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2015年度 千葉県公立高校入試【後期】理科解説

平均62.4点
問題はコチラから→PDFファイル

大問1(電子)-48.5%

(1)ウ 49.6%
*一般的に気体は不導体で電流を流しにくく、自由電子がほとんどない。
そこで、ガラス管内の空気を抜いて(気圧を下げて放電を見やすくする。
(クルックス管を用いた真空放電)
図1のように、自由電子は-から+に移動することがわかる。

(2)P:ア Q:イ 38.0%
*陰極線のお話。自由電子は-の電気を帯びているので+に引き寄せられる
図4から電極Fは+であることがわかる。
電子の流れと電流の流れは逆。完答式。

(3)粒子:電子 説明:アイエ 82.0%・24.5%!
*自由電子でも正解。
電子は原子核の周りをグルグルと回っているもの。
自由電子は原子に束縛されず、自由に動き回れる電子

大問2(植物)-75.0%

(1)平行脈 82.1%
*笹みたいな単子葉類で見られる葉っぱ。トウモロコシは単子葉類

(2)維管束 65.8%
*微動ネジは両目ではなく、片目で調節するんですよ!(左右で視力が違うから
水や養分を運ぶとあるので、導管と師管の集まりである維管束が答え。
双子葉類の維管束は輪のように整列しているが、単子葉類はバラバラと雑然。
ちなみに、大きなコケが見当たらないのは、コケ植物には維管束がないので大きく育たないため。

(3)解答例:気孔から水蒸気として体外に排出される。 77.4%
*気孔は水分や光合成や呼吸で用いられる二酸化炭素、酸素の出入り口となる穴。
葉の裏側に多くある。「どのような状態か」を答えるので水蒸気が解答にないと減点。
このような作用を蒸散という。蒸散は体内温度の調整といわれており、蒸散量が多いほど大気汚染物質の吸収量も多いんだとか。

(4)P-ウ Q-エ 78.7%・71.0%
*アブラナは双子葉類。イチョウは裸子植物。イヌワラビはシダ植物。
植物の名前の暗記は大変だが、公立入試はほぼ王道がでてくるので得点ゲット。

大問3(酸とアルカリ)-74.9%

(1)m:H n:Cl 83.5%・82.9%
*完答式ではないので間違えると減点2倍。H+(水素イオン)とCl-(塩化物イオン)。
mは酸性のイオンなので、順不同にならず。

(2)x:ウ y:ア  0.2%!!!・55.3%
*x:中和の定義。酸とアルカリの性質を相殺しあう反応を中和という。
他の選択肢が正文らしく作られているので、迷った受験生は少なくないかもしれない。
y:4~6の間で酸性→中性→アルカリ性になった。
中性になるまで中和反応は続くのでアが正解。
中性になったあとは、塩酸がゼロで水酸化ナトリウム水溶液だけが増えていくから中和反応はない。
中和と中性の区別はできるようにしておこう。中性は性質、中和は反応。

(3)イ 62.6%
*はじめは塩酸と中和反応するので、中性になるまでは水酸化ナトリウム水溶液を加えてもアルカリ性を示す水酸化物イオン(OH)はゼロ。中性を超えると増えていく。

大問4(火成岩)-53.1%

(1)等粒状(組織) 80.4%
*深成岩は地中深くでじっくりと時間をかけて溶岩が冷えるので、
結晶は成長して大きくなる

(2)①石基 ②エ 65.7%・26.6%
*火山岩は地表付近で急激に冷えてできるので、結晶が成長しにくい。
①ワークにでてくると思うが、おそらく正答率は高くない。
大きな結晶の部分は斑晶
②火山岩は火成岩C、Dのような斑状組織になる。斑晶があるのでイではない。

(3)エ 39.6%
*受験生泣かせの火成岩の分類。等粒状組織から深成岩→イかエ
有色鉱物が比較的多いので斑れい岩となる。花こう岩の見た目は白っぽい
二酸化ケイ素の含有率によって区別されるが、詳しくは高校地学で習う。

大問5(遺伝)-71.3%

(1)子房 72.6%
*将来、果実になるところ。胚珠は種子となる。

(2)優性形質 73.9%
*「子に現れる形質」だから優性。劣性と凡ミスしない。
優性の【優】は、優秀ではなく優先の優
エンドウは、しわのある種子より丸い種子になりやすい。

(3)精細胞:イ 子の細胞:エ 53.8%・71.3%
*しわのある種子は劣性なのでa。精細胞だから遺伝子は減数分裂で1つ。
丸い種子(A)の純系と受粉するのでAaとミックスされる。

(4)ウ 84.9%
*親世代でAA×aaを交配→子世代で全てAa。
Aa×Aaを交配すると、AA、Aa、Aa、aaで丸:しわ=3:1となる。

大問6(天候)-67.9%

(1)エ 64.6%
*最もわかりずらい前線。
速度の速い寒冷前線(▲)が温暖前線(●)を追い越すと閉塞前線となる。
後ろから寒気が暖気を押し上げるので、寒気の谷に雲がたまり、
激しい雨を降らせやすい。

(2)①シベリア気団 ②ア  67.6%・69.8%
*冬の日本に大きな影響をもたらす気団。北側にあるので冷たく、大陸性ゆえ乾燥している。気団自体は乾燥しているが、対馬海流の影響で湿気を含みながら列島にぶつかるので、日本海側は大雪となる。一方で、太平洋側はフェーン現象で、おろし(からっ風)が吹く。

(3)a:y b:z c:x 60.8%・66.5%・77.8%
*思考型の問題なので処理がかかる。cが最もわかりやすい。
前線は温暖→寒冷の順番温暖前線と寒冷前線の間は暖気なので暖かい
a:朝、温暖前線の通過で暖かくなり、夜、寒冷前線の通過で冷えた。
昼は暖気に包まれ陽気。
b:今朝、雨が降ったので、図2から寒冷前線の後ろ側。
午後は晴れたので、前線から徐々に離れる。
風向きが変わったのは低気圧の移動。風向きは高気圧から低気圧に向かって吹く
厳密にはコリオリの力で右方向に傾き、反時計回りに吹く)明け方まで暖かかったのは寒冷前線通過前の暖気。
c:巻雲けんうん)は、高いところにできるスジ状の雲。
「雪」からx(札幌)とわかりやすい。
図2から図3にかけて等圧線の間隔が狭まるので、風が強くなったと思われる。

大問7(力のつりあい)-63.1%

(1)ア 86.7%
*力のつりあい。一直線上の反対方向で同じ大きさの力

(2)公式解答参照、4点―66.7% 1~3点―4.7% 無答―8.7%
2.0N 67.0%
*作図だが容易。平行四辺形の対角線を描く(基準線上にくる)。
バネが引く力は、f1とf2の合力。つまり、作図で描いた矢印。
1目盛り0.2Nで10目盛り分だから2.0Nとなる。
“2N”だと学校の採点基準にもよるが、バツされる可能性はある。
2.0Nも2Nも同じ値であるが、有効数字といって理系は数字の書き方に厳しい

(3)ウ 31.8%!
*3つの力のつりあい。やや難。

前問のように対角線を書く。
力のつりあいで、一直線上の反対方向で同じ長さの矢印ができる。
最もわかりやすいのは、左下の正方形から考える。
F=F2<F1とわかる。

大問8(気体の性質)-49.6%

(1)エ 83.8%
*基本。
二酸化炭素はやや溶けやすいが、水上置換でも大丈夫。

(2)(a)公式解答参照 4点―23.2%! 1~3点―11.0% 無答―6.5%
(b)イ 43.8%
*亜鉛0.3gに対し、塩酸2.0gずつ入れていくと、
水素の発生は30.0cm3ずつ増加。
水素の発生は最大で105.0cm3なので、2.0×105/30=7.0g。
つまり、塩酸7.0cm3を加えると水素が発生しない=亜鉛が全部なくなる
(30ずつ増えていくものが途中で90
→105と15しか増えなくなるということは6と8の真ん中で7)
グラフは原点から(7.105)まで右上がり、そこから横線。

(3)イ 48.1%
*前問から、亜鉛0.3gに対して塩酸7.0cm3、水素発生105.0cm3
亜鉛1.20g→全て4倍→塩酸28.0cm3、水素発生420.0cm3
加える塩酸は14.0cm3 で、亜鉛はいくらか余る状態。
塩酸28cm3で水素420cm3だから、
塩酸14cm3では420÷2=210cm 3
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