ああ、そうだったのね。昼休みは?1時にあなたの部屋に行ったんだけど。
ジョン:ランチを食べたら、図書館に行った。12時50分頃だったね。
 20分間、歴史の本を読んで、1時15分に部屋へ戻ったよ。
問題―1時にジョンは何をしていたか?
ア:彼は花に水をやっていた イ:彼は宿題をしていた
ウ:彼は昼食をとっていた  エ:彼は歴史の本を読んでいた
*最後のジョンのセリフにある。
you didのあとは、直前の文の代名詞を変えた「your homework in your classroom.」が省略。
あなたはそれをしたのね→そうだったのね。

<対話文3>ウ 59.6%
ジェーン:やぁ、ボブ。今日のコンサートに来られて嬉しいわ。
ボブ:やぁ、ジェーン。うん、僕もだよ。
ジェーン:今日はどうやってここに来たの?
ボブ:なんで?家からバイクで来たよ。
ジェーン:今朝、天気予報を見たんだけど、午後は雨になりそうよ。
ボブ:あぁ…マジ?電車とバスで帰らないと。バイクはどうしよう?
ジェーン:コンサートが終わったら、私の家で預かるわ。私の家までは歩いていけるし。
ボブ:ありがとう。
ジェーン:いえいえ。私の家から帰るとき、私の傘を使ってもいいわよ。
問題―今日、ボブは家からコンサートまでどうやって行ったか?
ア:彼は電車でそこに行った。
イ:彼はバスに乗ってそこへ行った。
ウ:彼はバイクでそこへ行った。
エ:彼はそこへ歩いて行った。
*手段を問う『how』
コンサート会場に近いジェーンの家にバイクを停めさせてもらう。
get to~』=~に着く
do with~』=~を扱う、処理する
What should I do with my bike?=私のバイクを扱うには何をすべきか?→私のバイクはどうするか?
『You’re welcome.』=どういたしまして

〔問題B〕問1が5秒、問2が15秒の解答時間。
 みなさん、こんにちは。この学校に勤務する最後の日です。まずは、私と英語の勉強をしてくれてとてもありがとうと言いたいです。私がここに赴任したら、よく私のところへ来て、日本語を教えてくれましたね。あなた達の笑顔を見て、私はいつも嬉しかったです。英語を勉強するときは、笑顔でいて欲しいです。
 私はこの学校でたくさん良い経験をしました。運動会ではあなた達と一緒に走り、文化祭では先生方と歌を歌いました。とくに感動したのは、あなた達の歌を聴いたときです。
 私の国に帰ったら、日本語を一生懸命に勉強しつづけます。将来、他の国を訪れてください。海外で
良い経験をするうえで英語が助けになると思います。みなさん、さようなら。

<問題1>イ 84.4%
問題―何がエミリーを幸せにしたか?
ア:英語の勉強 イ:生徒の笑顔 ウ:運動会 エ:生徒の歌
*『make O C』=OをC(の状態に)する
happyが登場するところ。「Your smiles always made me happy.」
生徒たちの歌は「I was especially moved」(感動)
『especially』=特に、とりわけ
『move』=動かす、引っ越す、感動させる(be movedで感動する)

<問題2>To visit other countries. 20.5%!
問題―将来、エミリーは生徒に何をしてもらいたいか?
*『want O to~』=Oに~して欲しい
in the futureがでてくる前、I want you以下を抜き出す。


大問2(短文読解・自由英作文)―54.4%

ヒロト:これを見て。4つの地域があるよ。

 東京での日帰り旅行では
このうちの3つに行けるって僕の父が言ってた。
 駅との往復バスもある。マイクはどの地域に行きたいかい?
マイク:美しい自然の眺めを楽しみたいね。
ヒロト:そっか。(A)公園はどうかな?バスで行けるよ。
マイク:良いね。バードウォッチングをしたり、自然が豊かな場所を歩くのは好きさ。
 たくさんの階段の上り下りも苦じゃないし、そこへ行こう。
ヒロト:わかった、行こう。次はどこに行く?
マイク:山と温泉はどちらも良さそう。郷土
料理も楽しみたいな。
ヒロト:うん。そうだね。2つのうち、どっちから先に行こうか?
マイク:まずは(B)に行こう。そうしたら、日帰り旅行の最後で温泉を楽しめるよ。
ヒロト:良い考えだね。そうしよう。
マイク:ありがとう。楽しい時間を過ごせるのを楽しみにしてるよ。
ヒロト:僕もだよ。今のことをお父さんに伝えるね。

(1)エ 29.3%!
*A:次のセリフで、マイクの好きなことが書かれてある。stairs=階段もヒント。
B:温泉を最後に持ってくるので、先に山へ向かう。

 

ヒロト:山には訪れる場所がたくさんあるね。
マイク:どれも面白そうだ。
ヒロト:うん。これはこの地域のガイドブックだよ。

 (A)農家直売所がオススメらしい。ガイドブックによるとそこでは新鮮な野菜が買えて、
 しかも焼き魚が楽しめるんだって。
マイク:焼き魚?うまそう。グラフではこの地域で最も人気のある場所だとあるね。そこにしよう。
ヒロト:うん、そうしよう。それから、あと2つの場所にいけると思うよ。他はどこに行こうか?
マイク:ロングブリッジに行きたい。この地域で一番刺激的な場所だと聞いたよ。
ヒロト:ガイドブックにもオススメされてるね。僕もそこに行きたいな。
マイク:OK。行こう。もう1度グラフを見て。あと3つの場所があるね。
ヒロト:うん。キャンプ場はどう?3つの中では最も人気だし。
マイク:良いね。だけど、僕はこの地域の歴史にとても興味があるんだ。(B)町の博物館にしない?
ヒロト:良いよ。その建物は江戸時代に建てられたって。面白そうだ。
マイク:早く行きたいな。

(2)ウ 61.9%
*A:グラフで一番人気があり、新鮮な野菜が買える場所。
B:マイクは地域の歴史に興味がある。江戸時代に建てられた由緒ある建物→博物館。


ヒロトへ。
 僕が日本にいたときは助けてくれてありがとう。君といろんな場所を訪れて楽しかった。そのうちの1つが山だった。谷にかかる橋を歩いたのは、とくに興奮した。自然豊かな場所を巡って楽しかったな。
 国に帰ってから、多く
の本を読んで、日本のことをもっと学んだよ。君の国には見るべき美しい場所がたくさんあるよね。父にこのことを話したら、次の春に家族で日本に行く計画を立てたよ。とても驚いた!
 今度は行ったことのない場所にたくさん行きたいな。僕の両親が日本は伝統文化が有名だと言って、それを楽しみたいんだって。僕たちは日本で何をすればいいかな?何かアイデアはあるかい?もしアイデアがあれば教えてください。次の春、東京で会うことを楽しみにしてるね。
マイク

(3)①ア 69.8%
ア:マイクの父が次の春に日本を訪れる計画を立てたとき、マイクはとても驚いた。〇
イ:マイクは父と山エリアに行き、楽しんで橋を渡った。×
ウ:マイクは国に帰る前に、日本の自然についてもっと知るためにたくさんの本を読んだ。×
エ:マイクはもう1度、東京でヒロトに会いたかったので、父に日本を訪れる計画を示した。
*「I was really surprised!」の前。

② 56.9%
こんにちは、マイク。
メールありがとう。楽しく読んだよ。君が日本にいたあいだ、多くの場所に行ったね。
自然豊かな場所にいったとき、良い時間を過ごしたね。一緒にいた時間は特別な思い出だよ。
日本には、日本の伝統文化を楽しめる場所がたくさんあって、面白い経験ができるよ。
1つのアイデアを教えるね。
(空欄
次の春にまた会うとき、君と行けたらいいなぁ。楽しみにしています。
ヒロト

解答例:You should go to Ryogoku Kokugikan.
You will see a lot of sumo wrestlers who have big and powerful bodies. 
It’s so exciting to watch sumo wrestling.
『両国国技館に行ってみなよ。大きくて力強い体をもつ力士たちがたくさんいる。
相撲の観戦はとてもワクワクするよ』
*伝統的な日本文化の体験を紹介する。
今まで読んできた英文のなかにあったはず。
『sumo wrestler』=力士
tea ceremony(茶道)、kabuki、kimono、haikuなど。onsenもかな?


大問3(対話文)―65.0%

マヤとケンとリコは東京の高校1年生。ボブはアメリカ出身の高校生。
彼らは美術部の部員で、放課後、美術室で話している。
マヤ:展覧会に出す絵を完成させるのに、あと1週間しかないよ。
ケン:良い絵ができる
と思う。ほぼ毎日絵を描いているし。
マヤ:リコはどう?
リコ:絵を完成させるのは難しそう。
ボブ:大丈夫?疲れてそうだね。何かあったかい?
リコ:だいたい終わってるんだけど、次に何をしたらいいのかわからないの。
マヤ:リコが一生懸命に取り組んでいるのは知ってるわ。心配しないで。
ケン:(1)リコの気持ちはわかるよ。僕も何かを終える直前は、いつも不安に思う。
リコ:そうなの。多くの人が展覧会で私の絵を楽しんでくれると良いんだけど、
 今は絵の描き方に自信がなくて。それに展覧会までたった1週間しかない。
ボブ:僕も似た経験があるよ、リコ。
リコ:私たちに教えて、ボブ。
ボブ:僕の国にいたとき、日本語のスピーチコンテストに参加したんだ。
 コンテストを目前にしたときはとても不安になって、
「日本語を上手に話せるのか?僕の日本語は通じるのか?」と思ったよ。
リコ:そうなんだ。そのときは何をしたの?
ボブ:コンテストの前に叔父に会いに行った。叔父は日本語を話すのがとても上手いんだ。
 旅行会社に勤めていて、何度も日本に来てるしね。僕のスピーチをよく聞いてくれて、
「去年から日本語をとてもよく勉強してるね。日本語を使うのを恐れないで
」と言ったよ。
ケン:励みになった?
ボブ:うん、とっても。ついにコンテストでスピーチをちゃんとして表彰された。
マヤ:(2)それは素晴らしい
ボブ:ありがとう。
ケン:熱心に取り組めばうまくいくよ。自信を持って。とても大事なことさ。
リコ:あら、どうしてそう思うの?
ケン:僕が中学生の頃、走るのが得意じゃなくて、マラソン大会の前はいつも不安になった。
 だけど、ずっと頑張って練習したら、走るのが上手くなったんだ。
マヤ:ケン、それは重要な教訓ね。
ケン:中3のマラソン大会では表彰されなかったけど、以前より速く走った。
 (3)それは嬉しかったな。一生懸命練習することで上達できるとわかったよ。
ボブ:リコは良い絵を仕上げられると思うね。
リコ;本当に?できるかな?
ボブ:できるよ。たくさん絵を描いてきたから、きっと、今回もまたできるさ。
マヤ:リコ覚えてる?中学校で文化祭の絵を一緒に描いたこと。
リコ:もちろんよ。
マヤ:私、描き終える前はとても不安だったんだ。「私達の絵を楽しんでくれるのか?」って。
リコ:思い出した!あのときのマヤの気持ちは、今の私の気持ちと似ているわ。
マヤ:(4)そうよ。あなたこう言ったのよ。「私達はずっと絵を描く練習をしてきた。
 ベストを尽くせば、素晴らしい絵が完成する。心配しないで」
ケン:良いアドバイスだね。
マヤ:今度は私がリコにそうアドバイスするわ。
リコ:ありがとう。皆それぞれが困難な状況でうまくやったと知ったわ。
 私はたくさん努力してきてし、絶対できるはず。もう大丈夫よ。
ボブ:絵を完成できるってことだね?
リコ:その通りよ。
マヤ:(5)それを聞けて嬉しいわ
ケン:僕もだよ。自信を持つべきだと思うよ。
ボブ:展覧会で君の絵を見るのを楽しみにしてるね。
マヤ&ケン:そうだね。私たちも!
リコ:みんな、とてもありがとう。

(1)イ 68.6%
ア:ケンは展覧会までたった1週間しかない。
イ:ケンは何かを終える直前はいつも心配する。
ウ:ケンは絵を描き終えるために、一生懸命取り組んでいる。
エ:ケンは展覧会に向けて、ほぼ毎日絵を描き続けている。
*直前のリコの気持ち。下線部の後ろに説明がある。
『just before~』=~の直前(beforeの強調)

@@
「~まであと〇日」はbeforeの他にuntilを使うこともできる。
e.g.)We have only three days until the New Year.=新年まであと3日しかない。

(2)エ 83.8%
ア:ボブは何度も日本に行き、今は日本語を使うのを恐れていない。
イ:ボブは叔父のおかげで、これから成功するだろうと確信していた。
ウ:ボブは日本語をとてもよく学んだので、今は叔父のように日本語を話せる。
エ:ボブは日本語のスピーチコンテストで良いスピーチをして表彰された。
*直前の内容。
be afraid of~』=~を恐れる
confident』=自信がある、確信している
thanks to~』=~のおかげ、~のせいで
『make a speech
』=演説をする

(3)ア 71.6%
ケンは嬉しかった。なぜなら〔   〕から。
ア:3年のマラソン大会で、以前よりも速く走った
イ:マラソン大会に向けて長い間、一生懸命走る練習をした
ウ:一生懸命に練習して、3年のマラソン大会で表彰された
エ:3年のマラソン大会の前に、絵を描き終えることができた
*直前の文のbut以下。
『than before』=以前よりも
for a long time』=長い間

(4)エ 42.0%
ア:マヤが中学生の頃、リコをたくさん励ますためにアドバイスをした。

イ:マヤはリコと一緒に長い間、絵を描く練習していたことを思い出した。
ウ:マヤは中学校で文化祭用の絵をたくさん描いた。
エ:マヤは絵を描き終える直前、自分の絵についてとても心配した。
*直前
「Your feelings at that time were similar to mine now.」
at that time』=当時、そのとき
be similar to~』=~に似ている
そのときのマヤの気持ちは今のリコの気持ちに似ている。
気持ちの内容はその前のマヤのセリフにある。

(5)ウ 77.4%
マヤは〔   〕と聞いて嬉しい。
ア:リコは展覧会で友達と絵をみたくてたまらない
イ:ボブは展覧会に向けて困難な状況下でベストを尽くす
ウ:リコは展覧会用の絵を描き終えることができる
エ:ボブはまた展覧会用の絵を描き始められる
*前のボブのセリフ。「You mean you’ll be able to finish your picture,right?」に対して、
リコが「That’s right.」と返答している。
You mean~』=つまり~ということ?(自分の意見に対する「つまり」はI mean~)
be able to~』=~できる

(6)イ 63.0%
マヤが展覧会用の絵に関して尋ねたとき、(A)。
彼女たちが文化祭の思い出の1つを話していた間は(B)。
Aアイ:リコは絵を仕上げるために、次に何をしていいのかわからなかった。
Aウエ:リコは絵を仕上げるために、次に何をすべきかすでにわかっていた。
Bアウ:リコは中学生の頃にしたマヤへのアドバイスを覚えていなかった。
Bイエ:リコは中学生の頃にしたマヤへのアドバイスを覚えていた。
*A:内容は繰り返されているのでわかりやすい。
最初の方にある。絵の完成前のリコは「I don’t know what to do next.」
B:下線部(4)の前。

(7)ウ 48.3%
 今日は友達のマヤとケン、リコと放課後に話した。初めに、リコは(A)心配していた。僕たち全員が自身の思い出を話して、リコを(B)励ました
 僕はアメリカで日本語のスピーチコンテストに参加した経験を話した。コンテストの前はとても(A)心配したをいまだに覚えている。そのときは日本語に自信がなかった。だけど、私の叔父がたくさん(B)励ましてくれた。叔父のおかげで、コンテストで全力を出せた。
 最後にリコの気分が良くなっていた。僕達みんなが絵を完成させて、展覧会が成功すると良いな。展覧会を楽しみに待っている。
*AとBは2つずつある。後半で判断するといい。


大問4(長文読解)―49.7%

 ナナミは高校1年生。9月のある金曜日、交換留学生のグレースがカナダから彼女の学校にやってきて、ナナミの家に泊まることになった。
 その夜、ナナミは家族とグレースの歓迎会を開いた。パーティの前、ナナミは「寿司は食べられる?」と聞いた。海外の人々のあいだで寿司は最も有名な日本食の1つであることをナナミは知っていた。グレースは食べられると答えた。ナナミは全力でいろんな種類の寿司を握った。パーティでナナミが言った。「寿司を気に入ってもらえたらいいな。楽しんで下さい」グレースはサラダとフライドポテト、刺身(生魚)のない野菜の寿司を食べた。だが、刺身の寿司はほんのわずかしか
食べなかった。それを見て、ナナミはがっかりした。ナナミは「刺身の寿司はどう?」と聞いた。彼女は「おいしいよ」と答えた。パーティのあと、ナナミが言った。「刺身の寿司はあまり食べていなかったわね」グレースは「ごめんなさい」といい、悲しそうな顔をした。ナナミは彼女を喜ばせたかったので、こう言った。「明日、遊園地に行かない?」グレースは言う。「良いわね。そうしたい」それを聞いてナナミは嬉しかった。ナナミの母がきて、ナナミに言う。「グレースは疲れているでしょう。2人は寝るべきよ」
 翌日、ナナミはグレースを遊園地に連れてきた。そこでジェットコースターに乗った。ナナミはとても楽しかった。しかし、グレースは全く笑っていなかった。ナナミが彼女の表情をみると、少し悲しくなった。家に帰る途中、ナナミは思った。『遊園地を楽しんだのは私だけかな?』その夜、ナナミはベッドの中で『どうすれば彼女を喜ばせられるのかしら』と思った。
 翌週の木曜日、ナナミはグレースについて誰かに相談したかった。近所に住む
タイガが思い浮かんだ。彼はナナミと同じ学校に通う高校二年生だ。放課後、ナナミは彼の教室に向かった。彼はオーストラリアでホストファミリーの家に泊まった経験をナナミに話した。彼は言う。「ホストファミリーの1人であるジョーンが僕を水族館に連れて行ってくれたんだ。水族館はその街で最も有名な場所の1つで、それに彼のお気に入りの場所だったからね。そこで海の動物たちを見て楽しかったんだけど、実は僕は動物園でコアラを見たかったんだ。彼はとても優しいから、水族館でそのことを言わなかった」そして彼は言った。「たぶんグレースも僕と同じ気持ちだったかもしれない」タイガの経験を聞いて、ナナミは家に帰ったらグレースと話そうと心に決めた。
 その夜、ナナミはグレースに言った。「グレース、本当にごめんなさい。あなたが日本に来た最初の週に楽しませることができなくて」グレースが言う。「心配しないで、ナナミ。歓迎会のことはごめんなさい。私は生魚が好きではないの。だけど、それを言うのが恥ずかしかった。遊園地ではジェットコースターに乗るのが好きじゃないと伝えるのも恥ずかしかったの。次は一緒に話し合って、どこに行くか決めましょうよ」ナナミが言う。「ありがとう、グレース。今度の日曜日に何かやりたいことはある?」グレースが言う。「もちろんよ。お土産を買いにあなたとショッピングがしたいわ」ナナミがいう。「OK。駅の近くに素晴らしいデパートがあって、私もよくそこに行くよ。一緒に行かない?」グレースが言う。「ええ、行きましょう」彼女たちの話を聞いていたナナミの母は笑った。
 3日後、彼女達はデパートに行った。ナナミが言った。「グレースは何が欲しいの?」グレースが言う。「日本を思い返せるものが欲しいわ」ナナミが言う。「わかった。家で使うコップを2つ買うのはどうかしら?」グレースが言う。「良いわ。それ買いましょう。ナナミ、もう1つ考えがあるの。小さなカバンを2つ買いたい」ナナミが言う。「なんで2つのカバンが欲しいの?」グレースが言う。「毎日、あなたとお揃いのものを使いたかったんだ。小さなカバンにお弁当箱を入れて、毎日学校に持って行きたいの。あなたにも同じことをして欲しいな」ナナミが言う。「良い考えね。私もそれしたい。バッグを2つ買いましょう」家に戻り、彼女たちはナナミの母にコップとカバンを見せた。母が言う。「あなたたちは姉妹のようね」ナナミとグレースはお互いを見て、そして笑った。ナナミはこの関係がいつまでも良いままでいたらなぁと願った。

(1)ア 69.9%
ナナミはがっかりした。なぜなら、〔   〕から。
ア:グレースは刺身の寿司をわずかしか食べなかった
イ:グレースは刺身の寿司を全部食べ、ナナミはそれを食べられなかった
ウ:グレースは寿司が最も有名な日本食の1つであることを知らなかった
エ:グレースは刺身のない野菜の寿司が好きではなかった
* 『disappointed』=がっかりする、落胆・失望する
なぜ、ナナミはがっかりしたのか。直前に書いてある。
ナナミが一生懸命に用意した寿司のうち、グレースは刺身の寿司をほとんど食べなかった。
only a few /(little)』=ほんの少しの、ほんのわずかの
quite a few/(little)』=かなりたくさん

(2)エイアウ 39.6%
エ:9月のある金曜の夜、ナナミは家族とグレースの歓迎会を開いた。
イ:ナナミはグレースのことを誰かに話したくて、近所のタイガを思い出した。
ア:木曜の夜、ナナミの母はナナミとグレースの話を聞いていた。
ウ:ナナミの母がナナミとグレースは姉妹のようだと言い、彼女達は笑った。
*アの位置が迷いやすい。
イは第4段落「On Thursday of the next week」から始まる出来事。
アは次の「That night」(=木曜の夜)から始まる第5段落の最後。
Nanami’s mother was listening to them, and she smiled.」

(3)①イ 58.8%
金曜日の歓迎会のあと、ナナミはグレースに〔   〕と言った。
ア:グレースに寿司を握ることが嬉しい
イ:グレースを遊園地に連れて行きたい
ウ:母のアドバイスを聞いて悲しい
エ:グレースに早く寝て欲しい
*歓迎会のあとにナナミは何をしたか。第2段落の後半。
take 人 to~
』=人を~に連れていく
want 人 to~』=人に~をして欲しい

②ア 46.4%
土曜日にナナミは寝る前に、〔  〕。
ア:どうすればグレースを喜ばせられるのかと思った
イ:どうしてグレースの笑顔をみたのが自分だけなのかと思った
ウ:グレースと遊園地に行けば彼女が疲れてしまうと思った
エ:グレースとジェットコースターに乗れば、遊園地を楽しめると思った
*文法力が試される。
ア:『make O C』=OをCの状態にする
イ:「to see Grace’s smile」は直前の名詞the only personにかかる形容詞的用法。
 なぜ、自分が(to不定詞以下)のことをする唯一の人間だったのか。
ウ:「going to the amusement park with Grace」が彼女を疲れさせる。
エ:「riding a roller coaster with Grace」は彼女たちが遊園地を楽しむ助けになる
→「riding a roller coaster with Grace」によって遊園地を楽しめることができる。

③ウ 47.6%
ジョーンがタイガを水族館に連れてきたとき、〔  〕。
ア:タイガはオーストラリアに滞在した経験を彼に話した
イ:タイガはオーストラリアで自分のお気に入りの場所について彼と話した。
ウ:タイガは実は動物園でコアラを見たかったことを彼に話せなかった
エ:タイガはホストファミリーと海の動物を見るのが楽しくなかった
*タイガがでてくるのは第4段落。その後半の文。
「I enjoyed watching sea animals there, but actually, I wanted to see koalas in a zoo.」

(4)①イ 46.8%
歓迎会のとき、なぜグレースはナナミに刺身の寿司をおいしいと言ったのか?
ア:グレースが刺身の寿司を食べられるとナナミは知っていたから。
イ:生魚が好きではないとナナミに言うのが恥ずかしかったから。
ウ:日本にくる前、生魚についてナナミに聞かれたから。
エ:日本に来た最初の週をホストファミリーと一緒にいっぱい楽しんだから。
*第5段落。注釈のembarrassedが登場するところ。
感情の原因を表すto不定詞以下にembarrassedの理由が書かれている。

②エ 38.7%
ナナミとグレースはデパートで買ったもので何をしたかったか?
ア:彼女達はナナミの母にバッグを見せて、それを渡したかった

イ:彼女達は関係をより良くするために学校でコップとカバンを使いたかった。
ウ:彼女達はナナミがグレースを思い出しやすくするために、毎日家でコップを使いたかった。
エ:彼女達はカバンにお弁当箱を入れて、毎日学校に持って行きたかったから。
*『do with~』=~を扱う、処理する
デパートで買ったものを扱って何をしたかったのか≒
デパートで買ったもので何をかったのか?
最終段落。グレースの「another idea」の内容。
「I want to put my lunch box in a small bag and to bring it to shcool every day.」
『put A in B』=AをBに入れる

@2023年度・都立解説@
数学…平均57.6点 数学(分割後期) 社会…平均55.6点 理科…平均59.4点
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QUIZ…☆4以上はムズいよ!
noteも書いています(っ´ω`c)
入試問題を題材にした読み物や個人的なことを綴っていこうと思います。
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