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生徒から1個ずつ集めたプレゼントを先生が生徒に分けることにしました。
次の空らんに当てはまる数を答えなさい。
(1)
A、B、Cの3人から集めたプレゼントを先生が分けます。
(ア)3人とも自分のプレゼントを受け取るとき、その分け方は1通りあります。
(イ)3人とも他の人のプレゼントを受け取るとき、その分け方は2通りあります。
(ウ)3人のうち1人だけが自分のプレゼントを受け取るとき、その分け方は(①)通りあります。
その後、遅れてDがプレゼントを持ってきました。
ここからDが3人のうち、誰か1人とプレゼントを交換することで4人とも他の人のプレゼントを受け取る分け方を考えます。
(ア)の場合は、誰と交換しても分けられません。
(イ)の場合は、A、B、Cの誰か1人と交換すれば、分けられます。
(ウ)の場合は、A、B、Cのうち、自分のプレゼントを受け取った人と交換すれば、分けられます。
以上のことから、4人とも他の人のプレゼントを受け取る方法は(②)通りあります。
(2)
4人の生徒のプレゼントを先生が分けるとき、
4人のうち1人だけが自分のプレゼントを受け取る分け方は(③)通りあります。
(3)
5人の生徒のプレゼントを先生が分けるとき、
5人とも他の人のプレセントを受け取る分け方は(④)通りあります。
@解説@
(1)①
1人だけが自分のプレゼントを受け取る。
〔A⇒A〕を固定すると、B⇒C、C⇒Bの1通りに決まる。
〔B⇒B〕〔C⇒C〕にも同様のことがいえる。
3通り
②
(イ)A~Cが他の人のプレゼントを受け取る場合は2通り。
Dは3人の誰かと交換すればよいので、3×2=6通り
(ウ)1人だけが自分のプレゼントを受け取る場合は前問の3通り。
Dは自分のプレゼントを持っている1人と交換する→1×3=3通り
合計で9通り。
(2)③
自分のプレゼントをもらう人をAで固定すると、
残りのB・C・Dの3人が他の人のプレゼントを受け取る場合は、(1)イから2通り。
自分のプレゼントをもらう人がB・C・Dの場合も同様で、2×4=8通り
(3)④
なぜ、問題文では(ア)先生がわざわざ前の持ち主と同じプレゼントを配りなおしたり、
(ウ)1人だけ自分のプレゼントを受け取る場合を考えて(2)で問いたのか?
一見無駄に見える場合分けというのは、次の問いの誘導になっているもの。
そこで、本問も同じように考えてみる。
◆(ア)A~Dの4人とも自分のプレゼントを受け取っている。
⇒1通り
Eが誰かと交換しても、5人とも他の人のプレゼントを受け取ることはできない。×
◆(イ)A~Dの4人とも他のプレゼントを受け取っている。
⇒(1)②より、9通り。
Eは4人のうち誰か1人と交換すれば分けられる。4×9=36通り
◆(ウ)A~Dの4人のうち、1人だけが自分のプレゼントを受け取っている。
⇒(2)より、8通り。
Eは自分のプレゼントを受け取った人と交換すれば分けられる。1×8=8通り
したがって、36+8=44通り
@@
本当にこれであってるのか?
AがBに送ったケースを樹形図で調べると・・
11通りある。
AがC・D・Eに送った場合も同様で、11×4=44通り!
@完全順列(攪乱順列)@
プレゼント交換や席順の問題のように、各要素が最初と同じ場所にならない順列のことを
数学の世界では完全順列(攪乱順列)といいます。
n個の完全順列の総数はモンモール数(Dn)というそうで、
D0=1
D1=0
D2=1
D3=2
D4=9
D5=44
D6=265
D7=1854
D8=14833…
高校数学で習う漸化式を使って、これらの数字の並びを一般化すると、
Dn=(n-1)(Dn-2+Dn-1)
*n番目のモンモール数は、n-1の値に2個前と1個前のモンモール数の和をかける。
D3=(3-1)×(1+0)=2
D6=(6-1)×(9+44)=265
D8=(8-1)×(265+1854)=14833
高校数学の美しい物語より。
このページによりますと、完全順列の総数を十分に大きくすると、
元の場所と位置が完全に変わっている確率は37%程度に落ち着くようです。
自分のプレゼントが当たる人が少なくとも1人でてくる確率は約63%。意外と大きな数値で驚きです。
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