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2016年度 千葉県公立高校入試【後期】理科解説

平均点51.0点
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大問1(気体の性質)-64.8%

(1)解答例:三角フラスコやゴム管、ガラス管内にはじめからあった空気が、試験管Aに集まるから。
4点―40.3% 1~3点―2.9% 無答―19.7%
*気体を集めるとき、器具のなかにもともとあった空気が最初にでてくる。
試験管Aを最初に使用したので、もともとあった空気が集まる。

(2)①CO2  ②空気より重い性質 82.6%・71.3%
*①石灰水で白くにごる気体といえば二酸化炭素。化学式で書くこと!
酢と炭酸水素ナトリウムが反応して、二酸化炭素が発生する。
反応式を暗記するのではなく、石灰水との反応から考える。
②下方置換は、空気より重い性質をもつ気体を集める。上方置換は逆。
公式解答では「空気より密度が大きい」となっている。
下に沈むということは密度が大きいので、密度を記述した方が正確ではあるが、
教科書では空気より重いとの表現もあるので、これでも間違いにはならないと思われる。

(3)m:ア n:ウ 65.0%
*完全解答。基本
BTB溶液が黄色→酸性塩酸+石灰石→CO2発生

大問2(天気)-65.7%

(1)積乱雲 83.1%
*モコモコしたやつ。大気が不安定で、局地的な大雨・雷雨をもたらす。
台風は積乱雲が集まったもの。

(2)ウ 24.3%!
*台風は巨大な熱帯低気圧。中心の気圧が低くく、外側に向かうにつれて高くなる。
等圧線は1000hPaを基準に20hPaごとに太線、4hPaごとに線をひくが、これを知らなくても解ける。
15号の外側の太線と、16号の外側の太線の間には等圧線が2本しかない。
最低でも4本の等圧線が間にないと太線の気圧は変わらないので、
15号の外側の等圧線と、16号の外側の等圧線は同じだと推測 できる。
Pは15号の外側太線から1本外。
同じく、16号の外側太線から1本外にあるウが正答となる。
Pとエの等圧線は北側で途切れているが、つながっていないことになる。

(3)A:カ B:オ C:キ 69.3%・85.6%・66.2%
*気圧がさほど変わらないBは、台風との距離が最も離れているオ。台風は巨大な熱帯低気圧だが、
オは台風の経路から反れたので気圧もさほど変化しなかった。

A・Cは気圧の変化が似ているので、風向で見極める。
コリオリの力で北半球にある台風は反時計回りに渦を巻く。
図2で21時の点を中心に反時計回りに矢印の円を描くと、台風の右側にあるキが北方向を指す。一方で、カは南東方向を指す。実際は、 偏西風の影響から台風の右側の風速が強くなる

大問3(動物)-65.5%

無脊椎動物が出題
(1)ウ 77.9%
*外骨格といえば、カニやエビ、貝類は思いつきやすいが、ミジンコも外骨格をもつ
外骨格の外側に筋肉がついていると筋肉が剥き出しになるので内側が正解。(図1)

(2)エ 59.5%
*わかりやすいカードから判断。
y:体が頭部・胸部・腹部に分かれる→昆虫→バッタ。イかエ
w:内臓が外とう膜でおおわれている→アサリ→エ
x:多くの節に分かれている→ムカデも判断しやすいかな。

(3)①節足動物 ②ムカデ・・B、アサリ・・E 79.0%・38.3%・72.7%
*①甲殻類、昆虫類、クモ類、ムカデ類など。
②ムカデがBかCで迷うかもしれない。
甲殻類はエビ・カニ・ミジンコなど主に水中や水辺に生息する
ムカデは節足動物のムカデ類(多足類)。甲殻類・昆虫類にも含まれない。
アサリは外骨格をもつ軟体動物


大問4(運動)-30.3%

(1)31.5cm 35.7%
*1秒=50回打点、0.1秒=5回打点、0.3秒間なので3つ分。
a~dは0.3秒で9.45cm、これを秒速になおす。
9.45÷0.3=31.5cm

(2)①イ ②エ 42.5%・32.4%
*①おもりは自由落下による等加速度運動。おもりに引っ張られる台車も同様。
等加速度運動の速さは時間に比例する。縦軸が距離になるとエのようなy=ax2になる
②おもりが床に達したあとも、そのときに台車が保有する運動エネルギーをもって台車は運動するが、
台車に働いている力のうち運動の向きに働いている力Fは、おもりが引っ張らないのでゼロとなる。

(3)解答例:斜面によって台車の重力が分解され、
斜面と平行な分力が台車の運動方向と逆向きであるから。
4点―10.5%! 1~3点―3.7% 無答―11.0%
*イメージはしやすくても、書きにくいかもしれない。
速さが遅くなるということは、運動の向きと逆向きの力が働いている。
右に傾斜をつけることで上り坂を上っていくことからも、
感覚的に遅くなるだろうと予測はできる。
運動の向きと逆向きに働く力は、斜面によって台車の重力が分解された分力。
そのうち、斜面と平行な分力が運動の向きと逆方向にある。

大問5(天体)-53.7%

(1)衛星 72.9%
*惑星の周りを公転する天体。衛星国は大国の周りにある小国という意味(旧ソ連の東欧諸国)。

(2)①ウ ②イ 64.3%・72.9%
*①地球の自転は北極からみると反時計回り地球の公転も月の公転も同様
②月食は月-地球-太陽の順で一直線に並ぶ。月と太陽の方向が真逆、すなわち満月のとき。
日食は地球-月-太陽。新月のとき。

(3)エ 27.6%!
*図の通り、イの月は地球の影にスッポリ隠れてしまう。
日食であれば金環日食地球からみて太陽のなかに月がスッポリと入る)はあるが、金環月食はない。


soraeより。これは皆既日食時だが、地球の黒い部分が月の影。
地球の直径は12742km。月の直径は3474km。
地球が月の影に丸々おおわれることはない。

(4)ア 30.8%!
*月食は満月。満月から6日後なので下弦の月に近づく。これだけでアとわかる。
満月は午後6時頃、東の空から昇る。これを起点に考え、下弦の月は午前0時頃に昇る。

大問6(電磁誘導)-45.3%

(1)ア 77.0%
*磁力線N極からS極に向かう。地球は大きな磁石で、南極から北極に磁力線が向かう。
だから、南極がN極、北極がS極となる(よく間違われやすい )。

(2)ウ 53.2%
*N極は磁力線の向きを指す。磁力線の向きは右ネジの法則
GOODサインの状態で、親指を電流の向きにそろえて回転。
上からみると、Pは反時計回り、Qは時計回りになる。
したがって、磁力線は、Pの上は右から左、Qの下は右から左。

(3)イ・ウ・オ 12.3%!
*完全解答。3つ全て正解しなければならないので大変。
実験2では、左側でN極を近づけたら右に、右側でS極を遠ざけたら左に振れた。
【左+N+近→右】 /【右+S+遠→左】
どれか1つ違うと反対向き、2つ違うと同じ向き。
まずは、左側か右側で分け、極と遠近に気をつけて検流計の針を判定。
ア:極が違う。左    イ:極と遠近が違う。右  ウ:遠近が違う。右
エ:極と遠近が違う。左 オ:極が違う。右
どれか1個でも狂うと失敗するので、気がめいる…。

(4)解答例:同じ向きに大きく振れる。 38.7%
*方向と極は同じなので、向きは同じ。
傾きが大きいと磁石が速く通過する。すると磁界の変化が大きくなり電圧が大きくなる

大問7(酸化)-46.4%

(1)エ 75.4%
*Cu。電導性あり。銅線がある。

(2)a:2Cu+O2 →2CuO   58.0%
b:公式解答参照 4点―34.8% 1~3点―13.4% 無答―10.0%
*銅+酸素→酸化銅(酸化)。酸化銅-銅=酸素の質量
プロットして1本の直線をひく。原点を通る比例。

(3)23.73g 17.3%!
*おなじみの定比例の法則。
銅:酸素=0.2:0.05=④:① → 酸化銅は⑤
銅が2.5gなので、酸化銅は2.5×5/4=3.125g
ステンレス皿は20.6g。20.6+3.125=23.725g→23.73g

大問8(植物)-49.6%

(1)イ 6.8%!
*これひっかかる人、多いと思う(笑)
図1、真ん中にこじんまりしている部分が花びら(花弁)。
周りのビラビラが、がく(装飾花)。紛らわしい。

↑ガクアジサイ。これを品種改良してアジサイが生まれたそうだ。

(2)解答例:ヨウ素反応を見やすくする目的で葉を脱色させるため。 57.2%
*湯せんで温める。

(3)①イ  ②Q:ア R:イ 58.7%・75.8%
*①デンプンは粒子が大きくて運びにくいので、いったん水に溶けやすい糖に分解してから運ぶ。
人間もデンプンをアミラーゼで麦芽糖に、麦芽糖をマルターゼでブドウ糖に変えてから小腸で吸収する。
水分→導管栄養分→師管
②Qは光合成>呼吸、Rは呼吸のみ。
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