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次の文章を読み、〔 ア 〕~〔 オ 〕にあてはまる数をそれぞれ答えなさい。
A君は、〔図3〕のような2枚の長方形の紙を利用して、1から20までの和を求めたところ、1+2+3+・・・+20=〔 ア 〕となりました。
さらにA君は、1×1+2×2+3×3+・・・20×20を求める方法を先生から教わりました。先生は正三角形の紙に〔図4〕のように、上から1段目に1を1個、2段目に2を2個、3段目に3を3個、・・・、20段目に20個書きました。そうすると、正三角形の紙に書かれた数の和を求めればよいことになります。
次に先生は、〔図4〕の紙を3枚用意し、〔図5〕のように並べました。
1枚目、2枚目、3枚目の上から1段目に書かれた3つの整数の和は〔 イ 〕です。
また、1枚目、2枚目、3枚目の上から2段目の左に書かれた3つの整数の和は〔 ウ 〕です。
このことに注目すると、
1×1+2×2+3×3+・・・+20×20=〔 イ 〕×〔 エ 〕÷3=〔 オ 〕となります。
@解説@
高校数学で習う2乗和の公式。
アは1~20までの和。
(1+20)×20÷2=210
ア…210
誘導に従う。
1段目(一番上)の合計は、1+20+20=41になる。
イ…41
上から2段目の左に書かれた数字の和(一番上の左下)は、
2+19+20=41
ウ…41
3枚の正三角形を重ね合わせると、すべて41。
41の個数は1段目が1個、2段目が2個、3段目が3個…20段目が20個。
つまり、アで求めた1~20の和である210個の41がある。
エ…210
合計は正三角形3つを重複してカウントしているので、最後に÷3をする。
41×210÷3=2870
オ…2870
1段目に1が1個、2段目に2が2個、3段目に3が3個‥20段目に20が20個つづく正三角形の和は1×1+2×2+3×3+…+20×20の値になるが、1枚の正三角形では総和を求められないので、120°回転させた2枚の正三角形を別に作り、3枚を合わせると全ての数が同じになることを利用する。
@総和を求める公式@
1乗和の公式(1+2+・・・n)=n(n+1)/2
2乗和の公式(1×1+2×2・・・n×n)=n(n+1)(2n+1)/6
↑1乗和の公式を使い、本問の考えで計算するとこのようになる。
3乗和の公式(1×1×1+2×2×2+n×n×n)={n(n+1)/2}2
3乗和は1乗和の値を2回かけるだけで出せてしまう。
(ex.1~20までの3乗和の場合。1~20の1乗和が210だから、3乗和は210×210=44100)
3乗和でも幾何の発想で公式を導くことができます。詳しくはコチラ→ロボット・IT雑食日記
3乗和が1乗和の2乗。2乗なので正方形の面積で考える。
1×1×1が青の正方形。
2×2×2は2×2の正方形が2つあり、1つを半分にわけてくっつけると青+緑の正方形の面積になる。
3×3×3は3×3の正方形を3つくっつける(オレンジ)。
4×4×4は4×4の正方形が4つあり、1つを半分にわけてくっつける(赤)。
全体の正方形をみると、1辺が1の正方形、1+2の正方形、1+2+3の正方形、1+2+3+4の正方形…と広がっていくので、3乗和は1乗和の2乗となる。
江戸川取出で3乗和の問題が出題されています。
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