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2011年度 千葉県公立高校入試【前期】数学解説

問題はコチラ→PDFファイル

大問1(計算)

(1)-12÷4
=-3

(2)4-3×(-2/3) ←累乗が先
=4-9×(-2/3) ←掛け算割り算が先
=4-(-6) ←符号ミス注意
=4+6
=10

(3)2(3x-4y)-5(x-2y)
=6x-8y-5x+10y ←符号ミス注意
=x-2y

(4)S=3(a+b)/2をaについて解きなさい。
→ a=~の形に置き換える。

両辺を2倍して右辺の分母を払う。
2S=3(a+b)

2S=3a+3b
aを左辺へ、a以外の要素を全て右辺へ移項
-3a=-2S+3b  ←両辺を÷(-3)
a=(-2S+3b)÷(-3)=2/3S-b
(右辺の÷(-3)は、-2Sだけでなく+3bについても割ります)

(5)(3-√7)
=(3-√7)(3-√7)
=9-2×3√7+7
=16-6√7

(6)
解の公式。
x=(-5±√25-8)/2=(-5±√17)/2

平方完成・・
このままでは左辺がうまく因数分解できない。
そこで、(x+○)=△の方式になるよう努める。
(x+5/2)-25/4+2=0

(x+5/2)-17/4=0
(x+5/2)=17/4

x+5/2=±√17/√4
x=-5/2±√17/2=(-5±√17)/2

大問2(小問集合)

(1)
一次方程式の一般式は、y=ax+b
xの値が1増加するときyの値が3増加 → 変化の割合(傾き)aは3
この時点でアイが消えます。
x=6のときy=12なので、xに6を代入。yの値が12になるのはウ。

(2)
平行線2本を描き、錯角を利用。

∠x=32+45=77°

(3)
立体図形の問題です。
回転体は、底面積が円になります。
本問では、下のようなコマみたいな形になります。


ゆがんでいますが、コマみたいな形になります。

上の円柱と下の三角錐にわけて考えます。

円柱は、底面が半径6cmの円で高さ1cm。
三角錐は、底面が半径4cmの円。
高さは、三平方の定理3:4:5から3cmであることがわかります。
よって、6×6×π×1+4×4×π×3÷3
=36π+16π
=52πcm3

(4)
確率ですから、(起こりうるパターン)/(全体のパターン)で答えがでます。

全体のパターンは箱A(3枚)→箱B(2枚)→箱A(残り2枚)ですから、3×2×2=12通り
起こりうるパターンは、場合分けをしながら分析していきます。
本問ではB箱から取り出す÷と-で場合わけし、値が1より大きくなる場合を探ります。

@÷を取り出した場合@
A箱から正の数と負の数を引き当てると必ず商に-が残ります。
また、(-1)÷(-3)=1/3となり、題意を満たしません。
よって、(-3、-1)しかありません。

@-を取り出した場合@
(2、-1) (2、-3) (-1、-3) の3通りです。

起こりうるパターンは全て4通り。
したがって、4/12=1/3  答え 1/3

(5)
aは放物線の式ですから、放物線上のいずれかの点座標がわかればよいです。
そこで点Pに注目!

点Pは、直線ℓとy=3/2x+5の交点ですから、
2本の直線の交点座標を求める方法が使えそうです。
つまり、直線ℓの式→直線ℓと、y=3/2x+5の交点座標P→a判明

直線ℓは、(0、10)(10、0)を通ります。
xの値が10増えるとyの値が10減るので変化の割合は-1、切片は10なので、
直線ℓの式は、y=-x+10

y=-x+10(直線ℓ)とy=3/2x+5の交点Pは・・
-x+10=3/2x+5
x=2(点Pのx座標は2)

直線ℓのxに2を代入
y=-2+10=8(点Pのy座標は8)
よって、点Pの座標は(2、8)

y=ax2 の式に戻ります。
xに2、yに8を代入。
8=4a
a=2    答え、a=2

(6)
恒例の作図問題。やや難です。
まず、辺ABを辺ACに向けて折ります。

本問では開かずにまた折るのですが、一度開けてみます。

上のような直線をコンパスで正確に描くには、どうすれば良いのでしょうか。
折り目と辺BCとの交点をDとし、折り返し後にBが移動した点をB’とおきます。
△AB’DはADを軸として△ABDを裏返してできた三角形ですから、(線対称)
△ABD ≡ △AB’D (合同)
合同な三角形は対応する角も等しいので、

∠BAD=∠B’AD
要するに、折り目である直線ADは、∠CABの二等分線です。
(角の二等分線の作図法は教科書参照)

もう一度、一回目の折り目からスタート。

ここから、点Aに向けて点Cを折り込みます。

(定規があるのは支え)

開くとこのような折り目が・・・

これも、先ほどと同様で、折り返した図形は合同であることを利用します。
2回目の折り目と辺BC上の交点をE、辺AC上の交点をFとします。

△AEF ≡ △CEF となるので、AF=CF
また、辺ACは一直線であり、∠AFE=∠CFEですから、
∠AFEは∠CFEともに90°

つまり、2回目の折り目EFは、辺ACの垂直二等分線ということがわかります。
(垂直二等分線の作図方法は教科書参照)

・・ここで、安心してはいけません。
2回目を折るときは紙を二重折りしているので、
折り目がADを軸に左側にも現れます。


ADを対称軸とし、対称となる図形は左右の辺や角度がそれぞれ対応しますから、
AE=AE’  ∠AEF=∠AE’F’=90°
コンパスでAEの長さをとって辺ABへ移し、その交点がE’です。

あとは、E’を通る辺ABとの垂線を描けば、3本目が完成します。
(垂線の作図方法も教科書参照)


大問3(文章題)

(1)
比の問題です。
比というのは、“比較の対象が違えば比べることができません”
言い換えれば、“異なる比は同じように扱うことができません”
本問でいえば、3:4と9:16は異なる比なので、そのまま計算してはならないのです。

わかりやすいようにアナログの比を○、デジタルの比を△で囲むことで、
違う比であることを視覚的に表してみます。

縦の長さは等しいので、○3=△9であることがわかります。
つまり、○の中の数字を3倍すれば、○を△に置き換えることでき、
同じ比に置き換えることができます。同じ比であれば比較が可能です

そこで、全てを△に統一します。

アナログとデジタルの面積比において、高さは共に△9で等しいので、
底面(横)の比がそのまま面積比となります。
長方形も三角形と同じで、高さを固定したら底面の長さの比が面積比になります。
アナログの面積:デジタルの面積=12:16=3:4
よって答えは、4/3倍

(*注意・・・最後に3/4と答えるミスがあります!
アナログの何倍がデジタルであるかなので、もととなるアナログが分母にきます。
仮に3/4だと、1より小さい数ですからデジタルの方が小さくなってしまいますが、

本問の図1と図2を比較してわかるようにデジタルの方が広そうですよね)

(2)
とりあえず、文章通りの手順で解いてみます。
横の長さを1とする条件がついています。
○4=1のとき、○3はいくつになるでしょうか?

左辺の○4を○3にするには3/4倍すればよいので、右辺も3/4倍。
1×3/4=3/4
①・・・3/4

長方形の面積は、縦×横なので、3/4×1=3/4
②・・・3/4

横の長さ△16がxなので、
縦の長さ△9は先ほどと同様に、
x×9/16= 9/16x
③・・・9/16x

同様に面積は、、
9/16x × x=9/16x2
④・・・9/16x2
まとめると、

両者のテレビの面積が等しいことから、
9/16x2=3/4
9x2=12
2=4/3
x=√4/√3=2/√3=2/3・√3
つまり、デジタルテレビの横の長さが2/3・√3
よって、デジタルテレビの横の長さは、アナログテレビの横の長さの
2/3・√3÷1=2/3 ・√3倍
⑤・・・2/3・√3

大問4(数量変化)

(1)
中学一年で習う比例式です。
原点から、(2,5) (4,10) (6,15)・・・と、xが2増えればyが5増えているので、
変化の割合は5/2
よって、 y=5/2x

(2)
問題文では「ある一箇所」と、水を入れ始めた場所が不明確なので、
ここから探りをいれます。
図4から、水入れ開始から0~2分間は、底面A上の水面の高さが0cmであることから、
底面A上から水を入れていないことがわかります。
残るは底面Aの右側か左側か、どちらから水を入れ始めたのでしょうか?

図2に戻り、12分で高さ30cm(=満水)に達していますから、
直方体全体の体積は、20×60×30=36000cm3
1分あたり給水される水の体積は、36000cm3÷12=3000(cm3/分)
1分間に3000cm3の水を入れていることがわかります。

ここで、仮に底面Aの右側から水を入れ始めると
右側の区切られた部分の体積は、20×10×15=3000cm3なので、
1分で水浸しになります
ということは、
1分後には底面A上に水が流れ込みますから、
図4(2分間は水面0cm)と整合性が合いませんよね。
よって、底面Aの左側から水を入れ始めたことがわかります

水が溜まる順番は、下の通り・・

*溜まる手順が5つあるということは、
折れ線グラフでは4ヶ所折れるところがあるということですね。

あとは1箇所ずつ計算です。
①・・20×30×25=15000cm3 15000cm3÷3000(cm3/分)=5分
→水入れ開始0~5分間は、底面A上に水がなく0cmを維持。
②・・20×20×15=6000cm3  6000cm3÷3000(cm3/分)=2分
→5分後に底面Aに水がなだれ込む。7分後にて②が満水。水面の高さは15cmに。
③・・20×10×15=3000cm3 3000cm3÷3000(cm3/分)=1分
→7分後にはAから右側に水がなだれ込みます。
8分後には満水に。この間、底面A上の水面の高さは変化しません。
④・・20×30×(25-15)=6000cm3 6000cm3÷3000(cm3/分)=2分
→底面積の拡大により、水面上昇率も緩やかに。開始10分後で25cmに達する。
⑤・・水槽を満水にするのに12分かかることは問題文から判明しているので、
グラフの線を(12,30)へ伸ばせばOK!
一応計算すると、20×60×(30-25)=6000cm3
6000cm3÷3000(cm3/分)=2分
12分後にMAX30cmに到達することが、計算により確認されました。
かなり大雑把ですが、解答としては下のような感じです。


大問5(平面図形)

(1)
証明の出だしの部分が記載されているので、とりあえず誘導に従います。

∠FDC=∠FEC=90°ならば
4点E、F、D、Cは直径をFCとする円の円周上にある。
まず、これは理解できますか?
試しに、点E、F、D、Cを円で囲ってみると、
円周角の問題であることが顕著に表れます。
円周角は中心角の半分ですので、円周角が90°ならば中心角は180°。
つまり、その弦は一直線となり、円の直径にあたります。

円周角定理の逆です。
典型的な円周角の問題は、あらかじめ円が描かれて、点が円周上にありますが、
三角形の1つの角度が90°であるとき、それと向かい合う辺を直径とする円を描いてみると、3点が同一円周上にきます(円周角が90°なのは、中心角が180°で一直線だから
これは円周角が中心角の半分である関係と同視でき、
各々の点は同一円周上にあることになります

P⇒Qが真でも、Q⇒P、すなわち 逆は必ずしも真とは限らないのですが、
円周角定理の逆は真なのです

円周角法理の逆は、”おのおの点が円周上にある”が結論になりますので、
最初はイメージがつかみにくいと思いますが、慣れておきましょう。
(ちなみに、同じ弧に対する円周角はどこも等しいという定理の逆も真で、結論は↑と同じ)

∠FDCと∠FECは直角で、その弦FCは一直線なので、
円周角が中心角の半分である関係と同視できます。
∠FDCと∠FECは、FCを直径とする円の円周上の角(=円周角)で、
点E,、F、D、Cは同一円周上にあることがわかります。
(*言い換えると、直角三角形で直角をなす頂点は、
常に斜辺を直径とする円の円周上にあるわけですね
)

∠FCEは弧FEに対する円周角ですから、円周角の定理から
同じ弧FEに対する円周角である∠FDEと同じ角度になります。
∠FCE=∠FDE
よって、aの答えは、イ。

bも、aと考え方は同様です。
試しに、直径をABとする円を描くと・・

∠ADB=∠AEB=90°ですから、直径をABとすると2つの角は円周角となり、
円周角が等しいということは、A、B、D、Eはこの円の円周上にあるということになります。
よって、bの答えは、A、B、D、E。

cです。
△GBE∽△FCAを証明したいので、”どの相似条件が使えるか“を先に考えます。
問題文からは辺の長さが一切与えられていませんし、二等辺三角形や正三角形も見当たりませんよね。ということは、全ての辺の長さがわからない以上は角度から攻めていくしかないということになります。つまり、2角が等しいことを示せば、相似であることを証明できます。

そして、これまでの流れから察するに円周角の定理を用います。
また、GEとBCの関係が平行であることから、錯覚や同位角も考えられますね
△GBEと△FCAの各々の角に注目しつつ、等しい角度に印をしていきましょう。

aより、点E、F、D、Cも同一円周上にあることから、
弧FEに着目して、∠FDE=∠FCE
bより点A、B、D、Eは同一円周上にあります。
弧AEに着目し、同じ弧に対する円周角は等しいことから、
∠ABE=∠ADE

求めたいのは△GBE∽△FCAなので、これらの三角形にあう角度に言い換えます。
∠ADEと∠FDEは同一の角ですから、
∠ABE=∠FCE
∠ABEと∠GBEも同一の角ですから、
∠GBE=∠FCE

GEとBCが平行であることから、錯角により、
∠GEB=∠DBE
bより点A、B、D、Eが同一円周上にあることから弧DEに着目し、
∠DBE=∠DAE
よって、∠GEB=∠DAE

∠DAEと∠FACは同一の角ですから、
∠GEB=∠FAC

以上より、△GBEと△FCAにおいて、対応する2角が等しいから、
△GBE∽△FCA

(2)
相似関係にある図形の面積比は辺の長さの比の2乗で求まります。
つまり辺の長さがわかれば答えがでます。

では、どの辺の長さを求めるべきでしょうか?
△GEBと△FCAにおいて、判明している辺の長さは、AC=5cmのみです。
ということは、辺ACに対応する辺BEの長さがわかれば面積比がでるかもしれません。
そこで辺BEの長さを求めます。

ポイントは、三平方の定理と方程式です。
辺BEは、直角三角形ABEとCBEの辺を構成していることに注目!

BEを求めたいのでBEをxとおきたいところですが、
それだと等式が作れないので、とりあえずAEをxcmとおきます
△ABEにおいて、三平方定理から、
BE2=72-x2=49-x2 ・・・
△CBEにおいて、同様に、
BE2=82-(5-x)2=64-(25-10x+x2)
=-x2+10x+39 ・・・

A、Bはともに左辺がBE2で等しいので、右辺の値も一緒。
49-x2=-x2+10x+39

10x=10
x=1
AEの長さは1cm。
△ABEにおいて、三平方定理から、
BE^2=72-12 =49-1=48
BE=±4√3
BE>0より(長さは負の数にならない)
BE=4√3

△AEBと△FCAにおいて、BE=4√3 AC=5ですから、
辺の長さの比が   4√3:5
よって面積比は 4√32:52 =48:25
答え、48:25

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