平均50.6点
各問の配点は4点なので、1問が大きな差になります。
基本を落とさず、思考力でどれほどとれるか。3-2、4-4、6-3が難所。
問題はコチラから→PDFファイル
大問1(小問集合)-54.6%
(1)イ 69.1%
*結晶が大きく育っているので深成岩。
(2)エ 52.9%
*力学の基礎だが、摩擦で失敗する人がいたかもしれない。
重力は物体の中央から鉛直方向。
垂直抗力は斜面が推す力なので、物体と接する底面の中央。
摩擦力も物体の底面全体にかかるので、底面の中央。
(3)ウ 41.0%
*主に小腸で栄養分は吸収されるので、栄養分が最も多く含まれる血管はC。
門脈とよばれる。
心臓に戻らず、いったん肝臓に栄養分が運ばれ、貯蔵や解毒が行われる。
肝臓でアンモニア(毒素)が解毒されるので、アンモニアが最も少ないのはBとなる。
NH3は尿素に変換され、腎臓→膀胱→尿となる。エと間違えた人は多いか?
(4)ア 24.7%!
*食塩36gしか溶けない状況で食塩45gを溶かすから飽和状態になる。
すなわち、水100gに食塩36g、食塩水136gの濃度を求めよということになる。
36÷136=0.26・・→26%
(5)ウ 63.5%
*スクリーンを焦点距離の2倍に置くので、こっちも同じように置く。
特にひっかけはなし。
(6)ア 76.5%
*速度の速いP波と遅いS波の到着時間差が初期微動継続時間なので、
震源との距離が短いとS波が速く到着するから、初期微動~も短くなる。
震源距離(km)は、初期微動継続時間(秒)×8でおよそ求められるといわれる。
地震の規模はマグニチュード(M)。
1増えるとエネルギーは32倍、2増えると1000倍。
大問2(小問集合2)-54.4%
問題文のストーリーが凝っている。
(1)エ 61.3%
*食物連鎖。どっちが喰われるかを想像すればわかる。
カビは分解者。分解者は有機物を無機物に分解する。
デンプンや酸素を生成するのは生産者(植物)。
(2)ウ 72.8%
*「ニホンアマガエルの鳴き声の方が高くて大きい」が重要事項。
高い→振動数(Hz)が多い、大きい→振幅は大きい。
(3)イ 44.9%
*24℃湿度80%で、水蒸気量は21.8×80/100=17.44g
18℃で飽和水蒸気量は15.4gなので、17.44-15.4=2.04gが水滴になる。
(4)ア 38.8%
*状態変化で体積は変化するが、質量は変わらない。
水の方が氷よりも密度が高いということは、同じ質量ならば水の方が体積は小さい。
これだけでアとわかる。
体積=質量÷密度なので、水の密度:氷の密度=1:0.92。質量を1とすれば、
水の体積:氷の体積=1÷1:1÷0.92=1:100/92=1:1と8/92となる。
大問3(天体)-38.8%
(1)イ 34.1%
*金星問題。
地味に登場する火星の存在に気づく。図1で火星より金星の方が高度が高い。
図3で地球と火星を線で結んだとき、アは線の右側にくる。
地球にいる観測者からすると、アだと火星の方が高くなるので×となる。
残るイ~エは月の満ち欠けと同じように判定していく。
左がやや欠けるのはイとなる。
■追記■
一部報道によると、ウも正解になるのではとの見解が浮上しています。
図2の満ち欠け具合ではイなのですが、
図1では金星が月と火星のちょうど真ん中らへんにおり、
図3で地球-月、地球-火星をむすぶと、その角の二等分線上に近いのはウなので、
こちらを基準とすると正解はウになるのでは?というもの。
確かに、その通り(^^;
今のところ、都教育委員会からの発表はないとのこと。
■追記の追記■
発表ありました。どうやら、都教育委員会の見解によると、
地球の左側(観測地点)をもとに惑星間の線をひけとのこと。
確かに、地球の左側から地球-月、地球-火星を結ぶと、金星は月と火星の真ん中にきます。
ただ、惑星の模式図では通常、惑星の中心を起点として線をひきます。
広大な宇宙では地球も金星もツブですからね。ツブから遠くにあるツブを考察する感じです。
模式図ではわかりにくいので便宜上、天体は大きな○で描かれていますが、
実際は○の左側でも中心点でも結果に差がでてこなくなります。
○の左側と中心で差が大きくでてしまうのはおかしいと専門家はご立腹の様子。
地球だけでも点にすればよかったですね(^^;
(2)エ 26.3%!
*条件整理力が問われる。
5月23日(図4・5)→120日後→7月22日(図6・7)→24日後
→8月14日(金星が東の空で見え始める)→29日後→9月11日
図3で、3月24日にイの位置にあった金星が、徐々に地球に近づく(宵の明星)
太陽-金星-地球と並ぶときは内合とよばれ、金星は見えなくなる。
内合後、金星は地球から遠ざかり、明けの明星に変わる。
8月14日の数日後から明けの明星で、左側が光る(図3に金星を書いて確認可)→ウエ
月は7月22日(三日月)から日数を計算すると、9月11日は52日後。
月はだいたい30日で周期を繰り返すので、52日ということは2周-8日分。
つまり、図7の三日月の8日前になりそうなものを選ぶ。三日月→新月→逆三日月→エ
天体望遠鏡で上下左右になったものを上下左右に記録したので、この条件は考慮しなくていい。
(3)ア 55.8%
*結果2を利用。
・「地球と金星と月のそれぞれの公転する面がほぼ一致」「公転する軌道は円に近い」
→わかりやすくいえば、太陽を中心に金星と地球は二重丸のように公転◎
地球からみれば、太陽の通り道と金星の通り道が一致する。→A○
月もだいたい同じ。天球上で太陽の通り道は黄道、月の通り道は白道という。
B:金星は内惑星なので、真夜中だと反対側にある金星を観測できない。月は満月で観測。×
C:金星は「0.62年で1回公転する」ので、1年で1回転する地球よりも多く回転する。×
D:自明の理。
大問4(遺伝)-44.8%
(1)エ 68.2%
*アサガオは被子植物、双子葉類→ウエ
受粉による生殖細胞が作られる→エ
(2)イ 53.2%
*情報を整理。自家受粉なので、同じ組み合わせでかけあわせる。
(1)並葉を自家受粉→並:丸=3:1
(2)丸葉を自家受粉→丸のみ
(1)から3:1は、Aa×Aa→AA:Aa:Aa:aaを想起。
並葉が多いので、並葉が優性、丸葉が劣性。
(2)は劣性の丸葉のみなので、aaとわかる。デオキシリボ核酸=DNA
(3)ア 35.1%
*前問をおさえておかないとドミノ式でわからなくなる。
(1)の並葉はAAかAa。丸葉aaとかけあわせると、並葉と丸葉ができた。
AAだと全て並葉になってしまうので、Aa×aaのかけあわせとなる。
Aa×aa→Aa:Aa:aa:aa。よって1:1。
(4)ウ 22.7%!
*世代を繰り返していくと、遺伝子や形質の割合はどのように変化するかを問うユニークな問題。
(1)の全ての個体は、AA:Aa:Aa:aa
これらを各々再度、自家受粉させる。
AA×AA→AAが4つ、Aa×Aa→AA、Aa×2、aa
Aa×Aa→同じ、aa×aa→aaが4つ
まとめると、AAが6つ、Aaが4つ、aaが6つ。
-検証-
遺伝子を検証。遺伝子Aと遺伝子aの比は変わらない。かけあわせると、
全ての遺伝子が受け継がれるので、片方の割合だけが増えていくことはない。
AA:Aa:Aa:aaならなA3個、a3個。
AAが6つ、Aaが4つ、aaが6つならば、A16個、a16個。割合は変わらず。→ウエ
形質を検証。AA:Aa:Aa:aa→並:丸=3:1
AAが6つ、Aaが4つ、aaが6つ→並:丸=10:6=5:3
もし、並葉と丸葉の個対比が3:1のままならば9:3となるところ、5:3に変化している。
劣性の丸葉は4枚に1枚だったが8枚に3枚と割合が増えている。→ウ。
並:葉→3:1→5:3→9:7・・
有性生殖の良いところは、形質の多様性から外部の環境が急激に変化しても生き残る固体があらわれやすい点。世代を繰り返すと優性:劣性の割合が1:1に近づくので、徐々に劣性遺伝子の形質が現れやすくなる。
大問5(イオン)-41.4%
(1)ウ 55.7%
*水の電気分解。(水酸化ナトリウム水溶液は電気を通しやすくするため)
2H2O→2H2+O2
AがBの2倍なので、A(陰極)が水素、B(陽極)が酸素。
水素の可燃性はマッチで確認。酸素の助燃性はお線香の火で観察。
(2)エ 45.0%
*結果2に情報がまとまっている。
H2SO4(硫酸)+Ba(OH)2(水酸化バリウム)→BaSO4(硫酸バリウム)+2H2O(水)
暗記がツライ人は、とりあえず物質名だけで反応式を覚えておこう。
塩(えん)は硫酸バリウム。硫酸バリウムは水に溶けにくく、白く沈殿する。
また、電解質ではないので電気を通さない。
(3)HCl+NaOH→NaCl+H2O 35.9%
*記述だけど超有名な反応式。
(4)ア 28.9%!
*水酸化ナト10cm3を加えて中性→水素イオンの数はゼロ→エではない。
塩酸と硫酸の濃度はわからないが、水酸化ナトを塩酸Aに20cm3、硫酸Cに10cm3を加えて、各々中性になったということは、CはAの半分の水素イオンの数であったと推測できる。
大問6(電気)-44.6%
(1)イ 58.1%
*思いっきり針を振らすと、繰り返せば壊れる。
Maxが500mAなので、100mAの手前になる。
(2)1:3 6.7%!!
*図1は直列、図2は並列。
簡素な回路図を書く。モーターを抵抗にする。
細々と計算。消費電力(P)=電流(I)×電圧(E)
■図1
直列は電流が一緒なので、電熱線の電圧は10Ω×0.1A=1V。
モーターは3V-1V=2V。よって、0.1A×2V=0.2W
■図2
並列は電圧が一緒なので、モーターに流れる電流は3V÷10Ω=0.3A
モーターは0.5A-0.3=0.2A。よって、0.2×3V=0.6W
したがって、図1P:図2P=0.2W:0.6W=1:3
(3)解答例:CoolからHotにするとき、風の強さを変えずに風の温度を上げるから
並列つなぎにする。 46.2%
*Coolはモーターのみ、Hotはモーター+電熱線に電流を流す。
つまり、Coolはモーターだけ、Hotは回路に電熱線が新たに登場する。
そして、モーターの強さは電圧で決まる。
乾電池2個を直列につなぐと豆電球が明るくなるのは電圧が高まるから。
並列にしても乾電池1個の場合と明るさが等しくなるのが電圧が同じになるから。
並列は電圧が同じくなるので、
電熱線を加えてもモーターにかかる電圧は同じままで、風の強さもほぼ変わらない。
(4)ウ 67.4%
*ドライヤーは熱と風を起こす家電。
家電なので源は電気エネルギー。熱は熱エネルギー、風は運動エネルギー。
力学的エネルギー=運動エネルギー+位置エネルギー
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