問題PDF
ある平面上を点Pが次の〔規則1〕にしたがって移動することを考えます。
〔規則1〕
①点Pはまっすぐ3cm移動します。
②点Pは、それまで進んでいた方向から反時計回りに90度回転した方向に4cm移動します。
③点Pは、それまで進んでいた方向から反時計回りに〔 ア 〕度回転した方向に5cm移動します。
④点Pは、それまで進んでいた方向から反時計回りに〔 イ 〕度回転した方向に3cm移動します。
⑤以降、点Pは②~④の移動を繰り返します。
すると、点Pは図1のような直角三角形ABCを描きます。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)
〔 ア 〕+〔 イ 〕の値を答えなさい。
次に、同じ平面上を点Qが次の〔規則2〕にしたがって移動することを考えます。
ただし、〔規則2〕の〔ア〕〔イ〕と、〔規則1〕の〔ア〕〔イ〕にはそれぞれ同じ値が入るものとします。
〔規則2〕
①点Qはまっすぐ4cm移動します。
②点Qは、それまで進んでいた方向から反時計回りに90度回転した方向に3cm移動します。
③点Qは、それまで進んでいた方向から反時計回りに〔 ア 〕度回転した方向に5cm移動します。
④点Qは、それまで進んでいた方向から反時計回りに〔 イ 〕度回転した方向に4cm移動します。
⑤以降、点Qは②~④の移動を繰り返します。
ここで、点Qが①の移動をする前にいた点をA、移動した後に着く点をB、②の移動を1回した後に着く点をC1、2回した後に着く点をC2、・・・③の移動をした後に着く点をA1、2回した後に着く点をA2、・・・④の移動を1回した後に着く点をB1、2回した後に着く点をB2、・・・とすると、点Qは図2のような図形を描くことが分かります。
(2)
直線BC1と直線C2A2は点Dで交わります。BDの長さは何cmですか。
(3)
点C1と点A1を結ぶ直線上の点Eと、点C2と点A2を結ぶ直線上の点Fについて、
EFの長さとして考えられる値のうち、最も小さいものは何cmですか。
(4)
点Qが点Aを出発してから合計2021cm移動すると、点Qが描く図形によって、
平面は何個の部分に分かれますか。
たとえば、点Qが点Aを出発してから点B1まで移動すると、
平面は三角形の内側と外側の2個の部分に分かれます。
また、点Qが点Aを出発してから点A2まで移動すると、平面は5個の部分に分かれます。
@解説@
(1)
△ABCの内角より、●+×=90°
ア+イ=180×2-(●+×)=360-90=270°
(2)
アとイの角度を変えないということは、●と×の同じ角度。
ここから辺の比が3:4:5の直角三角形の相似が活用できる。
A1B1とA2C2の交点をEとする。
EB1=3×3/4=9/4cm
A1E=4-9/4=7/4cm
ABとA1C1、A2C2の交点をF、Gとする。
等しい同位角を頼りに、FA1//GE、FG//A1E
→四角形FA1EGは2組の対辺が平行な平行四辺形。
対辺が等しいからFG=7/4cm
C1B=3cm、△C1BFと△C2B1Eは1辺と両端角が等しく合同。
FB=9/4cm
GB=9/4-7/4=1/2cm
△GBDの内角も●-×-90°で辺の比が3:4:5だから、
BD=1/2×4/3=2/3cm
@別解@
A1C1=5cmを斜辺とする直角三角形より、A1E=3cm、C1E=4cm
EB1=4-3=1cm
これを上にスライドしてDF=1cm
△C2FDの辺の比3:4:5より、C2F=1×4/3=4/3cm
また、BE=C1E-C1B=4-3=1cm
DB=C2B1-C2F-BE=3-4/3-1=2/3cm
(3)
ようは直線A1C1と直線A2C2の距離を求めればいい。
GからA1C1に垂線をひき、交点をHとしたときのGHの長さを求める。
△GHFの内角も●-×-90°で辺の比が3:4:5。
GH=7/4×4/5=7/5cm
(4)
次のAまで点Qは4+3+5=12cm動くので、
2021÷12=168…5
A168+5cm分動く。
A1=2個
A2=5個
A3=8個…
初項2、公差3の等差数列。
A168=2+(168-1)×3=503個
余分の5cmでは新たに平面を分かつことができない。
したがって、503個。
@余談@
では、平面が504・505・506個分かれる瞬間は点Qがあと何cm動いたときか?
△C1EA1の辺の長さは、C1A1=5cm、A1E=3cm、C1E=4cm
EB1=4-3=1cm
これを上にスライドしてDF=1cm
△C2FDの辺の比より、C2D=1×5/3=5/3cm
DGは△DBGの辺の比から、1/2×5/3=5/6cm
BE=C1E-C1B=4-3=1cm
これを横にスライドしてGI=1cm
△GIHの辺の比から、GH=1×5/4=5/4cm
2021cmはA168+5cmだったので、B1C2上のBの右側に点Qがいる。
あとは足りない部分を足せばいい。
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